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    • 2023.01.12 Thursday
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    俺はまだ本気を出していないだけ

    5
    JUGEMテーマ:邦画

    俺はまだ本気を出していないだけ

    「俺はまだ本気を出していないだけ」
    監督:福田雄一
    原作:青野春秋
    2013年 日本映画 105分
    キャスト:堤 真一
         橋本 愛
         生瀬勝久
         山田孝之
         濱田 岳
         水野美紀
         石橋蓮司

    大黒シズオ、42歳は自分探しのために会社を辞め、1か月
    が経つが、未だにゲーム三昧の日々を送っている。そんな彼が
    本気を出して「漫画家になること」を決意するが...。


    <お勧め星>☆☆☆ 原作がマンガなので仕方がないと思いますが
    かなり現実味がなく、限りなくゆるい内容になっています。


    主人公の大黒シズオ役は、堤真一。「地獄でなぜ悪い」(2013)
    でもコミカルな役を演じていました。しかしあの映画ではシリアス
    な一面も残っていたのに、この映画では最後までコミカルなまま
    なんです。そういう映画なのかしら。


    俺はまだ本気を出していないだけ

    一方彼の娘、鈴子役は「あまちゃん」では、能念さんとは真逆の
    役を演じた橋本愛。とてもきれいな顔立ちなのに、表情が乏しく
    それでいて存在感が残る不思議な演技をします。この鈴子は、ダメ
    な父親から金の無心をされても、「いいよ」とバイト代から金を
    渡すけなげな娘なんです。食事だって父と祖父の分もちゃんと
    作って登校していく。涙が出そうに(出ないけど)立派な娘です。
    さて、そんなシズオが「俺本気出すわ」と言って始めたのが、
    漫画家になること。でもそれだけじゃあ生活できないから、
    ファストフード店でバイトをし、年下の店長に叱られる日々を
    平気で送っているのです。このシズオのダメダメぶりがずっと
    映し出され、途中で飽きてきます。ダメなくせに前向き。

    また、シズオの幼なじみ宮田役は生瀬勝久。彼は優しすぎるがゆえに
    妻子と別れ、シズオには食事のたびに呼び出されるという、これまた
    ある意味ダメな男なんです。さらにシズオのバイト先に新人として
    やって来たくせに「だるい」と言って働かない金髪の若者、市野沢
    役は山田孝之。こいつもダメ男だけれど、彼がこのバイトを辞め、
    キャバクラで働き始めた時、嫌な店長にいじめられても笑っている
    中年オヤジもダメ。こんなダメだらけの世界なんて見ていて楽しい
    はずがない。
    出版社のシズオの新しい担当者役でラストに指原莉乃が出てきます。
    「わたし生意気ですよ」
    うん。なんかわかる気がする。






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    ダークスカイズ

    5
    JUGEMテーマ:Horror

    ダークスカイズ

    「ダークスカイズ」
    原題:DARK SKIES
    監督:スコット・ステュワート
    2013年 アメリカ映画 96分
    キャスト:ダニエルとレイシー夫妻は、息子2人と郊外で
    普通に暮らしているが、夫が失職中なのがもっかの悩みの
    種である。しかしある晩、家の台所が荒らされる事件が起き、
    その日から奇妙な出来事が次々に起こり始めるのだった。

    <お勧め星>☆☆☆ 悪魔物かなと思って期待しないで見たら
    やや違う展開である意味びっくり。そして面白い。ラストは
    いまいちかな。


    所々ツッコミどころがありますが、終盤のどんでん返しには
    見事に騙されました。
    元設計士のダニエルは、今日も就職が決まらず、住宅ローンの
    滞納の通知が届いています。一方妻のレイシーは、不動産販売の
    営業職で忙しい毎日を送っているのです。夫の職が決まらない
    ことから、夫婦の仲もやや険悪。毎夜のように繰り返される
    夫婦げんかの声を息子2人は、耳にしながら、トランシーバー
    でないしょ話をしているのです。上の息子ジェシー役は
    「リアルスティール」(2011)のダコタ・ゴヨ君。声も
    変わってちょっぴり大人になりました。


    ダークスカイズ


    ある晩、台所が荒らされ、次の晩には、台所にあった瓶や缶などが
    見事に積み上げられている、という奇妙な出来事が起こります。
    もちろん警察は、子どものいたずらだと相手にしてくれません。
    じゃあ節約のためにと中断していた警報機を作動させても、それに
    反応しないまま、下の息子サムが深夜外に出ているのです。


    ダークスカイズ


    圧巻なのは、自宅にぶつかってくるムクドリの大群の姿ですね。
    「鳥」を彷彿とさせます。この無気味さは、そもそも冒頭から
    トカゲの尻尾を切る趣味があるサムの姿から始まっているのです。
    この一家おかしい。周囲の家の人々もそう思い始めちゃう。
    ジェシーが年上の少年と遊び、女子とちょっとだけ背伸びした
    体験をするのは不要だけど、家族4人がそれぞれ記憶を失う時間
    があるのはとーっても怖い。でも父ダニエルが口をポカンと開け
    その後両方の鼻から鼻血を出す姿はちょっと笑えちゃった。
    で、結局夫妻は、ある専門家の家に相談に行くのです。その家が
    猫だらけなのはまるで我が家のよう。


    ダークスカイズ


    この専門家のじいさんが言うには、
    「家族で戦え」
    これだけです。ダニエルの耳の後ろのぼつぼつの意味はわかった
    けれど、それは何のためなのかとか、なぜに今頃...とか疑問は
    尽きません。
    「実験者の意図をラットは知らない」という論理はよくわかります。
    なのである意味恐ろしい内容だと思います。
    でもラストシーンは今一つでしたね。



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    レプリカ

    5

    レプリカ

    「レプリカ」
    原題:IN THEIR SKIN
    監督:ジェレミー・パワー・レジンバル
    2012年 カナダ映画 97分
    キャスト:セレマ・ブレア
         ジョシュア・クローズ
         ジェームズ・ダーシー
         レイチェル・マイナー

    マーク、メアリー夫妻は、娘を亡くした悲しみを癒すため
    息子ブレンダンと共に別荘へやって来る。しかし翌朝早く
    から、隣人が薪をプレゼントに来たといって一方的に近づき
    その日の夕食を一緒に食べる約束をしてしまう。ところが
    隣人一家には恐ろしい秘密が隠されていたのだった。

    <お勧め星>☆☆ 「ファニーゲーム」を彷彿とさせる内容
    ですが、どうも中途半端になっています。


    レプリカ

    とても不快な隣人サカウスキー一家の姿には、序盤からイライラ
    させられます。それに対するマークは弁護士という職業柄か、
    冷静に話し合いをしようとするので、もっとイラつくんですよ。
    さて、冒頭、車の前をよろめきながら走る下着姿の中年男性が
    映ります。彼はやがて四つん這いになり、そこへ車から降りて
    来た人間にライフルでズドン...らしい。
    そしてシーンは変わって、限りなく陰気な一家が山奥の別荘に
    やって来ます。かなり豪華な別荘で、主人のマークは弁護士、
    妻メアリーは不動産ディベロッパーと裕福であることがわかり
    ます。しかし彼らは娘テスを事故で亡くしたばかりなのです。
    息子ブレンダン、愛犬ハリスを連れて来るなら、もっと明るい
    場所へ行こうね。


    レプリカ

    それでも到着した夜は、3人とも静かに床につくわけです。この
    別荘の周りは森だらけで、人気がないのが怖いです。そもそも
    シーズン前の寒い時期に来たようです。
    ところが翌朝、ものすごく早い時間から何やら外で音がします。
    実は隣家のサカウスキーと名乗る一家が、頼みもしないのに薪を
    プレゼントに来てくれたと言う。
    「ここは家の敷地だろう。」

    マークがインテリ弁護士でなかったら、ズドンと銃で撃っても
    許される状況なのに、なんとか穏やかに話をします。
    サカウスキー一家は、ボビー、ジェーン夫妻とジャレッドという
    9歳の息子の3人です。明らかに胡散臭いし、このジャレッドが
    へらへらしていてめっちゃ不気味。そして一方的に夕食を共に
    する約束をして行くのです。う〜ん。この辺りもマークは裕福で
    あるがゆえ、自分たちは善人でいようとふるまっている気がします。
    おまけに夕食の時間の前に、ドアベルを鳴らした時には、既に
    彼らは家に入っている始末。どこまで図々しいんだろう。食事が
    始まっても、ボビーは、マークの仕事やら家族構成やらずけずけ
    尋ねるばかりで、逆の質問には何とも曖昧にしか答えないのです。
    こんなイカれた連中は早く帰しましょうね。いえ、その時には、
    子供部屋で恐ろしい状況が起きていたのですよ。
    てなわけで、想像通りの展開になります。ゴアな描写はほとんどなく
    暴力的なシーンも少ないです。それでいて何となく漂う恐怖感の
    演出はなかなかですね。


    レプリカ

    せっかく銃を手にしてもホワイトカラーのマークは、手がブルブル
    ふるえちゃうし、そこへのこのこやって来るマークの弟トビーも
    出番が少ないです。
    かみ合わない会話の連続で見ている側を不快にしていく手法は、
    確かに「ファニーゲーム」に似ています。しかしラストはあっけ
    ないし、そもそもサカウスキー一家の真相がいまいち、さらに
    なぜにマークが狙われたのかもちょっと納得のいく理由ではなかった
    です。冒頭のシーンもうまくつながりません。
    メアリー役のセルマ・ブレアの微乳が数回見られますが、別にあれ
    も不要だったのでは?




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    ノーベル殺人事件

    5

    ノーベル殺人事件

    「ノーベル殺人事件」
    原題:Nobels testamente
    監督:ペーテル・フリント
    2012年 スウェーデン映画 90分
    キャスト:マリン・クレピン
         ビョルン・カイェルマン
         レイフ・アンドレー

    ノーベル賞の受賞パーティーで、医学賞受賞者と選考委員が
    銃撃される。たまたまその場に居合わせた新聞記者のアニカは
    目撃者ということで、記事が書けなくなってしまうが、犯人が
    テロリストという警察発表に疑問を抱くのだった。

    <お勧め星>☆☆☆ サスペンスとしてはごく普通におもしろい
    です。登場人物の中途半端な描かれ方は、続編ありきということ
    でしょうか。


    「ミレニアム」シリーズのスタッフが製作した映画と宣伝して
    いますね。なので難解なストーリーを期待しつつ鑑賞。
    とっても寒そうなスウェーデン、ストックホルムの12月10日
    の夜、ノーベル賞受賞パーティーが開催されるのです。そこには
    アニカ・ベングッソンという新聞記者もおり、彼女の目の前で
    なんと医学賞受賞のイスラエル人医師ヴィーゼルと選考委員の
    キャロリンが銃撃されてしまいます。そういえば、その直前に
    アニカとぶつかった金のドレス姿で猫のような瞳の女性...。


    ノーベル殺人事件

    彼女の素早い動きとスナイパーとしての腕前は一級品です。さて
    この女性は誰なのか?
    アニカは警察とどうやら顔見知りらしく、なんやかやで連行され
    事情聴取を受けるのです。この辺りはちょっとわかりづらい。さらに
    記者である彼女にかん口令が言い渡され、記事が一切書けなくなり
    ます。
    そこからはアルカイダ系のテロであるという警察発表に基づき
    取材を進める他の記者たちと、全く違う発想で一人で取材を進める
    アニカの姿が映ります。サスペンスでお馴染みの「重要人物は
    どんどん消える」という展開で話は進み、とにかく雪深い景色や
    吐く息の白さで「ミレニアム」シリーズを彷彿とさせるのです。


    ノーベル殺人事件

    本筋はまあしっかりできています。ただ、夫とはあまりうまくいって
    いないらしいアニカや、その夫が親しくしているような隣の女性、
    さらにその息子にアニカの息子がいじめられていることなど、全く
    関係のないシーンが頻繁に出てくるので、やや興ざめします。
    これは続編への伏線でしょうか。それともシリーズ物を映画化した
    ためにこうなったのでしょうか。



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    ウェディング・キャンペーン

    5
    JUGEMテーマ:韓国映画全般

    ウェディング・キャンペーン

    「ウェディング・キャンペーン」
    原題:わたしの結婚遠征記
    監督:ファン・ビョングク
    2005年 韓国映画 121分
    キャスト:チョン・ジェヨン
         スエ
         ユ・ジュンサン

    農家の一人息子マンテクは38歳、独身。彼は親友ヒチョル
    と共にウズベキスタンへ見合い旅行にやって来る。しかし
    女性とまともに話ができないマンテクは、担当通訳ララに
    叱られてばかり。そんなララには実は、この仕事を成功させ
    なければならない大きな理由があったのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 日本でも嫁不足に悩む地域はたくさん
    あり、なぜか真剣に見てしまいます。


    婚期を過ぎた未婚男性を「老総角」と言うそうですが、日本なら
    38歳の独身男性なんてはいて捨てるほどいそうですね。しかし
    職業が農家で、母と祖父と暮らしている跡取り息子となると、
    「出会い」などあるはずもなく、おまけに幼い頃のトラウマから
    女性とまともに話ができないマンテクは、そのことも含めて、
    母に叱られる毎日を送っているのです。
    この最高にイケてない男、マンテク役は「殺人の告白」(2012)
    のチョン・ジェヨン。ななめがめのショルダーバッグ姿が悲しい。


    ウェディング・キャンペーン


    役作りなのか、中年太りのだらけた体型をしています。唯一の
    楽しみが、親友で同じく独身のヒチョルとぐでんぐでんになるまで
    酒を飲み、カラオケを歌う、という悲しい生活を送っているのです。
    ところが村にウズベキスタンから嫁いできた女性を見つけたマンテク
    の祖父の言葉から、2人はウズベキスタンへの見合い旅行に参加
    します。ウズベキスタンと韓国がなぜにこれほどつながっているか
    というと、ソビエト時代のスターリンにより、沿海地方に住んで
    いた人々が、強制的にカザフスタンとウズベキスタンに移住させ
    られたことによるもので、「韓国は遠くない」というセリフにある
    ように今でも韓国系の人々が多く住んでいるのです。
    さて、現地にやって来たものの言葉のわからない彼らには担当通訳
    がそれぞれつきます。マンテクついた通訳ララ役は「ミッドナイト
    FM」(2010)のスエ。「薄幸の美女」というだけあって、訳
    ありの女性役がぴったりです。


    ウェディング・キャンペーン


    チャラいヒチョルとは逆に、挨拶もろくにできないマンテクは、ララ
    にしかられてばかりだし、一向に相手が決まりません。そのうちに
    真面目人間マンテクは、当然のごとくララに惹かれてしまうのです。
    このチョン・ジェヨンの演技がすばらしい。とてもキモい男だし、
    田舎者だし、食べ方も汚いし、服装もイケてないけれど、なぜか
    憎めなくなります。全編にわたって、彼のリバースシーンが多く
    見られ、そこは思わずひいてしまいます。しかし、次第にわかって
    くるララの素性とそれでもなお彼女を愛し続けるマンテクの純粋な
    姿には、心を打たれますね。ラストの桜の花の下を疾走していく
    マンテクはやはりいい奴です。



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    ぱいかじ南海作戦

    4
    JUGEMテーマ:邦画

    ぱいかじ南海作戦

    「ぱいかじ南海作戦」
    監督:細川 徹
    原作:椎名 誠
    2012年 日本映画 115分
    キャスト:阿部サダヲ
         永山絢斗
         貫地谷しほり
         佐々木希
         ピエール瀧

    離婚と失業と同時に味わった佐々木は、とりあえず南の島
    へ行こうと考える。ところが現地で知り合った4人組に全財産
    を奪われ、彼は途方にくれるのだったったが...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 見ていて元気がわいてくる映画です。
    ラストは個人的には好きではないのですが。


    この映画に限らず、南の島と聞くとなぜか行ってみたくなります。
    実際には蚊が飛んでいるし、携帯もつながらないし、欲しい物も
    手に入らないという不便さなど、すっかり忘れてしまうのですね。
    で、この映画の主人公の佐々木は、失業と離婚を経て、「南の島
    へ行こう」と決めるのです。たどり着いたのは西表島。誰もいない
    と思っていた浜辺で知り合った4人組に「ぱいかじ」という南から
    吹く風について教わり、すっかり気を許していると、ある朝、彼の
    持ち物は一切合財なくなっています。


    ぱいかじ南海作戦

    阿部サダヲのテンションの上下が、青い海と白い砂浜を舞台に
    いつも通り思う存分映し出されていくのです。何もないという
    絶望は長く続かず、オッコチという若者が同じようにこの浜辺
    を訪れます。


    ぱいかじ南海作戦

    あれ?外国製の腕時計をしている。あれ?おいしそうなカップ麺。
    佐々木の心の声とは全く反対に言葉がツルツルと口から出てきます。
    そこも笑えるけれど、つい心の声が本当に声になってしまう時も
    笑えます。
    さらに映画に華を添えるのが、アパとキミという若い女性2人組。


    ぱいかじ南海作戦

    貫地谷しほりと佐々木希が何気にいい組み合わせなんですよ。
    佐々木は宮本と名乗っていたので、彼女たちに「宮のおっさん」
    と呼ばれ、ついでにアパに恋心を抱くオッコチ。
    でも忘れちゃいけない4人組への復讐。と思ったら、やはりそこは
    南の島のゆる〜い雰囲気で、なんやかやとことは進みます。
    「生きていく楽しさ」それってとても大事なことなんですよね。
    ただラストが残念なんだなあ。それ以外はとても好きな内容だった
    んですが。




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    遺体 明日への十日間

    4
    JUGEMテーマ:邦画

    遺体

    「遺体 明日への十日間」
    監督:君塚良一
    原作:石井光太「遺体ー震災 津波の果てにー」
    2012年 日本映画 105分
    キャスト:西田敏行
         緒方直人
         勝地 涼 
         國村 隼
         佐藤浩一
         柳葉敏郎
         佐野史朗

    東日本大震災直後の釜石市。続々と運び込まれる犠牲者の姿
    を見て、民生委員の相葉はボランティアで働くことを決意する。
    彼はかつて葬儀社に勤務しており、その経験から遺体に対し、
    優しく接するのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 全編涙なくしては見られませんでしたが、
    遠くにいて現場の状況を知ることのなかった人々は是非見るべき
    ですね。


    震災発生前のごく普通の日常が冒頭に映ります。港で働く者、
    市役所で電話対応に追われる職員、商店街を娘と楽しそうに
    歩いていく母親...。しかしこの普通の日々が、あの震災で全て
    失われてしまったのです。
    その後は、茫然、驚き、不安、嘆き、怒り、落胆、悲しみなど
    様々な心が錯綜します。
    この映画では、遺体安置所でボランティアをすることに決めた
    相葉を中心に話が進んでいきますが、周りの人々の姿も見落として
    はいけません。


    遺体

    遺体安置所担当となった市職員の戸惑い、そして相葉の説明や
    彼の対応を見て「今自分にできる最低限のこと」をやり始める
    までの姿は心を打ちます。さらに同じく市職員で、毎日遺体の
    回収に向い、泥まみれの顔だけが映り続ける沢村一樹の瞳が
    訴えるものは何なのか?それも忘れられません。
    ただ実際には、口では到底表せないほど酷い現場であったことは
    この映画では伝えることはできません。また被災された方々が
    この映画を見ることができるとはとても思えないのです。
    津波からは遠く離れ、テレビで状況を見ていただけの人には
    是非見るべき映画だと思うのです。


    遺体

    遺体安置所へ読経に訪れた住職が、読経の途中で、言葉に詰まる
    姿は、真に迫るものがありました。
    「耐えられません」という職員。
    「生きているのが申し訳ない」という職員。
    それでも「遺体は話しかけると、人としての尊厳を取り戻す」
    と諭す相葉の言葉が胸に強く響きました。



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    ランズエンドー闇の孤島

    4
    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

    ランズエンド

    「ランズエンドー闇の孤島」
    原題:BLOOD
    監督:ニック・マーフィ
    2012年 イギリス映画 92分
    キャスト:ポール・ベタニー
         スティーヴン・グレアム
         マーク・ストロング
         ブライアン・コックス

    少女アンジェラの刺殺体が発見され、刑事のジョーとクリシーは
    ビューリーという容疑者を逮捕する。しかし証拠不十分で彼は
    釈放されてしまう。彼が犯人だと確信するジョーたちは、ビューリー
    を孤島に連れて行き、自白を強要するのだった。そこはかつて
    彼らの父が、犯人を自白させた場所、と語っていたのだが...。

    <お勧め星>☆☆☆ 雰囲気は陰鬱で、サスペンスにぴったり
    なのですが、実は「愛」というテーマだったことに気づき、やや
    拍子抜けします。


    2004年にイギリスで連続TVドラマとして放映されたものを
    リメイクした映画だそうです。これが連続ドラマなら、確かに
    次回が楽しみになります。
    舞台は、イギリス西北部にあるランカシャー。そこで元刑事の父
    を持つジョーとクリシーは、父と同様に刑事をしているのです。
    冒頭にジョーが語る父の教えは、彼が父を尊敬し、父のような
    刑事になることを願っていたことを物語っています。しかしその
    父も今では引退し、やや認知症を患っている模様。
    そんな時、12歳の少女アンジェラの刺殺体が発見されます。
    ジョー役は「ダビンチ・コード」(2006)のポール・ベタニー。
    そしてその弟クリシー役は「裏切りのサーカス」(2011)などで
    味わい深い演技を見せてくれたスティーヴン・グレアム。


    ランズエンド


    似ても似つかぬ風貌に、2人が兄弟とわかるまで少々時間がかかり
    ました。
    この事件の容疑者として、かつて小児性愛犯罪歴のあるビューリー
    が逮捕されるのですが、彼はのらりくらりと供述をし、証拠が
    不十分ということで釈放されてしまいます。いや、こいつが絶対に
    犯人だ!ということで、兄弟は、かねてから父の武勇伝として
    聞かされていた自白させる場所ー孤島へ彼を連れて行くのです。
    イギリス特有のどんより曇った空と、寒風が吹き、息も白い景色は
    独特の雰囲気を醸し出し、とてもサスペンスフル。しかしジョー
    はそこで大きな過ちを犯してしまうのです。どこかの列車脱線事故
    のように、埋めちゃえばなかったことにできる、なんて人間の心は
    単純ではありません。ジョーは正義と守るべき家族とのはざまで、
    深く苦悩します。それはクリシーも同様だったのです。
    一方、真実を追求し続ける同僚刑事ロバート役は「シャーロック・
    ホームズ」(2009)のマーク・ストロング。


    ランズエンド


    彼にはやはり悪い男が良く似合います。
    後半の展開は、あまりに速すぎるし、あれなんでこれがわかったの?
    とかアンジェラの恥骨部分のタトゥ「four real」の意味が深く理解
    できなかったり、いつの間にか家族が全てを知っていたり、と疑問
    の残ることがたくさんありました。
    ただラスト付近の認知症を患う父の行動は、子どもや家族への深い
    愛情の表れだったと思います。そこは切なかったなあ。



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    ペーパーボーイ

    5

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

    ペーパーボーイ

    「ペーパーボーイ 真夏の引力」
    原題:The Paperboy
    監督:リー・ダニエルズ
    2012年 アメリカ映画 107分 R15+
    キャスト:ザック・エフロン
         ニコール・キッドマン
         マシュー・マコノヒー
         ジョン・キューザック
         デビッド・オイェロウォ

    1969年、フロリダ。新聞記者の兄ウォードが死刑囚の
    犯した殺人事件の再調査を始める。弟ジャックはその手伝い
    をするうちに、死刑囚の婚約者シャーロットに心をひかれて
    いくのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 不思議な世界観が漂っています。音楽
    もそれを際立たせ、個人的には好きな映画です。


    主役のジャック役は、「ニューイヤーズ・イブ」(2011)の
    ザック・エフロン。水泳選手だったという設定通り、なかなかの
    体格です。さらに白いブリーフ姿が多いのは、監督の好みだそう
    です。
    そして彼の兄で、マイアミタイムズ紙の記者ウォード役は
    「リンカーン弁護士」(2011)のマシュー・マコノヒー。
    なかなかイケメンなのですが、中盤以降にわかる映画内での彼の
    性癖はびっくり仰天!
    なによりもすごいのは、死刑囚ヒラリーの婚約者シャーロットを
    演じるニコール・キッドマンのアバズレぶりです。悪い男が好み
    で、彼女は死刑囚に手紙を書き、ヒラリーという保安官殺しの
    男に目をつけます。


    ペーパーボーイ


    映画の序盤でヒラリーと初めて面会した時、自らストッキングを
    切り裂いたり、クラゲに刺されたジャックの顔や体に放尿したり
    するシーンは、その極みです。身体からあふれ出す、品のなさを
    ものすごくうまく演じています。
    一方死刑囚ヒラリー役のジョン・キューザックのイカレ具合も
    生半可なものではありません。


    ペーパーボーイ

    明らかにいっちゃってる感じ。
    南部フロリダ州モート群で、黒人迫害を率先する保安官殺しの
    犯人が、なんとこの白人ヒラリーであり、彼をかばう者は誰も
    いないという奇妙な構図。そしてその事件を再調査するのが、白人
    兄弟、婚約者に加えて、上昇志向の強い黒人で、彼らの中での
    心の動きがとてもうまく描かれています。
    高温多湿のフロリダの沼地に潜む虫やらワニやら蛇で無気味な
    雰囲気を漂わせ、人間の闇の部分を暴き出していくという感じかな。
    ラストのジャックが沼地をボートで進んでいくシーンは印象的
    でした。なんとも生臭い映画です。
    兄弟の家のメイド、アニタの存在もよかったですね。




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    ゼロ・グラビティ

    5
    JUGEMテーマ:SF映画 一般

    ゼロ・グラビティ

    「ゼロ・グラビティ」
    原題:GRAVITY
    監督:アルフォンソ・キュアロン
    2013年 アメリカ映画 91分
    キャスト:サンドラ・ブロック
         ジョージ・クルーニー

    スペースミッションに初参加したライアンは、ベテランの
    マットと共に船外活動をしていた。ところがその最中に
    シャトルに宇宙ゴミが衝突し、シャトルは大破してしまう。
    2人は宇宙に取り残され、他国のシャトルへ助けを求めるが...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ これは絶対に劇場で3D鑑賞するべき
    映画です。緊張の連続でした。


    宇宙という音も重力も一切存在しない空間で、軽口を叩く
    マット・コワルスキーと必死で作業を続けるライアン・ストーン
    博士が映ります。そのはるか下に広がる地球と背後にどこまでも
    続く宇宙の暗闇が対照的で、まるでそこに自分がいるかのように
    感じられます。
    予告編では、サンドラ・ブロック演じるライアンが、はるか宇宙
    のかなたへ飛んで行ってしまうように思われましたが、そうでは
    なく、とにかく地球に生還するのだという、「生」への渇望を描いた
    映画なのです。


    ゼロ・グラビティ

    マット役のジョージ・クルーニーは、いつものようににやけながら
    ベラベラ話し続けるちょい悪オヤジという雰囲気です。そんな彼に
    実はちょっとイラついているらしいライアンとの船外活動の姿が
    冒頭20分間長回しで撮られ、それが突然の事故で急変するのです。
    そのショックは、緩急をうまく使って、見る側に強く印象づけます。


    ゼロ・グラビティ

    そこから2人が、酸素や燃料の限界と戦いながら、一番近くに
    いるソユーズへ救助を求めるわけです。
    「酸素残り9パーセント」
    もうドキドキものです。この時の映像も宇宙から見た彼らと
    ヘルメット内からの視点とにものすごくうまく切り替わり、
    カメラワークの巧みさに感服します。音楽はかなりこだわって
    使われたそうですが、やや大きすぎたかなという印象。でも
    それがなければ無音の世界ですから、変化がなく、飽きてしまう
    かもしれませんね。

    冒頭の事故で、船外活動をしていたもう1人の宇宙飛行士が
    宇宙ゴミの直撃を受けて亡くなるのですが、そこはかなりリアル
    な映像となっており、ちょっと注意が必要です。
    国際宇宙ステーションとの交信も途絶えた時、突然傍受できた
    無線は、なんと地球のどこかの国の人のもの。犬や子供の泣き声
    を聞いて涙をこぼすライアンのその涙が粒となって目の前に
    浮遊します。
    ワイヤー・システムで無重力空間を演じたそうですが、さすがに
    本物の宇宙服では演技ができないので、軽量版を使ったそうです。
    本物はゴムタイヤを体に巻いているみたいなんだって。
    とにかくサンドラ・ブロックの演技が素晴らしかった。
    ラストも「再生」を感じさせるものでした。



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