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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:洋画
出典:IMDb
「イエスタデイ」
原題:Yesterday
監督:ダニー・ボイル
2019年 イギリス映画 117分
キャスト:ヒメーシュ・パテル
リリー・ジェームズ
ジョエル・フライ
エド・シーラン
ケイト・マッキソン
イギリスの田舎町サフォークに住むシンガーソング
ライターのジャックは幼なじみでマネージャーのエリー
と二人三脚でステージをこなしている。しかし一向に芽が
出ない自分に区切りをつけようとした晩、突然世界中が
12秒間停電する。その時自転車事故で前歯を2本折って
入院したジャックが無事に退院すると、「ビートルズ」の
存在を彼しか知らない世界が広がっていた。
<お勧め星>☆☆☆☆ ビートルズの曲に乗せてジャックと
エリーの恋物語が楽しく描かれていきます。
ビートルズのいない世界は退屈
<ネタバレしています>
「いつもそばにいるマネージャー枠」「ずっと待っていた枠」
「一夜限りの女枠」「愛する女枠」。主人公ジャックの
幼なじみ兼マネージャーのエリーが発する言葉が、女心を
的確に表していて、首をうんうんと何度振ったか分かりません。
出典:IMDb
元教師でシンガーソングライターのジャック・マリクは、
スーパーでアルバイトをしながら、あちこちでライブ演奏を
しているのです。いつもそばにいて彼を励ますのがマネージャーの
エリーで、この役はリリー・ジェームズ。ずっと気になって
いましたが、リリーちゃんは絶対ノーブラです。いや多分。
そして顔が小さくとてもキュートな雰囲気なのにヒップが大きい
のです。これもまた魅力的。
ジャックの歌を真剣に聞いているのは知り合いくらいで、
フェスに出演しても全く人気がありません。ジャックもさすがに
自分の才能の限界に気づき、ある晩、「堅実に生きる」とエリーに
宣言するのです。
ジャックを支えてきた友人以上恋人かなり未満のエリー運転の
ミニからとっとと降ろされたジャックは、自分の自転車で帰途に
着いていると、突然全世界に停電が起きるのです。あちこちの
ビルから明かりが消え、観覧車、テレビ番組のスタジオ、街路灯、
そして地球全体が真っ暗になります。それが12秒間。その間に
ジャックは自転車で大転倒し、顔を強打するのです。
電気が回復し、病院で目覚めたジャックの顔は、笑っちゃいけない
けれど、かなりおかしい。見舞いに来たエリーすらも笑います。
ここまでは特に何の変哲もない映画なのです。しかしジャックの
退院祝いをするパーティーで彼に友人たちがギターを贈り、それで
「Yesterday」を歌うと、皆が「いい歌ね」「全然知らないわ」
「ビートルズ?」と口々に言うのです。
いやこの歌は私だって知っている歌だし、ジャックはまさかあっちの
世界に行ってしまったのかしら?と思うと、違うのです。ジャックが
必死でググっても「ビートルズ」はヒットせず、代わりに
「ビートル」=カブトムシ
が出てきます。もちろんメンバーの名前を入れても出てきません。
さらに彼が持っていたはずのビートルズのレコードすらもなくなって
いるのです。ついでにオアシスも存在しないし、コカ・コーラも
ありません。ペプシはあるんです。スポンサーはペプシか。
コカ・コーラを検索すると「コカイン王」が出てくるのは大笑い。
ジャックはそこで、ビートルズの曲を「自分の作った歌」として
歌うことを思いつくのです。
出典:IMDb
「Let It Be」を家族に無理やり披露させられる時、ジャックの
父やその友人のチャチャで何度も遮られてしまうのには
イラとするけれど、この歌は絶対にみんなが好きになるはず...と
思ったらそうでもない。
それでもギャビンという男にCD製作を勧められ、線路わきの自宅兼
スタジオで録音できることになります。そのシーンでは様々な
小道具を使い、ジャックがエリーとものすごく楽しそう歌い、
歌そのものの醍醐味を感じさせられます。マラカスからのゴム手袋
での手拍子、そしてトライアングル、マイクに向かって大絶唱。
そうしてできたCDをスーパーの商品のおまけとして配り始めます。
しかしながらやはりジャックは「歌う店員」枠から卒業できないの
です。
出典:IMDb
転機はエド・シーラン(本人登場)が自宅にやって来て、彼の歌を
称賛し、次のツアーの前座を頼んだところからです。この時も
ジャックの父が、コントのように邪魔してきます。この小ネタも
結構好きです。
出典:IMDb
そしてロシアでの演奏も大成功し、エドのマネージャー、デブラに
スカウトされてロサンゼルスに向かうことになります。イギリスの
サフォークとロサンゼルスの雰囲気のちがいは一目瞭然だし、
レコード会社の戦略会議の空しい姿には、なんだかちょっとげんなり
してしまいます。ちなみにこの世界にはまだないものがあって
「タバコ」も存在しません。
ジャックはビートルズの曲の歌詞をすべて思い出すためにリバプールの
聖地巡りをするのですが、このシーンはPVのようで歌と共に地名と
映像が流れると、気分はノリノリになれます。
出典:IMDb
ちらりと映る中年の男女の姿はなんでしょう。黄色い潜水艦を持って
いるような気がしたけれど...。
「Hey Jude」では題名にインパクトがないから「Hey Dude」に
変えようなどと語るエド・シーランやらデブラやらレコード会社の
面々は、ビートルズへの愛情のかけらもない、いや元々存在しない
のだから愛情を持てるはずもないか。
ギャビンと付き合っていると言うエリーを取り戻せるのか、ジャック!
ラスト付近のジャックの演奏は、役を演じたヒメーシュ・パテルの
思い通りに歌わせたという事ですが、見事に彼の個性を発揮しています。
彼の思い描くビートルズを見ることができるのです。
そして「Ob-La-Di, Ob-La-Da」を生徒たちと楽しそうに歌うジャック
とそれを見守るエリーの姿を見ると、12秒間の停電で変わった世界
でも変わらないものは存在するし、それに気づかせてくれた奇跡を
実感します。あー素敵な映画でした。