プライベート・ウォー

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JUGEMテーマ:洋画

 

プライベート・ウォー

出典:IMDb

 

「プライベート・ウォー」

原題:A Private War

監督:マシュー・ハイネマン

2018年 アメリカ=イギリス映画 110分

キャスト:ロザムンド・パイク

     ジェイミー・ドーナン

     トム・ホランダー

     スタンリー・トゥッチ

 

戦場記者のコルヴィンは、スリランカの内戦を取材中に

攻撃を受け片目を失う。しかし彼女はその後、PTSDに

悩まされながらも活動的に世界の紛争地を取材し続ける。

そして2012年シリアのホムズの取材に向かうが...。


<お勧め星>☆☆☆☆ 戦場記者の視線を通じて、戦争への

強い抗議を感じます。


知る義務を思い出せ


監督は「カルテル・ランド」(2015)

「ラッカは静かに虐殺されている」(2017)

のマシュー・ハイネマン。「ラッカは静かに虐殺されている」

は2017年にラッカのRBSSという市民ジャーナリスト集団

によってスマホで撮影された映像を監督が映画として製作

しました。自らの命だけでなく家族の身に危険が及ぶ中で、

決死の撮影を行う人たちの勇気は、世界の人々に現状を知って

ほしいという気持ちに集約されており、この映画でシリアが

少しでも変わればいいと思ったものです。当時はISが一方的に

ラッカを首都と宣言し、市民は彼らの支配下にあり、恐怖に

おびえる生活を強いられていました。しかしそのISが欧米や

ロシア軍によって掃討された今、シリアはさらに混迷を

深めているのです。何度読んでも理解しきれないので図を

載せます。このような勢力が争いを続けているのです。

 

シリア
出典:Wikipedia

 

そこでは医療施設の狙い撃ちや一般市民の犠牲、化学兵器の

使用など、ありとあらゆる蛮行が行われています。また

シリアから難民として他国に逃れた多くの人々が、その途中で

命を落としたり、難民キャンプでの過酷な生活を強いられて

いるのです。
映画では1986年から戦場記者として働くイギリス

サンデータイムズのメリー・コルヴィンの半生を描きつつ、

世界の紛争地の状況を伝えます。

遡ること2001年、コルヴィンは上司が危険だと止めるのを
無視してスリランカの内戦の取材に向かうのです。そして

そこで攻撃を受け彼女は左目を失います。そのためこれ以降

アイパッチ姿のコルヴィンが登場するのです。
コルヴィンは結婚していたらしく、映画の中盤過ぎにわかるの

ですが、2回流産をし、自分の子供を持つことをあきらめた

ようです。全く状況は異なりますが

「アメリカン・スナイパー」(2014)
のクリス・カイルが戦地での体験からPTSDに苦しみつつ、やはり

戦地にしか自分の居場所がないと思ったのと同じで、コルヴィンも

普通の家庭生活を送る方法を知らなかったのです。
コルヴィン役のロザムンド・パイクは、声を低めにし、動きも

男性的で、おそらくはコルヴィンの姿を見て研究したのでしょう。

ひっきりなしにタバコをくゆらせ、酒を浴びるように飲む姿は、

まるで彼女自身がそのようだと思えるほどです。
コルヴィンはその優秀な取材で英国プレス優秀記者賞を受賞

しますが、そこで踏みとどまることはなく、その後も

「人々の真実の物語」を取材するために、敢えて危険な紛争地

へ向かうのです。

 

プライベート・ウォー
出典:IMDb

 

2003年、イラク、ファルージャに向かう途中で知り合った

カメラマン、ポールとはそれ以後仕事を共にするようになります。

この時の検問シーンは、コルヴィンの冷静な姿で乗り切った感じ

でしょうか。いや幸運だっただけなんだろうな。

 

プライベート・ウォー
出典:IMDb

 

フセイン時代の虐殺の証拠が掘り起こされると、家族と思しき

人たちから悲鳴と鳴き声が上がります。それを見てコルヴィンは、

ただ静かに涙を流すのです。これが全く無表情で、これ以降も

幾度となく涙を流すシーンがありますが、その1つの瞳に表情

が現れることはありません。
コルヴィンはPTSDに悩まされ、数多くの悲惨な現場がフラッシュ

バックする悪夢を見るため、それを見ないために酒に溺れてしまう。

さらに男関係もルーズになります。とはいえ、これは「女性記者」
だからことさら描かれるだけで、男性記者ならこんな話は

入れないんだろうなと少しだけ思いました。

(「挑む女は美しい」ってジャケットの文句はなんだよ、いったい。)

 

プライベート・ウォー

出典:IMDb


それでも彼女と大人の関係になるトニーという相手が現れ、つかの間の

休暇を楽しむコルヴィンを支えてくれます。トニー役の

スタンリー・トゥッチがいい感じ。

 

プライベート・ウォー
出典:IMDb

 

しかしコルヴィンはやはり紛争地に向かいます。アフガニスタンから

リビア、そこで同志ノームを失っても、さらにシリアへと向かうの

です。ラッカをISから奪還した今でも、前と同じように、いやさらに
激しい戦闘が続くシリア、ホムズで、彼女は決死の取材を敢行します。

アサド政府軍の無差別攻撃を受け、上階が破壊されたビルに潜む

女性や子供たちを見て、コルヴィンはやはり涙を流します。
「紙に書くだけでなく、これを世界に伝えて。一世が消えていくの」
シリア人の女性の言葉です。
戦場記者として命を落とすことを「自己責任」と切り捨てたとしたら、

世界で今も起こっている紛争によって傷つき、飢え、そして亡く

なっていく人々のことをどうやって知ることができるのでしょう。
知らない自由を行使する前に、知る義務を果たしてほしいと思う

ばかりです。
2012年以降50万人以上のシリア市民が亡くなっています。その

事実をぜひとも知ってほしいと思います。

 

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