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    1917 命をかけた伝令

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    JUGEMテーマ:洋画

     

    1917

    出典:IMDb

     

    「1917 命をかけた伝令」

    原題:1917

    監督:サム・メンデス

    2019年 アメリカ=イギリス映画 119分

    キャスト:ジョージ・マッケイ

         ディーン・チャールズ・チャップリン

         マーク・ストロング

         アンドリュー・スコット

         コリン・ファース

     

    1917年、4月、膠着状態が続く西部戦線で、

    イギリス軍上等兵ブレイクとスコフィールドは、将軍

    から「第2大隊の明朝攻撃中止」という伝令を届ける

    任務を受ける。通信手段はドイツ軍によって破壊されて

    おり、彼らが伝令を届けないと大体1600名が壊滅

    してしまうという重要な任務だが、そのためには

    ドイツ軍占領地帯を移動しなければならなかった。


    <お勧め星>☆☆☆☆半 臨場感あふれる映像に込められた

    反戦への強いメッセージを感じます。


    悲しみを引きずるな


    全編ワンカットで描かれた戦争映画ということで、どんな

    感じだろうと思って見始めると、冒頭から兵士の視線で

    始まります。狭い塹壕の中を軍曹に呼ばれ、人をかき分けて

    将軍のいる場所に向かう二人の若い兵士。

     

    1917
    出典:IMDb

     

    1917

    出典:IMDb

     

    彼らが指示を仰ぐ先に立っているのは、コリン・ファース

    演じるエリンモア将軍です。イギリス軍の猛攻によって、

    いったん退いたかに見えたドイツ軍は、最新の情報では、

    最前線に派遣されている第2大隊を陥れるための罠を張って

    おり、明朝の攻撃開始を利用して、大隊1600名を壊滅して

    しまうというのです。したがって何がなんでもその攻撃開始を

    阻止しなければならない。ところがあらゆる通信手段や道路

    などはドイツ軍によって破壊されているため、伝令を持った

    兵士が直接その情報を大隊に渡すしか手段がないわけです。

    指名されたブレイクの兄はその第2大隊に中尉として派遣

    されています。ブレイクとスコフィールドは、ドイツ軍

    占領地帯でありつつ、無人地帯である場所を白昼堂々と進む、

    という無謀な任務を与えられたわけです。
    まず出発する前に軍曹から受けた説明が限りなく絶望的

    なんですよ。鉄条網を抜け、遺体の転がる地帯を通り、敵の

    前線まで行ったら信号弾を撃てと言います。それでも絶対的な

    任務を遂行するため2人は出発します。

    彼らの最前線に位置する場所から、馬の死体が転がる土地、

    それに群がる大量のハエを横目に前進します。鉄条網に

    引っかかったままの兵士の遺体や散発的に起こる銃撃から身を

    かわすために入り込むくぼ地にも遺体が転がっているのです。

    泥と水たまりとぬかるみに足元を取られながら、ハエ、ネズミ、

    カラスという死を連想させる生き物が次々に登場します。

    そしてようやく敵の最前線に到着すると、そこがあまりに整然

    としていて彼らは驚きます。出口を捜して地下に行くと立派な

    ベッドさえ残されているのです。あの泥まみれの自分たちの

    いた場所とは大違いなのです。しかしそこで仕掛け線にネズミが

    引っ掛かり爆発が起きてしまいます。がれきに埋まった

    スコフィールドを助け出したのはブレイクであり、土ぼこりで

    目が見えない彼を誘導してかろうじて外に出ることができます。
    この時にドイツ軍が自ら破壊していった大量の火砲が映りますが、

    そこには戦力の差が歴然と現れているのです。
    そして次は草原をひたすら走ります。上空を飛んでいく戦闘機は

    味方のもので、少しだけ安心していると、次には切り倒された

    桜の木の向こうに廃屋らしき家が見えてきます。この辺りまで

    来ると、言い方は悪いのですが、クリアすべきポイントが明確に

    示されており、そこで何かを手に入れると、それが後で活用

    できるような展開だと気づいてきます。

    それでも何がその先にあるのか全く想像できないという恐怖と

    隣り合わせであることも確かです。廃屋には牛がおり、そこで

    絞って間もない乳を手に入れることができます。ところが味方と

    空中戦を繰り広げてていたドイツ軍機が、この納屋に突っ込んで

    きます。墜落する瞬間に急いでその場を逃げる二人の必死の

    形相によって、見ている方にも破片が飛んできそうなくらいに

    思えるのです。そして傷つきつつ生きていたドイツ兵を救おうと

    したブレイクは、その兵士に刺されてしまいます。

    「楽に逝かせてやろう」と言うスコフィールドに

    「いや水を持ってきてくれ」とブレイクが温情をかけたことが

    仇となったのです。直前の二人の会話でスコフィールドは、

    ソンムの戦いにも従軍していたことが分かります。戦地に

    おいて敵、味方となった時点で人間同士のつながりなど求めては

    いけないことをとうに知っていたのです。
    スコフィールドが一人で第2大隊のいる地点まで明朝までに

    歩いていけるのか、と思っていると、そこに別の隊の車列が

    到着します。彼はその隊のトラックに乗せてもらい、移動を

    再開しますが、その時に別の隊の兵士たちが交わす何気ない

    会話に涙を流しそうになるんですね。自分だって少し前まで

    こんな状況だったじゃないか。周りが笑いに包まれていくほど、

    彼の胸は痛むのです。
    しかしそんな感傷に浸る間もなく、ドイツ軍によって橋が破壊

    されていると知ると、彼は車を降り、その破壊された橋の

    手すりを恐る恐る渡っていきます。するとどこからともなく

    飛んでくる銃弾が耳元を足元をかすめます。いったい何人いるのか、

    それはどこにいるのか、全くわからないのです。ここでもまるで

    スコフィールドになったような気分になります。

    そしてそっと開けたドアの向こうに見えたドイツ兵との突然の

    相撃ちにより、彼は階段を転がり落ちます。どのくらい経ったの

    でしょうか。外が暗くなった頃、彼は目を覚まし、死んでいる

    ドイツ兵を横目に前進します。

     

    1917
    出典:IMDb

     

    1917

    出典:IMDb

     

    次は破壊つくされたフランスの町が煌々と燃え盛っている風景に

    変わります。そこで彼はフランス人女性と出会うのです。

    「何も取るものはない」とフランス語で訴える女性に、

    スコフィールドは英語で「味方である」と伝えます。全く言葉

    が異なるのに、「味方」というだけでしばし心が通い合う瞬間

    です。そこには親が誰かわからない赤ん坊もいます。

    スコフィールドは持っている限りの食糧を渡しますが

    「ミルクがいる」と女性は訴えます。ぴかーん!ここで牛の乳

    登場です。絞っただけの牛の乳を赤ん坊に与えていいものかなど

    と思ったりもしますが、すべてを奪い去られている女性に

    とっては貴重な食糧となるのです。

    ただ、彼女たちが安全であるはずもなく「一緒にいて」と言う

    言葉を遮り、彼は任務を優先させるのです。何度も書きますが、

    戦場においては上官の指示が最優先項目なのです。
    燃え盛る町で泥酔のドイツ兵を見つけ、ここにはドイツ兵が

    幾人か存在することを確信します。と思った途端、若い兵士に

    襲われてしまう。彼を倒すと、今度は泥酔兵が、そしてそれを

    ぶっ飛ばすと、闇からいくらでも銃弾が撃ち込まれてくるのです。

    そして追い詰められて遂に川の中に飛び込みます。川の中を漂う

    などという姿ではなく、激流を流され、遂には滝つぼのような

    場所に落ちてしまうのです。
    しかしスコフィールドはまだ任務を遂行できるのです。川の中に

    序盤に見かけた桜の花びらが大量に浮かんでいます。そういえば

    桜の木にもいろいろな種類があるとブレイクは語っていたなあ。
    いや、そんなことを考える間もなく、彼は川岸にたどりつき、

    流れついている多くの兵士の遺体を乗り越えて地面を踏みしめます。

    さらに進むと森の中から歌声が聞こえてきます。これがもしかして
    D連隊だろうか。しかしまだ目標までは走らなければなりません。

    すでに夜も明け、攻撃が開始されているかもしれないという彼の

    焦りも伝わります。
    ラスト付近、侵攻する連隊と90度違う角度の方向に全速力で走る

    スコフィールドは、何を考えていたのでしょうか。ただ任務を

    果たさなければならないという使命感だけでしょうか。
    「悲しみをひきずるな」と他の隊の軍曹が彼に言いました。戦争は

    人間が本来持ち合わせているはずの感情すらも奪ってしまうもの

    かもしれません。

     

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