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    フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    フロリダプロジェクト

    出典:IMDb

     

    「フロリダ・プロジェクト」

    原題:The Florida Project

    監督:ショーン・ベイカー

    2017年 アメリカ映画 115分

    キャスト:ウィレム・デフォー

         ブルックリン・プリンス

         ブリア・ヴィネイト

         ヴァレリア・コット

     

    シングルマザーのヘイリーとムーニーが暮らす古い

    モーテルには、階下に同じようなシングルマザー

    アシュリーと暮らすスクーティがおり、彼らは子供

    同士で悪戯をしては毎日楽しく過ごしている。しかし
    無職のヘイリーが不法行為に手を染めたことで

    児童家庭局に目をつけられてしまうのだった。


    <お勧め星>☆☆☆☆半 子役のキラキラした表情が

    いつまでも心に残る映画です。そしてヘビーな内容との

    アンバランスにも驚かされます。


    倒れても育っているから好き


    「フロリダ・プロジェクト」というのは60年代より

    始まったウォルト・ディズニーによるフロリダでの

    テーマパーク開発計画ですが、今作ではその夢と魔法の国、

    ディズニーワールドを囲む場所に位置する古い安モーテルに

    暮らす人々の姿を描いています。
    フロリダと言われると、まずディズニーワールド、リゾート地、

    リタイアした人たちが優雅に暮らす場所と想像してしまいます。

    しかし一方ではこの映画に登場するような社会の底辺に暮らす

    人々が多く居住しているのです。
    オープニングに新しくモーテルにやってきた人の車に唾を飛ばす

    ムーニー、スクーティ、ディッキーの姿は、まさに悪ガキその

    ものだし、言葉も汚く、

    「ちょっと親の顔を見てみたい!」

    と言いたくなるほどです。親の顔を見たら、まあこの親にして

    この子だなと実感するんだけれど、それにはそれなりの事情が

    あるのです。
    彼らが暮らす古いモーテルは紫やピンクという派手で下品な

    外観です。何を間違ったか新婚旅行のホテルに選んだ夫婦が

    戸惑うのもよくわかります。そしてこのモーテルは一応「宿泊」

    目的であるものの多くの住民が「居住」として使用していることも

    わかるのです。洗濯物が干してある手すり、玄関先に置いてある

    自転車、部屋の中に生活必需品が全てそろえてある。
    このモーテルの家賃が結構高いのに、なぜろくに収入のない人たちが

    宿泊するのかというと、そこにはアパートや家を借りる際に

    必要な審査やまとまった資金が不要であるという理由があって、

    とりあえず家賃さえ払えばいいので、仕事を見つけやすいこの場所に

    住み着いたということになります。

    これは現在も実際に存在するそうで、そこを支援する人々もおり、

    映画内でも食料品を配る車も映っていました。

     

    フロリダプロジェクト
    出典:IMDb

     

    ピンク色の「モーテル マジックキャッスル」のオーナー、ボビー役

    はウィレム・デフォー。家賃を滞納しても、子供が悪態をついても

    「次は許さないぞ」と言いつつ、彼らの様子を見守り、子供が
    危険に遭わないようにそれなりに目を配っています。
    誰でもわかることですが、ここに住んでしまった人々はおそらくは

    このまま貧困から抜け出せないし、その子供ムーニーたちも多分

    貧しいまま成長していくのだと思います。

     

    フロリダプロジェクト

    出典:IMDb

     

    フロリダプロジェクト

    出典:IMDb

     

    しかし子供の目の高さで映し出される空の青さや、物があふれた

    店の内部、小銭をせびって1つ買ったアイスクリームの大きさ、

    ワニが出そうな草が高く生い茂った湿地などは、どれ1つを

    とっても未来への希望を感じるものにしか見えません。

     

    フロリダプロジェクト

    出典:IMDb

     

    いつまでも自由に伸び伸びと暮らせるかのような錯覚に陥るのです。
    一方大人目線で見ると、ムーニーの母親ヘイリーは仕事がなく、

    自堕落な生活を送っていて、彼女自身がそういう家庭環境で育った

    ことを物語っています。ダイナーでフルタイム働くスクーティの母
    アシュリーですら、昇進どころかこのモーテル暮らしから抜け出せ

    ません。貧しい者はその貧しさから抜け出す術がどこにも見当たら

    ないのです。
    そしてヘイリーは偽ブランド香水を売り歩いて日銭を稼いでいるの

    ですが、そこにムーニーも連れて行っています。それはある意味

    虐待に見えます。しかしムーニーにとっては「遊び」の続きにしか

    思えていないのです。
    ヘイリーには悲哀を感じ、ムーニーにはその逆の思いを抱くのは

    彼女がまだ6歳という幼い年齢だからでしょう。
    ムーニー、スクーティ、ジャンシーでやらかした悪戯をきっかけに、

    スクーティはアシュリー共々ヘイリーたちとの接触を断ちます。

    誰もが貧しいけれど、自分たちの今の暮らしを邪魔させたくない

    気持ちの方が優先されるわけです。第三者から見ると、ここにいる

    ことは決して子供たちにとって良い事ではないのですが、それを

    生み出した原因を深く考えてほしい。またこのような社会的弱者を

    見捨てるような社会にしてしまった責任も考えてほしい。
    ムーニーがラスト付近で始めて大泣きするんです。そしてジャンシーに

    連れられて向かった先にあるのが「シンデレラ城」。あそこまで

    手を握り合って走って行った時間こそが夢に向かって行った時間であり、
    その先に見える「シンデレラ城」は夢と魔法がたくさん詰まった場所で

    あるというのはある意味皮肉でした。

     

     

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