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    薬の神じゃない!

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    JUGEMテーマ:洋画

     

    薬の神じゃない!

    出典:IMDb

     

    「薬の神じゃない!」

    原題:Drug Dealer/Dying To Survive

    監督:ウェン・ムーイエ

    2018年 中国映画 117分

    キャスト:シュー・ジェン

         ワン・チュエンジュン

         ジョウ・イーウェイ

     

    上海で回春薬の販売を手掛けるチョン・ヨンは家賃も払えず、

    別れた妻に息子を奪われかけている。そんな彼に白血病患者

    のショウイーから「インド製の未認可の白血病用薬を密輸し

    販売してほしい」と依頼される。一旦は断った彼だったが、

    その報酬目当てに薬を仕入れ、販売ルートを確保するために

    ショウイーの紹介で、白血病患者コミュニティー主宰の

    スーフェイ、患者で不良のボン・ハオ、信者に患者が多く

    英語が話せるリウ牧師を仲間に入れるのだが...。


    <お勧め星>☆☆☆☆半 前半は笑いのシーンが多いものの

    中盤以降この映画の本当のテーマに気づかされ最後は胸が熱く

    なります。


    治せない病は貧乏


    2014年に中国で実際に起きたガン治療用ジェネリック医薬品

    をめぐる事件をもとに製作された映画ですが、まず序盤の雰囲気

    がインド映画のように感じられるのと、しばしば笑えるシーンが

    登場するのが特徴です。

    主人公のチョン・ヨンは上海で怪しげな回春薬を販売している

    ものの、売り上げはさっぱりであり、さらに妻に愛想を尽かされ、

    どうやら金持ちの男と再婚しているらしい。そして一人息子の

    親権を巡って調停になっているのです。ヨンは稼ぎも少なく、

    病気の父親がおり、それでいて短気なためすぐに手が出てしまう。

    威勢がいいのだけが取り柄のようなどうしようもない男です。
    舞台は上海なのに街の雰囲気がどこかインドのような色遣いで、

    とはいえ映画中盤に登場するインドの街並みのような人波に溢れて

    いる姿は見られません。

     

    薬の神じゃない!
    出典:IMDb

     

    そんなヨンのもとにマスクをした怪しげな男が現れます。「国内の

    白血病の薬が高すぎる。だからインドから安価な薬を密輸して

    ほしい」この申し出は明らかにヨンに法を犯せというもので、幾ら
    金儲けができるからと言って首を縦にふれるものでもありません。

    こっちには元妻に奪われそうな息子がいるし、病気の父親だって

    いるので逮捕されるわけにはいかないのです。ところでこの怪しげな
    男ショウイーがマスクを3枚重ねてつけており、1枚1枚めくって

    いく姿はまずそこで笑えます。しかし白血病患者は他の病気への

    感染予防にかなり気をつけていると知ると、彼の姿も笑えなくなるの

    です。
    とりあえず話を断ったものの、家賃滞納で店は大家に鍵をかけられて

    しまうし、息子を巡って元妻は裁判を起こすと言う。

    「あなたの経済力では無理よ」痛い!
    ヨンはそこでショウイーの話を引き受けることにするのです。一路

    インドに向かうと怪しげなインド人?が薬を見せ、

    「たくさんさばけるなら代理店契約をする」と言います。この薬の

    効果は本物なのか、ということよりまずはお金儲けをしたいヨンは、

    患者に接近するのですが、中国国内で認可されている正規の薬を

    買うと3万7000元(約55万円)、インド製は2000元(3万円)で

    薬効は同じ、と言われても患者が信じるはずもありません。実は

    インドでは衝撃の事実を知らされていて

    「2000元は売値で、卸値は500元だ」なのです。これが正規品と

    効能が変わらないとすると製薬会社はぼろ儲けしていますよね。
    時折登場するスイスの製薬会社の中国担当者がいかにもいけ好かない

    タイプなのも象徴的です。

     

    薬の神じゃない!
    出典:IMDb

     

    たくさん販売して代理店契約を結びたいヨンは、娘が白血病で患者

    コミュニティーを主宰しているスーフェイをショウイーに紹介して

    もらいます。彼女は踊り子(ストリッパー)として働き、薬代を
    稼いでいるのです。彼女のネットワークで薬を求める患者が増え、

    さらに通訳のために信者に患者が多くいるリウ牧師を説得し、

    それから金髪不良少年で白血病患者のボーハオも加わります。

     

    薬の神じゃない!

    出典:IMDb

     

    このボー・ハオ役が「象は静かに座っている」(2018)で

    口ひげを生やした不良のボス、ユー・チュンを演じたチャン・ユー

    とは最後まで気づきませんでした。
    彼らの薬は飛ぶように売れ始め、商売繁盛、患者も薬が手に入り、

    大喜び、と思いきや、やはり正規品を販売するスイスの会社が

    圧力をかけ警察も動き始めます。

     

    薬の神じゃない!

    出典:IMDb

     

    この捜査の担当ツァオ刑事は、ヨンの元妻の弟という関係ですが、

    それを知るのはかなり後になってからです。
    ある程度稼いだ時に、ヨンはこの仕事から手を引き、違う男に

    任せます。それは自らの立場のみを考えたことで、その後縫製工場の

    社長となり、メルセデスベンツに乗り込む立派な姿となるのが1年後。
    ところがそこにショウイーの妻が現れるのです。

    「あの男は金を持ち逃げして姿を消した。患者は薬が手に入らなく

    なった。そして夫は...」
    ヨンはこの後、今までと全く違う志で行動を始めるのです。手伝うの

    はボー・ハオ。それはとても危険な仕事で、迫りくる警察の追手と

    背中合わせなんだけれど、彼にはその選択肢しか考えられなくなって

    います。ヨンの顔つきが前半の血の気だけ多いいい加減な男から、

    あっという間にシリアスでキリっとした表情を浮かべた人間に

    変わります。それは仕事を任せたはずの男の言葉にも触発されて

    いるんですよ。
    「世の中で治せない病気は貧乏なんだよ」
    警察が「偽薬」として摘発しようとしている薬は、実は効能はスイスの

    メーカーのものと変わらないことがわかっていても「情けより法を

    守るのが警察官の務め」という署長の命令にツァオ刑事は従わざるを

    得ないのです。
    金髪を切ってさっぱりしてきたボー・ハオに「前の方が似合っていたな」

    と答えるヨンの言葉に、劇場から笑いがもれましたが、その後は鼻を

    すする音に変わりました。
    ラスト付近の映像と字幕で多くの希望が見える映画です。

    しかしそこかしこに様々な問題を提起している内容でもありました。

    これはお勧め映画です。

     

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