天国でまた会おう

4

JUGEMテーマ:洋画

 

天国でまた会おう

出典:IMDb

 

 

「天国でまた会おう」

原題:Au revoir la-haut/See You Up There

監督:アルベール・デュポンテル

2017年 フランス映画 117分 PG12

キャスト:ナウェル・ペレ・ビスカヤー

     アルベール・デュポンテル

     ロラン・ラフィット

     ニエル・アレストリュプ

 

1918年11月、ドイツとの休戦間近の西部戦線で、

プラデル中尉の無謀な指令で戦闘が起き、アルベールは

生き埋めになってしまうその彼を救ったエドゥアールは、

爆撃により顔に大けがを負ってしまう。そして無事に復員

しても彼だけは家族への連絡を頑なに拒むのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ 映画内に登場する仮面がとても

美しいものが多く、エドゥアールの繊細な心を表しています。


戦争中でも殺人は殺人


原作は「その女アレックス」で

「このミステリーがすごい 2015」の海外部門1位に

なったピエール・ルメートルの同名小説です。

「その女アレックス」は先の読めないストーリーにわくわくし、
ページをめくる手がどんどん早くなりました。続けて

「悲しみのイレーヌ」「傷だらけのカミーユ」

「死のドレスを花嫁に」を読みました。グロテスクな描写が

随所に見られるものの、読み手が想像しない展開なのはどれも

同じです。

そして「天国でまた会おう」は世界大戦三部作の1つとして

発表されました。
1920年11月、モロッコでアルベールは手錠をかけられ、

憲兵隊から事情聴取を受けているシーンから始まります。

彼はなぜ手錠をかけられているのか。そもそもモロッコに

いる理由は何だろうか。
それは1918年11月の第一次世界大戦時に遡って語られます。

ドイツ、フランスの休戦の噂が流れ、兵士たちも疲弊していた時、

本部からの「休戦」という指令を無視して、プラデル中尉は2人の
兵士を偵察に向かわせ、その後に鳴り響く銃弾の音を合図に、

双方の戦いが再開されるのです。この時の銃撃や爆撃は、臨場感に

あふれており、兵士の口に飛び込む土埃が、見ている側の口にも

入り込むような思いになってしまうのです。

 

天国でまた会おう

出典:IMDb

 

そしてアルベールは最初の二人が味方から撃たれたことを知って

しまうと、なんとプラデル中尉に命を狙われるのです。戦争と

いうものが人の心を変えるのはよく見るけれど、戦いを求め

続ける残虐な司令官の存在はただ恐ろしいとしか思えません。
そしてアルベールは土の中に埋まってしまうのです。そこを救う

のが、同じ隊のエドゥアールで、彼は時間さえあれば絵を描くと

いう(お家柄もかなりいい)武骨な兵士とは全く違うタイプの人間。
ところがアルベールを救い出した途端、砲撃を受け、彼は顔の

下半分を失ってしまいます。この姿は一切映像に出てきませんが、

後に彼がそのための治療を受ける説明で、どんなものか想像できて

しまいます。
「ジョニーは戦場へ行った」(1971)を考えれば、声と

下あごを失っただけだ、と思えるかもしれません。しかし芸術を

志し、美しい顔だったエドゥアールにとって、それは「絶望」で

しかなかったのです。
復員後、職も恋人も失ったアルベールと家族への連絡を拒否する

エドゥアールは、互いへの恩義で共に生活し始めます。しかし

経済的に困窮すると、遂にエドゥアールがある計画を思いつくのです。
それが大掛かりな詐欺であったことで腹を立てるアルベールは、

本当に正直な人間なのです。ただ正直に生きていれば暮らして

いけるような時代ではないし、戦争によって逆に大儲けをして

いる人々もいるわけです。この辺りに不公平さは、次の大戦後でも

きっと同じであったと思います。

 

天国でまた会おう
出典:IMDb

 

エドゥアールの作るマスクは大そう美しいものや趣向を凝らした

ものがあり、どれも目を奪われるものばかりです。御用聞きの

ような小娘ルイーズを仲間に入れて、3人でダンスをする

シーンは音楽に乗ってとても楽し気に描かれています。

 

天国でまた会おう
出典:IMDb

 

天国でまた会おう

出典:IMDb

 

一方エドゥアールの姉マドレーヌと結婚しているのはなんとあの

プラデル中尉!!さらに彼の行っている事業は埋葬業である

ものの、小さすぎる棺をどんどん受け入れるというこれまた詐欺

まがいの行為を堂々と行っています。悪い奴はやはり戦争が

終わっても悪いままなんだ。こいつどうかならんのか。
エドゥアールと父親との深い確執は、走馬灯のようにささっと

映るだけなので、どれほどのものかわからないし、そもそもの

原因は終盤にならないと理解できません。それでも二人が対峙する時を
持った瞬間、美しい鳥のマスク姿のエドゥアールと彼だと知らない

(気づいたかなあ)父との会話は、胸にぐっとくるものはあります。

こんな風に空を飛んで自由になれそうな気持も起ります。

このポスターは素敵。

 

天国でまた会おう
出典:IMDb

 

そして土の中に埋もれたアルベールを救ったのはエドゥアール

でしたが、同じように土に埋もれたプラデルを助けようとした

のが、戦時に命を狙ったアルベールとは、極めて皮肉なことでした。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

 


関連する記事
コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

カレンダー

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>

ブログランキング

今日のわんこ

powered by 撮影スタジオ.jp

アマゾン

遊びにきてくれてありがとう!

カウンター

死語レッスン

最新記事

categories

過去の記事

コメントありがとうございます!

トラックバックありがとうございます!

recommend

お友達

ミス・マープルについて

書いた記事数:3082 最後に更新した日:2019/12/10

あの映画を探そう!

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM