幼い依頼人

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JUGEMテーマ:韓国映画全般

 

幼い依頼人

出典:IMDb

 

「幼い依頼人」

原題:The First Client

監督:チャン・ギュソン

2019年 韓国映画 114分

キャスト:イ・ドンフィ

     ユソン

     コ・スヒ

     ソ・ジョンヨン

 

10歳のダビンと7歳のミンジュンの元に父が新しい

母ジスクを連れてくる。母ができたことに大喜びの2人

だったが、やがてしつけと称して暴行が始まるのだった。

一方ロースクールを卒業したものの就職先の決まらない

ジョンヨプは、とりあえずの仕事として児童福祉館に勤務

すると、継母から虐待を受けているというダビン姉弟の

担当になる...。


<お勧め星>☆☆☆☆ 辛い。見ている間も見終わってからも

こういうケースが日本でもいくらでもあることを知っている

だけに辛い。


ちょっと悔しくても死ぬよりはマシ


この映画は2003年に韓国で起きた「漆谷継母虐待死亡事件」

を元に作られています。実際の事件を調べてみると、12歳の

姉が3姉妹の末妹で8歳の少女を殴打死させたというもので、

亡くなった少女の検死状況から日常的な虐待が発覚したのです。

その虐待の内容は文字にするのもおぞましいほどかつ実父も

関わっており、この映画のように実父がネグレクトしていた

わけではない状況です。判決は継母が懲役10年、実父は懲役

4年。いつも思うのですが、なぜ子育ては母親の方に負担が

大きくなるのでしょう。最近判決がおりた児童虐待事件では、

明らかに妻をDVによりコントロール下に置いていたのに、

「母として子供を守る務め」も強調されていました。この事件

では父が控訴していますが、もう一生刑務所から出てこなくて

いいと思っています。この映画でも「母性」を訴えるシーンが
あります。しかし父性についてなぜ追求しないのか、ほぼ

ネグレクトで、児童手当目当てに子供を家に置いていた父の

責任はそんなに軽いのかと思うのです。

 

幼い依頼人
出典:IMDb

 

個人の意見はここまでにして、映画は仲良しの姉弟の姿から

始まります。いたずら盛りのミンジュンの相手をしながら、

食事の支度から洗濯をしているのが姉のダビン。実母の写真は

どれも顔が切り取られており彼らは母親の絵を描こうにも顔が

わからないのです。

そこに実父が久しぶりに帰ってきます。この時に2人が表情を

硬くすることから、もしかしたら父も虐待をしていたのでは?

と思うのです。しかし新しい母親ジスクはきれいだし、食事も

作ってくれるし、ダビンの長い髪の毛もくくってくれます。

2人は大喜びなのです。ところが箸を上手に使えないミンジュンを

見てジスクは明らかに苛立ち、突然ゴムで髪をくくります。

これが合図なんです。

 

幼い依頼人
出典:IMDb

 

一方ロースクールを出たものの就職先が決まらず、姉夫婦の

家に居候しているジョンヨプは、姉に追い立てられて

「未来児童館」に社会福祉士として臨時で勤め始めます。

その時に警察から連絡があってその調査をすることになるのが

ダビン姉弟なのです。継母の暴力を訴え、「悪いことをした人は

警察に言う」という教えを守ったのに、そこでは相手にされず、

社会福祉士の仕事となってしまいます。ジョンヨプ役は

「お嬢さん」(2016)で親日派の朝鮮人で日本名を名乗る

上月役のイ・ドンフィ。全然雰囲気が変わっていますね。

 

幼い依頼人
出典:IMDb

 

さらにダビンの自宅に向かうと、継母ジスクが暴力など全く

なかったと話し、そして娘を家に入れてしまいます。社会福祉士

には捜査権はないのでこれが限界だと先輩職員は語るのです。
またダビンはその調査の件でさらにジスクに暴行を受け、担任

教師に訴えようとしますが、教師もそれを知っていても何をする

わけでもないのです。
しかしジョンヨプが警察で「キミは正しい」といった言葉から

ダビン姉弟はしばしば児童館を訪れるようになります。ジョンヨプは

実母はいないけれど、ちゃんと記憶の中に残っていて、姉弟はどんな
ママだったのかとしきりに聞きたがるのです。ジョンヨプの優しさと

いうか優柔不断さが姉弟の心の拠り所になってしまいます。そんな時

ジョンヨプがソウルで大手弁護士事務所に就職が決まります。
「すぐに戻るから」そして

「ハンバーガーを食べるお金を渡すから先に食べておいて」とその場

限りの嘘をつきます。ソウルの向かうジョンヨプが車の窓から姉弟の

姿を見た時に、信号が青に変わってしまい、そのままソウルに行って

しまうのです。ジョンヨプにすれば念願の大手弁護士事務所での仕事で

あり、車だってメルセデスを貸してもらえる。姉ちゃん一家が喜ぶ顔を

見ると、ソウル出身でなくても出世コースに乗れたジョンヨプはもう

夢見心地なのです。
その頃絶望の道をまっしぐらに進んでいるダビン姉弟とは真逆の姿です。

そしてダビンが鼓膜が破れる大けがを負い、学校で倒れます。連絡を

受けたジョンヨプが病院に行くと、かつてはダンスが得意で活発だった

ジョンヨプに表情が消え「仕方なくできた子は殴られて当然なの?」と

まで尋ねます。
そして遂にジョンヨプがミンジュンに渡した5万ウォンがジスクに

見つかり、姉弟は凄まじい暴力を受け始めます。アパートの隣や下の

階の住民も気づいているのに「今日は特にすごいな」程度の認識です。
この暴力でミンジュンが亡くなってしまい、その罪はダビンのせいに

されてしまいます。いやここでしっかり検死状況を見たら、子供の力で

できたケガでないとすぐわかるはず。実際の事件ではここで発覚した

ようです。しかし映画では弟殺しのダビンは幼いため罪に問われず、

再び親の元にもどされるのです。

「ミンジュンのように死ぬか、一緒に暮して生きるかどちらか」という

悪魔のような選択をさせるジスク。

 

幼い依頼人

出典:IMDb

 

じゃあ実父は?彼は仕事をしているけれど「自分の子供は所有物で、

どう扱おうが勝手だ」という考え方なのです。これは大間違いでは?
終盤の裁判シーンではまさかあのゴリラ人形が...。そしてダビンは

口を開くのかどうか...。
エンドロール前に、韓国では児童虐待が増加の一方だという文字が

流れます。これは日本も同じだし、それに対応する児童福祉関係の

圧倒的な少なさはもしかしたら韓国以下かもしれません。本当に
何人の尊い命が奪われたら、この問題が解決されるのでしょう。

 

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