ガンジスに還る

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JUGEMテーマ:洋画

 

ガンジスに還る

出典:IMDb

 

「ガンジスに還る」

原題:Multi Bhawan/Hotel Salvation

監督:シュバシシュ・プティヤニ

2016年 インド映画 99分

キャスト:アデイル・フセイン

     ギータンジャリ・クルカルニー

     パロミ・ゴーシュ

 

高齢のダヤは自らの死期を夢で悟り、息子ラジーヴを

伴い、バラナシへ向かう。「解脱の家」に滞在することに

した二人のうち、ダヤは他の仲間とゆったりと過ごすが、

仕事に追われるラジーヴは焦りが募るばかりで...。


<お勧め星>☆☆☆☆ 題名通りゆったりとした気分で

見られる映画です。


いつでも心に従え


主役のダヤの息子ラジーヴ役は

「マダム・イン・ニューヨーク」(2012)でヒロインの

夫役を演じたアデル・フセイン。

「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」(2014)では

主役の上司役、
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(2012)

ではパイの父親役を演じていました。といってもほとんど

覚えておらず、この映画を見て「どこかで見たインド人俳優だな」

程度の印象です。
今は亡き母親が名前を呼ぶ幼い頃の自分の姿の夢を見て、死期を

悟ったダヤは、周囲の制止も聞かずバラナシを目指します。

 

ガンジスに還る

出典:IMDb

 

バラナシはヒンドゥー教及び仏教の聖地で、ヒンドゥー教に

おいては、輪廻転生のたびに受ける苦しみを解き放つ場所、つまり

「解脱の地」と呼ばれています。

 

ガンジスに還る

出典:IMDb


色鮮やかなボートや建物が並ぶ川岸はあふれるばかりの人々で

ごった返し、そこで沐浴する者、瞑想する者、祈りを

ささげる祭りを楽しむ者、といった生を感じさせる姿の中で、

火葬場で焼かれる解脱を遂げた人の煙が立ち込めているのです。

まさに生と死の境界点であるかのようです。

 

ガンジスに還る
出典:IMDb

 

最大15日しか滞在できない「解脱の家」でなんと18年滞在

する女性と出会ったり、そこでも仕事の電話に追われるラジーヴ

の姿や、夜になると「お化け」を恐れる彼の姿がてても滑稽に

描かれています。
そしてある晩発熱し、「いよいよか」とダヤとラジーヴは考えると、

今まで互いに話せなかったことがスルスル話せるんですね。

教師だったダヤのせいで自分の子供時代は不遇だった、また

ダヤはダヤでラジーヴの好きだった作文(詩)を自由に書かせて

あげられなかった...。お迎えが近いと心を解き放って素直に

なれるのでしょうね。
しかし翌朝ダヤはちゃんと息をしているし、「空飛ぶ円盤」と

いうテレビ映画を見て笑っています。この時のラジーヴの気持ちは

「覚悟」が木っ端みじんになった反動とついでに18年滞在の

ヴィムラと仲良くしている父親に嫉妬してイライラMaxだったと

思います。いつかは起こる「死」というものを実感したものの、

それが「いつ来るか」を待つ時間が長ければ長いほど、寄り添う

気持ちが希釈されていくかもしれませんね。
かつて勤務していた老人施設では、入所者はそこか提携した病院で

最期を迎えるのが常でしたが、施設で最期を迎えようとしている時、

連絡した家族が誰も来ないことがあって、その理由を尋ねたら
「ああ、あの人何回も家族を呼ばれてるからねえ」と先輩に

言われたことがありました。結局そのまま亡くなったので看取った

のは看護師と介護士のみという状況。最期は家で過ごしたいと

思っていたのではないかと今でも思い出すことがあります。重い

認知症で家で過ごすことは難しかったし、もしも家族であった

ならば、やはり同じような行動を取ったかもしれないとも考えて

しまいます。

 

ガンジスに還る
出典:IMDb

 

ただこの映画内ではダヤにとって「死」というものが少しずつ

身近に感じられるようになり、「死」を迎えることが少しも

怖くないし、かえって穏やかな気持ちになっていくのがわかる

のです。

さらにラジーヴの娘スニタをダヤはとても可愛がっており、

スクーターに乗ることを教えたり、実は決まっている結婚に乗り気

でないことも知っています。その事実をダヤの口からラジーヴに

伝えるのですよ。

結婚の中止など「恥」だと怒るラジーヴとテレビ電話で話す妻ラタと

スニタの電波の状況が悪くて、うまく伝わらないところもまたおかしい。
「そろそろ死にたくなった」

という父に

「生まれ変わったら何になりたい?」

と息子が尋ねると父は人間ではなく「ライオン」「カンガルー」と

ふざけながら答えます。しかし最後の最後に

「象のように逝きたい」

とラジーヴを家に帰して一人きりになるのです。見ている側も心の

区切りがつくあたりです。ガンジスに還るーその邦題がピッタリの

映画でした。

 

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