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    • 2023.01.12 Thursday
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    ブーリン家の姉妹

    6
    JUGEMテーマ:洋画

    ブーリン家の姉妹


    「ブーリン家の姉妹」
    原題:The Other Boleyn Girl
    監督:ジャスティン・チャドウィック
    2008年 アメリカ=イギリス映画 115分
    キャスト:ナタリー・ポートマン
    スカーレット・ヨハンソン
    エリック・パナ
    ジム・スタージェス

    16世紀、イングランド国王ヘンリー8世の世継ぎが
    生まれないことに目をつけたブーリン卿は、実の娘アンを
    愛人に仕立て上げようとする。
    しかし思わぬアクシデントから、王は新婚の妹メアリーを
    気に入り、一家は宮廷に向かうことになるのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 豪華な衣装とキャストに目を
    奪われつつ、丁寧なストーリーで一気に見ることができます。


    ヘンリー8世は、イングランド国黄金時代のエリザベス1世の
    実父にあたります。この映画で運命に翻弄されるブーリン姉妹
    の長女アン役はナタリー・ポートマン。妹メアリー役は
    スカーレット・ヨハンソンととても豪華な配役です。どちらかと
    いうとスカーレット・ヨハンソンの方が、勝気な現代女性を
    演じそうな雰囲気ですが、この映画では、計算高く、頭の切れる
    姉をナタリー・ポートマンが演じ、スカーレットは気立てのいい、
    家庭的な女性を演じています。


    ブーリン家の姉妹


    冒頭、イングランドの田園地帯をはしゃぎまわる3人の子供が
    映ります。彼らはアン、メアリー、ジョージであり、ブーリン卿
    を父に持つのです。両親とも貴族の出身ながら、どうやら母親の
    家の方が裕福であり、彼女の弟は宮廷に仕え、自らの出世を願って
    いる模様。折しも時の国王ヘンリー8世は男児が生まれず、
    世継ぎができないことに頭を悩ませているのです。このチャンスを
    逃すものか!とばかりに叔父はブーリン家を訪れ、王の子供を娘に
    生ませる、つまり愛人に仕立て上げるよう話します。これはもう
    大奥の世界みたい。でも長い歴史のあるイングランド国では今でも
    こんな風習があるようで、カミラ夫人がチャールズ皇太子との関係を
    続けていたのも、彼女の元夫の地位を盤石にしたかったとかなんとか...。
    親が決めた相手と結婚し幸せに暮らしているメアリーをよそに、
    アンは王の気を引こうと様々な言葉、視線を送ります。この時の
    ナタリー・ポートマンの演技がうまいですね。小悪魔そのものです。
    しかし思わぬアクシデントからアンは嫌われ、じゃあ妹を差し出そう、
    となるのです。もう出世の道具に娘を使うなんて最低。でも宮廷で
    地位をあげていくには、数々の謀略をくぐり抜けなければ
    ならなかっでしょうね。ヘンリー8世役は「ハンナ」(2011)
    のエリック・パナ。


    ブーリン家の姉妹


    王の機嫌を取るために、それぞれが自分の意志を隠し、この計画を
    進めていきます。弟ジョージは大嫌いなジェーン・パーカーと
    いう娘と結婚。しかしアンとメアリーの間のわだかまりは、最初の
    失敗からずっと残るのです。それは幾度となく立場を変えて繰り
    返されます。序盤にブーリン家の母親が
    「男の出世と快楽のために娘を利用する」
    と夫たちをののしります。まさしくその通りになっていくのですよ。
    そしてラスト付近には彼女の
    「My Children!」
    という嘆きの声と夫への平手打ちの音が響きます。
    ラストは冒頭と同じく田園地帯を走り回る3人の子供が映ります。
    この中の赤毛のエリザベスこそ、後のエリザベス1世になるとは、
    本当に運命はわからないものです。そして彼女の知性は母親譲り
    だったのかもしれませんね。



     

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    八日目の蝉

    5
    JUGEMテーマ:邦画

    八日目の蝉

    「八日目の蝉」
    監督:成島 出
    2011年 日本映画 147分
    キャスト:井上真央  
         永作博美
         小池栄子
         田中哲司
         余貴美子

    愛人の子供を中絶した希和子は、同じ頃生まれた愛人の妻の
    子供を誘拐してしまう。4年間の逃亡生活を経て、実の両親
    の元へ戻った恵理菜は、心の闇を抱えたまま大学生になっていた。

    <お勧め星>☆☆☆☆ それぞれの俳優の演技が光ります。しかし
    とても重い内容です。


    原作は未読なので「八日目の蝉」の意味を十分理解できたとは
    思えません。しかし皆と違う状況に置かれている者の苦悩と
    それだからこそ確信できた子供への「愛情」は手に取るように
    伝わりました。
    この映画では、誰が悪いとは言っていません。不倫相手の子供を
    誘拐した女性が悪いのか、言葉巧みに女性を繋ぎ止め、子供を
    中絶させ、彼女を不妊に追いやった男が悪いのか、夫の子供を
    中絶した愛人をとことん責めたてる妻が悪いのか。しかし誰もが
    間違いなく愛していたのは、娘恵理菜(薫)だったことは確かです。

    裁判の証言台から映画は始まります。終始重苦しい雰囲気が漂い、
    この緊張がいつほぐれるのか、ほぐれる時間はあるのかと思って
    しまうほどです。不倫相手秋山の子供を中絶した希和子は、それが
    原因で不妊となります。そして同時期に出産した秋山の妻の暴言
    に耐えつつ、その子供を一目見ようと家を訪れるのです。
    ちょうど妻が夫を駅まで送っていくところ。こんな事件が本当に
    ありましたね。あれは放火だったか。希和子を見て笑いかける
    子供を、彼女はつい誘拐してしまうのです。そして自分の子供に
    つけようと考えていた「薫」という名前で呼び始めます。
    一方では、成長し、大学生になった恵理菜(薫)が映ります。井上
    真央が演じていますが、両親とはうまくいかず、恋人は妻子持ち、
    かつ友人がいない暗い女子大生役がいやにはまっている。


    八日目の蝉


    幼い頃の事件の影響で、彼女は「愛情」というものがわからない
    女性に育っていたのです。そんな彼女の過去をほじくり返すため
    に現れるのが、フリーライターの安藤千草。この役の小池栄子が
    上手いんだよね。なぜ恵理菜に固執するのかは次第にわかって
    きますが、猫背で内股、歩幅の狭い歩き方で、千草も普通の女性
    ではないことが理解できます。
    そして最も迫真の演技をしたのは、実母恵津子役の森口遥子じゃ
    ないでしょうか。彼女のヒステリックな演技は見事でした。


    八日目の蝉


    小豆島ののどかな風景と美しい海、そこで繰り広げられる普通の
    生活は、必ず終わりを告げることは希和子には最初からわかって
    いたのです。それがいつか。このフェリー乗り場のシーンは絶対
    に泣けますねえ。



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    プレシャス

    5
    JUGEMテーマ:洋画

    プレシャス

    「プレシャス」
    原題:Precious
    監督:リー・ダニエルズ
    2009年 アメリカ映画 109分
    キャスト:ガボリー・シディベ
         モニーク
         ポーラ・パットン
         マライア・キャリー

    ニューヨークのハーレムに住むプレシャスは、実父、継父の
    子供を妊娠し、実母から虐待受け、将来に希望のない生活を
    送っている。そんな彼女がフリースクールのレイン先生と
    出会い、次第に学ぶことの楽しさを知っていくのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ かなりヘビーな内容ですが、一見の
    価値がある映画です。


    1000万ドルという低予算だったそうですが、主人公の心の
    動きやその存在感をしっかり描いています。
    「すべては宇宙からの贈り物」という言葉で始まるこの映画は
    1987年、ニューヨーク、ハーレムが舞台です。高校に通う
    プレシャスは、その名前とは裏腹のルックスを持ち、劣悪な
    家庭環境に置かれているのです。そして16歳にして、娘が
    1人おり、その子はダウン症を患っている。さらにその父親は
    なんと自分の父であり、現在また、義父の子供を身ごもっている
    というこれでもかという内容が序盤に突き付けられます。その上
    実母は1日中テレビを見ているだけで、プレシャスに暴言、暴行
    を働く。それでも彼女を手元に置くのは、ただただ生活保護を受給
    したいだけの理由からなのです。モニークがこの自堕落では言い
    尽くせない母親と言うにも程遠い女性役を好演。


    プレシャス


    プレシャスは驚いたことに16歳でありながら、読み書きができない
    のです。ABCの区別すらできない。こんな現実は全然知りません
    でした。アメリカにおける格差社会の底辺を見せつけられた気持ち
    になります。

    でもプレシャスの心は乙女の時期の真っ盛り。耐えられないほど嫌な
    ことがある時は、現実逃避して、妄想の世界に入り込むのです。
    妄想の世界では、彼女は女優であり、歌手であり、お金持ちであり、
    皆の人気者。しかしいくら現実逃避したところで、周りは何一つ
    変わらないのです。この生活から抜け出すためには、自分が変わる
    しかない、と気づかせてくれるのが、EOTOというフリースクール
    のレイン先生。中盤以降にわかるのですが、レイン先生は同性愛者
    です。同性愛者はろくでもない、と母親に言い聞かされてきたのに
    ところがどっこい、レイン先生の方がずっとプレシャスを大事に
    してくれます。そして何より正しいことを教えてくれるのです。

    学ぶことの喜びを知り、自分の子供への愛情に気づいた彼女を
    母親メアリーはとことん妨害し、金づるとしてつなぎとめようと
    します。彼女が娘を憎む理由は、ただ自分の夫を寝取ったから
    というとても単純なものなのです。おそらくはメアリーは正しい
    教育を受けて来なかったのか、それとも精神的にどこか異常が
    あったのか、その両方かもしれません。しかしこういう人々は
    日本でも存在しています。せめて最低限の常識を...いやその線引き
    は誰がするのか。とても難しい問題です。
    そしてプレシャスが2人目の子供を出産した後、母から告げられた
    おぞましい事実は、プレシャスを不幸にまた陥れます。それでも
    自分の未来について自分自身で考えられるようになった彼女は
    どこか頼もしく、幸せそうに見えました。


    プレシャス


    ソーシャルワーカー役でマライア・キャリーが出演してします。
    言われないと全然わからないかったわ。



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    レザボア・ドッグズ

    5

    レザボア・ドッグズ

    「レザボア・ドッグズ」
    原題:RESEVOIR DOGS
    監督:クエンティン・タランティーノ
    1991年 アメリカ映画 100分
    キャスト:ハーヴェイ・カイテル
         ティム・ロス
         マイケル・マドセン
         クリストファー・ペン
         スティーヴ・ブシュミ

    強盗団の一味、ホワイトは、瀕死の重傷を負ったオレンジを
    車に乗せて、仲間との集合場所へ向かう。しかし次に現れた
    ピンクが「仲間の中に裏切り者がいた」と言い始めるのだった。

    <お勧め星>☆☆☆ 1991年の映画ですが、今見ても斬新な
    印象を受けます。

    製作費120万ドルだったそうで、どおりでシーンがほぼ倉庫の中
    と車の中だけ。逆に言うと、この強盗団がどんな強盗をしでかし、
    そこで銃の乱射があったことなどは、登場人物のセリフから推測
    するしかないのです。また回想シーンを随所に織り交ぜて、彼らの
    中に裏切り者がいたのかどうかが次第にわかってきます。この見せ方
    がうまいですね。
    オープニング。太ったジョーをボスとしたいかにも悪そうな8人が
    ダイナーで朝食をとっています。一方でマドンナの歌の歌詞から
    お下劣話をする者たち、もう一方で中国人の話をする者たち。
    よく訳が分からないシーンが結構続きます。おまけは、チップを
    けちる1人の男まで移るのです。これに何の意味が?と思いますが
    この映画がタランティーノ監督のデビュー作であると言われると、
    まあ、ここが原点か、となぜか納得してしまいます。ダイナーから
    出てきた8人の男たちが何気にかっこいい!


    レザボア・ドッグズ

    この中のミスター・ブラウンはもちろんタラちゃん。彼はやはり
    後半にしょーもないことで死んでしまいます。爆死とか銃撃での
    死ではありません。


    レザボア・ドッグズ

    そして次のシーンでは、腹から大量の血を流すオレンジを励まし、
    仲間との集合場所へと向かうホワイトの車が映るのです。彼らは
    それぞれ本名を隠し、ボスのジョーとその息子エディ以外は
    色で名前がつけてあるのです。後半に色分けシーンが映り、ピンク
    を頑なに嫌がる男の姿は、笑えます。
    ブロンド役のマイケル・マドセンの狂気に満ちた演技は迫力が
    あります。今ではよくあるシーンだけれど、この時代にリアルに
    耳を切り落とすって、結構衝撃的だったんだろうなあ。

    劇的な変化というものは特になく、ただ倉庫内で血を流し続ける
    オレンジと少しずつ戻ってくる仲間の会話。またホワイト、
    ブロンド、オレンジそれぞれの回想シーンでラストに一気に話が
    進みます。仲間の中に裏切り者がいたのか、いたとしたらそれは
    誰なのか。そして銃を向けあう3人。
    男臭い映画ですが、クールな音楽に乗ってうまくまとまっています。




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    ラッキーナンバー7

    5

    ラッキーナンバー7


    「ラッキーナンバー7」
    原題:LUCKY NUMBER SLEIVIN
    監督:ポール・マクギガン
    2006年 アメリカ映画 111分
    キャスト:ジョシュ・ハートネット
         ブルース・ウィルス
         ルーシー・リュー
         モーガン・フリーマン
         ベン・キングズレー

    20年前、マックスという男が八百長競馬に負け、借金を
    背負ったあげく、妻子もろとも殺されてしまう。そして現在
    スレヴンという若い男が、友人ニックを訪ねてニューヨークへ
    やって来る。しかしニックは不在で、さらに彼の借金のせいで
    スレヴンはギャングに拉致されてしまうのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 軽快なストーリーで先の読めないおもしろさ
    味わえます。


    主役のスレヴン役は「30デイズ・ナイト」(2007)の
    ジョシュ・ハートネット。序盤に見せる裸からして、なかなか
    鍛えられた体だと実感。
    冒頭、駐車場で射殺される黒人男性が映ります。さらに場所を
    変え、怪しげな一味の部屋で1人の男が一挙に3人を殺害します。
    なかなか凝ったカメラワークで、飛び散った血が画面を染め、
    その行為を映しだすのです。
    そしてまたまた場所を変え、空港の待合で、ブルース・ウィルス
    演じる謎の男が、1人の男に「カンザスシティ・シャッフルするか」
    と話しかけるのです。


    ラッキーナンバー7

    これらの一見つながりのないような出来事が、何を意味するかが
    一切わからないまま、遡ること1979年、ニューヨーク。
    競馬の八百長話を小耳にはさんだマックスという男が、息子の
    ために借金をして馬券を買った末の悲惨な結末が映し出されます。
    ますますわからないぞ。
    そして再び現在のニューヨーク。スレヴンという男が、友人ニック
    の家を訪ねて来るのです。どうやらとっても不運続きらしい。
    しかしニックは不在で、隣人のリンジー(しゃれだ)が
    「お砂糖貸して〜」
    などと部屋に入ってくる始末。ルーシー・リューがとてもソフトな
    雰囲気になりました。


    ラッキーナンバー7

    ところがこの部屋にはどんどんお客が訪れます。次はニックの
    借金を催促に来たギャングのボスの元へ連れて行かれるのです。
    このボス役はモーガン・フリーマン。超豪華!借金が返せない
    なら、ボスの息子を殺害した敵対する組織ラビの息子を殺せ、
    と強要します。この組織のボス役はベン・キングズレー。またまた
    豪華!
    「ボク、ニックじゃないんです。」
    虚しい言葉は受け入れてもらえることもなく、幾度となく鼻を
    殴られてしまう。スレイヴっていつまで不幸が続くんでしょうね。
    ラビのボスからも借金を催促されるは、刑事たちには拉致されて
    「お前は何者だ?」
    とぶん殴られるし。それでもリンジーとのラブリーな時間は持てる
    のです。

    時々映り込むプッシュホンの電話機の意味するものは?
    中盤以降たたみかけるようにストーリーは動き始め、真相が
    分かってくると、ふふ〜ん、やっぱりね。という感じです。
    でもとても上手く構成されているので、一切ダラけることなく
    ラストまで一気に楽しませてもらいました。ただあのラストは
    個人的にはあまり好きじゃなかった。あくまでもクールでいて
    ほしかったなあ。




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    ジュリエットからの手紙

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    ジュリエットからの手紙

    「ジュリエットからの手紙」
    原題:Letters to Juliet
    監督:ゲイリー・ウィニック
    2010年 アメリカ映画 105分
    キャスト:アマンダ・セイフライド
         バネッサ・レッドグレーブ
         クリストファー・イーガン
         フランコ・ネロ

    ソフィは恋人と旅行に訪れたイタリアで「ジュリエットの家」
    を見つけ、そこの壁に貼られた手紙に返信している女性たちと
    知り合う。彼女はその手伝いをするうちに、壁の奥にあった1通の
    古い手紙と出会い、その手紙に返信することになる。

    <お勧め星>☆☆☆☆ わかっちゃいるけど胸キュン。そして
    ハッピーになれる映画です。


    邦題と原題は意味が逆ですが、ストーリーを忠実に表したのが
    邦題という珍しい映画です。この方がよかったね。
    主役のソフィ役はアマンダ・セイフライド。ふくよかな体と大きな
    瞳がとても可愛いです。彼女はニューヨークに住み、シェフを
    している恋人ヴィクターと婚前旅行ということで、イタリア、
    ヴェローナを訪れるのです。ニューヨークと町並みが全く違って
    どこか郷愁を感じさせる美しさです。しかしそこでもヴィクターは
    オープンを控えた自分の店のための仕事ばかりしている。


    ジュリエットからの手紙

    おそらく、人格的には真面目な男なのでしょう。でも序盤から
    この2人は絶対に別れるな、と感じてしまいます。とにかくよく
    しゃべるし、忙しい男です。
    そしてソフィは一人で町の散策に出かけます。そこで「ジュリエット
    の家」を見つけ、その壁に貼られた恋愛相談の手紙へ返信をして
    いる女性たちと出会うのです。通称「ジュリエットの秘書」。ソフィ
    も当然その仲間に入れてもらううちに、壁の煉瓦の奥に隠された
    1通の古い手紙を見つけるのです。
    何で今まで見つからなかったん
    だろう。いや今だからこそよかったのかも。この辺りはラストと
    同じくとても都合良く話が進みます。でもそれでいいんです。
    この手紙は実は50年前にクレア・スミスという女性がロレンツォ
    という男性にあてて書いたもので、ソフィが返事を書くと、なんと
    本人がやって来ます。それもイケメンの孫チャーリーに連れられて


    ジュリエットからの手紙

    これがだっさいブ男なら話は進みません。
    クレア役はバネッサ・レッドグレーブ。そこからロレンツォ捜しが
    始めるのです。50年前の記憶を頼りにこの付近を捜しても当然
    あてずっぽうだし、そもそも同姓同名が74人もいるんですよ!
    ただこのロレンツォ捜しの間に映るイタリアの田園地帯の景色が
    誠に美しく、明るい日差しのもと、すてきな音楽も流れてそれは
    心地がいいです。ひまわりはイタリアにピッタリです。
    きっと恋に落ちると思った2人は当然恋に落ちるけれど、お互いに
    一応障害があります。一方クレアの「運命」はこれまた万人が願う
    そのものずばりとなるのです。

    「もし、あの時」と考えない人はいないだろうし、それをやり直せる
    人などほとんどいないだろうから、映画の中だけはこんな風に
    あってほしいと思わせるものでした。
    「50年待たないで」
    クレアの言葉には重みがあります。




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    シャニダールの花

    5

    JUGEMテーマ:邦画

    シャニダールの花

    「シャニダールの花」
    監督:石井岳龍
    2012年 日本映画 105分
    キャスト:綾野 剛
         黒木 華
         刈谷友衣子
         山下リオ

    女性の肌に植物の芽を植え付け、開花した花弁から抽出する
    成分を新薬に使おうと研究しているシャニダール研究所に
    新人、美月響子がやって来る。彼女は先輩の研究員、大瀧と
    共に、女性たちのケアにあたるが...。

    <お勧め星>☆☆ 今、旬の女優、黒木華さんが出演しています。
    しかし眠い、眠い。


    えっとまず、大瀧賢治(大西賢治かと思っちゃう)役の綾野剛が
    主役と思って見ていると、終盤になって、美月響子役の黒木華が
    主役であるとやっと気づきます。いや別にどちらも素敵だから
    いいんですけどね。


    シャニダールの花

    綾野くん、白衣がとっても似合います。でも研究員の役はちょっと
    苦しい。「最高の離婚」みたいに、女性にルーズな男役の方が
    はまり役。
    そして例の黒木華さんは「リーガルハイ」で、陰気な検事と
    ヒッピー風弁護士を見事に演じ分けていました。彼女の特に派手さ
    のないルックスがいいですね。


    シャニダールの花
    また彼らが働くシャニダール研究所の所長役は、これまた
    「リーガルハイ」で黒木華の同僚弁護士を演じた古館寛治。さらに
    華の芽を植え付けられる女性、菊島未来役は「リミット」でとても
    変な女子高生を演じた山下リオです。今回もやっぱり少しイタイ
    女性を演じます。


    シャニダールの花

    よく見るときれいな顔立ちなので、もう少しまともな女性役を
    演じさせてあげたいなあ。
    冒頭から恐竜と花の話が流れ、なんとなく観念的な内容だと推測
    できますが、序盤は、花を植え付けられた女性たちの運命を
    ミステリアスに扱うのかと勘違いします。そのうちにいつの間に
    やら大瀧と美月のロマンスが加わり、「響子!」なんて呼び捨て
    にしちゃう。この辺りは展開が速くてついていけない。他は
    かなりスローなのにね。
    花がうまく育たない未来が、他の女性の花弁をむしり取るシーン
    は、これぞ山下リオ、という感じです。しかしそれ以降はダラダラ
    とストーリーが続き、特に盛り上がることなくラストを迎えます。
    まあ、花がきれいに映っているなあと思ってみれば見れないことは
    ないかな。しかし独特の世界ですよね。





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    マニアック

    5
    JUGEMテーマ:Horror

    マニアック

    「マニアック」
    原題:Maniac
    監督:フランク・カルフン
    2012年 フランス映画 89分 R15+
    製作:トマ・ラングマン
       アレクサンドル・アジャ
       ウィリアム・ラスティグ
    キャスト:イライジャ・ウッド
         ノア・アルネゼデール
         ジュヌビエーヴ・アレクサンドラ

    マネキン修復師ののフランクは幼い頃のトラウマから、マネキン
    しか愛せなくなっている。そんな時、夜の町では、女性が毛髪
    ごと頭皮をはがされる事件が起きていた。時を同じくして、カメラ
    マンのアンナはフランクの収集しているマネキンに興味を持つの
    だが...。

    <お勧め星>☆☆☆ まさにマニアックな映画です。ただ単調な
    ストーリーなので中盤ややダレます。そして肝心なシーンはボカシ
    が入っていますね〜。


    ネタバレしています。
    「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッドが
    この変態男フランクを演じています。小柄で童顔なので、何気に
    よく似合うんですよ。いかにもその辺にいそうな感じ。でも本当に
    いたら怖い。
    映画はほとんどフランク視線で映されていき、冒頭から叫ぼうと
    した女性の下あごに、ナイフがグサリ。このタイミングはまさに
    バッチリです。そしてメキメキという音と共に、女性の頭髪が
    皮ごとはがされていくんです。
    フランクの心の闇は、彼の母親の乱れた私生活に起因しているようで
    彼女の愛を独占したかったのに、それが一切できなかったことで
    マネキンだけを愛するようになったらしい。
    フランクの顔は鏡の中の鏡に映ったりと、なかなか客観的な映像が
    出てきません。


    マニアック

    それゆえラスト映像が生きて来るかというと、そこもはっきり見え
    ないのです。う〜ん。ちょっと凝りすぎかなあ。
    それでも、次はどんな風にやっちゃうのかしら?という期待は
    決して裏切らず、出会い系で出会ったルーシーを絞殺、その次は
    夜道を帰る女性の足のアキレス腱切り!そしていつも通りメキメキ
    と頭皮をはいで行くのです。彼はその頭髪を自分のマネキンにかぶ
    せて、自分だけを見つめてほしいと願うのですね。ブンブンと蠅が
    飛ぶ音が聞えます。


    マニアック

    この深い心の闇を救ってくれるかのような存在が、カメラマンの
    アンナだったのです。


    マニアック

    彼の修復している年代物のマネキンに見とれるアンナもちょー変人。
    でもきれい。フランクは初めて自分を理解してくれる女性が現れた
    と思ってしまうのですよ。でもこう並んでみたって、全く不釣り合い
    だわ。
    終盤のアンナの自宅でのシーンは、ある言葉から、彼女が一気に
    表情を変え、恐怖におののく姿がやはりフランク視線で映ります。
    キモいんだって!怖いんだって!とっとと帰ってほしいんだって!
    それにしてもアンナの家にはたくさんの包丁があり過ぎですね。
    バカでかい肉切り包丁は、隣人マーティンの口にパコンとはまり
    ます。バスルームのシーンは、「サイコ」を思い出しました。
    ラストはゾンビ映画さながらでしたが、もう少しフランクをはっきり
    映してほしかったなあ。やっぱり凝り過ぎだわ。



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    タイガー〜伝説のスパイ〜

    5

    タイガー伝説のスパイ

    「タイガー〜伝説のスパイ〜」
    原題:Ek Tha Tiger
    監督:カビール・カーン
    2012年 インド映画 132分
    キャスト:サルマーン・カーン
         カトリーナ・カイフ

    インド諜報局RAWのエージェント、タイガーは、任務で
    アイルランドへ向かう。そこでキドワイという大学教授の監視
    を命じられるが、その家には、美しい女性ゾヤがダンスを学び
    ながら家政婦として働いていた。しかしゾヤの正体は...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ ボリウッド映画の活力を感じます。
    明るい音楽と派手なアクションも堪能できます


    「きっと、うまくいく」などと同時にボリウッド4としてリリース
    されました。単純なストーリーの中に、美しい景色と派手な
    アクション、インド特有のエネルギッシュな音楽とダンスがうまく
    組み込まれています。
    主役のインド諜報局RAWの敏腕エージェント、タイガー役は
    サルマーン・カーン。ある時はマイケル・ビーン、ある時は
    ハビエル・バルデムを彷彿とさせる風貌ですが、見事なアクション
    を見せてくれます。冒頭のイラクでのテーブルで滑りながらの
    ガンアクションは見逃せません。


    タイガー伝説のスパイ

    彼は新しい任務として、敵国パキスタンに情報を流している疑惑
    の人物キドワイ教授の監視のため、アイルランドへ向かうのです。
    ところが彼の家には、ダンス学校に通いつつ、家政婦をしている
    ゾヤなんていうインド系の美女がいたのです。貯金はあるけど
    恋人とはとんと縁がないタイガーは胸キュン!粛々と任務を遂行
    しつつ、ゾヤに接近するのです。恋を語るダンスはもうキレまくり。


    タイガー伝説のスパイ

    とはいえ、なぜか命を狙われるタイガーは路面電車の上で、中で
    派手なアクションを繰り広げ、スリル満点です。そして遂にゾヤ
    が敵国パキスタンの諜報局ISIのエージェントだとわかってしまい
    ます。
    「一緒になれるはずがない」
    悲恋です...いや違う。

    「自分の心の声に従って生きよう」
    次はキューバでのアクション。美しい景色とのどかな人々が集う
    町の中で、建物の屋上を駆け回り、他人の家も通り抜け、ワイヤー
    アクションまで登場します。
    終盤にはセスナ機とバイクも駆使しちゃう。
    やはりインド映画にはエネルギーのほとばしりを感じさせられます。



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    トランス

    4
    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

    トランス

    「トランス」
    原題:TRANCE
    監督:ダニー・ボイル
    2013年 アメリカ=イギリス映画 102分
    キャスト:ジェームズ・マカヴォイ
         ヴァンサン・カッセル
         ロザリオ・ドーソン
         タペンス・ミドルトン

    オークションに携わるサイモンは、フランク達と組んで
    ゴヤの名画を強奪する計画を立てる。順調に盗み出せた
    はずの絵画だったが、実際には現物がなく、またサイモンは
    事件の時の記憶を失っており、フランク達の執拗な追求が
    始まるのだった。

    <お勧め星>☆☆☆ ぐいぐい引き込まれます。ラストはよく
    考えてようやく納得できるものでした。


    主役のサイモン役は「ビトレイヤー」(2013)の
    ジェームズ・マカヴォイ。あの映画よりやや体を絞った感じ
    ですね。
    冒頭から彼が流暢に、オークションにおける心構えを語って
    いきます。一方ヴァンサン・カッセル演じるフランク一味が
    綿密に立てた計画で、オークションに出品されたゴヤの絵画
    を盗み出そうとするシーンが映ります。そしてこの計画は
    成功したかにみえたのですが...ここで一発かましてくれます。
    サイモンがフランクと組んでいることはすぐにわかりますが
    まず、事件当時なぜ彼がスムーズに絵画を渡さなかったのか。
    そのせいで彼はフランクに頭を殴られるのです。


    トランス


    この怪我で記憶の一部を失ったサイモンは、絵画の在り処を
    聞き出すために、フランク達によって催眠療法士の元を訪れる
    のです。この療法士エリザベス・ラムの涙のわけは?
    次々に沸き起こる疑問は、後半にどんどん回収されていきます。
    とにかく伏線が張り巡らされているし、中盤には、現実と催眠
    状態での出来事とが、時々混乱してしまいます。なのでもう一度
    見直すとよく理解できるかもしれません。
    時折映し出されるショッキングな映像はダニー・ボイルならでは
    のリアリティに富んだものであり、その一方でエリザベスの
    美しい裸体がまるで絵画のモデルのように映り込んでいきます。


    トランス


    ストーリーのテンポも良く、洒落た映像と音楽が心地いい。
    「俺の好み」とのたまうサイモンの好みって...。ここはドン引き。
    ラストは何となくわかったようなわからないような感じでしたが、
    終わってから思い返してみると、なかなか面白い映画だったと
    感じます。ヴァンサン君が悲惨な姿になるのは催眠状態での
    ことだった。この悲惨さもすごいよ。



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