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    有罪

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    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    有罪

    出典:IMDb

     

    「有罪」

    原題:Talvar

    監督:メーグナー・グルザール

    2015年 インド映画 133分

    キャスト:イルファン・カーン

         コンコナーセーン・シャルマー

         タッブー

     

    14歳のシュルティが自宅で惨殺遺体で見つかり、

    警察は使用人ケムパルを容疑者として捜し始める。

    しかしそのケムパルの遺体がその家の屋上で見つかった

    ことから、今度は父親ラメーシュが疑われるのだった。

    そして捜査はCDI(中央捜査局)の手に渡ると、

    クマール捜査官は全く違う人物を疑い始める..。


    <お勧め星>☆☆☆半 インド警察の杜撰な捜査方法だけ

    でなく、インド社会に渦巻く格差社会を見せつけられた

    気がします。


    正義の女神像


    2008年に実際に起きたノイダ殺人事件を基に作られた

    映画です。
    最近見たばかりのインド映画「尋問」(2015)では

    警察の体面を保つために、とりあえず犯人を作り上げ

    (それも拷問によって)それらは全て上層部の意向をくんだ

    ものであり、現場の警官はちっぽけなコマの1つでしかないと

    思わされました。同時に犯人に仕立て上げられた人々への差別、

    つまり今なお残るカースト制度を実感したものです。
    「有罪」はインド名はTalvar。「剣」を意味し、映画内で

    話される正義の女神像が持っているそれについて意味している

    らしい。

    インドの上位中産階級である医師タンダン家の一人娘シュルティが
    自宅の自室で頭を殴打され、首を切られて殺害された事件から

    話は始まります。

     

    有罪

    出典:IMDb

     

    当然のごとく所轄のビハール警部補は見るからに無能で、

    上司に弱く、部下に厳しいという最低のタイプです。また

    この役を演じている俳優さんの見てくれが、そのまますべてを

    表しているようで、途中でCDI捜査官に叱責されるとき、

    ものすごくいい気分になってしまいます。いけない、いけない。
    野次馬やマスコミの整理もせず、現場保存はおろか、証拠の保管も

    いい加減、そして鑑識すら呼ばないまま、使用人ケムパルを手配

    すると、彼はその家の屋上で腐乱遺体で発見されてしまいます。
    そうなると次は「名誉殺人」の線で捜査が進むのです。

    「名誉殺人」−家族や一族、地域社会が認めていない交際をした

    男女や婚前交渉、婚外交渉(強姦も含む)を行った女性を、名誉を

    守るために父親や親族が殺人を犯す風習は、今なお年間1000件

    程度起きていると言われています。つまりケムパルに襲われた?

    もしくはケムパルと交際していたシュルティを父親のラメーシュが

    2人とも殺害したのではないかというわけです。これに加えて、

    メディアは夫妻のスキャンダルを報道し、事実が何であるのか

    すっかりわからなくなるのです。この光景は日本でもよく

    見られるよな〜。

     

    有罪
    出典:IMDb

     

    そしてCDI(中央捜査局)が登場し、クマール捜査官の指揮で

    一から捜査をやり直すと、どうやらケムパルの友人たちが

    怪しいという結論になるのです。ここはなかなか鋭い推理です。

    このクマール捜査官役は

    「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(2012)

    「めぐり逢わせのお弁当」(2013)

    のイルファン・カーン。やはり「めぐり逢わせのお弁当」が

    ダントツ心に残りました。インドの弁当の姿(円柱型の入れ物を

    積み重ねたもの)を知り、その中に入れた手紙で、思いを少し

    ずつ伝えていく様子は胸がキュンとなります。あの後は

    どうなったんだろうという余韻も含めて大好きな映画です。
    さて、捜査に当たるクマールが理想的な姿なのかというと、

    実はそうでもないのです。もちろん証言や採取しなおした証拠

    から事件を追求していくものの、肝心の事情聴取の時には大好きな

    ゲームをしていたり、やや暴力的な取り調べ、催眠証法

    (これは証拠能力はないだろうなあ)で証言を取っていきます。

    さらに私生活では美しい妻との離婚話が進んでいるのです。

    理由は「一緒にいる理由がないから」そして容疑者として浮かび

    上がってくるのがケムパルの友人たちです。

     

    有罪
    出典:IMDb

     

    ところがCDI局長が変わると、捜査方針が一変し、新しい局長の

    見立てに合わせた証拠、証言集めが始まります。この辺りを

    見ていると、実は冤罪はこんな風に生まれるのかなというのを

    体感してしまいます。
    どちらの容疑者にも決定的な確証が存在しないのは、初動捜査の

    失敗や鑑識の杜撰さだけでなく、インド社会での身分の差を

    感じるのです。つまり世間は身分の低いものに罪を着せることへの

    嫌悪感を持っているのだということでしょうか。それは「差別」

    に基づくというメディアの批判を恐れる側面もあるかもしれません。

    さらにCDI内での出世欲まで絡んだら真相なんて見つかるはずも

    ない気がしてしまいます。
    一応犯人は逮捕されたけれど、迷宮入りに近い事件を様々な角度

    から描いた秀逸な映画だったと思います。
    「非合法的な合法行為」正義の天秤はどちらに傾いたのでしょうか。

     

     

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