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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般
出典:IMDb
「アップグレード」
原題:Upgrade
監督:リー・ワネル
2018年 アメリカ映画 95分 PG12
キャスト:ローガン・マーシャル=グリーン
ロスコ・キャンベル
リチャード・カウソーン
マイケル・M・フォスター
近未来、自動運転の車が開発されている中で、グレイは
自らの手で動かす車にこだわり、その車をIT企業の社長
エロンのもとに届ける。そのまま妻アシャの最新の車で
帰途に着くが、車は突然エラーを起こし、暴走したのちに
事故を起こして停止する。そこに謎の男たちが現れ、
アシャはグレイの前で射殺され、彼も脊髄損傷の大けがを
負ってしまうのだった。事件後四肢が麻痺したグレイの
もとにエロンが現れ、「ステム」埋め込み手術を提案するが...。
<お勧め星>☆☆☆☆ 低予算といわれていますが、なかなか
見ごたえのある映画でした。
仮想世界は現実世界より苦しみが少ない
冒頭、ガレージ内で車をあれこれ触る男性が映ります。これは
その直前に見た近未来映像とは異なり、今と全く同じ作業風景で、
これがこの時代には「レトロ」でありつつ、需要があると気づく
のです。
出典:IMDb
そこに現れるのは、完ぺき自動運転の車の乗った女性で、彼女は
男性グレイの妻アシャなのです。声に反応して車が全て動いて
くれるってすごいよね。これなら運転スキルは問われないし、
いくつになっても運転できるじゃないですか。
出典:IMDb
そして彼は顧客であるヴェッセル社社長、エロン・カートのもとに
その車を届けるのです。帰りの足がないからと後ろからアシャの
車がついていきます。
エロンの家もものすごく近代的で、そこで「ステム」
という機械昆虫を紹介されるのです。「ふーん」程度に二人は
見過ごし、帰途に着くと、なんと自動運転の車がエラーを起こし、
違う目的地に向かい始めます。さらには声に一切反応しなくなり、
見知らぬ場所で衝突事故を起こすのです。
この時代ではドローンが飛んでおり、あらゆる事象を監視している
らしいのですが、そのドローンが到着する前に、何やら悪そうな
やつらが出現し、アシャは射殺され、グレイも首の当たりを
「バキ」っと切られて倒れます。この違いをよく覚えておきましょう。
わたしはすっかり忘れていました。
出典:IMDb
3か月後グレイは四肢が麻痺し、機会に頼る生活を送っているのです。
すべて機械ができるとはいえ、細かな介護は母親が担っています。
捜査状況を伝えに来たコルテス刑事の歯切れの悪さから、犯人へと
つながる情報が全くないことに気づいたグレイは薬を過剰に飲み、
自殺未遂を起こすのです。すごいですね。手が使えないので機械が
薬を口まで持ってきますが、致死量に近づくと「これ以上は
投与できません」と反応します。
この映画はかなり低予算で作られたそうですが、さすが「ソウ」
「インシディアス 序章」を手掛けたリー・ワネル監督です。
アイデアが豊富で全く飽きることがありません。
出典:IMDb
そして入院したグレイのもとにエロンが現れ
「ステムを埋め込めば元のように動くことができる」と言って
帰るのです。ちょっとここで気になることがあって、それが実は
終盤につながるとは全く気づきません。
なんでも「ステム」は脳に反応し、体を動かす指令を出すらしい。
グレイはとりあえず手術を受けるんです。これがまた結構リアル。
リアルすぎる。ところが脳に埋め込まれた「ステム」によって体を
自由に動かせるようになったグレイは、その「ステム」の声を聞いて
しまうんです。つまり自分の中の「ステム」が彼に話しかけてくる
わけで、全く気づかない周りの人から見ると「ちょっとあの人大丈夫
かしら」的状況です。さらに「ステム」は映像解読能力に優れており、
事件の時のドローン映像を細部まで見極めることができます。そして
犯人の一人が分かり、グレイは復讐に向かうわけです。
このあたりでわかりますよね。「ステム」入りの人間がどんなにすごい
パワーを持っているか。ここからはそのものすごいパワーを見せつける
映像の続出です。ピンチになっても爆発的なパワーで敵を倒し、そして
案の定リアルなとどめを刺してくれます。「もうこのくらいでいいよ」
ではないんです。
一方犯人は実は銃を持っておらず、腕から銃弾が出ていたことが
わかると、さらにあれれ?この人たちも何か改造されているのかしらと
思ってしまいます。いえ、改造されているんですけどね。
問題は
For What?
By Whom?
そしてグレイの行動に気づいたエロンによって「ステム」が強制終了
されそうになると、彼はハッカーのもとへ向かい、システムのアップ
ロードを求めるのです。強制終了が進むとだんだん動けなくなるグレイ、
そしてたどり着いたハッカーのもとに、事件の黒幕とエロンが送った
自社の社員がほぼ同時に向かいます。間に合うのか、どちらが勝つのか。
勝つ?もし勝負だとしたら、グレイがアップグレードされればいいの
でしょうか。
終盤は本当のことが次々に露呈し、そしてあちこちでちらりと見かけた
ものが結構重要なポイントだったと気づかされます。そこまで頭を
働かすことがないほど映像が早く、興味深く進むので、おそらく
全部理解できている人はそれほどいないと思います。ここは本当に上手。
結論は多くのこの手の映画とよく似ているものなのですが、このラストは
ある意味ではそれなりに幸せだなと思っています。