ジョジョ・ラビット

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JUGEMテーマ:洋画

 

ジョジョラビット

出典:IMDb

 

「ジョジョ・ラビット」

原題:Jojo Rabbit

監督:タイカ・ワイティティ

2019年 アメリカ映画 108分

キャスト:ローマン・グリフィン・デイビス

     タイカ・ワイティティ

     スカーレット・ヨハンソン

     トーマス・マッケンジー

     サム・ロックウェル

 

10歳になっても自分で靴紐が結べないジョジョは、

父親が戦地におり、母ロージーと二人暮らし。彼は

ヒトラーの熱狂的なファンで、念願のドイツ少年団に

入団するが、手りゅう弾の誤爆で大けがを負ってしまう。
彼の頭の中にはいつもヒトラーがおり、彼は兵士では

なくビラ配りなどの仕事で国に貢献し始めるが、ある日

自宅の屋根裏部屋にユダヤ人少女が隠れていることに

気づいてしまうのだった。


<お勧め星>☆☆☆☆☆ おとぎ話のような色遣いや小物を

活用しつつ、戦争について深く考えさせる映画になって

います。


いつだって愛は最強


ジョジョ・ベッツラーは10歳。彼の部屋にはヒトラーの

ポスターがベタベタ貼られ、ナチスへの忠誠心の塊なのです。

映画の冒頭に流れるドイツにおけるヒトラーへの熱狂的な

支持映像は、人々があるカリスマ的な存在の人物に未来を

託すことへの恐怖を強く感じます。まるでアイドルスター

並みに人々が歓喜の声を上げているのです。そのBGMが

ビートルズという皮肉なもので、この映画は見た映像を

そのまま理解せず、深く考えながら見ていく必要がある

とすでに気づいてしまいます。

でもジョジョの部屋や家の外観からして、色取りがとても

きれいでまるでおもちゃの国のようなんです。だから終盤、

連合国軍の侵攻で破壊された街が廃墟のなってしまった時の

絶望感が強く感じられます。

ジョジョはヒトラーユーゲント(ドイツ少年団)に入団し、

親友ヨーキーと共に訓練に参加します。

指揮官はサム・ロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉。

 

ジョジョラビット

出典:IMDb

 

彼は戦争で右目を失ったため、このような任務につかされている

と言います。片手にピストル、片手に酒瓶♪

男女の任務について語る時に「女には妊娠任務」があるという

くだりは、ちょっと驚きますが、そこも笑わせながら皮肉を語って

いるのです。

 

ジョジョラビット
出典:IMDb

 

ジョジョの頭の中には常にヒトラーがおり、時々姿を現しては、

ジョジョを鼓舞し、叱り、説得します。訓練ではどう見ても

へっぽこのジョジョに先輩団員がウサギ殺しを命じ、それが

できなかったジョジョを「ジョジョ・ラビット」と名付けて

嘲るのです。ジョジョはヒトラーの思想に染まっていても
心は優しいことに気づきます。そして頭の中のヒトラーの指示で

「ウサギになれ!」(相手を出し抜け)ということで、団員を

出し抜き手りゅう弾を奪って遠くに投げたつもりが木に当たって

自分の足元に落ち、それが爆発します。

「わあ、すごい顔」と誰もがのぞく姿は映像では流れません。

やっと映った時には傷跡が残る顔と足をひきずるジョジョの姿で、

頭の中でどんな風だったんだろうと想像するのみです。

 

ジョジョラビット
出典:IMDb

 

ジョジョにはスカーレット・ヨハンソン演じる優しいママ、

ロージーがいて、傷が癒えてきたジョジョに仕事をもらうように

大尉のもとへ向かいます。まず一発股間を蹴り上げ、ビンタですよ。

大尉はジョジョの事故の責任を取らされ、事務仕事に変わったと

言います。ここでふと気づくのです。大尉は実はこの時ヒトラーを

見限っていたのではないかと。
とはいえ、ドイツ人の中に根付くユダヤ人蔑視、アーリア人優位と

いう思想はジョジョの中からそう簡単には消えるはずもありません。

それなのに街中で吊るされているドイツ人がいるのはなぜだろう。
ある時、ジョジョの自宅の2階の姉インゲの部屋から何やら物音が

します。ジョジョが恐る恐るのぞきに行くと、彼女の部屋に隠し扉が

あり、その中にエルサというユダヤ人が隠れていることが分かって

しまうのです。

 

ジョジョラビット
出典:IMDb

 

ジョジョの頭の中のヒトラーは「家ごと焼き尽くせ」と言う。しかし

ジョジョは「交渉」を選ぶのです。でも10歳の少年かつ本物の

ユダヤ人を見たことがない者が交渉などできるはずもありません。
あえなく撃沈。ジョジョが教わったユダヤ人は、汚く、金に強欲で、

尻尾があり、夜は何かにぶら下がって眠る「悪魔」のような存在です。

エルサにユダヤ人の姿を聞いて絵にしていくと、それはもう滑稽

そのものなのですが、ジョジョは自分がアーリア人であることを

盾にエルサに威張り散らすのです。
とはいえエルサという年上の女性になぜか心を揺さぶられます。

このエルサは実は母ロージーが匿っており、エルサは亡くなった

(この理由は不明)娘インゲの友人のユダヤ人だったのです。
「生き延びて」「でも自分の子供かあなたかと言われたら...」
ロージーはさらに反戦活動も行っていて、父ポールも戦地にいる

のではなく、外国で同じ活動をしていると知るのは映画の中盤以降

なのですが、ジョジョはそれを知っても頭の中のヒトラーを味方に
活動を続けます。例のヨーキーは紙で作った戦闘服に身を包み、

遂に一人前の兵士として戦うことになったと、彼に嬉々として話す

のです。

これを見ると「ヒトラーの忘れもの」(2015)を思い出します。
ドイツが敗戦する寸前にろくに訓練も受けずに召集された少年兵が、

デンマークで敗戦を迎え、そこの収容所で、来る日も来る日も

地雷の撤去作業をさせられます。彼らを見るデンマーク人はドイツ

への憎悪をあらわにし、また少年兵も祖国に帰ることなく地雷で

亡くなったり、殺害されたりしていくのです。確かにヒトラーの

率いたドイツ軍はヨーロッパ各国で蛮行を働き、さらにユダヤ人

大量虐殺を行いました。戦時中のその行為への怒りをぶつけたくなる

のも当然です。しかしヒトラーへの忠誠心を教え込まれ、アーリア人

が優位であると言われ続けた少年たちに、今の状況を理解できるはずも

ないのです。
それは冒頭にヒトラーに対し熱狂的な支持を表明したドイツ国民が、

敗戦後、一気に不支持に変わってしまったことは、戦時中の差別思想、

行為をなかったことにできるという何の理由にもならないということに
繋がると思うのです。
ユダヤ人が「悪魔」だったのに、連合国軍が侵攻すると、こんどは

ロシア、イギリス軍の方が「悪魔」で怖いとヨーキーは言います。

その程度の知識で戦争に参加させられているのです。
クレンツェドルフ大尉の優しさは「愛情」であり、ロージーも

ジョジョに「愛情」を惜しみなく注ぎ、そしてエルサにも「愛情」を

与えました。ジョジョがそのエルサへ「愛情」を抱き、自分で
結べなかったはずの靴紐を結んであげるのです。ママのほどけた

靴紐を必死に結ぼうとしてもできなかったのに。

この大きな歴史的瞬間にジョジョが一気に大人になったような気が

しました。

 

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