「渇き」
原題:thirst
監督:パク・チャヌク
2009年 韓国映画 139分
キャスト:ソン・ガンホ
キム・オクビン
シン・ハギュン
サンヒョン神父は人の死を見送るばかりの日々に耐えかね、伝染病のウィルス実験
を志願する。彼はその実験から奇跡的に生還するが、その一方で輸血によって
バンパイアとなってしまう。
そして彼は幼なじみガンウの妻に強く惹かれ、ある計画を思いつくのだった。
「JSA」、「オールドボーイ」などの復讐三部作のパク・チャヌク監督の映画です。
主演はおなじみのソン・ガンホ。今回の映画では、10kg減量し、精悍な体格に
改造したそうです。
彼の幼なじみ、イ・ガンウ役は「復讐者に憐れみを」のシン・ハギュンです。この人って
狂気じみた仕草の中に滑稽さを残す演技がとても上手ですね。
ヒョン・サンヒョン神父は毎日死んでいく人々を見送る日々に疲れ、かといって自殺は
聖職者として許されず、自らの命を人の役に立てるために、謎のウィルスの人体実験台
を志願するのです。
みるみるうちに彼の顔に、からだに水泡ができ、爪は取れ、口から大量の血を吐いて、
彼は死亡...と思ったら500人の治験者のうち1人だけ生還してしまいます。ところが
その際の輸血でなんとバンパイアになってしまうのです。
聖職者である彼は、事故患者の流れる血をペロリとなめたり、患者の点滴チューブから
血を吸うことで、自らの身体を維持していきます。
この血を失敬するシーンはなんともおかしい姿です。
しかし、幼なじみイ・ガンウの妻テジュと出会ったことから、彼の心は大きく揺れ動くのです。
テジュ役のキム・オクビンは小悪魔的でとても可愛いです。そして韓国映画ではおなじみの息子を溺愛し、嫁に意地悪をする姑の存在。
テジュへの愛情と彼女の哀れな境遇に同情し、悩みぬいたサンヒョンが、遂に一線を
超え、そしてそれがドミノ倒しのように悪の連鎖となっていく。
ラスト付近の車のトランクの蓋の奪い合いを含めて、どこかコミカルでありながら、愛と
欲望を描き出したストーリーでした。
敬虔な神父が抑えきれなかった本能への苦悩、テジュが自分の境遇から抜け出し、
バンパイアとなったことから始まる新たな苦痛。これが「渇き」の意味でしょうか?
<マープルの採点>
お勧め星 ☆☆☆
グロ星 ☆☆
ゾクゾク星 ☆
エロエロ星 ☆☆
ダルダル星
よかったらポチっとお願いします。
連休なのねえ...。