グリーンブック

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JUGEMテーマ:洋画

 

グリーンブック

出典:IMDb

 

「グリーンブック」

原題:Green Book

監督:ピーター・ファレリー

2018年 アメリカ映画 130分

キャスト:ヴィゴ・モーテセン

     マハーシャラ・アリ

     リンダ・カーデリー

     ディミテル・ロ・マリノフ

     マイク・ハットン

 

イタリア系アメリカ人で粗野なトニーは、アフリカ系

アメリカ人で教養溢れるピアニスト、ドンのツアー運転手

として雇われる。ツアー先は人種差別が根強く残る南部の

諸州であり、行く先々でドンは不快な出来事に遭遇するの

だった。


<お勧め星>☆☆☆☆ いろいろな考え方があるけれど、

私は見終わって気分が明るくなれる映画でした。


相手を知るチャンス


まず始めに驚いたのが、ヴィゴ・モーテンセンの体型です。

「イースタン・プロミス」(2007)でサウナ内の全裸、

本当にぜ・ん・ら乱闘を見せてくれた時のあの精悍な身体は

どこにいったのでしょう。切れ味抜群の剃刀のような視線や

割れた腹筋はどこへ行ったのでしょうか。食べ物に目がなく、

ホットドッグ大食い競争で勝ったり、ケンタッキー・フライド

チキンを次から次へと口に放り込む違う意味での豪快な男かつ

ポッコリお腹に変わっています。これはもちろん役作りの

一つであり、14kg増量し、撮影中もずっと食べ続けていた

らしいです。ああ、よかった。ただの中年太りじゃなかったんだ。
全裸で思い出すのは「アメリカン・サイコ」(2000)

でのクリスチャン・ベールの全裸チェーンソーです。全裸で

チェーンソーを持って女性を追いかけるウルトラ怖い男を

演じていました。写真を保存しちゃっているかも..。彼も

役作りのために自由自在に体型を変える俳優であり、そういえば

髪の毛や歯も抜いていた映画もありました。
さてヴィゴが演じるイタリア系アメリカ人のトニーは、

ニューヨークのナイトクラブで用心棒として働く無教養だけれど、

口と腕力にたけた男です。ズルをしても結果的に勝てばいい的な

考え方でまじめにコツコツというタイプには全く縁遠い模様。

さらに最初のシーンからもわかるようにトニー自身は黒人に対し

差別意識を持っているので、そんな彼が黒人であるドンの下で

働くことなど受けるはずもないのです。

 

グリーンブック

出典:IMDb

 

ドクター=医者=白人と思っていたら、現れたのはカーネギー

ホールの2階の豪華な部屋に暮らす黒人のドンで、医者ではなく

名ピアニストだという。どうやらとっても有名なピアニスト

らしいし、ギャラも高額だけれど、おいら、ちょっとこの

仕事は受けられねえわ!

 

 

グリーンブック
出典:IMDb

 

とは言ったものの、家族を養うのにお金が必要なトニーは、

運転手兼ボディガードとしてドンと共に出発します。

その車はキャデラック・ドゥビルで色はブルーグリーンという

トルコ石のような美しいボディカラーなんです。こういう風に

ガソリンをダラダラ垂れ流しながら走る大きな車に一度乗って

みたいものです。
ドンを演じるのは「ムーンライト」(2016)の

マハーシャラ・アリ。大家族で狭い部屋に暮らし、いつもワイワイ

にぎやかに食事をしているトニーとは全く反対で、執事一人を

したがえ、豪華な調度品に囲まれていても、たった一人で

過ごしている孤独なドンの家族関係はほとんど語られません。

 

グリーンブック
出典:IMDb

 

こうして出発したツアーで、教養もあり才能にあふれ上品な

ドンという人が、トニーが抱いていた黒人像とは全く異なって

いることに、彼はなかなか気づかないんです。黒人が好きだと

自分で思い込んでいる歌や食べ物、行動を一方的に語り、

ケンタッキー州に行けば、フライドチキンをバケツで購入し、

食べながら運転します。ハンドルが脂でべたべたになろうが

お構いなしなです。これを初めて食べるドンが「衛生面で」

「この骨はどうすれば」などと語るのはクスリと笑えてしまう。

ドンはニューヨークなど大都会では有名であり、彼の演奏を

多くのお金持ちの白人たちが聴きに来ては大喝采を送るけれど、

それは彼の演奏にではなく、有名である彼の演奏を聴いたことが

ステータスなのだと思っていることにとっくに気づいているの

ですね。だから南部の州をツアー先に選んだのです。
トニーが黒人について知識が極めて浅かったのと同様に、ドンも

才能にあふれ上流の生活をしてきたために、黒人文化になじみが

全くなかったことがわかります。それはドンという人間のルーツは
どこにあるのかということにもつながるような気がしてしまう。

白人社会ではドンは「黒人」であり、黒人社会では「白人に

等しい黒人」なのではないかということです。

 

グリーンブック

出典:IMDb

 

終盤に車がオーバーヒートして止まってしまったときに、綿畑で

働く黒人労働者が、ドンを極めて奇妙な目で見ることに象徴されて

います。
黒人向けガイドブック「グリーンブック」

The Negro Motorist Green Bookを持ち、ジム・クロウ法が

まだ存在していた時代の南部で彼らが、いやドンがどのような

扱いを受けるのか、行く前からわかっているけれど、そこで彼と

トニーがどう対処していくかを見ていると、このツアーがお互いの

距離を縮め、そして深い友情を結ぶきっかけになったことは

間違いありません。
「暴力は敗北」とドンは言います。しかし耐え続けることだけで

先に進めるものではないとトニーが体をもって教えてくれたと

思っています。
白人視点による黒人描写にすぎないという意見も読みましたが、

こういう時代を知らなかった人がそれを知るきっかけになった

のならそれはそれでいいと思うのです。さらに俳優2人の演技も

素晴らしい。
何より、バーミンガムの安酒場の舞台でドンが弾くクラッシック

「木枯らしのエチュード」から始まり、その後のアドリブの

セッションは、そこにいた人々全員の心を一つにしていくのが

手に取るようにわかり、それがドンのピアノ演奏の力だと強く

感じました。

 

 

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