ブラック・クランズマン

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ブラック・クランズマン

出典:IMDb

 

「ブラック・クランズマン」

原題:BlacKkKlansman

監督:スパイク・リー

2018年 アメリカ映画 135分

キャスト:ジョン・デヴィッド・ワシントン

     アダム・ドライバー

     トファー・グレイス

 

1970年代半ばのコロラドスプリングス。新人

警官で黒人のロンは、潜入捜査を希望し、やっと

任されたのがKKK(白人至上主義団体)への捜査で、

そのために白人警官フリップと相棒を組むことに
なるのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ アメリカにおける差別の本質を

見事に突いていると思う映画です。


憎しみに居場所はない


カンヌ国際映画祭ではグランプリを獲得したものの、

アカデミー賞では脚色賞のみ受賞という作品です。

同年の作品賞は「グリーンブック」だっただけに素人の

私でさえもアカデミー賞選考委員の好みを実感してしまい

ました。
19世紀半ば南北戦争後のテネシー州で白人退役軍人が

結成したとされるKKKは、南部のプアホワイト層から

支持を集め、1869年に一旦解散を命じられたものの、

1915年白人伝道師ウィリアム・J・シモンズによって

ジョージア州アトランタで復活します。映画内でKKKの

メンバーがセリフを覚えるほど見尽くしている

「國民の創生」(1915)は同時期公開の作品であり、

それが復活のきっかけになったと話しているのです。また

「風と共に去りぬ」(1939)も会話に出てきます。

はるか昔に見たきりなので、南部の貴族のお嬢様の恋物語が

壮大なスケールで描かれていたとしか印象に残っていません。
今作は、白人プロテスタント至上主義団体KKKに潜入する

黒人警官という実話ベースで描かれています。もちろん本物の

黒人が潜入できるはずはなく、電話越しの会話は黒人ロン、

実際に潜入するのは白人のフリップという構成なのです。

 

ブラック・クランズマン
出典:IMDb

 

ロンは身分を偽り、黒人活動家に接近し、フリップは名前と

ユダヤ人であることを偽り、KKKに潜入する。後者は特に

反ユダヤ思想のフェリックスという男の存在でしばしば危険な

状況に陥るのですが、何とか切り抜けます。

 

ブラック・クランズマン

出典:IMDb

 

そこにはスリルだけでなく、笑いもあって、かなり重いテーマを

見ているのにそれほど胸にずしんと来るわけではありません。

「フルートベール駅で」(2013)や「デトロイト」(2017)
は直球で描かれていて見ていてとても辛かった。それに比べると

かなりライトな描かれ方で、KKKが少し間抜けに見えるシーンも

見られます。実際はこんなに生易しい団体ではないだろうな。

 

ブラック・クランズマン
出典:IMDb

 

また1970年代当時の虐げられる黒人の姿も入り込みます。それは

終盤に高齢の黒人活動家が語るかつて白人によって行われた黒人への

残酷な行為とはレベルが異なるものの、根底に横たわる「優性思想」
は少しも変わっていないことを示しているのです。
一方KKK内でも過激な人物がおり、ある計画を極秘に進めるのですが、

終盤その計画を実行しようとした白人女性ではなく、それを止めよう

としたロンが「潜入警官だ!」と訴えるにもかかわらず白人警官に

拘束されてしまいます。やっと現場に到着した白人フリップの

「警官だ」の一言に「黒人の潜入警官がいるのか」の答え。

ここは本当の意味でのクライマクッスのようで、あっちでもこっちでも
ハラハラドキドキの連続でした。

この時代から50年近く経って、どれだけ改善されたかと疑問に

思っているとラストに実際の映像が挿入されます。これが一番見て

いて苦しいものばかりです。何も改善されていないどころか、

「差別撤廃」の文言は独り歩きして、人々の心はかつての方向に

向いているのではないかと感じてしまいます。KKKの最高幹部

デュークが実際の映像で「アメリカファースト」としきりに訴えて

いました。それが今言われていることと同じで意味であるとしたら、

あまりに愚かなことの繰り返しだとしか思えません。

 

ブラック・クランズマン
出典:IMDb

 

KKKの白装束に身を固め、三角頭巾をかぶって十字架を燃やす

シーンで、その頭巾からのぞく瞳が幾度となく映されます。

そこには「憎しみ」しか宿っていないと感じました。

 

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