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    ROMA/ローマ

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    ローマ

    出典:IMDb

     

    「ROMA/ローマ」

    原題:Roma

    監督:アルフォンソ・キュアロン

    2018年 アメリカ=メキシコ映画 135分

    キャスト:ヤリッツァ・アパリシオ

         マリーナ・デ・ダビラ

         マルコ・グラフ

         ダニエラ・デメサ

     

    1970年代のメキシコシティのある中流家庭で、

    クレオはアデラと家政婦として働いている。子供たちの

    世話と家事に忙しい日々を送っていたが、アデラの恋人の

    友人フェルミンと関係を持ち、妊娠してしまうのだった。


    <お勧め星>☆☆☆☆ モノクロ映像と人の声も含め様々な

    音が交錯して、心に中にするりと入り込んできます。


    喪失の共有


    映画内でメキシコシティ五輪のポスターが映り、1971年

    の新年を祝うシーンや街で大規模なデモが繰り広げられて

    いるのを見て、当時の状況を調べてみました。

    軍事独裁政権が数多く生まれていたラテンアメリカの中で

    「メキシコの奇跡」と呼ばれた高度経済成長を遂げ、

    1968年には近代国家の象徴ともされるメキシコシティ五輪が

    開催されていたのです。しかし国内では経済格差が広がり、
    アメリカの自由に比べて制約が多いことから、学生、知識人の

    中から反政府運動機運が高まり、数々のデモが起きていました。
    五輪については、1964年が東京、1972年がミュンヘンと

    いう時代を考えると、かなり昔のように、いや本当に一昔前の

    ことなのかと思ってしまいます。

     

    ローマ
    出典:IMDb

     

    クレオとアデラが家政婦として働く医師アントニオの家は

    妻ソフィとその母、そして4人の子供が暮らしているのですが、

    この子供たちがとても騒々しいし、家の中の散らかり具合は

    半端ではありません。いつもどこかで喧嘩をし、泣き、大騒ぎを

    しているみたい。

     

    ローマ
    出典:IMDb

     

    冒頭にクレオと一番下の息子が「死んだふり」をする姿があり、

    この会話で一気に映画の中へ吸い込まれます。今度この手を

    使ってみよう。

    「できない。死んでるもん」
    そしてこの家の玄関通路はとても狭く、ギャラクシーという

    大型車はすりすり通れる幅なのです。そこを通る時、アントニオは、

    何度も切り返し、コツっと当たるとバックして入れ直します。

    一方のソフィはというと、ガー、バリバリ、ザザザーとダイナミック

    にこすりつけながら侵入するのです。2人の性格の違いが表れて

    いますね。
    そのアントニオは仕事でケベックへ行ったきり戻らず、クレオは

    フェルミンという男と関係を持ち、妊娠し、それを告げると、

    男は姿を消すのです。この時、男性の無責任さを露骨に見せつけ、

    それに「オヨヨ」
    と耐えるだけではいられない女性の姿を映し出します。

    子供にも会いに来ない、生活費も送らない男。

     

    ローマ
    出典:IMDb

     

    ローマ

    出典:IMDb

     

    2度と会いに来るなと言い放つ男。
    多くの困難に立ち向かい、それでも前に進んでいくのは、

    メキシコという国がこの後起こる苦難の時代も乗り越えて

    いったことを象徴しているのかもしれません。
    1971年の「コーパスクリスティの虐殺」も映画内に映し

    出され、無関係な市民が銃撃で命を落とす姿が見られます。

    そこで明らかに息をしていない男性を抱えて助けを求める

    女性の泣き声が虚しく長い時間聞こえるのです。
    そして悲しい出来事がクレオに起き、ソフィもすべて受け入れた時、

    その喪失感が二人の心を強く結びつけ、ひいては、本当の意味

    での家族として、これから生きていくのだと実感します。

    このシーンはやはり涙が出ました。彼女たちの気持ちが手に

    取るようにわかるのです。
    鳥の声、犬の鳴き声、水の流れる音、車のエンジン音、浜辺に

    寄せては返す波の音、パレードの音楽、それらと共に幾度と

    なく空を横切る飛行機が、これから切り開いていく人生の

    大きさを物語っているようにも思えます。
    監督は「ゼロ・グラヴィティ」(2013)の

    アルフォンソ・キュアロン。

     

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      • 2023.01.12 Thursday
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      コメント
      かなり深い映画で、あきらかにトランプ政権を批判していますね。
      この映画のどこにコンピューターが使われているのかわかりません。
      とにかくすごい映画でした。
      こんにちは!コメントありがとうございます。移民問題や格差社会、女性差別などいろいろ含みを持たせた内容でしたね。映画内でアメリカ人女性を「外人」と呼んでいたのは明らかに「皮肉」だなと感じました。できれば大きなスクリーンで見たいですね!
      • ミス・マープル
      • 2019/02/07 4:50 PM
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