ピザ!

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JUGEMテーマ:洋画

 

ピザ!

出典:IMDb

 

「ピザ!」

原題:Kaakaa Muttai/The Crow's egg

監督:M・マニカンダン

2014年 インド映画 91分

キャスト:ラメーシュ

     J・ヴィグネーシュ

     アイシュワリヤー・ラージェーシュ

     ラメシュ・トヒラック

 

インド、チェンマイのスラム一角にピザ店がオープン

する。その近くに住む兄弟は、ピザを食べることに

憧れ、金を貯め始めるが、ピザ1枚の値段は彼らの

1か月の食費と同じで、その道のりは遠いのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ スラムに住む人々の果てしない

活力とそこに存在する希望を感じ取ることができます。


カラスの玉子兄弟


どうして映画の題名が「The Crow's egg」なのかと

思ったら、登場する兄弟の名前がちゃんと呼ばれず、

「カラスの大きい玉子」と「小さい玉子」と言われている

からなのですね。

この子たちの表情が本当に豊かです。おねしょに気づき

そーっとズボンを脱ぎ、流れていくおしっこをシャツで

止め、こっそり汚れ物を何かの入れ物にいれてしまう

小さい玉子。その時のバツの悪そうな顔つきと、それが

バレた時の慌てる姿を見せられて冒頭から大爆笑します。

 

ピザ!
出典:IMDb

 

彼らは学校に行くお金がなく、電車から落ちる石炭を拾う

ことで生活費の足しにしていますが、全然それを苦に思わない

のです。「劣悪な環境にいる子供たちを労働の苦痛から解放し、

教育の機会を与えよう」と常識を言ったところで、彼らに

とっては、まずその日の生活が大事であり、そこに住む人々の

ほとんどが同じ状況なので、その中ででき得る楽しみを満喫して

いるのです。
たとえば、空き地でクリケット(手作りの道具みたい)をしたり、

兄弟のようにそこにある大きな木の上のカラスの巣の中の玉子を

拝借したり。ちなみにカラスの玉子を全部取るのではなく3つ

あれば2つ取り、1つはカラスのために残すという優しさも

持ち合わせています。鶏の卵を買えないから、カラスの玉子を

飲んでるんだ、と木に登ることを注意した母親に大きい玉子は

答えます。物価の優等生鶏の卵すら買えないという生活は、はた

から見ると悲惨極まりないのですが、それも彼らは全く気にしない

のです。兄弟の父は投獄されているので、その弁護士費用も必要で、

とても学校に行かせる余裕などありません。

なぜ投獄されているのかは不明。

 

ピザ!
出典:IMDb

 

そしてそのカラスの巣がある木が立つ空き地全体を開発し、なんと

1軒のピザ店がオープンします。スラムの1か月の食費

300ルピーと、そのピザ店のピザ1枚の値段が同じというのは

ものすごく皮肉で、なぜこの地にピザ店を開くのかと思って

しまうのです。そこはどうやら地元の議員や業者や警察などの

利権が絡んでいる模様。
そんなややこしいことを知るはずもなく、兄弟はそのピザが

食べたくてたまらなくなります。ピザの配達員のバイクがスラムに

入り込んで道に迷っているのを彼らは助けつつ、すかさず、

ピザの実物を見せてもらうと、それはそれは美味しそうに瞳に

映り、チーズとピザ生地の匂いがこちらにまで漂ってきそうです。

この時も玉子兄弟の幸せそうな表情は何とも言えません。

 

ピザ!
出典:IMDb

 

おばあちゃんがピザのチラシを見て作ってくれたドーサは、

チーズがないので糸をひかないし、彼らのイメージの味では

ありません。見るからにまずそうです。

ピーマンが入っているなんて!

(ピザではオニオン、ピーマンマイナストッピング)
石炭拾いで知り合ったニンジンという男性に石炭の山を教えて

もらい、どんどん金に換えていき、300ルピーたまったけれど、

金を持っているだけでは、ピザ店に入れません。
「スラムの子供」はピザ店に入れないのです。

 

ピザ!

出典:IMDb

 

じゃあどうしてスラムの子供と分かったのか?まず服装が違うと

どうやらダメらしい。着たきり雀ではなくちゃんとしたブランドの

服を身に着けていないとお店には入れないらしい。

とはいえ、金持ちの子供にピザの食べ残しをもらうということは、

大きい玉子のプライドが許さないのです。
大きな壁があっても知恵を絞って、それを乗り越えようとする

スラムの子供たちのパワーを強く感じるシーンです。愛犬を売りに

行くという考えはちょっとどうかと思うけど。
金持ちの子供が服を買ってもらえるのに、不衛生だからと言われて

駄菓子を買ってもらえないのを見て、兄弟は駄菓子と服を交換して

もらいます。金持ちの子供にとって新しい服<駄菓子という構図を

瞬時に悟る兄弟もすごいです。

そして帰りのバスの中でその服に着替え、着たきり雀の服を窓から

ポーイ。彼らの得意満面の表情には思わず口元がほころんでしまい

ます。
ところが金もあり服も新品なのの、ピザ店に入れてもらえず、

さらには大きい玉子は店主に殴られてしまうのです。兄弟の瞳から

大粒の涙が流れ、さらに家に帰るとおばあちゃんが亡くなっています。
ピザの代金は葬儀代になり、涙をこぼしながら兄弟はおばあちゃんの

遺体を運んでいきます。
しかしその暴行動画を巡って大人たちが欲にまみれた行動をし、それが

世間を大きく動かすのです。大人たちに翻弄される兄弟には悲壮感は

なく、その時々を一生懸命生きていることだけが印象付けられて

いきます。
彼らだけでなくスラムに住む人々が、どんなきっかけで違う世界に

入れるのか、またはそのままスラムで一生を終えるのかは全く

分からないけれど、外から見たスラムではなく、スラムに暮らす

人々のほとばしるようなエネルギーを感じ取ることができる映画でした。

 

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