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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:洋画
出典:IMDb
「ボヘミアン・ラプソディ」
原題:Bohemian Rhapsody
監督:ブライアン・シンガー
2018年 アメリカ映画 134分
キャスト:ラミ・マレック
ルーシー・ポイントン
グウィリム・リー
ベン・ハーディ
ジョゼフ・マゼロ
1970年ロンドン。ペルシャ系移民のファルークは
「フレディ」と名乗り、ファンだったバンド「スマイル」
のヴォーカル兼ソングライターとなる。彼らは「クイーン」
と改名し、次々にヒット曲を世に送り出して行くのだったが..。
<お勧め星>☆☆☆☆☆ 文句なしの星5つです。
クイーンを知らなくても感動できる
映画を観る時、過去に存在した人物を描いたいわゆる伝記物の
場合、その人物をよく知っている人とほとんど知らない人と
では、その感想が全く異なることが多いです。
クイーンが活動していた時代に同時に青春を送った人たちに
とっては、その時々の思い出がつらつらと蘇り、頭の中の
奥の方に眠っていた当時の記憶が必ず引き出しを開けて出て
くると思う。なので感情移入できるのは当然と言えば当然
なのです。
では、わたしのようにクイーンというバンド名とたまたま
耳にする彼らの歌をほんの少しだけ知っている者にとって、
この映画はどうなんでしょう。
巷に流れる大絶賛の声に耳を塞いで、「わたしクイーンを
よく知らないです。だから見ないんです。」と胸の中で
つぶやき続けました。もうこの映画が「なかったこと」に
しようとさえ思っていたのです。しかし今回Amazonの配信で
見られると知り、やっぱり見ておこうかな、程度の気持ちで
鑑賞を開始しました。
出典:IMDb
1970年ロンドンで、フレディが自らの歌声を披露し、
「スマイル」に売り込むシーン、そして彼らが「クイーン」と
改名し、とんとん拍子で全世界ツアーを実施するところまで上り
詰めるのには、それほど時間はかからなかったのです。それだけ
フレディのハイトーンボイスの魅力と、歌作りの才能があったと
いうことでしょう。
出典:IMDb
映画ではフレディの「闇」が多く描かれ、家族、特に父親との確執や
メアリーと結婚したものの、実は彼自身が「ゲイ」であると自覚して
いく苦悩、さらにそれが招いた「孤独」と一気に流されていきます。
フレディのワンマンバンドと思いがちですが、そこにはロジャー、
ブライアン、ジョンの意見、不満、批判が存在したからこそ
「クイーン」は成り立ってきたわけで、中盤にフレディがソロ活動を
発表した途端、彼の生活は一変するのです。才能は枯れないけれど、
それを利用する人物も登場し、
「金で幸せは買えないが、与えることは出来る」
と自分に言い聞かせる日々を送るようになってしまいます。まさに
才能に恵まれた人物の転落の構図そのものです。フレディに慢心は
なかったか、誰かが強く意見できなかったのか。
家族、メアリー、メンバーとの微妙な関係に、心が痛くなります。
そしてメンバーと離れ、一人で創作活動をしているうちにエイズの
感染も判明します。フレディは音楽に対しては
「パフォーマーとして最高の天国を与える」
と信じ、純粋であるがゆえに、私生活において自分をコントロールする
ことが難しかったのかもしれません。
出典:IMDb
終盤21分間の「ライヴ・エイド」のシーンは、涙が止まりません。
このチャリティーイベントの目的を考え、そこで最高のパフォーマンス
を見せるフレディが涙でかすれてしまい、何度も鼻セレブで目を
拭きました。観客と一体化して音楽を奏でるクイーン。そしてその
歌詞がまた素晴らしいです。
これが全世界で放映されていて、その放送を見た人たちの募金で
アフリカの飢饉を救おうという考えも崇高です。音楽の力は、
人種や国境や民族や宗教などで作られている幾つもの壁を打ち破る
最強の力を持っているのではないかと体感します。体が震えるほどです。
出典:IMDb
ちなみにわたしはドラムのロジャーにハートを射抜かれました。映画内で
「女たらし」と言われていましたが、あの風貌なら仕方ないなと思って
しまいます。人間顔じゃないけどやっぱりイケメンには弱い。