赤の涙

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JUGEMテーマ:洋画

 

赤の涙

出典:IMDb

 

「赤の涙」

原題:Migas de pan/Breadcrumbs

監督:マネナ・ロドリゲス

2016年 ウルグアイ映画 109分

キャスト:セシリア・ロス

     ジマスティナ・ブストス

     キケ・フェルナンデス

 

1975年、軍事政権下のウルグアイで反政府グループの

一員として活動するリリアナは、突然軍によって拘束、

監禁される。彼女も含め拘束された男女は昼夜を問わず

拷問、暴行を受け、家族との面会もできぬまま9か月後

刑務所に移送される。しかしリリアナの一人息子ディエゴの

親権は夫カルロスに渡ってしまい、彼女は出所後も息子に

再会できないままブラジルに渡るのだった。


<お勧め星>☆☆☆ 当時に事実を知る映画としては重要

ですが、説明不足な部分が多いです。


警察国家体制の恐怖


南米ウルグアイでは、1973年〜84年まで軍事政権下に

置かれ、軍と警察を合わせて10万人の治安組織要員と市民

社会に10万人の密告者が存在したそうです。1982年の

人口が296万人なのでおよそ1割が監視する側の人間という

異常な警察国家体制だったわけです。そのため国民の17%

ほどが他国に移住していきました。
そんな時代を経て2010年、ウルグアイ、モンテビデオで

一人の青年の結婚式がとり行われます。母親らしき女性は

なぜか息子の親戚に無視され、さらには聖体拝領する神父に

さえ無視されます。
え〜、教会の神父さんって分け隔てないんじゃないの〜!
そして彼女は同じ年代の男女が集う場所で、和やかに過ごす

シーンに変わります。この彼女はリリアナ。

 

赤の涙
出典:IMDb

 

時は遡り、1975年、ウルグアイ、モンテビデオで、反政府

活動を送る若者が映ります。リリアナは1歳になる息子を実母

に預けてその活動に参加しているのです。リリアナの家も彼女の

夫カルロスもかなり裕福であり、当時富の恩恵にあずかっていた

側の人間です。したがって社会主義革命軍に参加するリリアナの

行動自体が許せるはずもないのです。おまけに息子は実母に

預けたままだし。
リリアナがこの活動に入ったきっかけは全く説明されません。

ただ人民を抑圧する軍事政権への強い不満を抱いていて、それを

行動に起こしていたことはわかるのです。しかしある晩、突然

アジトが軍に急襲され、翌日、私服の軍人たちにリリアナは誘拐

されてしまいます。彼女が連れていかれたのは、14番兵舎と

呼ばれる場所で、そこには多くの仲間が監禁されており、全裸に

され、昼夜を問わず焼き鏝をあてられる拷問やレイプなどを受け

続けることになるのです。日本版ジャケットはその時に恐怖に

おびえるリリアナの姿をそのまま使っていて、センセーショナルな

文句も書かれていますが、拷問などの時に大音量で流される能天気な

ラテン音楽にかき消されるかのように、映像としてはそのまま映る

ことはありません。

 

赤の涙
出典:IMDb

 

そして9か月後に突然刑務所に移送されるのです。刑務所内も

威張った女性看守の姿は目につくものの、特に目を覆うような

シーンはありません。時々訪れて威張り散らかしていく将校の

いやらしい言葉だけが心に残ります。つまりかなり単調であり、

親権がカルロスに渡ったことを知ったリリアナがそれほど

ショックを受けていなかったり、独房に入れられてもそこで

黙々と運動する彼女の姿しか見えなかったりとかなり中途半端な

描き方になっているのです。
そして1982年にリリアナは出所しますが、ディエゴに会う

ことができず、失意のままブラジルに渡るのです。したがって

冒頭の結婚式までディエゴに会うことがなかったということなの

です。
1988年に軍事政権下で人権侵害に関わった軍人及びテロ活動

構成員が恩赦を受けました。このどっちもいっしょくたに恩赦と

いうものが正しいのかどうか私にはわかりません。
しかしリリアナ達は2010年に、平和維持軍が少年に暴行し、

それを動画にアップしているのを見て、やはり軍事政権下の自分

たちが受けた非道な行為を告発するべく行動を起こすのです。

それを理解しない息子夫婦の言葉より、「孫のために行動したい」

というリリアナの言葉は、彼女の意志の強さを物語っていると思う

のですが、最後がどうも理解しづらいというか、あんな急に仲良く

なれるものなのかと少し驚いてしまいました。
ただ、何かの権力を盾に人を貶める行為を働く人間はいつの時代

にも存在し、その罪を追及されないまま、逆に相手をさらに貶める

行為、発言を行うこと人が多く、それがいかにその人間の価値を

下げていくかいい加減に気付けよと思うばかりです。

 

 

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