「ダスク・オブ・ザ・デッド」
原題:splinter
監督:トビー・ウィルキンス
2008年 アメリカ映画 92分
キャスト:パウロ・コスタンゾ
ジル・ワグナー
シェー・ウィガム
テントが壊れ、キャンプをあきらめたセスとポリーの車の前に見知らぬ男女が現れる。
男は彼らに銃を突きつけ、無理やり車に乗り込んでくるが、その後何かを踏みつけ
タイヤがパンクする。さらにラジエターも故障し、修理のために立ち寄った
ガソリンスタンドには誰もおらず、血まみれの男が転がっているのだった。
暇そうなガソリンスタンドの店員が外に出て、さて客でも来るのを待つか、という具合に椅子に座っていると、後ろの草むらで何かの音がするのです。
「なんだ?」すると瞬時に何かが彼を襲ってきます。速い動きです。
そのシーンとオープニングクレジットが交互に映し出され、
これがこれから始まる恐怖の正体であると想像できるのです。
さてポリーはアウトドア大好きな体力自慢の女性、そして同棲相手のセスは、
生物学を学ぶ頭でっかちな軟弱な男性。この2人が森の奥へキャンプに来る
のですが、案の定セスがテントを壊してしまう。「モーテル、モーテル!」と
2人は車を走らせます。
「この木は樹齢300年以上あって...。」
「お願いだから少し黙ってくれる?」
そんなやり取りをしていると、目の前にいかにも怪しげな女が現れます。
車を止めると同時に隠れていた男が銃を突きつけ、彼らは車を乗っ取るのです。
凶悪犯らしき男デニスと絶対にドラッグ中毒らしい女レイシー。 へっぽこセスはポリーの車がマニュアル車のため運転できず、ついでに
何かを踏んでパンクしたタイヤ交換さえできません。
まあ、こういう場合女性ができない部分を補うから、これはこれで
いいカップルかも、なんて思ったりして。
それはそうとパンクの原因の謎の物体がなにやらトゲトゲで動いているのです。
「ジンジャーよ!生きているわ。」
レイシーがセスに救出を頼みますが、いやいやどう見ても肉片にトゲトゲが
ついて動いているだけでしょう。それをぶつくさ解説するセスもえらいねえ。
そしてラジエターまで故障し、立ち寄ったガソリンスタンドには店員の姿が
見えません。悪党の割には、律義にお金を払おうとするデニスは、実はいい人
なのかしら?ところがトイレに行ったレイシーが見たものは、あり得ない
方向に手が曲がって転がっている血まみれかつトゲトゲだらけの男です。
トゲトゲだけは大映しになり、結構力を入れて描写しています。
「キャー」
というレイシーの悲鳴を聞きつけた3人が見たものは、トゲトゲに 襲われていく彼女の無残な姿です。逃げ込んだガソリンスタンドの
ドアガラスに何度でもぶつかり、もうぐちゃぐちゃのレイシー。
そしてそれに向かって
「まだ動いているんだ。生きている。」
とデニスは悲痛な叫び声をあげます。
ここからはトゲトゲVSポリー、セス、デニスの戦いです。体育会系の
ポリーはなぜかデニスと気が合い短絡的な方法で助かろうとします。一方
セスはこの謎の生物をあれこれ解説する。
「それより助かる方法は?」
なんてポリーに叱られてしまう始末です。
トゲトゲは店内にも入り込み、異様な形で彼らを襲います。
この動きもなかなかよくできていますよ、
最初は武闘派の2人に引きずられた形のセスでしたが、終盤では知力で 物を言わせます。自らの命の危険を冒してまで、車を取りに行こうと
考えるセスはえらいよ!だけど「巨人の星」で伴宙太が、飛雄馬の
大リーグボールを打つことができたのに、1塁ベースまで走ることが
できなかったように、彼も走れないんですよ。そこは知力だけでは
乗り越えられない壁ですね。
登場人物は約5人。シーンも森の中とガソリンスタンドだけという低予算の 映画ながら、一気に見ることが出来も面白さでした。約5人と書いたのは、
もう1人女性保安官が出ていますが、
あっという間に犠牲になり、体が上下真っ二つになってしまったので、
数に入れませんでした。
ちなみに原題「splinter」は「とげ、破片」という意味です。ゾンビとは
一切関係ないので、この邦題はダメダメですね。この邦題で見るのをやめる
人が増えたと思うわ。
<マープルの採点>
お勧め星 ☆☆☆
グロ星 ☆☆☆
ゾクゾク星 ☆☆
エロエロ星
ダルダル星