スキャンダル

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JUGEMテーマ:洋画

 

スキャンダル

出典:IMDb

 

「スキャンダル」

原題:Bombshell

監督:ジェイ・ローチ

2019年 アメリカ=カナダ映画 108分

キャスト:シャーリーズ・セロン

     ニコール・キッドマン

     マーゴット・ロビー

     ジョン・リスゴー

 

2016年、保守系ケーブル局FOXニュースの元人気

キャスター、グレッツェンは、会長のロジャーを相手

取りセクシャルハラスメント訴訟を起こす。現在看板

キャスターであるメーガンは、戦いを望む相手に巻き

込まれない姿勢を保つ続けるが、同時に自分の軌跡を

思い出し動揺する。一方、野心家のケイラは、ロジャーと

面会する機会を得て、自分の意欲的な姿勢をアピールするが...。


<お勧め星>☆☆☆半 ここまでリアルに実在するテレビ局を

描いていることに驚きつつ、何も変わっていないことに愕然

とします。


公平とバランス


映画内でFOXニュースの会長ロジャー・エイルズが

新人キャスターのケイラに「忠誠心を見せろ」というシーンが

あります。この忠誠心というのは、まさに

For What? For Whom?

に尽きるのです。この会社はあなた個人のものではないし、

そもそもマードックという経営者が存在し、その下でロジャーが

働いている構図のはずなのです。しかしFOXニュースを立ち上げ、

ここまで大きくしたのはひとえにロジャーの功績であり、彼の

テレビ界での力は巨大なものになっていました。
映画は大統領選挙の討論会でトランプに対し、かつて女性への

セクハラをした事実を質問し、彼の怒りを買ってしまう

FOXニュースの看板キャスターでメーガン・ケリーの姿から

始まります。

 

スキャンダル
出典:IMDb

 

この役はシャーリーズ・セロンが演じており、カズ・ヒロに

よる特殊メイクで、実在のメーガンとうり二つになって

います。そのようにした意味は、この事件が示談金を

支払うことで終結し、以後この事件については守秘する

という誓約があったことで、闇に葬られてしまうこと

への大きな抵抗だと言われています。しかしこれが

例えば日本の民放局の話だったら、絶対に公にならない

だろうし、そもそも事件として扱われないんだろうと

確信してしまうのが怖いです。数年前にある局のお天気

お姉さんが、その局の複数の幹部と密会していたことが

スクープされ、お姉さんは即座に画面から姿を消した
ことがありました。その時に抱いた大きな違和感は

「なぜ彼女だけ責められるのか」ということです。

少し前に見た「リチャード・ジュエル」では、地方新聞の

実在した女性記者が、FBI捜査官から情報を得るために、

いわゆる「枕営業」をするシーンが出てきました。それは

実際にはなかったことだと女性の夫も新聞社も抗議している

のに、それをわざわざ映画内で描き、その行動が大騒動の

きっかけになってしまったという誠にひどい演出で、

今思い出しても頭に血が上ります。その女性がすでに故人で

あり、抗議の声を上げられない上に、製作側は「創作した

内容だから」で終わらせているのは許せません。
ということで本年見た映画の中でダントツ低評価にしています。

(個人の感想です)

 

スキャンダル
出典:IMDb

 

さて、メーガンの前に看板キャスターだったグレッツェン役は

ニコール・キッドマンが演じていますが、これまた映画内で

「自分らしくあれ」とノーメイクでテレビに出るシーンが

あります。本当にすっぴんに見えるんですが、実は綿密に

メイクしてあるという優れもの。彼女がなぜノーメイクで出演

したかは、FOXニュースでは、女性のルックスを大そう気に

するからなのです。能力以前に見た目が大事なのです。
ロジャーが言う「脚を出せ」「スカート履け」が絶対条件で、

その局の女性スタッフはみなスカート姿であり、キャスターは

金髪、ボディのくっきり出る衣装、高いハイヒールを履いて

いるのです。
ニュースにこんなものは不要と思うけれど、ケーブル局の

カルト的な人気を保つためには、視聴者が望むニュースを

視聴者が求める姿で放送しないいけないわけです。それは

フェイクであるか否かは関係がなく、見たくない人は他の局を

選択するわけだから、ある意味自由と言えば自由な姿勢です。

しかし中盤に局内の全通信、セクハラなどを訴えるための

ホットラインはすべてロジャーに監視されているという事実を

メーガンが語るのを聞くと、そこで働く人々はまさに操り人形の

1つに過ぎないように思えてくるのです。つまり機嫌を損ねたら

仕事がなくなる、意見を言ったら降格される、またそれによって
退職に追い込まれたとしても、FOXにいたということで他では

雇ってもらえなくなるなど大きな恐怖と隣り合わせというわけ

です。

この保守系の局で働いている人が全て共和党支持者かというと

そうでもなく、ケイラの隣に座っているジェスはクローゼット

民主党(自宅の壁にヒラリーのポスターを張っている)だし、

同性愛者であることを隠しています。そうまでしても仕事が

欲しいわけです。

 

スキャンダル
出典:IMDb

 

ところが新人で野心家のケイラは、ロジャーに挨拶をして、

キャスターの座を狙うのですが、そこでおぞましいセクハラ行為

に遭ってしまいます。このロジャーにとってはそれが今まで

当然のことだったし、それによって仕事を与えてやっていた、

ぐらいの感覚なんだろうな。つまり後釜はいくらでもいるから、

スポンサーやお偉い人たちと上手く付き合える都合のいい女性を

求めていたんだろうな。
そしてグレッツェンは遂に会社を解雇されます。しかしそれは

周到に準備していたもので、彼女はロジャーに対し、セクハラ

訴訟を起こすのです。ところがロジャーにセクハラを受けた

被害者はなかなか名乗り出ません。

FOXニュースを立ち上げる前に被害を受けた6人の女性の証言

以外は、かん口令がひかれ、誰一人として名乗り出ないのです。

ロジャーの主張がまことに見苦しい。

 

スキャンダル
出典:IMDb

 

「女は嘘つき」

「政治利用にセクハラを使っている」

「軽口をたたいただけ」
こういう時に最も敵になりうるのが女性であり、ロジャーの妻は

「この人は悪気はないのよ」とかばうし、FOXニュース社内では

チーム・ロジャーが作られて、彼を守ろうとする女性たちが

現れます。
「グレッツェンには見方がいなかった。彼女は嫌われていた。」

そんな風に言われ、誰も支持しないと思っていたら、遂にメーガンが

行動を起こします。それはジェスからケイラがロジャーにセクハラを
受けたことを知れされ、自分と全く同じ境遇であることに気づいた

からでしょうか。いや、そんな優しさではなく、自分らしく生きる

ことへの誇りを感じたからだと思っています。こんな権力を傘にした
無能な男ではなく、自分で道は切り開けると確信したからだと思います。

その直後にすれ違った局の男性カメラマンに挨拶をしても無視される

んですね。そしてすぐに家族とのハグが待っています。
つまり周りに気を使って皆に好かれようとすることより、自分の家族

こそが自分を一番に考えてくれるということを示唆していると

感じます。
大昔から「優秀な女性」は存在しているのに、活躍できる場は少なく、

強さだけをアピールする男性を盛り上げることができる女性こそ、

この世に必要だと思う人たちが多くいるのは本当に残念です。
ラストシーンは、ロジャー一人が去っても何も変わらないことを

意味していて、戦いはまだ続いていくんだと思いました。

 

 

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