スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    • 2023.01.12 Thursday
    • -
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    家族の庭

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    家族の庭

    「家族の庭」
    原題:another year
    監督:マイク・リー
    2010年   イギリス映画   130分
    キャスト:ジム・ブロードベント
         レスリー・ウンヴィル
         ルース・シーン
         ピーター・ワイト
         イメルダ・スタウトン

    ロンドンに住むトムとジェリー夫妻は、一人息子が独立し、休日は
    市民菜園で農作物作りを楽しんでいる。その幸せな家庭には、
    メアリー、ケンなど夫妻の友人でそれぞれ孤独を抱えた人々が
    集うのだった。

    家族の庭

    「ヴェラ・ドレイク」(2004)では、イメルダ・スタウトンを主役にして、
    本当に親切な人間が罪を犯してしまい、それによって壊れかける家庭
    の再生を描いていました。今回は逆に、完璧なほど幸せな家庭を持つ
    ヘンペル夫妻の家を訪れる様々な友人達の老いと孤独を描いています。
    見終わって、マイク・リー監督の人間の深層心理への探究心に、実は
    かなり腹が立ちました。つまり、そこは触れてほしくないというポイントを
    見事なほど的確に露呈させたからです。

    家族の庭

    ロンドンに住むトムとジェリー夫妻は、夫は地質学者、妻は心理カウンセラー
    とそれぞれ仕事を持ち、休日は仲良く市民菜園で季節の野菜を作って楽しむ
    理想的な夫婦なのです。おまけに一人息子は弁護士として、既に家を出て
    真面目に働いています。料理の苦手なジェリーに代わってトムはおいしい
    夕食さえ作ってくれます。どんな家庭にも問題点があると思うのですが、彼ら
    の家にはそれがないのです。ジェリーのカウンセリング風景が映画の冒頭に
    映ります。
    「来なければよかった。」
    カウンセリングを受ける患者役のイメルダ・スタウトンがつぶやきます。そうなんです。
    こんな幸せな人につらい思いがわかるはずもないのです。トムとジェリーの心の
    広さを見ていると、そこに横たわる不幸な人々への施しの気持ちのようなものを
    感じてしまいます。それは穿った考えかな。

    家族の庭

    ジェリーの職場の友人メアリーは、離婚、不倫を経験し、その失敗を引きずりながら、
    しばしば彼女の家を訪れ、愚痴を聞いてもらうのです。このメアリーが結構な年齢
    だと思うのに、精神的な幼さから、自分を好いてくれるケンを含めて、年令の高い
    男性には冷たく接し、トムたちの息子ジョーには媚を売るのです。ジョーは当然
    その姿を理解していても、やはり広い心で受け留めます。こんな立派な家庭に
    育つと人をなじるようなことはしないのです。

    家族の庭

    ところがジョーが恋人ケイティを連れてくると、メアリーは彼女に対し、あからさまに
    嫌悪感を示します。それに対し、ケイティも類友で、全く動じないんですよ。結局そう
    いう人間に対して、どこか憐れみを感じているのでしょうね。これはわたしのひねくれ
    た心をくすぐりました。なんか嫌!
    このメアリーの態度は遂にジェリーの怒りを買い、メアリーは、冷たくなってしまう
    のです。ここは怖いです。今まで許されてきた自分を、突然受け入れてもらえなくなった
    メアリーの孤独はいかばかりか、と思います。親友と信じてきた人の手の平返し。
    トムの兄ロニーの妻が亡くなり、彼らの家にしばらく居候することになります。そこへ
    連絡なしにやって来たメアリーに対し、
    「来る前に電話してね。」
    とジェリーの冷たい言葉は、胸に突き刺さりました。
    ラストの食事のシーンでは、この家族の中に居場所のない自分の居心地の悪さを
    メアリーのなんとも言えない表情が物語っています。
    四季折々様々な風景があるけれど、それはひとつの家族のものであり、その中に
    他人は入り込むことはできない。またそういう家族を持てなかった人々の悲しみを
    四季の風景を織り交ぜてうまく描いていました。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆



      ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    昨日はひのきの花粉が飛びまくり。くしゃみ連発!

    一枚のめぐり逢い

    5
    JUGEMテーマ:洋画

    1枚のめぐり逢い

    「一枚のめぐり逢い」
    原題:the lucky one
    監督:スコット・ヒックス
    2012年   アメリカ映画   101分
    キャスト:ザック・エフロン
         テイラー・シリング
         ブライス・ダナー
         ライリー・トーマス・スチュワート

    アメリカ海兵隊三等軍曹のローガンは、イラクでの任務中に
    美しい女性が映った1枚の写真を拾う。彼はその後、3度にわたって
    命拾いしたことから、帰国後、守護神として彼女の行方を捜し始める
    のだった。

    1枚のめぐり逢い

    主役のローガン・ティーボゥ役は、「ニューイヤーズイブ」(2011)の
    ザック・エフロンです。今回も童顔ながらなかなかのイケメンぶりを
    見せてくれます。

    1枚のめぐり逢い

    但しストーリーは少女マンガ並みのものすごい偶然の積み重ねから
    できています。
    イラクへ3度めの派兵をされたローガンは、目の前で相棒が撃たれ、味方
    同士の鉢合わせによる銃撃にも生き延びます。そしてがれきの中から、
    1枚の写真を見つけ、しばし立ち尽くしていると、迫撃砲を受け、周りの3人が
    亡くなります。次に軍用ジープで移動中に爆撃を受けても彼は死にません。
    「この写真は僕の守護神なんだ。」
    戦地では写真1枚でも、心の大きな支えとなるそうですが、ローガンも然りで、
    帰還してからも歓迎されない姉の家から、この守護神の主を捜しに出かけるの
    です。姉の家はコロラド州。そこからゼウスというシェパードを連れて徒歩で
    出発します。え〜、アメリカは途方もなく広い国なのになぜに徒歩?そして
    ものすごく離れていますが、一応ルイジアナ州まで歩いたら、その写真の女性
    が見つかるのです。こんなあてずっぽうで見つかるもんなんだ。グーグルマップ
    で調べたけれど、かなり離れていますよ。ついでにその女性ベスが犬の訓練施設
    を経営していて、夫と離婚しただ今フリーでございます。あの写真は夫が持って
    いたのではないのです。

    1枚のめぐり逢い

    さらに事情を説明できないローガンを、たまたま出していた求人募集の応募者
    と勘違いする始末です。但し、ここは素性のわからない男をむやみに雇わない、
    と普通に断ろうとするベスに対し、彼女の祖母は、
    「あの人が悪い人に見える?」
    とちゃちゃと採用しちゃう。人は見かけによりませんよ。
    こんなうまくいくはずがないと思っていると、やはりベスの元夫キース登場です。

    1枚のめぐり逢い

    これがまた典型的なパターンで、実力者の父を持ち、彼女との間にできた
    一人息子ベンをだしに、復縁したくてたまらない未練男なんです。ついでに
    スポーツバカらしく、脳みそは筋肉化しているのか、すぐに逆上します。
    ベンはとても聞き分けの良い子だし、ローガンは底なしの善人なんですよ。
    ベスの気分一つで、近づいたり、身を引いたり、変幻自在!
    彼が拾った写真は実はベスの兄ドレイクが持っていたもので、ものすごい
    ブラザーコンプレックスなベスにとっては、その兄の最期を知らないと、ずっと
    引きずり続けるらしい。なのでローガンがこの写真を持っていたことは、ベスに
    とっては大衝撃なのです。
    「お前の兄さんは味方の誤射で死んだんだろう?」
    キースったらどこまでいやらしいのかしら。だったら最後までそれで通してほしい
    わね。
    ラストの嵐のシーンは2時間ドラマ並みの展開です。まあ、ハッピーエンドだから
    よしとするか。ルイジアナの美しい田園風景が鮮やかです。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆



      ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    花曇りでしょうか。

    ラム・ダイアリー

    4
    JUGEMテーマ:洋画
     
    ラム・ダイアリー

    「ラム・ダイアリー」
    原題:the RUM DIARY
    監督:ブルース・ロビンソン
    2011年   アメリカ映画   120分
    キャスト:ジョニー・デップ
         アーロン・エッカート
         マイケル・リスボリ
         アンバー・ハード
         リチャード・ジェンキンス

    1960年、ケンプはニューヨークからプエルトリコ、サンファンへやって来る。
    彼はそこで地元紙の記者となるが、毎日ラム酒をあびる生活を送るうちに
    アメリカ人実業家サンダーソンにある仕事を持ちかけられるのだった。

    ラム・ダイアリー

    120分の映画で、そろそろ本題に入りかけたな、と思ったらエンディングです。
    あれ?これで終わり?
    題名通り、日がなラム酒をあおり続けるケンプ達の姿を描いています。

    ラム・ダイアリー

    2005年に自殺したアメリカ人ジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンの
    自伝的小説を、彼と私生活で親友だったジョニー・デップが製作、主演して
    います。したがって限りなく原作者の素の姿に近く演じられていると思うのですが
    それにしてもジョニー・デップってあんなたるんだ体でしたっけ?役作りのために
    あえて不健康な体つきにしたのかしら。
    ストーリーは1960年プエルトリコのサンファンへやって来たポール・ケンプが
    ホテルの1室で二日酔いで目覚めるシーンから始まります。彼は地元新聞社
    サンファンスターで記者として雇われることになっているのです。
    当時のプエルトリコは、少数のアメリカ人によって支配され、地元の人々は
    限りなく貧しく、自慢のビーチは彼らの目に触れることもないほど、たくさんの
    高級ホテルで埋め尽くされていたのです。その姿を対照的に描きつつ、毎晩
    飲んだくれる、いや昼間から水の代わりにビールさえ飲むような生活をしている
    ケンプや同僚ボブ、そして明らかにイカれている元記者モバーグなどがだらだら
    映ります。モバーグ役は「アバター」(2009)のジョバンニ・リビシ。

    ラム・ダイアリー

    このヘロヘロ感がぴったりです。編集長ロッターマン役は「モールス」(2010)の
    リチャード・ジェンキンス。なぜにヅラをかぶせたんだろう。
    そしてアメリカ人実業家で、さらに大儲けをたくらんでいるハル・サンダーソン役は
    「世界侵略:ロサンゼルス決戦」(2010)のアーロン・エッカート。この人かっこいい
    のに、ちょっとクセがあるのよね。でも見事な肉体美が見られます。彼の婚約者
    シュノー役は私生活でもジョニー・デップと交際していたアンバー・ハード。

    ラム・ダイアリー

    美しい。チラリと見えるバストには胸がキュンとなります。でもなんだかどうでも
    いい役どころだったなあ。
    結局、酒浸りの男が、ジャーナリストとして本気を起こすまでの話ですね。
    ジョニー・デップの個人的な趣味で作ったんだろうか。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆



    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    今日も桜子脱走。脱走兵は軍事裁判にかけられるのよ(-_-;)

    コネクション マフィアたちの法廷

    5
    JUGEMテーマ:洋画
     
    コネクション

    「コネクション マフィアたちの法廷」
    原題:find me guilty
    監督:シドニー・ルメット
    2006年   アメリカ映画   124分
    キャスト:ヴィン・ディーゼル
         ピーター・ディンクレイジ
         ライナス・ローチ
         ロン・シルヴァー

    イタリアンマフィアの一員、ジャッキーは、保護観察期間中に従弟に
    撃たれる。ジャッキーは家族愛ゆえに、彼をかばうが、その後、麻薬取引
    の現場を押さえられて懲役30年の判決を受ける。そんなジャッキーに
    検察官は司法取引を持ちかけるのだった。

    コネクション

    1987年から88年にかけて行われた、被告20人、訴因76というマフィア裁判
    を映画化したものです。舞台のほとんどが法廷内で、その証言は、事実に忠実
    に描かれているそうです。
    邦題やあやすじでは、きわめてシリアスな法廷劇と思うのですが、実際はかなり
    コミカルな内容になっています。
    冒頭、ジュリアーニ連邦検事がマフィア撲滅をテレビカメラの前で語ります。
    その次はベッドで寝ているジャッキーが、従弟のトニーに撃たれるシーンです。
    これがエアガンかと思うほど弱い威力の銃で、当然彼は助かるのですが、警察
    の取り調べには、彼も彼の娘も一切証言しないのです。ここが彼のポリシーで
    あり、たとえどんな理由があろうとも身内を警察に売ることはしないのです。
    それがファミリーへの愛なのですね。
    このジャッキーはイタリアンマフィアの一員であり、その後麻薬の囮捜査官に
    よって逮捕され、懲役30年の判決を受けます。検察側はこれに乗じて、彼の
    属するマフィア構成員の一斉検挙を企てるわけです。

    コネクション

    そのために20名を被告にして76の訴因で裁判を起こします。大体1つの事件でも
    数年かかることがざらの裁判の世界で、この手法がうまくいくかどうかは考えもの
    です。まあ、実は、そこでマフィア内の内部分裂を狙ったという側面もありますね。

    コネクション

    しかしたまたま陪審員になった人々は、この裁判のために22か月も拘束される
    わけです。映画の中では、陪審員が顔をしかめたり、失笑したりする姿しか映り
    ません。ただ20人の被告のそれぞれの弁護士の話を聞くだけでも、気が遠く
    なりますね。ついでにジャッキーは無能な弁護士を解任し、自ら弁護を始めます。
    法律に関して全く知識がない男の独演会に、法廷内の人々は、一喜一憂し、
    裁判官は幾度となく警告するわけです。
    思うように進まない裁判に、検察側はイラ立ち、控室では、差別発言まで飛び出す
    光景に、見ている側は、本来憎むべき存在のマフィアに肩入れしたくなってくる
    のです。検察が「真実の追求ではなく、法廷ゲームでの勝利」を目指していることが
    露骨に描かれているのもその要因です。

    コネクション

    陪審員制度については、この映画を見るといろいろな考えが沸き起こりますが、
    ジャッキーという一人の男の信念を描いた映画だと思って見るとなかなかおもしろい
    作品です。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆


    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    春は抜け毛の季節。部屋中に猫の毛が浮遊中。

    ジーン・ワルツ

    4
    JUGEMテーマ:邦画

    ジーン・ワルツ

    「ジーン・ワルツ」
    監督:大谷健太郎
    原作:海堂 尊 「ジーン・ワルツ」
    2011年   日本映画   111分
    キャスト:菅野美穂
         田辺誠一
         大森南朋  
         南 果歩
         風吹ジュン
         桐谷美鈴

    帝華大学医学部講師、曾根崎は、週に1度、マリアクリニックで
    診察をしている。院長はがんを患い、息子は妊婦を術中に死なせた
    ことで逮捕され、クリニックは5人の妊婦を最後に閉鎖されることに
    なっていた。

    ジーン・ワルツ

    キャストがとても豪華な顔ぶれです。主役の女医、曾根崎理恵役は
    堺雅人と結婚を発表したばかりの菅野美穂。この撮影のときにはまだ
    全然だったんだろうなあ。そして同じ大学で次期教授候補になっている
    医師清川役は田辺誠一。産婦人科医として携わった出産で、妊婦を
    死なせてしまい、その罪で逮捕された三枝役は大森南朋。そして彼の
    実の母親でマリアクリニック院長役が浅丘ルリ子など...。浅丘ルリ子さん
    の存在感はこの映画でも際立っています。
    ストーリーは極北病院で一人の妊婦が、出産時、胎盤癒着のため死亡した
    ことから始まります。この件は立件され、産婦人科医三枝久広は逮捕される
    のです。

    ジーン・ワルツ

    さらに彼の母親が経営するマリアクリニックは、その影響と共に院長が
    末期の肺がんに冒されていることから、現在通院する5人の妊婦の出産を
    もって閉鎖が決まっているのです。この5人にそれぞれのドラマがあるの
    ですよ。

    ジーン・ワルツ

    そして題名に「ワルツ」とあるとおり、「3」つの理由、「3」つの質問、「3」人の
    出産と ワルツを奏でていきます。
    ストーリーの最も要である代理母出産は、途中までミステリータッチに描かれて
    いますが、なぜかインパクトが弱いのです。からくりがわかるのが早すぎたのかも
    しれません。また、実際は三枝久広、清川医師についてそれぞれ小説が書かれて
    おり、それを踏まえての話なので、どちらも読んでいなくて、おまけにこの原作も
    読んでいないとちょっと拍子抜けします。これずばり私です。

    ジーン・ワルツ

    個人的に一番好きなのは、妊娠したのに相手の男に逃げられた20歳の女性
    青井ユミ役の桐谷美鈴ですね。彼女が最初は、当然中絶すると意気込んでやって
    来たのに、他の妊婦の言葉や、悲しい出産の話を聞き、自らを省みて、自分の
    子供に光を見せる気持ちに至るまでの経緯がうまく描かれています。
    大杉蓮と南果歩演じる荒木夫妻のコミカルな姿も、待望の出産時には感動に
    変わりました。
    大学病院内での確執や三枝久広の事件は、この映画内であえて取り上げなくても
    十分おもしろいものになったと思います。逆に取り上げたことでポイントがズレた
    気がしました。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆



    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    くさくさする時は運動しよう!

    トラブルナイト in L.A.

    5
    トラブルナイト

    「トラブルナイト in L.A.」
    原題:girl walks into bar
    監督:セバスチャン・グティエレス
    2011年   アメリカ映画   80分
    キャスト:ジョシュ・ハートネット
         ダニー・デヴィート
         ザカリー・クイント
         カーラ・グギーノ

    ロサンゼルスのある夜のこと。歯科医ニックは妻の暗殺を依頼
    するため、あるバーで待ち合わせをしている。そこへやってきた
    のはドラーバーと名乗る一人の女性で、彼女は報酬を倍額要求
    するのだった。

    舞台はロサンゼルス。一晩の間に様々なバーを舞台にして、様々な
    人間模様が繰り広げられます。
    まずニックという歯科医が現れます。ニック役は「マージン・コール」
    (2011)のザカリー・クイント。 

    トラブルナイト

    謎めいた女性の出現と謎めいた会話から、どうやら彼が妻カレンの
    殺害を依頼していることがわかります。そして女性ドライバーが
    「わたしが暗殺者よ。報酬は2万ドル。今すぐに半額支払って。」
    と言うのです。2時間以内に1万ドルを用意しなければならなくなった
    ニックは、一旦店を出るのですが、その間のドライバーの行動が
    様々な人とつながっていくのです。ここでこの人とつながるのかー、と
    感心する一方で、やたらと眠くなるんですよ。

    トラブルナイト

    これがコーエン兄弟作品なら、きっと大笑いするであろうシーンもどうもいまいち
    なんです。掘り下げ方が浅いのかなあ。
    ドラーバー役のカーラ・グギーノの謎めいた微笑みや、彼女のボスらしき
    人物サム役のジョシュ・ハートネットのイケメンぶりは魅力的なんですけどね。

    トラブルナイト

    そして軽快な音楽に乗ってストーリーはどんどん進んでいきます。話の内容は
    うまくできていると思うんですよ。でもせっかくロサンゼルスの夜を舞台にしている
    のに、チラチラ夜景が映るだけだし、それぞれのバーも極めて安っぽいもの
    ばかりです。あえてこういう作り方にしたんでしょうか。

    トラブルナイト

    途中で全裸卓球クラブが映って、そこに妻を発見するニックの驚愕ぶりは
    大笑いでしたが、どうも中途半端です。
    おもしろいセリフをバラバラに言い合っても、作り方一つでつまらない物になって
    しまう、ということですかね。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星
    ハラハラ星
    エロエロ星
    ダルダル星  ☆☆

    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    桜ってはかない印象があるなあ。

    テリトリー・オブ・ゴッド

    4
    テリトリー

    「テリトリー・オブ・ゴッド」
    原題:Boca do lixo/Boca
    監督:フラヴィオ・フレデリコ
    2010年   ブラジル映画   100分
    キャスト:ダニエル・デ・オリヴェイラ 
         エルミール・ゲーデス
         ジェフェルソン・ブラジル

    1960年代のサンパウロ。イロイトは、実父を殺害後、警官と手を
    組み、金に物を言わせて裏社会をのし上がっていく。しかし彼は
    いつしかコカイン中毒となり、自らの身を持ち崩していくのだった。

    テリトリー

    1960年代、ブラジルに実在したギャングの自叙伝を基に描かれた
    映画です。自叙伝と言っても、何も自慢できるものがあるわけでもなく
    ただ、銃をぶっ放し、酒、女、ドラッグに溺れ、その資金は、ストリップパブ
    の経営とドラッグの売買という限りなく悪い奴の姿をダラダラと映していく
    のです。

    テリトリー

    1957年、イロイト・ジョアニデスは、娼婦を襲った男に12発もの銃弾を
    撃ちこみます。しかしそれは正当防衛で片づけられるのです。その後、
    彼は実の父を刺殺、そのまま女と遊びに興じるという冷酷で残虐な心の
    持ち主であることが描かれます。彼が逮捕された回数は40回を越し、それ
    でも警察をも金で操って、自由の身を手に入れていました。こんなふうに書くと
    とても恐ろしい映像の連続のように思えますが、時代が時代なのか、どこか
    のんびりしており、銃撃戦を地味だし、特にカーチェイスがあるわけでもない。
    ベッドシーンだけは頻繁に映りますが、それも飽きてきます。

    テリトリー

    イロイトの友人オズマーとの関係や売春婦だった妻アライジとなぜ別れようと
    したのか、さらにギャング間の縄張り争いも中途半端に描かれ、ストーリーは
    とてもだらけたものになっています。

    テリトリー

    もう少しテンポのよい展開ならとてもおもしろくなったと思うのですが、最後まで
    この調子でした。それとイケメンとか美人さんが出演していないのも魅力に欠ける
    一因かもしれません。
    とりあえず一番悪いのは警察のようです。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星
    ハラハラ星
    エロエロ星  ☆
    ダルダル星 ☆☆☆



    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    狂犬病の注射の時期になった。ということはフィラリアもか...。

    ミッドナイトFM

    5
     
    ミッドナイトFM

    「ミッドナイトFM」
    原題:midnight FM
    監督:キム・サンマン
    2010年   韓国映画   106分   PG-12
    キャスト:スエ
         ユ・ジテ
         マ・ドンソク
         チョン・マンシク
         チョ・ソギュン

    深夜ラジオの人気パーソナリティ、ソニョンは、娘の病気をアメリカで
    治療するため、今日が最後の放送である。しかし、その生放送中に
    突然ソニョンの娘たちを自宅で人質にとっている、という電話がかかる。
    犯人の要求は、かつて放送した内容通りに語り、曲をかけろというもの
    だったが...。

    ミッドナイトFM

    深夜のラジオ放送って懐かしいですよね。最近は聴かないなあ。
    冒頭、タクシー内で縛られた女性が映り、そのタクシーのカセットデッキ
    から「深夜の映画音楽室」という番組が流れるのです。なかなかいい声で
    番組自体も魅力的。と、何者かが赤いバラを摘み、そして女性を車から
    引きずり出すと、彼女の悲鳴が響き渡ります。
    この始まり方と、本日が最後の放送となる、前述の番組のパーソナリティ
    コ・ソニョンの家に何者かが侵入するシーンまでは、かなりスリルあふれる
    ものでした。

    ミッドナイトFM

    放送現場のくつろいだ雰囲気とソニョンの態度にいら立つオ・チーフなど
    まあよくある光景を映しつつ、一方でソニョンの家の留守を預かる、妹アヨン
    の恐怖が交互に映し出されていきます。特にアヨンへの犯人の仕打ちは酷く、
    そしてその光景を見ながら、こっそり隠れていくソニョンの娘ウンスの表情も
    恐怖に満ちています。口がきけないウンスを捜して、犯人が
    「ウ〜ン〜ス〜。」
    とかなり間延びした調子で呼び続ける姿は、彼のイカレ具合を現わしています。
    この犯人ハン・ドンス役は「オールド・ボーイ」(2003)のユ・ジテ。

    ミッドナイトFM

    へらへら笑いながら、実はものすごく残酷なことをしでかす、という役柄が
    ぴったりなんですよ。端正な顔立ちなだけに怖さ抜群。
    しかし放送現場には、ソニョンのストーカーに近いファン、ドクテなる人物も
    来ていて、見る者をやや混乱させます。この人が一応役に立つんだけど、この
    ストーカーという設定にする必要があったのかな。それとソニョンの彼に対する
    態度もひどいわあ。
    いつも通りに放送するうちに、突然ソニョンの携帯に不審なメールが届きます。
    仕事中は最低限マナーモードよね。さらに番組前に贈られていたプレゼントの
    箱の中から携帯が鳴り、それを見ると、ソニョンの自宅の動画が見られるのです。
    そこにも赤いバラが入っている。そして彼女は、家族の命と引き換えに、犯人の
    要求通りの放送をすることになるのです。
    ソニョンの動転ぶりもわかるのですが、生放送中に電話で話したり、過去の記録
    を見るために階下へ下りて行く時転んだり、とあれこれやりすぎ。そのうえ、警察に
    言うな、という指示も、せっかく指示通りにかけることができた曲も、オ・チーフの
    行動一つで台無しになってしまいます。この辺りまではスリルがあるし、こういう
    展開でないとサスペンスは成り立たないなあと思うのですが、この後、ソニョンは
    ラジオ局にいるふりをして、自宅に戻るという小技を仕掛けるのですよ。

    ミッドナイトFM

    こうなると閉鎖された空間での恐怖はなくなってしまい、ストーリーが変わってくる
    のです。彼女を助けるために出動しているパトカーの行く手を遮るソニョンの気持ち
    はわかりますが、そこになぜか暴走族まで乱入。この無駄なカーチェイスシーン
    必要ですかね。
    犯人は序盤でわかってしまうので、その面白さもない。そしてやはり無能な警察。
    犯人とソニョンのつながりを推理することだけを求めているのかな。
    「タクシードライバー」(1976)を見直しておけばもう少し入り込めたかもしれません。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星    ☆
    ハラハラ星  ☆
    エロエロ星
    ダルダル星 ☆



    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    ウグイスはとっても上手にさえずっています。

    96ミニッツ

    4
     
    96ミニッツ

    「96ミニッツ」
    原題:96 minutes
    監督:エイミー・ラゴス
    2011年   アメリカ映画   95分
    キャスト:ブリタニー・スノウ
         デヴィッド・オイェロウォ
         エヴァン・ロス
         クリスチャン・セラトス

    ドレーは、高校卒業が決まり、不良仲間から抜け出して普通の
    生活を送ることを夢見ている。しかし彼のいとこのケヴィンは逆に
    不良仲間に入って力を誇示したいと考えていた。そんな彼がある
    事件を起こし、彼をかばうドリーは窮地に陥っていくのだった。

    96ミニッツ

    96分というのは、ドレーのいとこ、ケヴィンが、車を奪うために発砲
    してから、盗んだ車で走り続ける時間です。
    登場人物は
     ドレー 貧しい地区に住む高校生。少年ギャングに属していたが、
    勉強の甲斐あって高校卒業が決まりGFと喜んでいる。

    96ミニッツ

     ケヴィン 母子家庭に育ち、彼に無関心な母親からは罵声を浴びせられ
    家を訪れる母親の男から暴力を受ける16歳。ドレーのいとこであり、自分の
    力を誇示したくてギャング入りを願っている。

    96ミニッツ

     カーリー 大学院進学を控えた女子大生。遠くに住む父は仕事が
    忙しく、彼女には関心がない様子。大学では犯罪者に対する刑罰について
    学んでいる。

    96ミニッツ

     リナ カーリーの同級生。女癖の悪い恋人マイケルとの別れを決意した
    もののまだ未練たらたら


    96ミニッツ

    この出会うはずもない4人が同じ車に乗り、夜の道路を走り続けるのです。
    どうしてこういう情況に陥ったのかは、車中の様子とそこ至るまでのその日の
    朝からの情景が遡って映され、全ての発端は、ギャングの仲間入りのために
    車泥棒を命じられたケヴィンの暴走から始まっていることがわかります。
    一方でドレーは、高校からの帰宅途中、何もしていないのに白人警官から
    職務質問を受け、バックパックの中身を道路にぶちまけられる仕打ちに合って
    いるのです。それでも彼は、とにかく高校を卒業し、普通の市民としての生活を
    送りたかったのです。そんなささやかな夢が、ボロボロに砕けていく姿を見ると
    本当に心が苦しくなり、原因を作ったケヴィンが全く事の重大さに気づいていない
    ことにいら立ちます。倫理観を教えられていない少年の犯罪はこのような形
    なのでしょうか。だったら反省なんてできるはずもないですね。
    車を盗もうとしたケヴィンをドレーが止める→そこへカーリーとリナが通りかかる
    →カーリーの車を盗もうとする→リナが騒ぐ→パニックになったケヴィンが発砲。
    そこからけがをしたリナも含めて4人で深夜の町をひたすら車で走ります。
    カーリーが病院へ連れて行ってほしい、という懇願し、ケヴィンは、それに怒り、
    さらには腹が減ったと言い続ける。車を運転するドレーの心は揺れ続けるのです。
    「銃」は力、つまり強さの誇示にはならない、などということが理解できるほど
    ケヴィンは賢くない。それは現在のアメリカにおいて大きな問題になっていること
    でもあります。しかしそれを持つことで力があると勘違いする人々も数多くいるの
    です。
    ラストに流されるドレーとカーリーの涙は、決して交わることのない2人の心を
    表していました。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆
    エロエロ星
    ダルダル星



    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    あら、急に冬に逆戻り。風が冷たい。

    闇を生きる男

    5
     
    闇を生きる男

    「闇を生きる男」
    原題:rundskop
    監督:ミヒャエル・R・ロスカム
    2011年   ベルギー映画   124分
    キャスト:マティアス・スーナールツ
         イェロン・ペルセヴァル
         バーバラ・セラフィアン

    ジャッキーはベルギー、フランドル地方で酪農業を営んでいる。
    ある日彼の伯父が怪しい仕事話を持ち込んでくる。彼は渋々その
    打ち合わせ場所へ向かうが、そこには幼なじみで、ある事件がきっかけ
    となって、疎遠になっていたディエドリックがいた。そして家畜ホルモンの
    不正使用の捜査官が殺害されたことから、ジャッキーは警察にマーク
    され始めるのだった。

    闇を生きる男

    暗いんです。ひたすら暗い映画です。ジャッキーの少年時代、ディエドリックと
    遊んでいた頃は、オレンジがかったどこか懐かしい映像なのに、成長した現在
    では、曇ってどんよりした映像になっています。それは彼の心の中を描いて
    いるのかもしれません。
    ベルギーで家業を継ぎ、畜産業を営んでいるジャッキーは、実は少年時代に
    ある事件で睾丸をつぶされていたのです。

    闇を生きる男

    その結果、彼は男であるために、日々ホルモン剤を飲用し、さらに注射も打って
    いるのですが、その副作用で、情緒が不安定であり、時に暴力的な行動に走って
    しまいます。ジャッキーの異常なほどのマッチョな体が、クスリによるものだと
    実感します。
    さらに彼は、牛ホルモン剤を使って、牛を太らせ販売しており、それは違法な手段
    であるようです。映画中、フラマン人と出てきますが、それはベルギーがフラマン語
    (オランダ語に似ている)を公用語とする北部とフランス語を公用語とする南部とで
    成立しており、その対立の中で、ホルモンマフィアなるものが存在するのです。
    そしてその家畜ホルモン問題を捜査していた警官が殺害され、たまたまジャッキー
    の伯父エディが持ち込んだ商売話の相手がその事件とつながっていたことから、
    ジャッキーは何もしないうちに危険人物になってしまうのです。いや、もちろん
    ジャッキーの飼っている牛たちは、違法なホルモン注射を打っているのですが、
    それは父親の代から続いていることであり、殺人などとは無縁のものなのです。
    この不条理な事態は、遡って彼の少年時代の事件にも言えることで、その相手が
    たまたまマフィアだったことで、単なる事故で片づけられているのです。彼の心の
    闇は脈々と受け継がれ、それでいて事件を起こしたブリュノは、今や精神病院に
    入っているは、その彼の妹ルシアをずーっと思い続けていたのに、
    「あなたは動物と同じ!」とまで言われてしまう。

    闇を生きる男

    復讐はできず、気持ちも受け入れてもらえない。
    「タマなし」だの「男じゃない」だのと軽口を叩かれることは、日々彼の心を痛め
    つけてきましたが、ルシアの言葉は、ジャッキーの希望を全て打ち砕くものでした。
    (でも個人的な感想ですがルシアはきれいじゃないです。)

    闇を生きる男

    ディエドリックがゲイになったこともジャッキーの事件の時、一人逃げて見ていた
    だけだったことに原因があるのかもしれません。
    ラストのクスリと注射の影響でぼやけ、らせん階段がクルクル回るジャッキー目線
    の映像などをはじめとして。なかなか凝った作りになっています。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆
    エロエロ星
    ダルダル星

    ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ

    今日は曇り空。


    PR

    カレンダー

    S M T W T F S
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31      
    << March 2013 >>

    ブログランキング

    今日のわんこ

    powered by 撮影スタジオ.jp

    アマゾン

    遊びにきてくれてありがとう!

    カウンター

    死語レッスン

    最新記事

    categories

    過去の記事

    コメントありがとうございます!

    トラックバックありがとうございます!

    recommend

    お友達

    ミス・マープルについて

    書いた記事数:3431 最後に更新した日:2023/01/12

    あの映画を探そう!

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM