「マネーボール」
原題:moneyball
監督:ベネット・ミラー
2011年 アメリカ映画 133分
キャスト:ブラッド・ピット
ジョナ・ヒル
ロビン・ライト
フィリップ・シーモア・ホフマン
アスレチックスのGMビリーは、元メジャーリーガーである。
貧乏球団であるがゆえに、シーズンオフには有力選手を
金持ち球団に引き抜かれ、来シーズンの展望に頭を抱えて
いる。そんな彼はピーターという「マネーボール理論」を語る
男と出会い、斬新な手法でチームを立て直すことにするのだった。
金にものをいわせて有力選手を獲得するピンストライプの球団。
あら!日本でもそんな球団が今話題になっているような(-"-)
2001年10月15日。アメリカンリーグ地区優勝決定戦で2連勝
したにもかかわらず、3連敗し、オークランド・アスレチックスは
地区優勝を逃す。このチームのゼネラルマネージャー、ビリー
役はブラッド・ピットです。彼は元メジャーリーガーで、スカウトの
甘い言葉と高額な契約金を前にして、大学進学を捨て、プロ入り
するも全く目が出ず、アスレチックスのスカウトになっていたのです。
これは日本でもよくある話で、プロとして成功するのは、ほんの
一握りであり、それがかなわなかった者は、どんな道をたどるのか、
それは厳しい現実が待っているのでしょう。
アスレッチクスは、金持ちチーム→貧乏チーム→クソチームの下に
ある、もう霞のような存在だったのです。
そしてせっかく有力な選手に育て上げても、シーズンオフには、
金満球団に引き抜かれてしまう。来シーズンの選手の穴埋めを
話し合っている、かなりベテランらしきスカウトの、実の無い言葉が
ビリーのいらだちを募らせます。
そんな彼は、エール大学出のピーター・ブラントという青年と出会う
のです。
実際はポール・デポデスタという人物だそうですが、映画内での
描かれ方に不満を持ち実名での登場は拒否されたとのこと。そこで
ピーターという架空の人物になったそうです。
彼は「選手を買うのではなく、勝利を買うべきだ。」という独自の理論
を語り、オーナーから十分な金を引き出せないビリーは、その話に
乗っていくのです。
「マネーボール」(不公平なゲームに勝利する技術)は、現在では
理論として確立されており、一方では、野球界の古い人間たちからは
批判を受け、またこの理論自体にも変化が出てきているようです。
その辺りは読んでもよくわかりません。
とにかく個々の選手の統計を取り、今まで重視してきたスカウトの勘
や選手の見た目、私生活などは全て考慮せずに選手を獲得していきます。
それは他球団でお荷物になった選手や、マイナーで評価の低い選手
にも及ぶのです。つまり安いお買いものをするわけです。
しかし、そんな方法で集めた選手集団で迎えた開幕戦から、チームは
一向に勝てないのです。理論上は勝てるはずなのに。イラつくビリーは
椅子やら金属バットやら物を投げつけて怒りをあらわにします。
チームの監督アート・ハウ役は、「ダウト あるカトリック学校で」(2008)
のフィリップ・シーモア・ホフマン。この人はどう見ても元野球選手には
見えないなあ。
いや、昔は筋肉質だったと思えばいいのかな。
試合シーンには、元野球選手や野球経験のある俳優が起用され、まさに
実際のゲームが行われているようです。
勝利だけが求められる野球ですから、ビリーへの批判は、チーム内外
から高まり、彼は遂に思いきったトレードや自らコーチを行い始めるのです。
ここでもトレードや戦力外になる選手への突然の通告シーんがリアルに
描かれています。これはプロだから仕方ないけれど、結構キツイです。
そして遂にチームは勝利をおさめ、その後20連勝を続け、その試合は
なんと代打勝ち越しサヨナラホームランという劇的なものでした。
野球が大好きなので、1シーンごとに手に汗を握り、ついアスレチックスを
応援してしまいます。
一勝のために、ヤンキースでは140万ドルもかけているのに、アスレチックス
では26万ドルというのには驚きです。そんなにかけても優勝できてないじゃん。
アスレッチクスの本拠地オー・ドットコー・コロシアムは周囲は治安が悪い
そうですが、レトロで古き良き時代の球場といった感じでした。
老眼鏡で資料を読むブラピは年齢を感じさせますがかっこいい!
そして20連勝が決まり、一人で小さなガッツポーズを決めるブラピの
姿は何気に感動しました。
離婚した妻と暮らす一人娘が、パパのために作った歌もよかったです。
<マープルの採点>
お勧め星 ☆☆☆☆
暖かいと言うからコタツ布団を洗ったら、寒くてたまらない。マッキーのばか。