とうもろこしの島

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JUGEMテーマ:洋画

 

とうもろこしの島

出典:IMDb

 

「とうもろこしの島」

原題:Corn Island/Simindis Kundzuli

監督:ギオルギ・オヴァシヴィリ

2016年 グリジア=チェコ=フランス=ドイツ

=カザフスタン=ハンガリー映画 101分

キャスト:イリアス・サルマン

     マリアム・プトゥリシュピリ

     イラクリ・サムシア

 

エングリ川の中州に一人の老人が小屋を建て孫娘と

一緒に例年のようにトウモロコシ栽培を始める。しかし

岸ではジョージア軍とアブハジア軍が戦闘を続けており、

ある晩、傷ついたジョージア軍兵士が流れつくのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ 戦闘と一切無関係の老人と少女の

姿が淡々と描かれていますが、なぜか心に残る映画です。


誰の敵、誰の土地


今作も「みかんの丘」同様にジョージア(旧グルジア)と

アブハジアの紛争中の時期で、二つの勢力に分かれる境界線

となっているエングリ川の中州でトウモロコシ栽培をする

老人とその孫娘の姿を描いています。
冒頭の説明の字幕は何度も見直しました。

「この川は春の雪解けとともにコーカサスから肥沃な土を運び、

中州を作る。地元の農民は、その中洲で春から秋にかけて

とうもろこしを育てている。彼らは来るべき過酷な冬に向けて

食糧を確保するのだ」

つまり定住するのではなく、雪解けの時期に中州ができたとき

だけ、そこで生活をし農業を営むのです。それはアブハジアに

住む人々が全員同じというわけではなく、多くの民族から形成

されている国であり、それぞれが固有の風習、生活習慣を持ち

続けているということなのです。
川の水の流れ、鳥がさえずる声、風が吹いていく音、草むらから

聞こえる虫の音に耳を澄ませるほど静かな場所で、一人の老人が

舟を漕いで中州に渡り、少しずつ何かを建て始めます。

 

とうもろこしの島

出典:IMDb

 

そのうちに孫娘らしい少女も加わり、彼女が老いた祖父を

さりげなく手伝うという優しい姿を目にすると、この映画が

急に暖かく感じられ始めるのです。
しかし突然響き渡るモーターボートの音の先に目を向けると、

そこには軍服姿の兵士(ジョージア兵)が銃を構えて乗り込んで

おり、この中州を挟んで両岸でジョージア軍とアブハジア軍が

戦闘を行っているのだと知ります。
「中州は耕すものの土地」
祖父の言葉通り、彼らは老人たちを攻撃することはありません。

例年のようにトウモロコシを撒き、育て、小屋でその収穫を

待つ、という行動をするだけなのです。

 

とうもろこしの島

出典:IMDb

 

とはいえ戦闘は、傷ついた一人の兵士を助けるという

「いつもとは違う」

出来事を引き起こします。
一方、孫娘は、恥じらいを覚え、祖父の見えない場所で着替え

たり、真夜中に水浴びしたり、膨らみかけた胸をのぞいて

みたりするのです。恥じらいだけではなく、今まで祖父しか

できなかった川魚をさばく行為もできるようになります。それが

「成長」だとしたら、祖父は「老い」を実感しつつ同時に「喜び」

も感じていたはずです。ところが孫娘は傷ついた兵士が回復して

くると、彼に好意を持ってしまうのです。高いトウモロコシの

木の間をじゃれ合うかのような姿は、何と言っていいのか、

少女にとっての初めての気持ちを抱いた時と言ったらいいので

しょうか。

言葉すら通じない相手なのに。
トウモロコシが収穫の時期を迎えようとしている時、ジョージア軍

兵士が彼を捜すためにこの島に上陸した時には、すでに彼はおらず、

トウモロコシを刈る孫娘はその葉で手を切り、涙をこぼします。
この涙の理由は、手が切れて出血したことへの痛みだけじゃない

んだよね。

 

とうもろこしの島
出典:IMDb

 

幻想的な川上の景色と、中州に忽然と姿を現したかのような小屋と

トウモロコシ畑は、まるでおとぎ話の中に出てくる映像のように

思えます。そしてこの中州はこれからも多くの人々によって耕されて
いくのだと感じています。

 

 

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