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    女王陛下のお気に入り

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    JUGEMテーマ:洋画

     

    女王陛下のお気に入り

    出典:IMDb

     

    「女王陛下のお気に入り」

    原題:The Favourite

    監督:ヨルゴス・ランティモス

    2018年 アイルランド=イギリス=アメリカ映画 

    120分 PG12

    キャスト:オリビア・コールマン

         エマ・ストーン

         レイチェル・ワイズ

         ニコラス・ホルト

         ジョン・アルウィン

     

    18世紀初頭、フランスと戦争中だったイングランドで、

    アン女王は幼馴染で侯爵夫人のサラを側近に置き、彼女の

    アドバイスを受けながら様々な事柄を決定していた。

    そんな時サラの従妹で没落貴族の娘アビゲイルが女中と

    して宮廷に雇われ、次第にアン女王の歓心を買っていく...。


    <お勧め星>☆☆☆半 宮中で繰り広げられる水面下での

    醜い争いを笑いを加えながら描いています。人間の心の奥に

    潜む闇の部分がそこかしこで見られなかなか興味深いです。


    ニコラス・ホルトを見落とすな。


    監督はまさに鬼才というべきヨルゴス・ランティモス。

    「籠の中の乙女」(2009)では、狂気に満ちた

    ある家族の姿を、時の滑稽に時に恐怖を感じさせながら

    描いています。居心地がよく、両親からすると極めて安全な

    自宅とその数千倍いや数万倍広く、物がふんだんにある世界と

    どちらにいるのがこの子供(結構おとな)たちにとって

    幸せなのだろうかと考えこんでしまいます。そして彼らが

    その外の世界をいつ知るのだろうかなどとも思いながら、

    狂ったようにダンスをする二人の姉妹の姿にはかなり不快感を

    覚えるはずです。
    「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」

    (2011)は幸せな1組の家族が一人の少年の登場によって、

    少しずつ壊されていく姿を、不協和音と讃美歌のような歌を

    BGMに描いています。ここではマーティン役のバリー・コーガン

    の食べ方の汚さに必ず不快な思いを抱くはず。そして究極の

    選択を迫られたときに見せる人間の醜さを、大そう強く印象

    付けます。
    さらに「ロブスター」(2015)では、45日以内にパートナー

    を見つけなければ動物にされてしまうという、とてもおかしな

    世界をこれまたコメディタッチで描きつつ、「人間でいたい」

    という欲望のためにだけパートナーを探そうとする人間たちの

    浅ましい姿が見られます。ここでも人間の醜さを思いも

    よらない形で見せられるのです。
    そしてこの「女王陛下のお気に入り」の舞台は18世紀初頭の

    イングランドです。当時スペイン継承戦争でハプスブルク家

    (オーストリア)側についたイングランド王国は、フランス王国

    と戦争の真っ最中。とはいえアン女王の暮らす宮殿は贅を極め、

    「これ以上税金を上げたら民衆が蜂起する」と政治家が主張しても

    全くピンときません。

     

    女王陛下のお気に入り

    出典:IMDb

     

    この貴族であり政治家であるハーレー役は、なんとニコラス・ホルト
    なんです。見終わってから気づくなんて、バカバカバカ!!

     

    女王陛下のお気に入り

    出典:IMDb


    そして体調がすぐれない女王の傍にいつもいるのが、幼馴染で

    侯爵夫人のサラなのです。サラ役はレイチェル・ワイズ。そういえば

    「ロブスター」にも『近視の女』役で出ていました。彼女が大そう

    したたかで横暴な女性を演じていますが、それに対抗するのが

    「ラ・ラ・ランド」女優エマ・ストーン演じるアビゲイルです。

     

    女王陛下のお気に入り

    出典:IMDb

     

    かつては貴族だったのに父親のせいで没落し、賭け事に負けて

    ドイツ人に身を売られた悲惨な身の上で、何とかかつての

    レディの称号を取り戻したいと願っているらしい。
    中盤まではこの身の上を知っているのと傲慢なサラを見ている

    ため、どうしてもアビゲイルに肩入れしてしまいます。しかし

    サラの戦争への主張が、実は本当にイングランドのことを考えて

    いたのだと知るのは映画も終わりの頃でしょうか。逆にサラの

    望みがあまりに薄っぺらく浅ましく感じられてきます。彼女は

    女王の歓心を買い、ただ自分の地位を向上させたかっただけの

    人物なのです。
    しかしサラとアビゲイルの女王を巡る争いを、女王自身が楽しんで

    いるのも、彼女の深い孤独を感じるし、体だけでなく心も病んで

    いるのかなとも思ってしまいます。
    映画の撮影手法が大へん凝っていて、下から映すものや

    広角レンズを使うのは、宮廷内の歪な人間模様を反映させているの

    かもしれません。さらに全体的に映像が暗いのは、自然光だけで撮影

    したからとのことです。だから宮廷内で逆光の位置に立っている

    人物が暗く映り、え?どっちがどっち?と思うこともありました。
    17羽のウサギの意味するものは女王の口から出た言葉だけでなく、

    ラストシーンの状況を納得させるものになっています。

     

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