ハウス・ジャック・ビルド

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ハウス・ジャック・ビルド

出典:IMDb

 

「ハウス・ジャック・ビルド」

原題:The House That Jack Built

監督:ラース・フォン・トリアー

2018年 フランス=スウェーデン=ドイツ

=デンマーク映画 152分  R18+

キャスト:マット・ディロン

     ブルーノ・ガンツ

     ユマ・サーマン

     シオバン・ファロン

 

70年代のワシントン州。建築家を目指す技師の

ジャックは、雪道で車の故障でたたずむ女性を助ける。

しかしその女性の話は口うるさく、さらに要求が次第に

エスカレートしてくのだった。


<お勧め星>☆☆半 とても不気味でグロテスクで趣味が

悪く、152分を返してほしいかも。


大鎌で草を刈る音


「アンチクライスト」(2009)

「メランコリア」(2011)で完ぺきに相性が悪いと

感じたラース・フォン・トリアー監督の映画です。

ショッキングなシーンが話題になった「アンチクライスト」
はなぜにそれが行われたのか全く理解できず、

「メランコリア」では地球滅亡を前に、

キルスティン・ダンストンが深夜なぜに全裸で近づく惑星に

向かって立っているのかすっかりさっぱりでした。
それでも2003年「ドッグヴィル」はアイデアが斬新で

ストーリーもわかりやすかったし、この映画は大好きな

作品の1つです。
テーマに必ずと言っていいほど組み込まれている「信仰」が

今作品では、シリアルキラーをテーマにして描かれていきます。
ヴァージという謎の人物とジャックが話をしながら、彼が

犯したいくつかの殺人事件を映すという手法なんですが、

ヴァージがどういう人物なのかは最後まではっきり分かりません。

 

ハウス・ジャック・ビルド
出典:IMDb

 

まず1つ目の事件。それは雪道でタイヤがパンクし、さらに

ジャッキが壊れてしまい、途方に暮れている女性を、たまたま

通りかかったジャックが見つけたことから始まります。この

女性役はなんとユマ・サーマン。

おお、「キル・ビル」(2003)で日本刀を振り回した

スリムでカッコいい女性もいまや口うるさいおばちゃまに

なっています。相手に対してお願いする立場なのに、なぜか相手の
気持ちを逆なでするような言葉ばかり放つのはおばちゃまの

特徴です。ジャックがいつやるか!
事件を描く一方で、ジャックは自らの土地を購入し、家を設計し、

建築していく姿が映ります。彼曰はく「芸術家は材料からこだわる」。

レンガ造りの欠点に気づき、構造を変えるために、あっという間に
ブルドーザーでスクラップそして次は木材でビルド。

題名にあるようにジャックが作ったその家、というのはいったい

どの家を指すのか最後まで見ないとわからないと思います。

 

ハウス・ジャック・ビルド
出典:IMDb

 

こんな非情なジャックも実は小さな頃から強迫神経症と潔癖症に

悩まされており、2つ目の殺人の後、とっとと立ち去れば

いいのに、血の跡が残っている気がして何度でも家に戻る姿が

映るのです。ここはしつこいけれど、殺人者に潔癖症は

不向きだと変な納得をしてしまう。そしてかなり滑稽です。
時折映るジャックの少年時代の行為はやはり残酷です。彼の頭は

その頃から違っていたのでしょうか。

 

ハウス・ジャック・ビルド

出典:IMDb

 

それと彼が気に入っていた大鎌で草を一斉に刈る音は、あの鎌の

形自体が死神の持ち物に似ており、彼がそういう要素を持ち

ながら成長していったかのように感じられるのです。彼自身は

「楽園」の姿と語っていましたが。
そして彼は殺人を重ねるうちに強迫神経症が軽減し、大胆な

行為ができるようになったと語るのです。この時彼が語る

「光の中の闇」の話はとても興味深いです。

街灯と街灯でできる影理論=1つ目の街灯から遠ざかると前に

できていた影が段々伸び、次の街灯が近づくと今度は後ろの影が

伸びてきて、街灯の下に来た時最も小さな影になります。

それが快楽と後悔の物差しになるというのです。
前が快楽、後ろが後悔です。

 

ハウス・ジャック・ビルド
出典:IMDb

 

さて3つめの殺人は、カンヌで観客がどっと席を立ったシーンを

含んでいるのがよくわかります。母子とピクニックに来て、

上の子供にジャックがライフル銃の撃ち方を教えるのです。

ここから何が始まるかはいわずもがな。それでもピクニックは

続行し、そして..。
ジャックは遺体を保管する冷凍庫を借りているのですが、そこで

遺体に「表情」を作るという芸術を見つけます。これも気分が悪いです。
しかしながらシリアルキラーの欲望として、自分の存在を世間に

知らせたいというものがあり、彼は遺体写真に演出を加えて

新聞社に投稿するという行動も起こすのです。

「殺人鬼ミスター洗練」だってさ。
4回めの殺人はライリー・キーオ演じる女性に対し、自分が足を

けがしているという設定にして親しくなってからの行為らしい。

「アンダー・ザ・シルバーレイク」(2018)で失踪した女性を

演じたライリー・キーオがなんとお胸をカットされた上、

ジャックはそれが気に入って小銭入れにしてしまうという展開です。
ここまで見てジャックは「女性」「子供」ばかり狙っている

じゃないかとヴァージに指摘されると、たまたまそれを話題に

しただけだと答えます。あーいえばじょうゆう。(古い)
終盤は男性ばかりを集めるシーンが映りますがその辺りから少し

「現実」との乖離が感じられるのです。いつの間にかジャックの

頭の中で想像している内容に入り込んでしまったような感じです。
ラストはダンテの「神曲」に基づいて描かれていると言われています。

もう疲れ果ているので、とっととそこに落ちとくれ!と癇癪を

起してしまいそうでした。
エンドロールに流れるレイ・チャールズ「旅立てジャック」は、

歌詞がまさにぴったりで、そこだけは気に入っています。

 

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