特捜部Q カルテ番号64

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

特捜部Q

出典:IMDb

 

「特捜部Q カルテ番号64」

原題:Journal 64

監督:クリストファー・ボー

原作:ユッシ・エーズラ・オールスン

2018年 デンマーク=ドイツ映画 100分

キャスト:ニコライ・リー・カース

     ファレス・ファレス

     ヨハン・ルイズ・シュミット

     ソーレン・ビルマーク

     アンダース・ホブ

 

コペンハーゲンのあるアパートの隠し部屋から、

ミイラ化した3つの遺体が発見される。カールとア

サドは彼らの身元を調べるうちに、1960年代に

存在したスプロー島女子収容所での残酷な行為を知る

のだった。


<お勧め星>☆☆☆☆☆ 今年見た中でダントツ1位の

サスペンスです。様々な社会問題にも言及しています。


「寒い冬の説」


特捜部Qシリーズでは4作目の映画です。

「檻の中の女」(2013)「キジ殺し」(2014)

「Pからのメッセージ」(2016)そして今作

「カルテ番号64」のうち原作を読んでいるのは
最初の2つのみ。「檻の中の女」は映画化するにあたって

削り取られる部分が最小限で、ストーリーの本筋は原作と

ほぼ同じであり、大層楽しめましたが、「キジ殺し」は

人物像がかなり変わっており、大きな違和感を覚えました。

映画単体で見るとやはりどれもよくできていると思います。

ストーリーにモタつきがなく、主役のカールとアサドの

イメージが原作とピッタリなのは素晴らしい。
特にカール役のニコライ・リー・カースがいつも苦虫を

つぶしたような顔をしているのは小説そのままです。

 

特捜部Q
出典:IMDb

 

まず、1961年、従弟テーイと逢瀬を楽しむニーデが映り、

その後父に見つかり、そのままスプロー島へ収容されていく

シーンへと変わります。この状況は「マグダレンの祈り」

(2002)で描かれた、婚外交渉などカトリックの戒律に

違反した女性たちを洗濯所に収容し、修道女や神父からの

虐待行為を受け、ひたすら洗濯をする日々を送る(罪を洗い

流す意味らしい)女性たちの姿と重なります。

スプロー島収容所は「不適切な女性」と男性からみなされた者

たちが収容された施設であり、精神障がいや淫行などを理由に

強制的に隔離されていたのです。

 

特捜部Q
出典:IMDb

 

時は現在へと変わり、昇進異動を控えたアサドと相変わらず

他人に心を開かないカールが、コペンハーゲンのアパートの隠

し部屋から見つかったミイラ化した3人の殺人事件を捜査する

状況になります。

 

特捜部Q
出典:IMDb

 

この遺体は本ではどのように描写されていたのでしょうか。

女性2人と男性1人がテーブルの前に座り、お茶を飲んでいる

姿のまま紐で拘束されています。女性1人は生殖器が全て取り

除かれているという無残な状況なのです。
捜査開始早々に、この部屋の借主がわかり、持ち物から次々に

遺体の身元が分かっていきますが、その過程でスプロー島の

女子収容所が彼らすべての接点であることも明らかになります。

時折当時の映像に変わり、ニーデがどんな状況にあったのかが

少しずつ紐解かれていきます。

しかし借主は収容所の看護師ギデであり、3人を殺害する理由と

この遺体の姿の意味がなかなか分かりません。ここは何となく

予想できるけれど、「どうしてそんなことを?」にたどり着く時

には、それが今全く同じ状況になりつつある恐怖を感じるはずです。
一方アサドの知り合いの店の娘ヌールが中絶手術を受ける姿が映り、

あのような立派な病院で手術を受ける割にはコソコソ出かける

のはなぜか?ということも頭に置いておかないといけません。
さてスプロー島収容所に勤務していた何人もの医師が、収容者たち

から裁判を起こされているものの、何度起こしても却下されて

います。そのことから、「闇」を表に出したくない人々が病院、

司法、政府関係者にまで多く存在していることが理解できるのです。

その「闇」が違う形で進行していたとしたら...。
今回も派手なアクションや爆発シーンなどはほとんどありませんが、

途切れない緊張とスリルで、本当に瞬きするのも惜しいほどです。

銃を使うシーンも多くはないのに、どれも印象に残るものばかり。
ただバンバン、ドッカーンと行けばいいってもんじゃないんですよ。
今ヨーロッパに存在する移民排斥の大きなうねりへの警鐘を鳴らす

ような映画でした。いや鳴らしているんだと思う。
ラストの1カットはカールの人間性回復の証でしょうか。

とにかくすごく楽しめました。

 

 

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