2人のローマ教皇

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JUGEMテーマ:洋画

 

2人のローマ教皇

出典:IMDb

 

「2人のローマ教皇」

原題:The Two Popes

監督:フェルナンド・メイレイス

2019年 イギリス=イタリア=アメリカ

=アルゼンチン映画 125分

キャスト:ジョナサン・プライス

     アンソニー・ホプキンス

     フアン・ミヌヒン

 

アルゼンチンのベルゴリオ枢機卿は

教皇ベネディクト16世に辞職願を送りつつ、

そのままバチカンに向かう。しかし辞職願は受け

入れられず、さらに教皇からある決断を告げられる

のだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ 荘厳さと軽やかなユーモアと

重苦しい過去がうまく組み合わさった映画で、まさに

一気見できます。


誰も責任を負わないなら皆の責任


監督は「シティー・オブ・ゴッド」(2002)

「ナイロビの蜂」(2005)

「ブラインドネス」(2008)

「360」(2011)のフェルナンド・メイレレスです。

「360」ではこの映画同様にアンソニー・ホプキンスが

出演していました。リオ五輪開会式の総監督をしたことでも

有名ですが、どんな演出だったか全然覚えていません。
そしてローマ教皇は、2019年11月、38年ぶりに

日本を訪問し、被爆地でのスピーチや天皇陛下との面会など

ニュースで大きく取り上げられました。さらにその教皇が

12月31日、信者と交流した際に、自分の手を強く

引っ張った女性の手をたたいたことで、年始早々に謝罪を

しています。その動画はあっという間に拡散し、信仰心の

ない私の目にも入ったわけですが、あれはどちらが
悪いかは一目瞭然ですね。
さてそんな状況(?)の中「2人のローマ教皇」を鑑賞

しました。
2005年、ヨハネ・パウロ二世が亡くなり、世界中の

枢機卿が集結し、コンクラーベ(教皇選挙)がバチカンで

行われます。このコンクラーベは、すべて密室で行われ、

その手法は超極秘事項だと思っていたら、今回リアルに再現

されていて驚いてしまいました。実はシスティーナ礼拝堂に

枢機卿が閉じ込められ、新教皇が決定するまで、そこから

出ることを禁じれらていたシステムは2005年から廃止され、

宿舎から投票に赴くようになったのです。ですから選出の

過程を匿名で暴露する枢機卿もいるらしい。

 

2人のローマ教皇
出典:IMDb

 

教皇が選挙によって決定すると、煙突から白い煙があがり、

未決定だと黒い煙があがるという映像を見たことがあります。

この手法に関しては、まだまだ推測の域を出ていないようで、

やはり謎は存在するのです。
そして2005年のコンクラーベでは、保守派、教会の番犬と

呼ばれるラッツィンガーが新教皇ベネディクト16世となります。

アンソニー・ホプキンスがいかにも「保守」という考えの持ち主
である雰囲気を漂わせる一方で、改革派であるアルゼンチンの

ベルゴリオ枢機卿の気さくな姿が映ります。

そして彼は7年後、辞職願をバチカンに送るのです。この理由は

1つだけではないのですが、まず教皇庁の内部告発文書による

資金洗浄や児童虐待への教皇の対応への不満も大きかったと

いえます。「改革」は「教会への批判」ではなく「前進」である

のにそれを怠った教皇庁は「後退を望んだと同じ」ということです。
聖職者による児童虐待については

「スポットライト 世紀のスクープ」(2015)

でも扱われていました。また

「ダウト〜あるカトリック教会で」(2008)

は教会内で疑惑追及するシスター視線で描かれています。
その児童虐待をした神父に対し、配置転換ではなく、教会裁判に

かけることこそ被害者救済の唯一の方法であり、それを

しなかった教皇への不満が高まっていたのです。
ここまで書くと映画がかなりシリアスのように思われますが、

冒頭のバチカン行きの航空券の手配の電話や、あくまでも

辞職願を受け取らないベネディクト16世の姿に思わず吹き

出してしまいます。

 

2人のローマ教皇
出典:IMDb

 

終盤にピザとファンタで2人が昼食をとるとき、冷めない

うちに食べたいベルゴリオと長い祈りを捧げるベネディクト16世

の姿が対照的で、これもまた笑えてしまうのです。さらに

ピアノが上手でCDまで出しているベネディクト16世が

「レコーディングはビートルズがした場所と同じだ」

と言ったとき、すかさずビートルズ情報をベルゴリオが共有

しようとするのに、教皇は1つも知らないというのもおかしい。

 

2人のローマ教皇

出典:IMDb

 

自然体でいると嫌われる人と自然体でいることで慕われる人の

違いでもあります。この超対照的な2人がいかに心を通わせて

いくか、そこにはベルゴリオが母国の暗黒の時代に体験した
出来事が大きく横たわっているのです。

 

2人のローマ教皇

出典:IMDb

 

1970年代に存在したアルゼンチンの軍事政権下では3万人

もの市民が消えたという事実に、彼がどう向きあってきたか。

当時の行為は軍への加担と思われても仕方ないものではなかったか。
しかし誰か一人の責任にすりかえるよりも、みんなの責任と

して未来を変えていくことのほうがずっと重要なのではないかと

思うのです。
「無関心のグローバル化」つまり「他人の苦しみに鈍感」なこと

こそ忌み嫌うべき行為なのだと実感します。

とこのような重い感想を残すだけではなく、2人の教皇のお茶目な

面や美しい衣装、礼拝堂の豪華さが十分楽しめる素晴らしい映画

でした。

 

 

 

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