「ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春」
原題:deadheads
監督:ブレッド・ビアス
2011年 アメリカ映画 95分
キャスト:マイケル・マッキディ
マーカス・テイラ
ロス・キダー
マイクがふと目を覚ますと、目の前にはゾンビの集団とそれを
攻撃する人間たちのすさまじい戦いが行われていた。そのマイク
も何者かに銃で撃たれるが不思議と痛みを感じない。彼は町で
知り合ったブレントとチーズと共に、胸ポケットに入っていた指輪
を渡すため、恋人の元へ向かうのだった。
True love never dies.
そりゃあそうですけど、頭に2発も銃弾を撃ち込まれ、右の手の平には穴が開き、
取り外し可能な腕を持つ男に未来はあるのでしょうか。なんて言ったら元も子も
ないか。限りなく前向きになれる映画です。
マイク・ケラーマンは、突然死体袋の中で目を覚まします。彼には記憶がなく、
なぜ自分がここにいるのかわからない。とりあえず近くにいた人間に助けを
求めると、逆に銃撃されてしまうのです。おい、どうしてなんだ?あれ?痛くないし
死なないぞ。どうやらマイクは、死んだあと蘇生薬を打たれ、半分ゾンビになって
いるようです。人間としての知能はあるけれど、過去の記憶は断片的にしかわか
りません。なんとも中途半端なマイク。その間にもゾンビを攻撃する人間によって
ゾンビの頭は撃ち抜かれ、刺され、体に穴をあけられていきます。一方ゾンビ達も
人間を襲い、彼らの首に噛みつき、内臓、手、足をおいしそうに食べていくのです。
ここまではよくあるパターンですね。
しかし半分ゾンビのブレントと知り合い、(こいつの死因が情けない)彼のペットで
本当のゾンビのチーズを連れて、マイクの元恋人に会いに行こうと考え始めます。
そうそれはマイクの胸ポケットに入っていた指輪で思い出したんです。そこから
ヒッチハイクしている彼らを車に乗せてくれたクリフなんてじいさんと一緒にちょっぴり
切ないロードムービーになります。でも切ない時間はごくわずかです。
同時に彼らを追っていたゾンビキラー達とマイク達のおバカな逃走劇が進んで
いきます。監督自身が幼い頃から「死霊のはらわた」を見て育っただけあって、劇中
でもこの映画が上映されています。本物ゾンビのチーズがそれを怖がったり、その
チーズに「スリラー」のダンスを教えるブレントがいたりと、既にホラーではなく、
コメディ映画に変わっています。
あれこれ苦労して乗り込んだ高校の同窓会でも、面と向かってエリーと話せない
マイクは、なぜかアザラシの着ぐるみをまとってしまう始末。なんとももどかしい
限りです。その間にもゾンビキラーが狙っているのですよ。
チーズは奮闘虚しく本当に死んでしまいます。そしてマイク自身がどうしてこう
なったのか、真相を知ったうえで、エリーの元を訪れるのです。
ラストはとってもうまく収まりますが、これから先はどうなるのか、なんて余計な
心配をしてしまいました。いやそんな心配する間もなく終わっちゃったけれどね。
なんだろう。「ゾンビーノ」(2006)ではそれなりに未来が読めたんですよね。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)も然りです。しかしこの映画はただ単に
笑って終わってしまいました。何も残っていません。おバカ映画の域を越えられ
なかったのかなあ。
<マープルの採点>
お勧め星 ☆☆☆
グロ星 ☆☆
ゾクゾク星 ☆
エロエロ星
ダルダル星
今日も涼しいなあ。アイスをいっぱい買ったのに食べる気にならない。