スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
- 2023.01.12 Thursday
- -
- -
- -
- -
- by スポンサードリンク
JUGEMテーマ:コメディ映画全般
出典:IMDb
「ゲット・デュークト」
原題:Boyz in the Wood
監督:ニニアン・ドフ
2019年 イギリス映画 87分
キャスト:ケイト・ディッキー
エディ・イザード
ジェームズ・コスモ
ケビン・ガスリー
スコットランドのハイランド地方でエディンバラ公
アワードに参加することになった4人の少年は
カーライル先生の説明の後、さっそく広大な土地を歩き
始めるが、突然謎の男に発砲されてしまう。彼らはその
相手にやけどを負わせ、その場から逃げるのだが、合流
場所にいたカーライル先生が足にやけどを負っていたことで
彼を疑い...。
<お勧め星>☆☆☆半 いかにもイギリス的なジョーク満載で、
色気や下品さはなくただただおバカぶりを楽しめます。
パン泥棒逮捕こそ最優先課題
スコットランドは北、西側の「ハイランド」と南、東側の
「ローランド」地方に分かれており、「ハイランド」地方は
広さはスコットランドのおよさ3分の2を占めるもののそれら
はほぼ山間で、ケルト文化が残り、イングランドに対し
反抗的な人々が多く住む地域という感じです。
出典:wikipedia
「ローランド」地方にはエディンバラやグラスゴーという有名な
都市もありますので日本からの英国ツアーに含まれていることが
多いのに比べ、「ハイランド」地方はスコッチウィスキーで有名で
ある程度の知識しかありません。
さてこの「ハイランド」地方で、毎年恒例のエディンバラ公アワード
という都会の少年たちを田舎で冒険させるという企画が行われます。
その冒険を達成すれば、公爵としての賞状をもらえるのですが、
やってきたのは悪ガキ3人で、親が放任のダンカン、問題行動ばかり
起こしているディーン、ラッパー気取りで反抗的なウィリアムという、
いかにもこの企画にふさわしくないメンツです。もう一人大学進学の
ために有利になると考え参加したイアンは全くなじめません。
出典:IMDb
この冒険の説明をするカーラライル先生は「毎年失踪者が続出して
いる危険なコース」などと思い切り脅すし、携帯の電波も届かない
荒野のど真ん中に置いてきぼりにされた4人は、さあどこへ向かう
のでしょう。いや向かう場所は決まっているし、地図ももらって
いるのです。ただ、イアン以外はとにかく「バカ」なので地図を
読むどころか方角すらわかりません。この3人の「バカ」っぷりが
徹底しているし、それでいて会話がアメリカのティーン映画のように
下ネタ、色気ネタにならないところがいい感じ。でも4人は気づかない
けれど電流が流れている鉄線の向こうに人間の足が埋まって
いるのがチラリと映ります。しかし「バカ」なのが幸いです。
また持ってきた大麻を吸うために大事な地図を破いて紙代わりにする
「バカ」登場。それも隅っこではなく折り曲げた時の隅っこなので、
つまり地図のど真ん中がなくなっているのです。ところが山の上の
方で、彼らを銃で狙う人物が登場します。これは「マン・ハンター」
ではないか?アメリカ映画「NAKED ネイキッド」(2007)は
全裸のお姉さんが映画の中盤くらいまで何も身につけないまま
ボウガンや銃で追いまくられました。とにかく「早く何か着せてあげて」
とまで思うほど長い時間全裸です。しかしこの映画は4人はちゃん
と服を着ているし、そもそも少年ですからね。
出典:IMDb
出典:IMDb
一方、この地域の警察署は田舎であるため大した事件もなく、
もっぱらの最優先項目は「パン泥棒」なのです。署長以外に
男女二人の警官しかいない小さな警察署で二人はパトロールに
出ますが、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」
(2007)のサイモン・ペッグ、ニック・フロスト並みに
ポンコツです。いえ意欲は満点なんです。ただ実際に大きな事件を
扱ったことがないため、まず爆発物をネットで調べた人物がこの
地域に来ている情報が入ると=テロリスト、カーライル先生が
小児性愛者だと4人が通報すると=小児性愛者、ドラッグの
吸い殻とヒップホップを聞くと=ギャング...。最後には白い粉を
顔につけて走っている少年を見かけて=ゾンビなどと、捜査優先
項目が変わっていきます。ちなみにこの捜査項目ボードだけは
しっかりできているんです。
さて彼らは銃で襲った人物に爆弾もどきを投げ、ポソっと燃えた
ので相手は足をやけどしました。そして集合場所に行くと
カーライル先生が足をやけどした姿で立っています。「バカ」の
思考回路は直流電流のようにすぐにつながり、なんとダンカンが
カーライル先生を乗ってきたバスでひいてしまうのです。少し考える
時間はなかったのかなどと思う間もなく、カーライル先生を車に乗せ、
崖から突き落とすはずが、バスは坂道を逆方向に下っていきます。
その姿が先ほどの警官コンビの背景に見えるのですが、もちろん
警官の目には入りません。
そしてイアンは逃げる途中に足をくじいてしまい、なんとくぼ地に
置いてきぼりにされます。一応隠れみののように草木をかけて
くれるのが、ダンカンで、悪い奴ではなさそうです。しかし置いて
いくのはよくあるパターンです。
また目の前に見えてきた小屋に助けを求めようと言うウィリアムの
主張はダンカンとディーンには受け入れられず、彼は一人でそこ
に入っていきます。そこには牛の革のマスクをはめ、チェーンソーを
持った大男が住んでいて...それは「悪魔のいけにえ」(1974)で、
そのそも牛を見かけません。右を見ても左を見ても羊のみです。
出典:IMDb
ディーンとダンカンが洞窟を見つけて逃げ込むと、なんとか逃げて
きたイアンの悲鳴が聞こえるのです。そう、何やら変なマスク姿の
老夫妻に狙われており、彼らは「年に一度の問題児を淘汰するチャンス」
とか言っていました。卑怯者のように見えたダンカンとディーンも
やけに勇気を出して救出に向かいます。ちょうどその頃、例の小屋では
老人たちの輪の真ん中でウィリアム=DJビートルートがラップを歌い、
マジックマッシュルームを食べたウサギの糞を食べて、みんな
ノリノリになっているんです。そうかレザーフェイスはいなかったのか。
彼らを引き連れ、ラリった頭でイアンたちの元へ向かうので、老夫婦は
退散していきます。何やかや「仲間」となっているではありませんか。
そして彼らは老夫婦の残した古い銃と剣ととても鋭いフォークと狐の帽子
(これ意味ある?)老夫婦の後を追うのです。もちろんパワーアップの
ためにウサギの糞を食べるのはマストアイテムです。(汚い)
坂道を下って行ったバスがしっかり役に立ち、さらに4人は警官からも
褒められ、大きな自信を持つことができたすごい体験をしたんですよ。
「バカ」と言い続けた映画でしたが、不思議と不快には感じられず、
ホラーテイストのコメディという感じです。ちょっとお勧め映画です。