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    • 2023.01.12 Thursday
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    カージャック

    5
    カージャック

    「カージャック」
    原題:car jacked
    監督:ジョン・ボニート
    2011年   アメリカ映画   89分
    キャスト:マリア・ベロ
         スティーヴン・ドーフ
         キャサリン・テント
         コナー・ヒル

    夫と離婚したロレインは、息子との生活苦にあえいでいた。そんな
    ロレインに元夫は息子の養育権を主張し、常に電話をかけ、彼女を
    悩ませている。そしてある晩立ち寄ったガソリンスタンドで買い物を
    終えたロレインが車に戻ると、車内に見知らぬ男がいるのだった。

    カージャック

    「カージャック」、原題も「car jacked」ですが、ストーリーが支離滅裂
    で、いったい何が言いたいのかもわからない映画です。
    まず、夫ゲイリーと離婚したロレイン役は「カンパニー・メン」(2010)の
    マリア・ベロ。


    カージャック

    どうも美人ではないです。でも生活苦に悩むシングルマザー役がぴったり
    なんですよ。そして役の上での性格が、本当に鬱陶しく、はっきりしない。冒頭
    の何かの心のケアをする集いでも
    「あなたは全てのことを自分のせいにする女よ」
    と言われる始末。全くその通り。まさに不幸を呼ぶ女です。
    一方、今晩の母子のメニュー、冷凍ピザを買うために立ち寄ったガソリンスタンド
    で、チャドの乗っている車内に乗り込んできた銀行強盗犯、ロイ役は「ブレーキ」
    (2012)のスティーヴン・ドーフ。

    カージャック

    イタチのようにずるがしこい顔つきで、悪者役がぴったりです。この男が
    賢そうでいて、結構トロかったり、優しいかと思えば、突然激高したりと、
    これまたよくわからない性格なんです。最後まで何をしたいのかよくわかり
    ません。
    大体、ロレインが携帯電話で、911を押すのを411に間違えることはどう考えても
    無理。数字の位置からしたって押し間違えないよねえ。また何とか逃がすことに成功
    した息子チャドの安否を気遣って、電話をかけるのに、あれこれまわりくどい
    ことをしたあげく、電話代をせびるなんて、もうロレインは物乞いですわ。


    カージャック

    そしてそしてもっと驚くのがラスト!
    ものすごく刺激的な(悪い意味で)エンディングですよ。そうそうダイナーの
    トイレに書いた助けを求める文字もどっか行っちゃいましたね。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆
    エロエロ星
    ダルダル星  ☆☆

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    かなり雨が降っている。でも暖かい。

    ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン

    4
    JUGEMテーマ:コメディ映画全般
     
    ブライズメイズ

    「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」
    原題:bridesmaids
    監督:ポール・フェイグ
    2011年   アメリカ映画   125分   R15+
    キャスト:クリステーン・ウィグ
         マヤ・ルドルフ
         ローズ・バーン
         クリス・オダウド
         エリー・ケンバー

    アニーは経営していたケーキ屋がつぶれ、恋人も失いどん底の
    気分。そんな時、親友リリアンのブライズメイズのオーナーを
    依頼される。しかし、彼女のプランに対し、セレブなヘレンはいろいろ
    難癖をつけるのだった。

    ブライズメイズ

    「独身お別れパーティー」といえば、当然「ハングオーバー!消えた
    花ムコと史上最悪の二日酔い」(2009)を思い出します。しかしあの
    笑いとこの映画の笑いは本質的に異なると感じます。「ハングオーバー!」
    シリーズでは、行動障害の男を笑いものにしているような気がしたから。
    こちらは全編に渡って、普通の女性たちの笑いあり、怒りあり、ちょっと
    しんみりありとかなりバラエティに富んでいます。R15+なのは、良い子は
    使ってはいけない言葉の連発と航空機内での大暴れシーンがあるから
    でしょうかねえ。おそらく前者だな。
    やや年のいったアニーは不景気でケーキ屋がつぶれ、恋人にも捨てられ
    間借りしている部屋の家賃も支払えないという散々な境遇にあるのです。
    その上、夜だけのキモい男友達には、とっとと帰れとか言われる始末。
    そんな彼女の親友リリアンがダグと結婚することになり、ブライズメイズの
    オーナーを頼まれるのです。にわかに舞い上がるアニーの前に立ちはだかる
    のは、ダグの上司の妻で、かなりリッチなヘレン。リッチな上にきれいだし、
    何でもそつなくこなします。くそ!負けないぞ。彼女とアニーのリリアンの
    奪い合いはとにかく笑えます。スピーチのマイクに奪い合いから、衣装の
    選択まで何かにつけて火花が飛び
    散るのです。しかし、あのリバースシーン
    は不要です。
    他のブライズメイズは、ダグの妹で、かなり個性的なメーガン。


    ブライズメイズ

    悪ガキ3人の母で欲求不満のリタ。

    ブライズメイズ

    新婚のベッカ。

    ブライズメイズ

    よくもまあそろいました。このメンツ。
    アニーは親友のために、そしてヘレンに負けないために、とにかく頑張るの
    ですが、全てヘレンの方が上手なのです。だってお金持ちなんだもん。
    自分が負け犬だなんて思いたくない、そして今の境遇は、周囲のせいなのだ、
    とひがみつつ、虚勢を張っているアニーはいつしか心が壊れていくのです。
    リリアンのブライズメイズのオーナーを下ろされ、宝石店もクビになり、親切な
    ローズ巡査にも冷たい言葉を投げかけられ、さらにさらに部屋さえ追い出されて
    しまいます。

    ブライズメイズ

    このどん底な彼女がいつまで映るのかと思ったら、そこはコメディ映画です。
    失踪したリリアンを捜してもらうために、ひたすら無視するローズ巡査の気を
    引こうとアニーがいろいろしでかしてくれますよ。ここも笑えます。
    ラストもハッピーに終わり、スッキリした気分になれました。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆


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    今日は暖かかった。明日は雨らしい。

    うさぎドロップ

    4
    JUGEMテーマ:邦画

    うさぎドロップ

    「うさぎドロップ」
    監督:SABU
    原作:宇仁田ゆみ  「うさぎドロップ」
    2011年   日本映画   113分
    キャスト:松山ケンイチ
         香里奈
         芦田愛菜
         桐谷美玲  
         風吹ジュン

    ダイキチは祖父の葬儀の日、祖父の隠し子りんと出会う。
    引き取り手のないりんを勢いで連れ帰ったダイキチだったが
    その日から生活が一変するのだった。

    うさぎドロップ

    とりあえずりん役の芦田愛菜ちゃんの泣き演技に脱帽です。
    もちろん他の演技も素晴らしいですが、号泣する姿は、必ず
    見る者の涙腺を緩ませること間違いなしです。

    うさぎドロップ

    で、ストーリーはどうかというと、個人的にはしょーもない内容
    と思ってしまいました。
    つまりじいさんの隠し子で、親戚の誰もが引き取ることを望まなかった
    6歳の少女りんを会社員のダイキチが引き取り、会社内で配置換え
    を申し出てまで、彼女を育てていくうちに、「愛がいっぱいだ。」と
    気づくという話。

    うさぎドロップ

    いろいろ設定に無理があるのは仕方がないとしても、りんの保育園
    の同級生コウキの母親が、ダイキチのあこがれのモデルってのは
    あまりに飛躍しすぎだと思う。この役は香里奈が演じていますが、
    掃き溜めに鶴という、思い切り浮きまくったスタイル、ファッションです。

    うさぎドロップ

    葬儀の時、あんなにりんに冷たかったダイキチの両親も終盤には
    とてもいい人になっているし、ダイキチの妹カズミが意地悪を言い
    ながらも、いつも彼を助けていてくれる。会社の同僚もいい人ばかり。
    逆に、りんを施設に預けようと奔走するダイキチのおじさんや、その
    手助けをするという女性、そしてりんの本当の母親は悪く描かれて
    いるのです。
    終盤にちょっとハラハラするシーンがありますが、あとから見れば
    「なんだ、フェイントじゃん!」
    イクメン松山ケンイチ健在なり。という映画でした。
    本当にどうでもいい内容なんですよ。
    蛇足ながら、保育園のお遊戯会はあんなに演技はうまくありませんし、
    ダンスもうまくないです。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆



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    雨が降るとますます散歩に行きたくない。

    ドライブ・ファースター

    4
     
    ドライブ・ファースター

    「ドライブ・ファースター」
    原題:transparency/takedown
    監督:ラウル・サンチャス・イングリス
    2010年   カナダ   97分
    キャスト:ルー・ダイアモンド・フィリップス
         エステラ・ウォーレン
         デボラ・カーラ・アンガー


    警備会社に勤務するディビッドはある晩、出庫記録がない1台の
    トラックに気づく。そのトラックのそばにはセルビア人の少女が
    おり、トラック内には少女の遺体があふれていた。しかしそこで
    1人の男に襲われ、デビィッドは格闘の末大けがを負ってしまう。
    彼が目覚めた時、その事実は隠ぺいされ、書類へのサインを
    迫られるのだった。


    ドライブ・ファースター

    冒頭、メグという娘を探すデビィッドが映り、夜の茂みの中で彼女が見つかる
    のです。最初遺体かと思ったら、レイプ犯罪に遭っていたようです。そして
    それが原因で妻子と別れ、今はなぜか毎晩女子大生と遊びまくる日々を
    送っているらしい。で、このジャケットのエステラ・ウォーレンがいつこんな
    姿で出演し、車をかっ飛ばすのか、それとも銃をぶっ放すのかと思えば、
    女性保護センターの主宰者という極めて真面目な役なのです。もう、インチキ
    ジャケットだわ!東欧の少女が、うまい話しに騙されて人身売買されてアメリカの
    売春組織で働かされる、というよくあるストーリーを、ちょっと視点を変え、
    5年前、実の娘がレイプされるのを防げず、それがトラウマになっている
    警備員デビィッドと組織との戦いを描いています。
    ある夜、出庫記録がないトラックをチェックに行ったデビィッドは、セルビア人
    アーニャを見つけ、さらに彼女の話から(全く言葉はわからないけれど)その
    トラック内に数多くの少女の遺体があるのを見つけてしまいます。ところが
    突然襲ってきた一人の男と格闘の末、射殺。でもデビィッドも重傷を負って
    しまうのです。やけにデビィッドが強いのは、イラクに派兵され、前線で
    戦ってきたから?

    ドライブ・ファースター

    この役のルー・ダイアモンド・フィリップスは、フィリピンのアクションスター
    ということで、見事な格闘シーン、カーチェイス、銃さばきを見せてくれます。
    それでもって重傷を負ったデビィッドが目覚めると、そこにはストロス社の
    弁護士が待っています。この役は「ザ・ウォール」(2009)のデボラ・カーラ・アンガー。
    一目でわかるルックスだと改めて実感。
    しかしこんな国際的なシンジケートを1市民が相手にしようと考えること自体
    無理があります。それもこれも例のアーニャが娘に似ていたから?それだけの
    理由で、銃で、ネクタイで敵を殺し放題というのもいただけない。この人、自動車
    泥棒までしてますからねえ。
    ラストはバッド・エンディングだし、なんでこんな映画を見ちゃったのかというのが
    実感です。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星
    ハラハラ星
    エロエロ星  ☆
    ダルダル星


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    DVD鑑賞用のメガネを買ったらよく見える!実は近視だった!?

    第7鉱区

    4
    JUGEMテーマ:韓国映画全般

    第7鉱区

    「第7鉱区」
    原題:7鉱区
    監督:キム・ジフン
    2011年   韓国映画   101分  PG12
    キャスト:ハ・ジウォン 
         アン・ソンギ
         オ・ジホ
         イ・ハンウィ
         パク・チョンミル

    済州島沖の第7鉱区で油田開発作業を行っている隊員は、本部への
    撤収命令を受ける。ヘジュンはここに石油があると主張し、撤収隊長
    としてやってきた彼女の叔父ジョンマンも命令に背いて、作業を進める
    ことを指示するのだった。

    第7鉱区

    韓国映画特有のドロドロ感とおふざけを交え、人間ドラマも加えたモンスター
    ホラー映画になっていますが、どうもだるい。
    1985年、済州島沖の第7鉱区、水深2500m付近で、何やらクリオネの
    ような美しい生物が泳いでいます。潜水隊員がそれを見つけ、見とれていると
    大量に襲ってきたそれによって...。
    シーンは変わって2011年、同じ場所で「無鉄砲」と呼ばれるヘジュンは
    隊長フアンに反発しながら、男勝りの仕事ぶりを見せています。まず、この
    設定に無理がありすぎです。

    第7鉱区

    うら若き女子が、いくら体力があるとはいえ、大の男並みいえそれ以上の
    力を発揮するとはにわかに信じられません。さらに隊員が、ヒョヌという
    重機の操作一つもできないヤツやら、サングという血の気が多すぎるヤツ、
    その子分のようなジュンユン、どう見てもトロいサングなどひどいメンツばかり
    なのです。ついでに極めてイケメンのドンスは何とヘジュンの恋人だって!
    そこへ本部から撤収命令を受けて、隊長としてヘジュンの叔父のジョンマン
    がやってくるのです。この人なぜか、本部の命令に背いて、作業の再開を
    決めます。まあそこには大きな秘密が隠されており、医療担当のムンヒョン
    が謎の転落死を遂げてから、ストーリーはスリルに富んだものになる...はず。


    第7鉱区

    ところがどっこい、ならないんだなあ。まあ、出没した「何か」はとりあえず
    よくできています。ピュルピュルと伸びる気色悪い舌も、なかなかに威力。

    第7鉱区

    ライフルで、斧で、はたまた火をつけて対抗しますが、結局後半は、無駄に長い
    だけで、この「何か」が人を襲う理由は一切わからずじまい。ドンスとヘジュンが
    「逃げろ」
    「いやよ」
    なんてほざいているうちに、気持ちはどんどん冷めて行きました。
    船上でバイクの競争なんかなぜするのかと思ったら、そうか、こう使いたかったのね。
    全く無意味です。
    左から睨むのがお得意のヘジュンのワンパターン表情も飽き飽きでした。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星    ☆
    ゾクゾク星
    エロエロ星
    ダルダル星 ☆☆


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    イルミネーション片付けは寒かったなあ。

    ブルーバレンタイン

    5
    JUGEMテーマ:洋画
     
    ブルーバレンタイン

    「ブルーバレンタイン」
    原題:blue valentine
    監督:デレク・シアフランス
    2010年   アメリカ映画   112分
    キャスト:ライアン・ゴズリング
         ミシェル・ウィリアムズ
         フェイス・ウラディカ
         マイク・ヴォーゲル

    看護師のシンディは、夫ディーンと一人娘フランキーと共に
    暮らしている。ある朝、娘が可愛がっていた犬が姿を消し、
    変わり果てたその犬を見つけ、その日は娘をシンディの実家
    に預けることにする。2人きりで夫婦の溝を埋めるはずだったが
    最初から2人はいさかいが絶えないのだった。

    ブルーバレンタイン

    ある夫婦の出会いと恋愛、結婚、そして別れる姿まで描いています。
    2人が出会う前後の姿と現在の2人の姿が交互に映しだされ、とても
    感情移入できる作りになっています。
    学歴はなく、家族とも疎遠な男ディーン役は「ドライヴ」(2011)の
    ライアン・ゴズリング。出会ったころのイケメンぶりと、現在の額が広く
    なり、体型も崩れ、タバコや酒が手放せないだらしない姿がとても
    上手に演じられています。


    ブルーバレンタイン

    ブルーバレンタイン

    一方、妻シンディ役は「マリリン 7日間の恋」(2011)のミシェル・ウィリアムズ。
    彼女も若くスタイルのよかった頃と、仕事に忙殺され、寝不足の体で仕事に
    向かう姿が対照的に演じ分けられています。

    ブルーバレンタイン

    とりあえず、こんなに子供を大事にし、家庭を愛するご主人をなぜ責めるのか
    という意見もあるようです。まあ、主夫がいるのも当たり前の時代ですから
    これでうまくいくカップルならいいのかもしれません。しかし、勉強が大好きで
    前途有望だったシンディと、夢ばかり追いかけ、朝から酒を飲み、ペンキ塗りの
    仕事をしているディーンとでは、考え方が根っこから異なるのです。
    それは愛が芽生えたばかりの頃は、お互いがとても新鮮に映ったことでしょう。
    両親の不仲に悩み、さらに元カレの子供を妊娠したシンディを、暖かく受け入れて
    くれたディーンとは、本当に一生添い遂げたいとシンディは考えていたと思います。
    どこで歯車が狂い始めたのかは定かではありません。ただ、愛犬メーガンが
    姿を消し、変わり果てた形で発見された時、
    「だから犬小屋に鍵をかけろと言ったんだ。」
    と犬の遺体を埋めた後ディーンが言います。さらに
    「とても疲れた。」
    と。彼ばかり疲れているはずもないのです。朝、ゆっくり寝たいのに、フランキー
    と一緒にふざけてくる夫。急いで食べなくてはいけないのに、遊ばせてしまう夫。
    娘と遊ぶことはできても、その世話や教育は一切シンディ任せなのです。それでは
    彼女の心は疲弊していくばかりです。
    自分は老いない、死なない、と自信満々で、自分の才能を信じ切っていたディーン
    がその才能を生かそうとしないことへのもどかしさも、シンディにとっていつしか
    情けない男に見えてきたのかもしれません。
    こんな風に愛は終わるのだなと実感する映画です。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆



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    あのう、とりあえず寒いです。

    デンジャラス・ラン

    4
    デンジャラス・ラン

    「デンジャラス・ラン」
    原題:safe house
    監督:ダニエル・エスピノーサ
    2012年   アメリカ映画   115分  PG-12
    キャスト:デンゼル・ワシントン
         ライアン・レイノルズ
         ヴェラ・ファーミガ
         ブレンダン・グリーソン
         サム・シェパード

    ケープタウンで、かつてCIAを裏切り、情報を持ち出したフロストという
    男が拘束される。ところが尋問が行われている隠れ家が、何者かに
    よって急襲され、CIAの下級職員ウェストンは、心ならずもフロストと
    共に逃げ回ることになってしまうのだった。

    デンジャラス・ラン

    「隠れ家」=safe house
    これはスパイなどが使う盗聴、監視のおそれのない、アジトであり、そこ
    では何の拘束もない尋問が行われているようです。
    冒頭に、ケープタウンから移動を願い出るマット・ウェストン役は「リミット」
    (2010)のライアン・レイノルズ。

    デンジャラス・ラン

    童顔で、なかなかのイケメンですが、このお顔がどんどん傷だらけになって
    いくんです。一方、CIAから指名手配されているトビン・フロスト役は
    デンゼル・ワシントン。演技力はもう安心できるお方です。悪い役も良い役も
    何だってお任せあれ。そしてCIAの上司バーロー役は「ヴィレッジ」(2004)の
    ブレンダン・グリーソン。同じく違うグループの上司リンクレイター役は
    「ミッション:8ミニッツ」(2011)のヴェラ・ファーミガ。さらにCIA副長官役は
    「マイ・ブラザー」(2009)のサム・シェパードです。この辺りは手堅い配役です。

    デンジャラス・ラン

    さて、ラブラブの恋人アナが仕事でパリに行く日が迫り、いつか自分も
    彼女とそこで暮らすことを夢見るマットは、今晩もNGOの夜勤へ行ってきまーす、
    とばかりに出かけますが、そこはいやにセキュリティーの高い場所なんです。
    そうなんです。最初から分かる通り、マットはCIAの職員であり、ありきたりのこと
    ですが、お仕事のことは恋人には内緒!とりあえず、こんな場所では何もない、
    と信じて勤務についていると、突然CIAから最重要手配されているトビンが移送
    されてくるのです。マットにとっては、彼の素性もそしてイリーガルな尋問方法も
    すっかりさっぱりなのですが、とりあえず、目に焼き付けておくようです。いつかは
    ボクちゃんだって、こういうことができるんだ。合衆国のために、悪者を成敗する
    お役にたつんだ。てなことを考えていたかどうかはわかりませんが、可愛い目で
    ただ見つめていると、突然重武装集団に隠れ家が襲われるのです。
    とりあえず、マットはトビンを連れて外に逃げ出し、そこから、ボロいBMWに乗って
    背後から連射する銃弾を浴びながら、ものすごいカーチェイスをするんです。
    あれ?マットってものすごいドライブテクニックじゃん。その後も銃で、棒切れで
    素手でと彼のアクションは傷が増えながらも、結構派手でございます。ストーリー
    に関しては、開始早々にカラクリが読めてしまうので、まあ俳優さんの演技と
    カーチェイス、目新しい所では、コンテナハウスの上での逃走シーンが印象的
    かな。
    但し、大風呂敷を広げた割には、ラストがなーんてことないのよ。薄っぺらい内容
    というのがまさしくふさわしいです。

    デンジャラス・ラン

    個人的にはマットの恋人役のノラ・アルネゼデールがとてもきれいだったと
    思います。

    <マープルの採点>  
    お勧め星   ☆☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆
    エロエロ星
    ダルダル星




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    はいクリスマス・イブです。何の予定もありません。

    11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち

    4
    JUGEMテーマ:邦画
     
    11.25

    「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」
    監督:若松孝二
    2012年   日本映画   119分
    キャスト:井浦 新
         満島真之介
         寺島しのぶ

    1970年11月25日、三島由紀夫は自らが率いる「楯の会」隊員
    とともに自衛隊市ヶ谷駐屯地に立てこもり、自衛隊に決起を
    呼びかけた後、割腹自殺をする。彼をそこまで導いたものは
    何だったのか、また彼に従った若者たちの思いはどうだったのか...。

    11.25

    「実録・連合赤軍あさま山荘への道程(みち)」(2007)、「キャタピラー」
    (2010)の若松孝二監督作品です。彼自身の昭和3部作の完結編
    だそうですが、今年不慮の事故でお亡くなりになり、本当の意味で完結
    してしまいました。まことに残念です。
    まず、見終わって一言。ARATA改め井浦新のスマートな容姿が、本当の
    三島由紀夫の筋骨たくましい、限りなく男性美をを追求した体とは全く
    異なる印象を受けます。しかしそれを除くと、三島の発言、演説風景、表情において
    はとても奥深い演技力を発揮しています。さらに彼と共に自衛隊市ヶ谷駐屯地
    で割腹自殺をする森田必勝役の満島真之介が、真面目かつ男臭さがみなぎる
    美しい青年を好演しています。これは素晴らしかった。

    11.25

    時は1960年11月2日、社会党浅沼書記長が少年に刺殺された事件まで
    遡ります。当時、ベトナム戦争反対、日米安保条約反対を掲げた左翼の全学連
    が活発の行動する中、逆に新民族主義を唱える右翼組織、日本学生同盟が作られ
    ます。
    三島はその頃、川端康成と並んで、ノーベル文学賞候補と言われていたのですが、
    彼は書くこととではなく、行動することを選ぶようになるのです。そして自衛隊に
    体験入隊した後、「楯の会」という民兵の指揮官養成組織を結成します。彼の行動は
    悲憤に燃え、だらけきった日本を変えられるのは軍隊しかいない、という考えに
    基づいていたのです。全てドキュメンタリー調に描かれ、彼と全学連の若者との
    対談では、難しい言葉の羅列に頭はぽっかーん!でもこんなことを熱く語った
    若者が今では普通のサラリーマンになっているんだろうなあ、などと考えてしまい
    ました。
    そして激しさを増す学生運動には全て警察が出動し、自衛隊はもはや自発的には
    行動できない組織であることを悟るのです。その上「よど号ハイジャック事件」を
    赤軍派が起こします。彼らは北朝鮮へと逃亡しました。三島は絶望からの出発
    として5人で自衛隊市ヶ谷駐屯地に立てこもることを計画するのです。

    11.25

    彼が自衛隊員に決起を呼びかけ、本来あるべき軍を再生しようと考えたのですが、
    この必死の演説に答える者はいなかったのです。当時の新聞記事では、彼の
    演説に笑うものさえいたとか。その時の彼の大きな落胆は、その後行う割腹自殺
    の予定をゆるぎないものにしました。三島はほぼ真一文字に深く腹を切っていた
    そうですが、彼に続いた森田は最初の一刺しだけ深く、後は皮膚の表面を刺して
    いっただけだそうです。三島のある意味、憂国の思いの強さがうかがい知れます。

    11.25

    ある新聞の翌朝の朝刊には2人の頭の写真が載っていたそうです。
    彼の妻が5年後に
    「何も変わらなかった。」
    と言ったのが印象的でした。
    何も変わらなくてよかったと思います。軍隊を持つことは戦争へと限りなく
    近づくことだから。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆



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    雨が降ってきた。冷たい雨だ。

    ディフェンドー 闇の仕事人

    4
    JUGEMテーマ:コメディ映画全般
     
    ディフェンドー

    「ディフェンドー 闇の仕事人」
    原題:defendor
    監督:ピーター・ステッビングス
    2009年   カナダ映画   101分
    キャスト:ウディ・ハレルソン
         イライアス・コティーズ
         マイケル・リー
         サンドラ・オー

    アーサーは、暗黒街の総帥を倒すため、今夜もスーパーヒーロー
    「ディフェンドー」を自称し、町へ出かけて悪者と戦う。そんな彼が
    売春婦エンジェルことキャットを自分なりに助けたことから、奇妙な
    共同生活が始まるのだった。

    ディフェンドー

    この映画は中盤までは、笑っていいのかちょっと悩んでしまいました。
    自称スーパーヒーロー『ディフェンドー』(このつづりが正しくはdefender
    であると指摘されるとものすごく怒る)ことアーサー・ポピントンがあまりに
    弱いんです。いえ弱いという類の物ではなく、武器と言えるものはビー玉、
    蜂、パチンコのゴムそして棍棒なのです。これで格闘に強いかと言ったら
    そうでもなく、ただ体が大きいだけ。これで世直しに行くというのは、子供の
    スーパーマンごっこ並みの考えです。
    彼のヒーロー?姿と、韓国人医師によって精神鑑定を受けるシーンが交互に
    映ります。

    ディフェンドー

    実はアーサーは、幼い頃実母と生き別れとなり、その母がドラッグによって
    死亡。彼は母を殺したドラッグというものを売買する「暗黒街の総帥」を敵と
    考え、ひたすらそいつを倒すことを思い続けていたのです。
    そんな彼が悪徳警官ドゥーニーに傷めつけられていると思い込んで救った
    のは、ドラッグのために体を売るキャットです。

    ディフェンドー

    とことん純粋なアーサーは、それなりにこだわりがあり、間違ったことやズルは
    大嫌い。そしてひょんなことから、自らが不死身だと思い込んでしまうのです。
    「痛くてつらい時は思い出の引き出しに入るんだ」
    このアーサーの言葉を聞くと、彼が幼い頃受けたつらい出来事から、身を守る
    ために、自分をヒーローであると信じ、いつかは世直しができると考えたのでは
    ないかと思えてきます。
    キャットが実父から性的虐待を受けていたことを知り、この男をゴミ箱に押し込めた
    罪で彼は、裁判所から「ディフェンドー扮装の禁止」と唯一の友人ポールの家に
    引き取られることを言い渡されます。この判決言い渡しのシーンで笑う傍聴人が
    映るんですよね。これって笑えないでしょう、と言いたげなシーンです。
    「TALK AND SHE DIES」
    キャットが拉致され、その紙を手渡された時、意味を取り違えて、一言も発しない
    アーサーに対し、ポールは、
    「素顔でもすごいことができる」
    と諭します。それはかつてあわや車にはねられる寸前のポールの息子ジャックを
    アーサーが身を挺して救ったことを指しているのです。

    ディフェンドー

    セルビアマフィアに対し、ビー玉、蜂、棍棒で戦う、という無謀なことも、アーサー
    の純粋な心がゆえにさせたことでしょう。
    「銃は弱虫の道具」
    アーサーのこの言葉は、アメリカ社会に声高に言いたいですね。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆



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    こんなに寒いと真冬が越せない...(>_<)

    007 慰めの報酬

    4
     
    慰めの報酬

    「007 慰めの報酬」
    原題:007 quantum of solace
    監督:マーク・フォレスター
    2008年   アメリカ=イギリス映画   106分
    キャスト:ダニエル・クレイグ
         オルガ・キュリレンコ
         マチュー・アマルリック
         ジュディ・デンチ
         ジェフリー・ライト

    愛する女性の裏切りとその死を目の当たりにしたボンドは、彼女の
    背後に潜む大きな組織の解明を誓う。そしてボリビアの資源を巡って
    暗躍するグリーンという男とその彼が手を結ぼうとしている元将軍の
    命を狙うカミーユという女性と出会うのだった。

    慰めの報酬

    「007 カジノロワイヤル」のエンディング1時間後から始まるという
    異例の設定であり、続編にもなっています。冒頭から、ボンドが運転
    するアストン・マーチンが黒のアルファロメオと激しいカーチェイスを
    繰り広げ、最後は崖下に落ちていくアルファロメオ。もったいない。

    慰めの報酬

    そしてボンドの車のトランクの中には、例のミスターホワイトが入って
    いるのです。ところが彼を尋問中に、同じMI6のミッチェルが突然発砲し、
    彼を追うボンドのアクション開始です。地下から飛び出し、群衆の中、
    人家、そしてバスの屋根に乗り、最後は教会の鐘のロープに捕まっての
    攻防です。ぐるぐる回るロープと届きそうで届かない銃に向ける2人の
    手が映り、冷や汗ものですわ。
    そして舞台は変わり、ハイチでル・シッフルの札束を持つ男の元へボンドが
    向います。もうめちゃくちゃ怒っているボンドは、殺人兵器並みに相手を
    殺さずにはいられないのです。そうだよね。MI6をやめて一緒に暮らすはず
    の女性の影を引きずっているのよねえ。
    そして今回のボンドガールはカミーユというなかなかの美人さん。でも全然
    絡みがありませ〜ん。この女性は父を殺し、母、姉をレイプの末絞殺した
    ボリビアのメドラーノ将軍に近づくため、環境保護団体グリーンプラネットの
    CEOドミニク・グリーンと寝るほどの根性の持ち主です。

    慰めの報酬

    こいつかなりキモいし、くたばってほしいタイプ。
    そこへ南米での利権も絡んでCIAも入り込み、国を揺るがす大きな争い
    になっていくのです。ちーっともいうことを聞かないボンドに対し、Mは遂に
    謹慎を命じるのですが、そんなことに素直に従う男でもなく、従ったら話
    が終わってしまうかのように、彼はカミーユを連れて逃走開始。今回の
    飛行機の操縦シーンはこれまたハラハラものです。民間のプロペラ機で
    戦闘機の戦いに勝つって、どれだけのテクニックを持っているんだろう。

    慰めの報酬

    そしてボンドに帰国命令を伝えにきただけのMI6のフィールズは哀れ
    石油まみれの遺体で発見されます。これは「007 ゴールドフィンガー」
    の金粉まみれの遺体が元になっているんだそうです。

    慰めの報酬

    金とオイルか。時代を感じますね。
    ラストにわかるヴェスパーの悲しい真相。ロシアの雪の上にポイした彼女の
    ネックレスが全てを物語っています。
    やはり「スカイフォール」は原点に立ち返った映画でした。スパイそのものの
    面白さを見せていたのかな。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆☆
    エロエロ星
    ダルダル星



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    寒い。もう冬に飽きた。


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