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    • 2023.01.12 Thursday
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    ゾーン・オブ・ザ・デッド

    5
    JUGEMテーマ:Horror

    ゾーン・オブ・ザ・デッド

    「ゾーン・オブ・ザ・デッド」
    原題:zone of the dead
    監督:ミラン・コニェヴィッチ
       ミラン・トドロヴィッチ
    2009年   セルビア映画   101分
    キャスト:ケン・フォリー
         クリスティーナ・クリーブ
         エミリオ・ロソ

    セルビアのある町で軍の極秘郵送物質が漏れ出し、住民が
    次々にゾンビ化する。一方ミリアス捜査官は、初仕事として
    囚人の護送を任され、たまたま通りかかった町でゾンビ達に
    襲われるのだった。

    ゾーン・オブ・ザ・デッド

    101分とゾンビ映画としてはやや長く、事件の発端やその後の展開も
    どこかで見たようなものばかりです。ミリアス捜査官の先輩、レイエス役
    は、ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」「ドーン・オブ・ザ・デッド」
    に出演していたケン・フォリーが演じています。でも太ってしまって最初
    誰だかわからなかった...。但し結構真面目に作られたゾンビ映画だな、
    というのが個人的な感想です。


    ゾーン・オブ・ザ・デッド

    1985年、ユーゴスラビアのパンチェボ工業地帯で、白骨死体が見つかり、
    その骨片でけがをした救急隊員が死亡。しかし彼はなぜか起きあがって...。
    という始まり方です。映像も粗く、ストーリーも先が読めているので、これ
    はいつも通りハズレかな。
    そして現在に移行し、セルビア(ユーゴスラビアは6つの共和国に分離独立)
    でNATO軍との軍事演習のため、列車は走らず、携帯も通じなくなる夜が
    訪れています。こういう夜にはきっと何かが起こる。ほらほらハザードマーク
    をつけた極秘の物資を積んだ列車がやって来ます。そしてあれよあれよという
    間にそのタンクに銃弾が撃ち込まれ、何やらモヤモヤとしたものが漂い、人々
    はバッタバッタと倒れていくのです。でもやっぱり変化した姿でむっくり
    起きあがりますよ。やっぱりね。

    一方ブルシャツの刑務所では、新米のミリアス捜査官が初任務として、囚人を
    ベオグラードまで護送することになるのです。囚人も
    「キミとは別の場所で会いたかったな。」
    なんて意味不明のセリフを言うし、そもそもなぜこんな深夜に護送するのかは
    「極秘」なんです。その辺りは思わせぶりが多く、さらに同行するレイエス
    捜査官が妻の写真を見つめながら、クスリを飲むシーンも映ったりして、少々
    あれこれ詰め込み過ぎた感は否めません。
    そして3シーン目はよりによってパンツェボで車が故障した若者3人が映ります。
    どうやら男ヤンは記者らしい。しかし女2人のうち1人は「マジックマッシュルーム」
    でラリっている模様。あっという間にゾンビに囲まれます。当たり前。
    「あなたたちもマッシュルームを食べたの?」
    なんて抜かしているからです。

    ゾンビといっても動き方はまちまちで、なぜか囚人がゾンビ研究家のように詳しい。
    彼によると噛まれた傷が浅いと感染が遅いし、第一次感染者は、動きが俊敏なの
    だそうな。なんでこんな知識があるかって?にわかに信じがたい理由が後でわかり
    ます。
    そうこうするうちに護送車もゾンビに囲まれてしまいます。全くテンポが悪いので、
    気になるのはミリアス捜査官のブラウスから覗く彼女の体ばかり。なぜかめっちゃ
    短いブラウスかつローライズパンツをお召しになっているのでお腹や背中がチラチラ
    見えちゃう。結構可愛いですよ。
    そしてもう一人意味不明な男が教会から脱走してきます。


    ゾーン・オブ・ザ・デッド

    彼は終末思想の持ち主のようで、なんやかやと人間の驕りを語りつつ、悪魔だー!
    と言いながらゾンビをバンバン倒していきます。ここからはテンポアーップ。
    ミリアス達と合流すると、ものすごい数の武器でゾンビを撃ち、切り、刺し
    まくるのです。
    あちこちで聞かれるセリフはロメロ監督のゾンビ映画で聞いたものが多々あり
    ます。


    ゾーン・オブ・ザ・デッド

    またこのガラスにゾンビが押し寄せるシーンなどは「ドーン・オブ・ザ・デッド」
    のショッピングモールのシーンにそっくりです。きっと彼を崇拝している人々
    が作った映画なのですね。
    さらにこういう時に必ず現れるズルして一人で逃走する男ヤンは、エンドロール
    の合間にその結末が見られ、ふん、いい気味だわと思ってしまう。
    ゾンビ映画好きでしたら一度試しに見てみましょう。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星    ☆
    ゾクゾク星
    エロエロ星
    ダルダル星  ☆

    何かおいしいものが食べたい今日この頃。




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    汚れた心

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    汚れた心

    「汚れた心」
    原題:coracoes sujos
    監督:ヴィンセンテ・アモリン
    2011年   ブラジル映画   107分
    キャスト:伊原剛志
         常盤貴子
         余 貴美子
         菅田 俊
         奥田瑛二

    第二次世界大戦終結後のブラジルでは、日系移民の大半が
    日本軍の勝利を信じていた。情報が遮断された中、ポルトガル語
    のラジオ放送で日本の敗戦を知ったササキやアオキ達は、勝利を
    主張するワタナベ達と対立してしまう。そして...。


    汚れた心

    「善き人」(2008)のヴィンセンテ・アモリ監督の映画です。この
    内容を外国人監督が描いたことで、ある意味中立した内容になった
    ような気がしています。
    第二次世界大戦直後、ブラジルで教師の妻ミユキ(常盤貴子)と暮らす
    写真館店主タカハシ(伊原剛志)は、日本を愛し、あえてポルトガル語を
    使わない生活を送っています。そんな写真館には近所に住むササキ夫妻の
    娘ナオミがちょくちょく遊びに来て、それがまたタカハシにとっての
    楽しい時間でもあったのです。


    汚れた心

    ミユキ役の常盤貴子が円熟味を増して、なんかとてもきれいになったなあ。
    しかし、日系移民の中で、日本の敗戦を信じない人々は「大和魂」を語り
    日章旗を掲げて集会を繰り返すのです。この映画で初めて知ったのですが、
    日本から遠く離れたブラジルで、大戦終結後、日本の勝利を信じる「勝ち組」
    と敗戦を受け入れた「負け組」とが対立し、同じ日本人同士で殺し合う
    事まで起きていたのです。「勝ち組」の主張は「敗戦というプロパガンダは
    鬼畜米英が我が国を分裂させんがために流布しているのだ」
    しかしたまたまポルトガル語のラジオ放送で、日本が無条件降伏し、天皇陛下
    は人間であったことを知ったササキやアオキは、元大日本帝国陸軍大佐ワタナベ
    に従う「勝ち組」の人間と一線を画すのです。このワタナベ役の奥田瑛二の
    演技が素晴らしい。狂気に満ちた視線と、その話しぶりは、当時の軍人を
    彷彿とさせます。


    汚れた心

    ひたすら「大和魂」を説き、敗戦を口にするものは「国賊」と決めつけ
    遂には、タカハシに行動を起こさせます。タカハシは実は、日本が本当に
    勝ったとは信じていなかったふしがあります。しかしタカハシにしろ
    ワタナベにしろ軍国主義の教育を受けてきた者が、そのよりどころを失う
    ことはあってはならなかったのです。
    しかしその現場を妻ミユキが見てしまう。さらにササキまで夫が手にかけた
    ことを知ると、彼女は自らの意志で行動を起こします。それは、かつての
    夫はもういない、と悟った瞬間でした。


    汚れた心

    ワタナベの演技がいかにも外国人の思う日本軍の立ち居振る舞いなのは
    仕方がないこと。それでもワタナベが主張する「大和魂」は敗戦を認める
    彼らの言う「汚れた心」の人々を排除するものである、と言っているように
    思えます。真実を知る少数を排除することは、第二次世界大戦期のドイツに
    おける民族浄化の思想につながる気がします。そこはとてもうまく描かれて
    いました。演じた役者の国籍云々を語るレビューがたくさんありますが、
    そんなことは全く映画とは無関係のことであり、そんな尺度で見るような
    安っぽい内容の映画ではないことは確かです。
    「移民同士の抗争」も全て元は戦争があったから起きたことなのですね。戦争は
    本当に人間が行う最大の愚かしい行為です。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆

    是非見てほしい映画です。



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    フライト

    5
    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

    フライト

    「フライト」
    原題:Fright
    監督:ロバート・ゼメキス
    2012年  アメリカ映画   138分   PG12
    キャスト:デンゼル・ワシントン
        ドン・チードル
        ケリー・ライリー 
        ジョン・グッドマン
        メリッサ・レオ

    オーランドからアトランタへ向かう航空機に突然異常が発生し、
    急降下を始める。ウィトカー機長の判断で、背面飛行の末に
    胴体着陸を決行する。当初は最低限の被害で済んだことで機長は
    英雄視されるが、彼の血中アルコール度が高かったことから、一転
    過失致死の疑惑が持ち上がってしまうのだった。

    フライト

    「彼は英雄か、犯罪者か」というキャッチフレーズはかなり違和感が
    あります。なにかインチキをして英雄になったかのように思えますが、
    実際は結構人間ドラマとしてシリアスな内容を描いており、サスペンス
    映画とはやや異なる趣になっています。
    オープニング、スタイル抜群の美女がすっぽんぽんで目覚め、その隣には
    ウィップ・ウィトカーが眠っています。デンゼル・ワシントンが半ケツを
    出していますよ。ウィトカーはサウスジェット航空機の機長で、この美女
    トリーナは、彼の恋人かつCAなのです。ウィトカーはアルコール及びドラッグ
    中毒が原因で離婚しており、息子は彼に会おうともしない。とことんダメ男
    ぶりをデンゼル・ワシントンが見事に演じていて、途中で本当に彼のことを
    嫌いになってしまいます。しかしそこは演技力が秀逸だからこそですね。
    さて、大雨の中、オーランドからアトランタへと飛行を始めた277便は、
    酔い覚ましにコカインを吸ったウィトカーの操縦の元、見事に乱気流を突破
    するのです。これも気分がハイだからなのか、かなり危険な飛行です。
    ところがその後機体は突然急降下を始めます。ここからの操縦室の緊迫感
    と客室のパニックぶりは、かなりスリリングであり、背面飛行の上、胴体着陸
    を決行するまでは目が離せません。

    ところがこの行動を映画は描きたかったのではなく、ここからのウィトカーの
    行動が主たるストーリーなのです。つまり酒とドラッグに溺れる自分を認めよう
    とせず、自堕落な生活を送り、運輸安全委員会での追及から逃げようとする
    とことん弱い男が、どうやってまともな人間に戻っていくか、なのです。
    ドラッグの売人ハーリーン役は「ハング・オーバー」シリーズのジョン・グッドマン。


    フライト

    そして事故後収容された病院で知り合ったドラッグ中毒の女性ニコール役は
    「シャーロック・ホームズ」(2010)のケリー・ライリーです。


    フライト

    全然きれいだと思わないんですが、映画内では幾人もの男性が「きれいだ」と
    言っているので、日本人好みでないだけなのかな。ただウィトカー同様に
    ドラッグ中毒で、そこから抜け出したいのに、なかなか抜け出せない弱い心の
    持ち主役にはぴったりです。
    またウィトカーの弁護士役は「クロッシング」(2008)のドン・チードル。


    フライト

    ちょっと太りましたかねえ。
    驚くのは最後に運輸安全委員会調査班リーダー、エレン・ブロック役で
    「ザ・ファイター」(2010)のメリッサ・レオが出てきたことです。豪華な
    俳優陣を起用し、ウィトカーの人間再生の様子を見事に描いた作品でした。
    ウィトカーが最後の最後で、人間としての誇りを捨てなかったことには、結構
    感動します。そりゃもっと早く気づくべきだったでしょうがね。
    ちょっと思っていた内容と違ったけれど、見て損はない映画です。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆☆
    エロエロ星  ☆
    ダルダル星

    夏バテかなあ。だるいなあ。





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    逃走車

    4

    逃走車

    「逃走車」
    原題:Vehicle 19
    監督:ムクンダ・マイケル・デュウィル
    2012年   アメリカ映画   85分
    キャスト:ポール・ウォーカー
        ナイマ・マクリーン
        ツシェボ・マセコ
        ジス・デ・ビリアーズ

    マイケルは別れた妻とよりを戻すため、彼女が滞在する南アフリカ
    へ降り立つ。空港で自分が希望した車種でないレンタカーを気にしつつ
    元妻に会うために車を走らせるが、突然ダッシュボードの中の携帯電話
    が鳴るのだった。

    逃走車

    登場人物が限られており、車の中のシーンが中心という結構興味をひく
    設定です。なので主人公のワンパターン演技や脚本や演出の悪さが
    なければ、極めてスリリングな映画になったことでしょう。この人が
    製作総指揮ってことは限りなく自分の趣味で作った映画なのですね。
    冒頭パトカーに背後から追われ、空からはヘリコプターに追われる車に
    乗る男が映ります。
    そしてそれから少し前ー空港で、別れた妻アンジーと話すマイケル・ウッズ。
    彼は仮釈放の身でありながら不法に南アフリカへ入国したようです。まず
    この電話の内容からモタつくし、映画内でほぼ相手から電話を切られてしまう
    というマイケルは、とっても通話が好きらしい。

    逃走車

    さてレンタカーのキーを押すと何と反応した車は、自分が希望した車種とは
    異なっています。そこでもやはり携帯電話で文句を言うのです。そしてやっと
    アンジーの元へと急ぐのですが、とっても危険そうな地区をノロノロ走った
    かと思えば、都市部での渋滞に巻き込まれる。思うんですけど、窓の外の
    映像に整合性がないんですよね。今都会を走っていたかと思うと、次には
    黒人居住区、スラムなど危険な地区を走っている。一体彼はどこへ向かうの
    でしょう。さらにマイケルは限りなく方向オンチなので目的地に着くまでに
    何度も道に迷います。そしてなぜか危険そうな場所で道を尋ねるのです。
    この映画のもっと大きな欠点は、全ての出来事に必然性が全くないことです。
    希望の車種でなくても一刻も早くアンジーの元へ急ぎたければ、とっとと
    車を走らせればいい。さらに車に勝手に積んであった携帯電話がなるたびに
    なぜに通話するんでしょう。それも目的地付近に着いたのだからほっとけば
    いいのに、わざわざ車へ戻って話します。こういう状況がずーっと続くので
    イライラは増すばかり。
    「俺を愛しているならスマッツ通りを教えろ。」
    は?アンジーが愛想を尽かすのもよくわかるわ。


    逃走車

    実はこの車に乗ったせいで、マイケルは大きな事件に巻き込まれていくのです。
    でもそれは巻き込まれたくてたまらない、かのような展開です。それと確か
    この方向オンチ男の車は、見知らぬ場所で動かなくなったはずなのに、なぜか
    自然に動き始めているという無気味なシーンもあります。


    逃走車

    派手なカーアクションもこじつけストーリーではちっともおもしろくないし、
    なぜかラストには、この方向オンチ、通話大好き男がヒーローになっている
    という極めて能天気な映画でした。あり得ない。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆
    エロエロ星
    ダルダル星  ☆☆☆☆


    蝉の声が暑さを増長させる。



     
        
       

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    ted テッド

    2
    JUGEMテーマ:コメディ映画全般
     
    ted

    「ted テッド」
    原題:Ted
    監督:セス・マクファーレン
    2012年   アメリカ映画   106分   R15+
    キャスト:マーク・ウォールバーグ
         ミラ・クニス
         セス・マクファーレン(テッドの声)
         ジョバンニ・リビシ
         ジョエル・マクヘイル

    1985年ボストン郊外。友人のいないジョンは、クリスマスプレゼント
    のテディベアが親友になってくれるように祈る。するとある日人形が
    しゃべり動き始める。そして27年後、35歳になったジョンは恋人
    ロリーができた今も、テッドと自堕落な生活を送っているのだった。

    ted

    予告編を何度も見たので、大体のストーリーはわかっていましたが、
    終盤のサスペンスタッチの展開には驚きました。
    R15指定になっただけあって、汚い言葉、エロいギャグ、行為、ドラッグ使用
    などお子ちゃまは見ちゃダメよシーンの連続です。それが憎めないのは
    「ハングオーバー」シリーズとは違って、主人公が見た目には可愛いテディベア
    だからでしょうか。それに加えてダメ男ジョンと可愛くてしっかり者のロリーの
    ラブロマンスも描かれているからかもしれません。

    ted

    1985年ボストン郊外で友人が1人もいないジョン・ベネットは、8歳のクリスマスに
    テディ・ベアのぬいぐるみをプレゼントされるのです。ジョンはテッドに毎日話しかけ
    「キミが親友になってくれたら一生手放さない」と願い続けます。するとある朝奴は
    動きしゃべり始めるのです。つかの間の大人気が去った後も2人は仲良しこよし。
    そうそうジョン役のマーク・ウォールバーグがとてもマッチョなのは、この怠惰な
    生活から生まれるはずもなく、そこは違和感あり。
    ジョンにはとても可愛い恋人ロニーがいて、「ブラック・スワン」(2010)のミラ・クニス
    が演じています。

    ted

    恋人がいるにもかかわらず、ジョンは相変わらず休日には、テッドと映画&ドラッグ
    を楽しみ、雷が鳴ると2人で寄り添ってものすごくエロい歌を歌うのです。なんじゃ
    こいつら。と思って見ていると、ジョンが実はピーターパンシンドロームのように
    大人になることを拒否し続け、テッドと8歳の時のまま過ごすことで、次のステップ
    へ踏み出す勇気とそれに伴う責任から逃げているのかな、と感じました。

    ted

    そしてロニーのたっての希望で遂に1人暮らしを始めたテッド。それでもジョンは
    大好きな「フラッシュゴードン」のサム・ジョーンズが来ていると言われると、ロニー
    と参加したパーティーから抜け出して、テッドの元へ駆けつけるのです。やはり
    彼はダメダメ男なのだ...。
    一方テッドに対して、ストーカーに近い行為をするのが、ジョバンニ・リビシ演じる
    ドニー親子です。なんでこの人はこういう役がぴったりなんでしょう。ついでに
    「星一徹も必要だ」とは英語で何て言ったんだろう。
    終盤のスリリングな展開もラストのハッピーさで全て解消されます。お子ちゃま
    禁止でありながら、絵本のようなエンディングでした。

    <マープルの採点。
    お勧め星    ☆☆☆☆

    酔っぱらってボーリングするなんて無謀だったわ。

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    あの日、あの時、愛の記憶

    4
    JUGEMテーマ:洋画
     
    あの日、あの時、愛の記憶

    「あの日、あの時、愛の記憶」
    原題:Die verlorene Zeit
    監督:アンナ・ジャスティス
    2011年   ドイツ映画   111分
    キャスト:アリス・ドワイヤー
         マテウス・ダミエッキ
         ダグマー・マンツェル

    ニューヨークに暮らすハンナは、クリーニング店のテレビから懐かしい
    声が聞こえているのに気づく。その声の主は、かつてアウシュビッツ収容所
    から共に脱走した恋人トラシュであった。彼女はその時から、トラシュへの
    思いを蘇らせるのであった。

    あの日、あの時、愛の記憶

    映画は1976年のニューヨークと1944年のアウシュビッツ収容所の様子が
    交互に映し出されていきます。
    1976年、裕福な男性と結婚し、アメリカ、ニューヨークに暮らすハンナが
    パーティー用のテーブルクロスをクリーニング店に取り行きます。するとそこの
    テレビから聞こえてきたインタビュー番組で、かつて自分が体験したことをその
    まま話す男性を見つけます。声も変わっていない...。ハンナはその男性こそ
    かつて深く愛し合ったトマシュだと確信するのです。

    あの日、あの時、愛の記憶

    そしてシーンは変わり、1944年アウシュビッツ収容所。ユダヤ人であるハンナは
    ポーランド人の抵抗運動家トマシュと愛し合い、彼の逃亡計画に従うのです。
    実はトマシュには大きな目的があり、ハンナを連れていくことは、彼だけの判断
    だったのですが、ハンナがそのことを知るのは逃亡が成功した後なのです。
    さらに苦労して行きついた自宅はソ連兵に奪われ、また母親は、ハンナがユダヤ人
    であることを知ると
    「ユダヤ人はだめよ。」
    と厳しく言い放ちます。

    あの日、あの時、愛の記憶

    この母親役の女優さんの演技がものすごく上手で、ハンナをかくまっている家に
    ソ連兵がやって来た時、ハンナを差し出したいという気持ちと、自宅を奪ったソ連兵
    への憎しみが交錯する表情は秀逸です。
    ポーランドという国は第二次大戦下に、ドイツとソ連によって2分割統治され、さらに
    戦後はソ連の衛星国化していたという悲しい歴史があります。1976年のシーンでも
    ソ連を批判することが許されない状況だったのです。
    美しいピアノの音色が響く中、1976年のハンナは、夫の心配をよそにひたすらトラシュ
    の行方を捜し続けます。ハンナがかなりヒステリックにふるまっても、現在の夫は
    優しく彼女を受け留めてくれる。そこには2人が培ってきた違う愛の存在があるの
    でしょう。

    あの日、あの時、愛の記憶

    一方、1946年のハンナは無事に収容所から逃亡したものの、身を隠していた兄夫婦
    の家にソ連兵がやってきて、彼らを連行してしまうのです。間一髪見つからなかった
    ハンナのそれからの数十年の生き様は一切わかりません。ただ、トラシュもハンナも
    お互いに死んだと思い、お互いへの深い愛情は封印してきたことがわかります。
    ラストでバスから降りるハンナとそれを出迎えるトラシュの表情は、数十年を一気に
    遡ったような気がしました。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆

    朝から30度ってどういうこと...。ビアガーデンに行くのだ!

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    危険なメソッド

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    危険なメソッド

    「危険なメソッド」
    原題:A Dangerous Method
    監督:デヴィッド・クローネンバーグ
    2011年   イタリア=ドイツ=カナダ=スイス映画   98分
    キャスト:キーラ・ナイトレイ
         ビゴ・モーテンセン
         マイケル・ファスベンダー
         バンサン・カッセル

    1904年、ユング医師は、ザビーナという患者に対し、精神分析医の権威
    フロイトの提唱する治療法を実践する。しかし2人はその後深い関係となり、
    それが引き金となってユングとフロイトの関係は壊れていくのだった。

    何を期待してこの映画を見たのか。それはデヴィッド・クローネンバーグ監督
    の作品が見たかったからだ、と途中で気づくほど、あまりに意外なストーリー
    です。でも「ヴィデオドローム」(1982)なんて理解不能な映画も作っていた
    から、これもありか。
    さて、映画は史実に基づいて描かれており、若き精神科医ユングの元へ、もの
    すごい形相で暴れる患者ザビーナが連れて来られるところから始まります。
    ユング役は「プロメテウス」(2012)でアンドロイド役を演じたマイケル・ファスベンダー。

    危険なメソッド

    そしてザビーナ役は「ロンドンブルーバード」(2010)のキーラ・ナイトレイです。
    とにかく彼女の迫真の演技がすごいです。美しい顔立ちをゆがめて、叫ぶ、うなる
    ひきつる。セリフの言い回しもかなり特徴があり、本当にこんなふうに話すかの
    ように思えます。

    危険なメソッド

    そのザビーナを当時、既に高名であった精神分析医フロイトの提唱する手法で
    ユングが治療していくわけです。フロイト役は「イースタン・プロミス」(2007)の
    ビゴ・モーテンセン。

    危険なメソッド

    役作りなのか、かなり老けて見えます。
    映画内で飛び交う専門用語はすっかりさっぱりです。自分の見た夢の意味を
    分析しあったり、「衝動に従うことは降伏だ」とわかったようなわからないような
    会話をしたりと、二人について全く知識がない者にとってはただただ眠いだけの
    シーンの連続です。
    中盤、ユングの患者として、グロス博士が出てきますが、この一夫多妻思想の
    ような男の役は「マンク 破戒僧」(2011)のバンサン・カッセル。

    危険なメソッド

    こういう退廃的な役が本当にお似合いだこと。
    結局ザビーナとユングは深い関係となり、そのことが匿名の手紙であちこちに
    送られ、噂を恐れたユングは彼女に別れを告げます。それに対し、執拗なまでに
    ユングを追い続けるザビーナ。そしてそれを取り持つフロイトの姿は、彼の手紙
    の内容でつづられ行きます。後半逆にザビーナを離したくなくて泣き崩れるユング
    の姿も映りますが、この辺りの三者の心の動きは全然わかりませんでした。 
    ザビーナもフロイトもユダヤ系であり、ユングはアーリア人だったことが、すぐに
    訪れるヨーロッパの暗い歴史を予知したものだったのかもしれません。
    キーラ・ナイトレイのバストがチラチラ見えます。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆

    思ったような映画じゃなかったな...。

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    ダイ・ハード ラスト・デイ

    4
     
    ダイハードラストデイ

    「ダイ・ハード ラスト・デイ」
    原題:A Good Day to Die Hard
    監督:ジョン・ムーア
    2013年   アメリカ映画   98分   PG12
    キャスト:ブルース・ウィルス
         ジェイ・コートニー
         セバスチャン・コッホ
         ラシャ・ブコビッチ

    長年音信不通だった息子ジャックが、ロシア警察に逮捕されている
    ことを知ったジョンは、休暇を利用してロシアへ向かう。ところが
    ジャックが入廷した裁判所で大爆発が起こり、彼はユーリという
    被告を連れて逃亡を図る。そしてジョンとばったり出くわすのだった。

    ダイハードラストデイ

    アメリカ本土ではシリーズ最低の作品と評価されたようですが、海外向けでは
    興行的に成功したとのこと。キャッチコピーの「運の悪さは、遺伝する」の意味が
    最後までしっくりこないのはなぜ?それはロシアへ向かったのはジョンの意志で
    あり、自ら危険に飛び込んでいったという点でしょうか。
    ストーリーは、長年所在さえわからなかった息子ジャックが、なんとロシアにいて
    さらに現地の警察に逮捕されていることを知ったジョンが、すっかり仲直りした
    娘に見送られてロシアヘ向かうところから始まります。
    一方、ジャックは何やら取引を持ちかけ、ユーリ・コマロフという政治犯に不利な
    証言をするということで、裁判所へと護送されるのです。そこでばったり出くわす
    ツルピカおやじ。そんなことを驚く間もなく裁判所で大爆発が起こり、その中から
    ジャックがユーリを連れて逃げ出してくるのです。
    「お〜い。オレだよ。なにやってんだー?」
    とばかりに限りなく能天気なオヤジが行く手を邪魔するものだから、ジャックは
    追手から逃れるために、派手なカーアクションを繰り広げます。ジョンも理解した
    のかどうか知らないけれど、同じようにカーチェイスに参加。小型のバンVS装甲車
    +ジョンが盗み続ける一般人の車は、ロシアの街を無茶苦茶に壊していきます。
    何とロケット砲まで発射するんです。あのう、ロシアでは、市民は車を奪われても
    銃で撃たれても、愛車の上を他人の車が走って行っても「Sorry」と言えば許され
    るんですかね。


    ダイハードラストデイ

    まあこのバカオヤジの姿にイライラしながら見ていると、最終的に行きついた先が
    なんとチェルノブイリです。他の人々が防護服にガスマスク姿で行動しているのに
    バカ親子は防弾チョッキだけで入っていきます。そしてウランだらけの場所で
    手りゅう弾を爆破させたり、銃を乱射するんです。放射能中和剤なんてものを
    使うところも作り手の甘さが出ています。そんなものが存在したら、人々はこんなに
    苦しまないんです!アメリカでもスリーマイル島事故があったのに、放射能に対する
    意識が希薄すぎ。
    このバカ親子は雨水プールに飛び込んでも
    「少し毛が抜けるくらいで平気さ。雨水は平気なんだ。」
    と言ってのける始末です。そりゃブルースはもう生えてこないだろうからいいでしょう
    けどね。

    ダイハードラストデイ

    そうそう息子ジャック役のジェイ・コートニーはTVドラマ「スパルタカス」で主人公の
    親友ウァロ役でしたね。

    ダイハードラストデイ

    全然雰囲気が違っていたけれど、マッチョさだけは健在ですね。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆
    エロエロ星
    ダルダル星  ☆

    こんなつまらん映画を映画館で見なくてよかった。




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    SUSHI GIRL

    5
     
    SUSHI GIRL

    「SUSHI GIRL」
    原題:SUSHI GIRL
    監督:カーン・サクストン
    2012年   アメリカ映画   98分   R15+
    キャスト:トニー・トッド
         ジェームズ・デュヴァル
         ノア・ハサウェイ
         アンディー・マッケンジー
         千葉真一
         ダニー・トレホ

    6年の刑期を終えて出所したフィッシュは、かつて一緒に強盗を働いた
    仲間の元へ連れて来られる。そしてそこで、彼は、事件後に行方がわか
    らなくなったダイヤについて問いただされるのだった。

    SUSHI GIRL

    SUSHI GIRL あらら〜。冒頭に化粧する女性は、パッとドレスを脱ぐと
    テーブルの上に横たわります。その上に寿司を握っていく職人は、おお〜、
    千葉真一です。クレジットでは、J.J.Shinichi Chibaとあったような。それに
    しても今時女体盛りが見られるなんて、まるでバブル時のようです。
    さて、ストーリーは、1人の男が出所するシーンとトニー・トッド演じるデューク
    が昔の仲間をある場所に招きいれるシーンとが交互に映ります。出所した男
    フィッシュは、自宅に電話するも、娘に「だれ?」と言われ、再婚している妻に
    電話を切られてしまいます。そしてデュークがよこした車が出迎えるわけです。
    先ほどの女体盛りの体の敏感な部分にはフグが乗せてあるそうで、何となく
    これはいつか使われるな、という予感がします。

    SUSHI GIRL

    そして6年前の強盗事件で、ただ一人捕まったフィッシュが、行方のわからない
    ダイヤについて知っているのではないかと拷問を受け始めます。
    デュークの長ったらしい3分タイマーの話の後に、タイマーを3分かけては、
    「チン」と鳴るたびに拷問が始まるのです。マックスはろっ骨折り、クロウは箸を
    腿に打ち込みます。次第にグロくなってきたぞ。

    SUSHI GIRL

    なぜか順番を抜かせというフランシスの代わりに再びマックス登場。
    一方で事件当時の回想シーンが映り、ダイヤ強奪事件の現場の守衛に
    ダニー・トレホ発見!やはりナタですな。しかーし、あっという間にお陀仏です。
    マックスは靴下に酒瓶を入れバリバリと割ったあげく、それでフィッシュの両頬
    を殴るものだから、もう彼の顔はぐっちゃぐちゃなのです。

    SUSHI GIRL

    さらに真相を巡って二転三転するうちに、あーそうか、という展開になります。
    なぜにSUSHI GIRLという題名なのか、ですよね。
    トニー・トッドの「あばよ」というセリフはなかなかよかったぞ。序盤は意味が
    分かりづらくダレそうになりますが、途中で回復し、ラストはオチが読めてしまう
    展開なのがちょっと惜しかったです。でも結構おもしろい。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆
    グロ星    ☆☆☆☆
    ハラハラ星  ☆☆
    エロエロ星  ☆
    ダルダル星 

    何となく疲れ気味です。



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    先生を流産させる会

    5
     
    先生を流産させる会

    「先生を流産させる会」
    監督:内藤瑛亮
    2011年   日本映画   62分
    キャスト:宮田亜紀
         小林香織
         高良弥夢
         竹森菜々瀬
         相場涼乃

    橘市のある中学校に勤務するサワコ先生は、日頃から生徒たちに
    厳しく接している。そんな彼女の妊娠を知ったミヅキたちのグループは
    「先生を流産させる会」を結成し、様々なことを企むのだった。

    先生を流産させる会

    実際は2009年に愛知県半田市で男子生徒11人が起こした事件であり、
    それを女子生徒に置き換えて映画化されています。現実の方がかなり
    えげつなく執拗であり、それを市教育員会は「行きすぎたいたずら」と処理
    したそうで、空いた口がふさがらない対応であります。
    さて映画では、冒頭から、校内のウサギ小屋で亡くなっている子ウサギを
    「死んでるのかな」「キモーイ」などと囁き合う少女たちが映り、その中の一人
    ミヅキが突然それを持って滑り台に登り、上から投げ落とします。一瞬の間の
    後に笑う4人に「何がおかしい!」と彼女は叫ぶのです。
    このミヅキ役の宮田亜紀が、この年頃にありがちな、常に反抗心をたたえた
    瞳を持っており、表情などに独特の雰囲気を醸し出しています。

    先生を流産させる会

    日本人離れした顔立ちもそれを深める要因でもありますね。
    サワコ先生の妊娠を知ったミヅキたちは、サワコ先生がSEXしていることへの
    嫌悪感を抱き、「先生を流産させる会」を結成するのです。その証は、万引きした
    南米産の指輪。しかしミヅキ以外は、とりあえず彼女に逆らえないから従った
    という感じなのですが、それでもやることはものすごく残酷です。サワコ先生の
    給食のスープに理科で使った薬品を入れる。彼女の椅子のネジを緩める。
    映画内で彼女たちの水泳の授業風景が映り、まだ幼児体型が残る水着姿を
    見ると、同じように心もまだ幼さが混在しているのだと実感します。
    「生まれる前に死んだのなら、いなかったことにする」
    ミヅキは発言します。彼女の家庭環境が一切描かれていないので、心の中を
    推し量ることはできませんが、親との連絡がとれないことから、何がしかの問題を
    抱えた家庭に育ったのだと思われます。
    一方サワコ先生は
    「赤ちゃんを殺そうとした人間は殺すよ」
    とあくまでも強気です。

    先生を流産させる会

    モンスターペアレント化した彼女たちの母親の前で、ヘコヘコする校長たちの
    うわべだけの謝罪の言葉がそこはかとなく卑しく感じます。

    先生を流産させる会

    その席でも一切負けないサワコ先生。
    「バカがバカを生んで...」のくだりは大へん納得しました。生むのは簡単、育てるのは
    至難の業です。こんな気概を持った教師が現在存在するのでしょうか。
    全編に渡って漂う不快感は、ラストシーンを向えても残ります。短編ながらよくできた
    映画でした。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆
    グロ星
    ハラハラ星  ☆☆
    エロエロ星
    ダルダル星

    選挙に行ったけど誰に入れようか、どの党に入れようか迷ったなあ。

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