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    はじめてのおもてなし

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    はじめてのおもてなし

    出典:IMDb

     

    「はじめてのおもてなし」

    原題:Willkommen bel den Hartmanns

    /Welcome to Germany

    監督:サイモン・ヴァーボーヴェン

    2016年 ドイツ映画 116分

    キャスト:センタ・バーガー

         ハイナー・ローターバッハ

         フロリアン・ダーヴィット・フィッツ

         エリアス・ムバレク

     

    ミュンヘンにあるハートマン家は外科医のリヒャルト、

    元教師のアンゲリカの二人暮らし。夫婦には企業顧問

    弁護士のフィリップと32歳にして学生の身分のゾフィ

    という子供がいる。家族4人とフィリップの息子バスティ

    が集まった席で、アンゲリカは「難民を受け入れる」と

    突然発言するのだった。


    <お勧め星>☆☆☆半 難民問題という難しいものを

    コミカルにかつ心温まる内容で描いています。


    敵意の塊はこの国の現状と同じ


    難民受け入れ問題は、特にヨーロッパにおいて賛否が

    割れるものになっており、それは難民を受け入れたことに

    よって自国民の職や安全を脅かすという恐怖に基づくもの

    です。実際に難民に交じってテロ組織員が入国する状況も

    あり、テロ対策のために特にイスラム圏からの難民は

    受け入れる国が少なく、受け入れたことで国民の反発を

    買うこともあります。難民の多くはシリアからですが、

    内戦や政情不安なアフリカからの難民も存在します。

    ヨーロッパで最も多く難民を受け入れているのがこの

    映画の製作国ドイツで、次がスウェーデンです。最近見た

    「希望のかなた」(2017)はフィンランドでの

    難民申請をするシリア人青年が主人公でした。彼らは

    自ら望んで祖国を捨ててきたのではなく、祖国で危険に

    さらされ、家族や親せきを殺害され、命からがら逃げて

    きた人々が大半です。
    「そうだ、難民しよう」とか「武装難民」などと無責任で

    無知な発信は絶対にしないでほしい。

    しっかり現実を知って、自分たちがいかに恵まれた状況に

    いるのかに気づき、そうでない人々への想像力を決して

    なくしてはいけないと思います。
    さて、この映画に登場するハートマン家は、ミュンヘンに

    大きな家を構え、夫リヒャルトは病院の外科医長、

    妻アンゲリカは元教員で今は悠々自適な生活を送っている

    のです。

    2人の子供のうち長男フィリップは企業の顧問弁護士を

    務め高給取りではあるものの、忙しさのあまり妻に逃げられ、

    息子バスティと二人暮らしだし、長女ゾフィは32歳にして

    目的が定まらず、薬学を学ぶために大学に通っています。

    ゾフィはさらにろくでもない男ばかりにひっかかり、今は

    ストーカーに絡まれているらしい。終盤にわかるのが彼女は

    年齢よりもかなり恋愛精神年齢が低く「憧れの王子様」が

    いると信じているのです。これは少しイタイ。
    そんな家族4人+バスティが集まった楽しいディナーの

    最中に、アンゲリカは「難民を受け入れる」と突然発言

    します。この発言に同調するのはゾフィで、男連中は、

    敢えて差別的な言葉を発しませんが、根本にある差別の

    意識で反対します。特にリヒャルトは、職場でも移民の

    研修医タレクに冷たく接するという、理性では寛容で

    ありたいと願いつつ、心の底ではそう思っていないことが

    まるわかり。
    それでも夫妻は難民施設へ向かうのです。そして

    ナイジェリアからの難民ディアロを受け入れることに

    なります。しかし彼も亡命申請中の身の上で、それが

    裁判所で許可されるまではいつ強制送還されるかわからない

    状況なのです。

     

    はじめてのおもてなし
    出典:IMDb

     

    ディアロを歓待する一家のそれぞれが気を使いすぎる発言を

    繰り返し、それはクスリと笑えますが、冒頭から感じる

    リヒャルトとアンゲリカのすれ違いはさらに深まっていること

    に気づきます。

     

    はじめてのおもてなし
    出典:IMDb

     

    夫よりも猫に心を寄せるアンゲリカといつまでも若くいたくて

    美容整形に通うリヒャルトは、かつてあんなに共通項があった

    生活に、少しも重なる部分がなくなってしまっています。

    しかしヒアルロン酸を顔に注入するリヒャルトには笑えた。

    美容整形外科医サーシャの下では、自分が顔やバストを整形

    した女性ばかり雇っていて、リヒャルトに「あの子俺が作った」

    などと言うわけです。
    一方ディアロは彼の価値観で発言をし、ゾフィには結婚を

    勧めます。

    「女性は子供を持つものです」

    「そしてもっとリヒャルトを尊敬しなさい」と言います。

    理由は「老人は尊敬するものです」
    アンゲリカはディアロに実物を見せながらドイツ語を教えて

    いきます。そうだ、彼女は元教師だったんだ。花が咲き乱れる

    庭をディアロとともに手入れしていくアンゲリカはとても

    楽しそう。でもね、隣家の人は難民への差別心丸出しなんですよ。

    サーシャの「アフリカ人はセックスとパーティーしかしない」

    という偏見とはまた違う狭い考え方の持ち主なのです。

     

    はじめてのおもてなし
    出典:IMDb

     

    またフィリップの息子バスティはラップやヒップホップに

    はまっており、学業は全くおろそかだし、フィリップが彼に

    関心を持っていないことがかなり不満なのです。いつも

    忙しそうに電話で話し、会議ではまくしたてるように語り

    続けるフィリップは、今の仕事を成功させ、上海で父子で

    暮らすことを願っているのです。おいおい、その前に

    バスティは退学になっちゃうよ。
    自分のやりたいことが見つからず、というか、親のすね

    かじりのままのゾフィは、今学んでいる薬学も父に勧めに

    よるものだし、その試験勉強すらろくにできていないし、

    ストーカーは実家にまで押しかけるし...。

    なんだ、幸せそうなこの一家には問題が山積されている

    じゃない。
    ゾフィを追いかけて自宅までやって来たストーカーは

    ネオナチであり、彼はディアロを見て、

    「彼から救い出してあげる!」

    と大暴れします。それが警察沙汰になってしまうし、

    (隣のばあさんが「殺人事件が起きている」と通報した)

    フィリップは上海に向かう飛行機に搭乗する際のランダム

    チェックを拒否したため拘束され、精神病院に入れられて

    しまいます。

    また、リヒャルトとアンゲリカの亀裂は決定的なものとなり、

    ついに彼は家を飛び出してしまうのです。まあ、facebookを

    急に始めて友人リストが整形美女ばかりだと誰でも恥ずかしく

    思いますよね。始めたきっかけがおのずと知れるというもの

    です。友人リストがタイ人女性ばかりという人も見たこと

    あるなあ。

     

    はじめてのおもてなし
    出典:IMDb

     

    実はタレクとゾフィは小学校の時に出会っているのですが、

    「アフリカ人ジョギング会」でタレクと知り合いのディアロは、

    それを知らないし、またリヒャルトの下でタレクが研修医を

    していることもゾフィは知らないのです。ディアロは

    「いい人がいるんだよ」

    とゾフィに話すのみです。いつ出会うんだろうな。これこそ

    王子様だよね。
    そしてようやく2人が再会した時にディアロはゾフィに

    言うのです。

    「キミのお父さんは敵意の塊だよな。それはこの国の状況と

    同じだよ」

    それに対しゾフィは

    「これを乗り越えたら希望が待っているのかしら」と答えます。

    善意だけでは物事はすまないけれど、敵意しか持たないことは、

    何の希望もなくしてしまいます。そもそも何に対する敵意

    なんだろう。
    ハートマン家の前でのストーカー+ネオナチ+隣のばあさんの

    抗議活動は、対抗する人たちとの大暴動に発展してしまいます。

    そもそもテロ組織の一員であると疑いを掛けられていた

    ディアロがドローンでずっと見張られていたというのもかなり

    怖い状況です。
    しかしながら終始軽妙なテンポで映画が進み、ラストもハッピー

    なものであるとこんなにも気分がよくなるのかと思って

    しまいます。ハートマン家の庭にはますます美しい色の花が

    増えていくのだろうと感じています。

     

     

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