娘よ

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JUGEMテーマ:洋画

 

娘よ

出典:IMDb

 

「娘よ」

原題:DUKHTAR/DAUGHTER

監督:アフィア・ナサニエル

2014年 アメリカ=ノルウェー

=パキスタン映画 93分

キャスト:サミア・ムムターズ

     サレア・アーレク

     モヒビ・ミルツァ

 

パキスタンの山岳地帯のニシュタル村。部族間の

争いの和解のため、ドーラッド・ハーンは、

娘ザイナブを対立相手のトール・グルの結婚相手と

して差し出す約束を交わす。しかし結婚の日、

ザイレブは母アッララキと逃亡を図ってしまい、

名誉を傷つけられた互いの部族が二人の行方を追

い始める...。


<おすすめ星>☆☆☆☆ 山岳地帯ののどかな景色の

中で起こるスリリングな逃走劇がこれまたのどかな

音楽に乗って描かれていきます。


時が全てを癒す


冒頭に10代前半の少女2人が楽しそうに話しています。

その中で「赤ちゃんってどうしてできるか私知ってるわ」

という1人に対し、もう1人が

「え!秘密にするから教えて」

と頼みます。知っていると語った少女が話した内容は

「男の子が女の子を見たら赤ちゃんができる」という内容

です。

「だから女の子は外に出ないんだね」

秘密を知った少女が納得するのです。この納得した少女は

その地区の部族長ドーラット・ハーンの娘ザイナブで、その

部族はゴルザング・ハーンという部族と復讐の繰り返しを

しているらしい。その話はドーラットと甥が話し合っており、

女性である妻アッララキは当然蚊帳の外なのです。

アッララキは若く美人さんで、ドラットはかなり年が離れて

いる雰囲気。アッララキが娘ザイレブに英語を教わるという

微笑ましいシーンも、彼女が学校を中退したことを物語るか

のようで「butとput」の発音はできるけれど、意味は忘れて

しまったと話します。
対立する部族との話し合いはものものしく、そしてその

和解条件というのが、ドーラットの娘ザイナブを嫁として

差し出し、「結婚の絆」で互いの部族を結束させようと

いうものでした。嫁に差し出せと言ったトール・グルなんて

70歳近いようなおじいちゃんですよ。しかしパキスタン

では児童婚が伝統、文化、慣習として残っており、さらには

金銭の授与、借金の清算、娘同士の交換、犯罪の償い、

紛争解決手段としても用いられることが多々あるそうです。

(ムハンマド・サジュトのレポートより)
赤ちゃんのでき方も知らない10歳そこそこの少女とあの

おじいさんが結婚!

いや最近見た「存在のない子供たち」(2018)でも

レバノンにおける児童婚を扱っていました。あちらの映画では
家賃が払えない一家が大家に娘を花嫁として差し出すという

もので、貧困ゆえに教育すら受けられないどころか出生届

すら出されていない子供の姿に愕然としたものです。
アッララキはザイナブに代々続くシーツを見せ、自分は

説明されなかったけれど、娘に結婚について話そうとします。

しかしザイナブは

「もう知っている」

と答えるのです。とはいえ、彼女が知っている秘密は冒頭の

会話の内容であり、なぜシーツに染みがあるのか、という

ことはさっぱり理解できません。
そしてきれいな飾りや衣装を前に大喜びするザイナブを映し

つつ、アッララキが彼女とこっそり逃亡していく姿が描かれる

のです。「逃亡」は互いの部族の「名誉」が傷つけられた

ことを意味し、「名誉殺人」を肯定するものになります。

「女性の体と行動には名誉が伴う、という古くて死を招く

考え方は、今でもパキスタン全体に広がっています」と

パキスタン人権委員会(HRCP)が語るようにその土地の

部族の力が伝統的に強いパキスタンでは特に「名誉殺人」が

多く発生しています。

 

娘よ
出典:youtube

 

アッララキはザイナブと徒歩で逃げますが、彼女たちが石が

積まれた塀に囲まれた狭い道を走るのに対し、男たちは車で

どんどん追って来ます。どこに向かうのかというより、

そこから逃げることしか頭になかったのでしょうか。そして

1本道でデコトラと出会うのです。

(デコトラはパキスタンではよくあるトラックらしい。)

 

娘よ
出典:youtube

 

アッララキの必死の頼みに応じ、ドライバーのソハイルは、

彼女たちを車に乗せます。するとどんな悪路でも追いつきそうな

TOYOTA車のトール・グルの部下たちにあっという間に道を

ふさがれるです。

 

娘よ
出典:youtube

 

しかし案の定、車のシートの下に隠れていた2人は見つけられず

無事に逃げられます。この後の車内が「無言」なんですよね。

もちろん話すこともないのでしょうが、アッララキは家族以外

の男性と接したことがないんじゃないのかな。このソハイル役

のモヒビ・ミルツァがとてもイケメンだと思ったら、パキスタン

では有名な人気俳優、司会者だそうです。他のおじいさんや

おっさんとは全くレベルが違う美しさです。これはルール違反。
「どこへ向かう?」
というソハイルの質問にアッララキは答えられません。その間に、

トラックの前を山羊や牛が横切るというのどかな風景を見られます。

ドアミラーに映るザイナブの表情は「不安」そのもので、今の

状況を不安に思っているのかと考えたら、実はトイレに

行きたかったという事実判明。

しかし通りがかったSAのような(到底イメージが違う)場所では、

ラジオから「母娘逃走中」というニュースが流れています。
さらにお漏らしをしたザイナブをトイレに連れて行った

アッララキは、犬の後を追っていった娘の名前をつい呼んでしまう

のです。こんな山中でも携帯電話はちゃんと通じ、母娘の存在を

チクる人物も出てきます。
そういえば男たちは携帯電話で連絡を取り合っていたけれど、

そういう基地局はしっかり立っているんですね。
アッララキはソハイルといたことから、「恋人と計画的に逃げた」

という話に変わってしまい、アッララキに心を寄せていた

ドーラットの弟シャフバースのみが2人を追い始めます。そして

なんとデコトラ故障!その背後からシャフバースの車が爆走して

くるのです。するとソハイルはデコトラの車体下に隠してあった

銃を発砲します。ソハイルは実は孤児で、その後

ムジャヒディン(民兵)になったものの、恋人ができたため

それを抜け、トラックの運転手をしていると語ります。さらに

恋人は亡くなったと。
その後は民兵仲間だた男の家でしばし休憩をし、ソハイルと

アッララキはとてもいい雰囲気になります。カーブルとインダスの

川の色の話はとても興味深く、この地の歴史をそのまま物語って

いるかのようです。
しかしザイナブは「おうちに帰りたい」と言うんですよ。それを

聞いたアッララキも結婚後一度も会っていない自分の母親に

会いたい気持ちが強まります。今まで抑えてきた願望がどんどん

あふれて来た感じでしょうか。15歳で父方の親族と結婚し、

それで自分の人生は終わったしまったと語ったアッララキが

自分の意思を初めて口にしたのではないかしら。
アッララキの願いを叶えるため、ソハイルは2人を連れて

ラホールへ向かいます。パキスタンではカラチに次ぐ人口規模を

持つ第二の都市だけあって、高層ビルが立ち並び、三輪車が

数多く行きかいます。
人々でごった返す晩のマーケットでの楽しそうな3人の姿を見たら、

普通の家族に見えたはずです。しかし、そこでは当然危険も待って

いました。鳴り響く太鼓の音や様々な人々の顔、きらびやかな光、
それと同時に起こる事件は、あっという間の出来事で、映画の

一番最初に流れた水に浮かぶボートに乗ったマリア様のような

アッララキの表情が再び映ると、そこにはザイナブもいます。

彼女こそは自由な生き方を手に入れてほしいという願望を強く

感じました。

 

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