バハールの涙

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JUGEMテーマ:洋画

 

バハールの涙

出典:IMDb

 

「バハールの涙」

原題:Les files du soleil

監督:エバ・ユッソン

2018年 フランス=ベルギー=ジョージア

=スイス映画 111分

キャスト:ゴルシフテ・ファラハニ

     エマニュエル・ベルコ

     ズュベイデ・グルト

     マイア・シャモエビ

     エビン・アーマドグリ

 

クルド郡自治区の町で夫と息子と幸せに暮らしていた

バハールは、ISの襲撃を受け、夫を殺され、息子を

連れ去られたあげく、性奴隷として連れ去られてしまう。

ようやく逃走に成功したバハールは、クルド人女性武装

部隊のリーダーとなって息子奪還を目指すのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ 戦場における女性兵士の姿を

リアルに描いています。複雑な民族宗教の対立を知らなく

とも十分理解できる内容です。


真実の持つ影響力への無関心


この映画には二人の女性が登場します。一人は、イラクの

クルド人自治区に暮らしていたヤズディ教徒で弁護士の

バハール。彼女はフランスへの留学経験もあり、クルド語に

加えフランス語も堪能、かつ頭の切れる人間です。もう

一人はフランス人の戦場カメラマン、マチルド。

 

バハールの涙
出典:IMDb

 

バハールは2014年8月の深夜、突如村を襲撃したISの

戦闘員によって父、夫を殺害され、他の女性や子供と共に

彼らに連れ去られてしまうのです。その当時の回想が小出しに

映され、息子と離れ離れになり、性奴隷として何度も売買されて

いき、そしてある時逃走に成功して行くまでが映画の中盤辺り

まで現実の戦闘風景と共に描かれます。

バハールがなぜ「クルド人女性部隊」(太陽の女性たち)
のリーダーになったのかもそこからわかってくるのです。

 

バハールの涙
出典:IMDb

 

一方マチルドはアイパッチをしており、これについては彼女の

口からリビアのホムスで取材中、シリアのアサド政権軍による記者

の拠点砲撃で片目を失ったことが説明されます。彼女の夫はどこか

の戦場で殉職したらしい。そしてフランスにいる一人娘だけが

心の支えなのです。

それはバハールも同じで、ISに連れ去られ戦闘学校にいる息子を

救いたいためだけに闘っているのです。
戦争における女性への屈辱的な行為は「最愛の大地」(2011)

でアンジョリーナ・ジョリーがボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争

でのそれを描いていました。ただ過激な映像がただただヒステリックな
訴えのように感じられてしまい、恋愛模様も絡めたことで、かなり

ピンボケ映画になっていたと思います。
今映画では、ISの目的や戦闘員の姿、バハールたちが受けた暴力行為

などはほとんど映りません。映らなくても何があったかは容易に想像

できるのです。
かつて人々がにぎやかに行きかい、穏やかな生活が存在した町が、

がれきの山になった中で、自ら立ち上がった女性たちの姿が力強く

描かれます。何度見てもがれきの山は悲しすぎる。でも悲しんでいる
暇などないのです。
連合軍の空爆を待つ男性兵士の指示に異を唱え、仲間が倒れても

前進するバハールに対し、マチルダが掛ける言葉は
「真実が持つ影響力には世界は無関心。将来の夢や希望を欲し、

悲劇には目を背ける。しかしわたしは出会った人々が自分の力」
遠く離れた地域での紛争事に一切関心を持たず、また報道もされず、

何も知らないまま近隣諸国のことばかりに目を向け続けることは

あまりに愚かだと思う。それがいつ自分たちに降りかかるかも
わからないという現実を常に感じとって敏感に生きていきたいものです。
バハール率いる「太陽の女性たち」の歌が胸に突き刺さったままラストを

迎えました。バハール役のゴルシフテ・ファラハニが砂まみれに

なっても崇高なほど美しく、それも印象的です。

 

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