ガーンジー島の読書会の秘密

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ガーンジー島の読書会の秘密

出典:IMDb

 

「ガーンジー島の読書会の秘密」

原題:The Guernsey Literary and Potato

Peal Pie Society/Guernsey

監督:マイク・ニーウェル

2018年 アメリカ=フランス映画 124分

キャスト:リリー・ジェームズ

     ミキール・ハースマン

     グレン・パウエル

     ジェシカ・ブラウン・フェントレイ

 

1946年第二次大戦後のロンドンに暮らす作家の

ジュリエットは、ガーンジー島在住のドーシーと名乗る

男性から1通の手紙を受け取る。彼女が戦時中に手放した

本が手元にあり、ドーシーたちは読書会を開いていると

いう話を手紙を通じて知るうちに、彼女は現地に行って

その読書会を取材しようと考えるのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ 最後はちゃんと収まるところに

収まって悲しい記憶を塗り替えたような気がします。


本が引き寄せる力


ガーンジー島はイギリス王室属領の島でチャンネル諸島の

中にあり、位置はこのあたりです。

 

ガーンジー島の読書会の秘密
出典:wikipedia

 

イギリスというより明らかにフランスに近く、第二次大戦中の

1940年5月にナチス・ドイツがフランスに勝利し、占領下

に置くと、7月にはチャンネル諸島を占領し、映画内で見られる

ようにドイツ軍が直接支配を開始しました。
冒頭、暗闇の浜辺から楽しそうに語らいながら戻る数名の男女の

前に突然ドイツ軍兵士がが姿を現し、夜間外出禁止と身分証の

提示を求めるのは、彼らがすでに自由な生活を奪われていた状況

であることを表しています。
集会の目的を訪ねられると「読書会」と答え、さらに初老の男性が

「ポテト・ピール・パイの会」と付け加えます。ものすごく緊張

する場面なのに、なぜこんな言葉が出てきたのは、彼らの食生活から
生まれたアイデアだと知ると、少しだけほっこりするのです。

ポテト・ピール・パイって、そのまま訳すと、ジャガイモの皮の

パイですよ。ジャガイモと肉とかジャガイモと卵とかではないんです。
これは、彼らが家畜をドイツ軍に没収され、ただジャガイモだけを

育てることを許されていたという過酷な環境を物語ります。

美味しいはずがない。

 

ガーンジー島の読書会の秘密
出典:IMDb

 

一方終戦直後のロンドンで、リリー・ジェームズ演じる作家

ジュリエットは、小説が売れてサイン会まで開けるようになった

売れっ子なのです。さらにアメリカ人で軍関係者のマークという

婚約者もいて人生絶好調のようにも思えます。ただ彼女の脳裏に

フラッシュバックするのは、ドイツ軍の攻撃でがれきの山に

なったビルや亡くした両親のこと。それに全く配慮を見せない

マークは、能天気なアメリカ人のように描かれていて、ちょっと

かわいそうな気もします。

さらにジュリエットは大の本好きで、ある日彼女が戦時中に

手放した本が手元にあるという手紙を受け取ります。差出人は

ガーンジー島に住むドーシーという男性で「島には書店がなく

読書会に使うので『シェークスピア物語』を買ってくれないか」

とも付け加えてあります。「本」でつながった2人は一気に

意気投合し、手紙のやり取り、つまり文通が始まるのです。
文通って懐かしい言葉です。固定電話がなく、公衆電話か手紙で

しか交流できなかった時代は、ほんの少し前なのに、今思うと

あんな不自由な生活をよく送れたものだと思ってしまいます。
ジュリエットは、次の作品にドーシーたちが開いている「読書会」

を取り上げようと考え、単身ガーンジー島へ向かうことにするの

です。あらら、お決まりの乗船間際のマークのプロポーズ付き。
これから船に乗り込む人にプロポーズして、成功しても、後に

結婚までこぎつけないような気がするのは、船が離れていくから

でしょうか。
ガーンジー島についての戦時中の様子がここでも描かれ、ラジオ、

郵便、電信が止められ、ジャガイモしか食物がなくなった島民が

過酷な生活を強いられていたことがわかります。その中である晩、
モーグリー夫人の家にドーシー、アイッラ、エベン、エリザベスが

集まり、隠していた豚を食べる会を開くのです。それはエリザベス

の案であり、そこで彼らは自家製のジンを飲み、まずい

ポテト・ピール・パイを食べてつかの間の楽しい時間を過ごします。

この仲間たちが「読書会」と称して占領下の鬱屈とした生活を開放

するための「避難所」を開催し始めるわけです。

 

ガーンジー島の読書会の秘密

出典:IMDb

 

この話を読書会の仲間から聞くうちにジュリエット自身も同じ

思いを抱いていたことを話し、彼らについて深く知ろうとするの

ですが、エリザベスがいません。さらにキットという彼女の娘が

いるのです。キットはドーシーを「ダディ」と呼ぶものの、

エリザベスについては誰もが話したがらないのです。ここは結構

入り組んだ謎で、「読書会」を「タイムズ」の記事にしたいという

ジュリエットの申し出はきっぱり断られてしまいます。
またジュリエットの泊まった宿屋の女主人は、彼らのことを

あからさまに軽蔑して話します。これも謎めいているのです。
ただミステリーではなく、戦争中だからこそ交流できた人たちが、

戦争によって引き裂かれ、さらには...。
「愛する人をこれ以上ドイツ人に奪われたくない」と強く主張する

モーグリー夫人の気持ちは、彼女がいくつもの命をドイツ軍の攻撃に

よって奪われたからで、それを否定することは誰もできません。

 

ガーンジー島の読書会の秘密
出典:IMDb

 

幾度となく映る美しいガーンジー島の海岸風景に全く

似つかわしくない砲台の数は、夫人の怒りを集約しているかのよう

に思えます。
一緒にいて心が安らぐ人たち=家族
ラスト付近の同じ港でのシーンは、「君の名は」(古いほう)の

ようにすれ違いはしないか、船の汽笛でかき消されやしないか、

もうそこだけがドキドキでした。
気分のいいラストで映画を見終わって久しぶりに心が軽くなっています。

(暗い映画続きでした)

 

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