ビリー・リンの永遠の一日

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JUGEMテーマ:洋画

 

ビリー・リーン

出典:IMDb

 

「ビリー・リンの永遠の一日」

原題:Bily Lynn's Long Halftime Walk

監督:アン・リー

2016年 アメリカ映画 113分

キャスト:ジョー・アルウィン

     クリステン・スチュワート

     クリス・タッカー

     ギャレット・ヘドランド

     ビン・ディーゼル

 

イラク戦争で負傷した上官を援護し、敵を倒した

リン特技兵は、一躍英雄となり、彼の部隊は全米で

熱狂的な歓迎を受ける。しかしリンは戦争で負った

心の傷が癒えず次の出征を姉に止められているのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ リンの頬に伝わる涙の意味は、

悲しみなのか絶望なのか恐怖なのかと深く考えてしまい

ます。


故郷ではクズ、戦地では英雄


監督は「ブロークバック・マウンテン」(2005)

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流」(2012)の

アン・リー。
「ブロークバック・マウンテン」はアメリカ中西部を舞台に

したカウ・ボーイ同士のラブ・ストーリーで、とにかく印象

に残っているのが、季節労働者として過酷な作業にあたる

2人の男の姿でした。そこでまさかのラブストーリーが

繰り広げられるとは思わなかったのですが、切なくて、

どうすることもできない胸の内を、大自然と共に描いています。
一方の「ライ・オブ・パイ」はアカデミー賞監督賞を獲得した

大作です。でも今でもやっぱり監督賞も「アルゴ」だったよ、

とずっと心の中で思っている映画です。

題名通り、トラとずっと大海原を漂流する話が描かれ、へえ、

すごい冒険だったんだ、と思うと、ラスト2,3分で

「こんな風にも考えられるよ」

と語られる。さてどちらが真実でしょうか。いや真実なんて

最初から分かっていたのにと思ってしまいます。どこまでも

続く大海と夜に広がる満天の星の美しさ、そして嵐のシーンの

迫力、さらに86%がCGであるトラが全て本物に見えてしまう

ほどの見事な映像でした。
そしてこの映画はイラク戦争中、負傷した上官をただ一人で

助けようとした19歳のビリー・リンを描いています。

イラク戦争はそもそも存在しなかった大量破壊兵器を大義にし、

アルカイダともつながっていると判断したアメリカが始めた

戦争であり、その戦後処理から大きな混乱を招いています。

その戦争には大きな利権が渦巻いていると映画内で語るテキサス

の業者が映りました。
さらにフセインを倒し、民衆を独裁政権から救い、かつ学校を

作り道路を整備した有志連合に対し、イラク国民が感謝しているか

というと全く逆であり、平穏な生活を破壊され、家族を亡くした

憎しみが増すばかりなのです。有志連合側も、民間人の中に

かつての政府軍が隠れていることを疑い、疑惑を持つとすぐに

連行していく。連行されたら戻ってこないと泣いているイラク人母

の姿やその子供の憎しみに満ちた目も映ります。

まさに憎しみの連鎖を招いているのです。
それに気づいているのでしょうか、気づいていないふりをしている

のでしょうか。

 

ビリー・リン
出典:IMDb

 

そしてイラクでのリンの行動が、戦争への関心が薄れている国内に

向けての格好の材料として使われるのです。たった一人で銃撃

された上官を助けに向かい、そして向かってきた敵を倒したリンの

いた第2部隊は、「ブラボー隊」と呼ばれ、全米を回ることになる

のです。今回は次の出征前の日、アメフトのハーフタイムショーに

出演します。リンをはじめとして兵士はいずれも若く、生活のために
入隊した者がほとんどであり、「入隊ボーナス」「保険付き」が

いかに魅力的なのかを知ると、前日に集まった金持ちたちとの格差の

大きさに驚いてしまう。かたやへっぽこチームのスタジアムの年間

シートを買う権利を購入したり、彼らをハマーのリムジンで迎えに

来ることさえおちゃのこさいさいなのです。

そんなこと今頃知ったのかって感じか。
そしてリンにとって「英雄になった日」は彼個人としては

「人生最悪の一日」であり、それを何度もインタビューされるたびに、

その光景がフラッシュバックします。終盤、その時に起きたことが

全て映りますが、「人を殺す」ことが「戦争」であったとしても、

彼の行為は特別に胸に刻まれたもので、それを何度も思い出させる

のは拷問に近いと思う。

 

ビリー・リン
出典:IMDb

 

「戦争は地球の裏側のこと」と語るチアガールのフェイゾンの

言葉はそのままスタジアムで熱狂する人々と同じなのでしょう。

彼らにとって「戦争」はまさに「ハーフタイムショー」の1つに

すぎないのだと感じると愕然とします。そしてアメリカ国歌斉唱

の時にリンが流した涙は、何に対してのものだったのかを考える

とこの映画の深さを実感するのです。

 

ビリー・リン
出典:IMDb

 

リンの上官ブリーム軍曹役が「ワイルドスピード」シリーズの

ヴィン・ディーゼルでした。一目でわかる風貌と特徴のある声です。

 

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