残された者ー北の極地ー

3

JUGEMテーマ:洋画

 

残された者

出典:IMDb

 

「残された者ー北の極地ー」

原題:Arctic

監督:ジョー・ペナ

2018年 アイスランド映画 97分

キャスト:マッツ・ミケルセン

     アリア・テルマ・サルマドッティ

 

セスナ機が北極圏に不時着した男は、救助を待ちながら、

毎日規則正しく生活している。そんな時待望の救助の

ヘリが飛来するが、悪天候により墜落し、パイロットは

死亡、女性乗員が瀕死の重傷を負ってしまう。彼は女性の

傷を手当てをするうちに、この場所からの脱出を考え始める

のだった。


<お勧め星>☆☆☆☆ ほぼミッツ・マケルセンの一人芝居

ですが、彼の表情や動きでその時々の心情が上手く表れて

います。


独りじゃないことは生きるうえで重要


オープニングからものすごく寒そうな景色が登場します。

固く凍った足元を掘って何かをしている男が、実は「SOS」

という文字を書いているのだとわかるのは、彼を遠くから

映すシーンに変わってからです。

 

残された者
出典:IMDb

 

この男は、「いつ」「なぜ」ここに不時着したのかわかりません。

また「だれ」であるかもわからないのです。一人で北極圏に

不時着したのだから、会話をする相手もいないため、言葉を

発することはなく彼の名前がわかるのは映画の中盤あたりです。

彼は腕時計のタイマーをかけていて、

→「SOSを掘る」

→「魚釣りの成果を見る」

→「遭難信号を送る」

→「セスナに戻り寝る」

→「起床する」
という行為を日々繰り返しています。足の指は凍傷で黒ずんで

おり、またいつから着ているのかわからないほど薄汚れた

防寒着が印象的です。

 

残された者
出典:IMDb

 

場所は北極圏という設定ですが、ロケはアイスランドで行われた

そうで、−30度の気温の中20日以上の日数をこの地で

過ごしたマッツ・ミケルセンは、「自分の俳優人生史上最も

過酷な経験だった」と語ったそうです。終盤には唇がひび割れ、

髪の毛、まつげ、髭まで凍り付いている姿は本物の寒さの中に

いることを物語ります。
居住場所としているセスナの中には「火」というものがないので

(もしかしたら使い切ったのかも)釣れた魚は生で食すしか

ありません。さらに、ホッキョクグマの襲撃を受けるのです。

ホッキョクグマは優れた嗅覚で匂いを察知し、氷を掘って巣穴に

いる個体を襲う、氷上にある呼吸用の穴や流氷の縁で待ち伏せる、

氷上にいる個体に忍び寄るなどの方法を取る。学習能力は高い

(Wikipediaより)を表すかのように、男が外に隠しておいた魚を

箱を壊してくわえて行ったり、また終盤には執拗に人間を襲います。

彼らはクマの中でも動物食傾向が強いようで、つまり人間も

食べられる恐れがあるというわけです。
動物園のホッキョクグマとは違うんです。
そんなある日、待望の救難ヘリがやってきます。地獄の仏!男は

大喜びで飛び上がってヘリの着陸を待ちます。この時のマッツの

表情は、満面の笑みという言葉が最もふさわしいもので、その後の
失望感は無表情として表されています。

 

残された者

出典:IMDb

 

ヘリは猛吹雪でコントロールを失い、何と墜落してしまいます。

駆け寄ると、パイロットは息絶えているし、同乗の女性は腹に

大けがを負っています。男は、彼女を自分のセスナまで運び、

ヘリにあった救急キットで応急処置をして看病を始めるのです。

ヘリにはなんとカップ麺があり、男はそのまま食べてしまいます。

それほど飢えていたのです。さらにライター、薬、そり、

コンロと、男が今までの生活で一切手にすることができなかった

物を見つけます。「火」は本当に重要で、それで暖を取ることも

できるし、食べ物を温めることもできるのです。さらに地図を

発見し、男は、ここからの移動を考え始めます。
これは自分一人のままなら思いつかなかったでしょうし、そもそも

思いつく要素が手元になかったのです。また助けた女性は言葉が

通じないけれど、その女性を生かすことが彼の目標になってきた

のかもしれません。

 

残された者
出典:IMDb

 

そして女性をそりに乗せ地図にある基地に向けて出発開始。しかし

深い雪の中を重いそりを引いて進む道のりは、かなり難儀で、

1人なら登れる岩山も、女性のそりが持ち上がらず、何度も

滑り落ちるため、危険かつ5倍長くかかる道のりを選ぶことに

なるのです。縁もゆかりもなく言葉もわからない女性だけれど、

毎日水を与え、手を握り返させ、その生を繋いでいく男の姿

には確固たる信念が伺えます。
ちょっとだけ疑問に思うのは、この人たち排泄シーンが一切

ないけれど、男はともかく寝たきりの女性は...なのかしら。

それは本題から関係ないから忘れよう。
男の名前はオヴァガード。女性の名前は身分証が写ったものの

読めませーん。エンドクレジットにも「女」とあったみたい。
そして女性がいよいよ危険な状態になると、オヴァガードは、

彼女を置いていく決断をするのです。すぐに凍ってしまうけれど

涙を流しながら、彼女を置いて先を進もうとした瞬間、雪に

埋もれていた穴に転落します。そして意識が戻ると彼の足は

岩にはさまれていて身動きができなのです。

「127時間」かよ!

あれはあーしたけれど、ここであーしたら確実に死ぬし、

そもそもスイスアーミーナイフ持ってないし。メキメキという

音が画面から聞こえると思わず「ヒエ」と言ってしまいます。

もう絶対に痛い!
これは女性を置いて自分だけ助かろうとした罰だと思い、女性の

元に戻るとなんと女性は「ハロー」と声を出すのです。

オヴァガードは「I'm sorry.I'm O.K.」を泣きながら繰り返して

言います。いや全然OKじゃないですけどね。足の傷はぱっくり

口を開けていますしね。
この辺りのシーンからラストにかけて、もしかしたらオヴァガード

の幻想だったかもしれないし、事実だったのかもしれません。

それがはっきり判断できないのです。ただ思うのは、

「独りでないこと」
こそ生きて行く一番の活力になるのだなということでした。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村  人気ブログランキングへ


コメント
コメントする








   

カレンダー

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>

ブログランキング

今日のわんこ

powered by 撮影スタジオ.jp

アマゾン

遊びにきてくれてありがとう!

カウンター

死語レッスン

最新記事

categories

過去の記事

コメントありがとうございます!

トラックバックありがとうございます!

recommend

お友達

ミス・マープルについて

書いた記事数:3191 最後に更新した日:2020/08/08

あの映画を探そう!

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM