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- 2023.01.12 Thursday
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「ブーリン家の姉妹」
原題:The Other Boleyn Girl
監督:ジャスティン・チャドウィック
2008年 アメリカ=イギリス映画 115分
キャスト:ナタリー・ポートマン
スカーレット・ヨハンソン
エリック・パナ
ジム・スタージェス
16世紀、イングランド国王ヘンリー8世の世継ぎが
生まれないことに目をつけたブーリン卿は、実の娘アンを
愛人に仕立て上げようとする。
しかし思わぬアクシデントから、王は新婚の妹メアリーを
気に入り、一家は宮廷に向かうことになるのだった。
<お勧め星>☆☆☆☆ 豪華な衣装とキャストに目を
奪われつつ、丁寧なストーリーで一気に見ることができます。
ヘンリー8世は、イングランド国黄金時代のエリザベス1世の
実父にあたります。この映画で運命に翻弄されるブーリン姉妹
の長女アン役はナタリー・ポートマン。妹メアリー役は
スカーレット・ヨハンソンととても豪華な配役です。どちらかと
いうとスカーレット・ヨハンソンの方が、勝気な現代女性を
演じそうな雰囲気ですが、この映画では、計算高く、頭の切れる
姉をナタリー・ポートマンが演じ、スカーレットは気立てのいい、
家庭的な女性を演じています。
冒頭、イングランドの田園地帯をはしゃぎまわる3人の子供が
映ります。彼らはアン、メアリー、ジョージであり、ブーリン卿
を父に持つのです。両親とも貴族の出身ながら、どうやら母親の
家の方が裕福であり、彼女の弟は宮廷に仕え、自らの出世を願って
いる模様。折しも時の国王ヘンリー8世は男児が生まれず、
世継ぎができないことに頭を悩ませているのです。このチャンスを
逃すものか!とばかりに叔父はブーリン家を訪れ、王の子供を娘に
生ませる、つまり愛人に仕立て上げるよう話します。これはもう
大奥の世界みたい。でも長い歴史のあるイングランド国では今でも
こんな風習があるようで、カミラ夫人がチャールズ皇太子との関係を
続けていたのも、彼女の元夫の地位を盤石にしたかったとかなんとか...。
親が決めた相手と結婚し幸せに暮らしているメアリーをよそに、
アンは王の気を引こうと様々な言葉、視線を送ります。この時の
ナタリー・ポートマンの演技がうまいですね。小悪魔そのものです。
しかし思わぬアクシデントからアンは嫌われ、じゃあ妹を差し出そう、
となるのです。もう出世の道具に娘を使うなんて最低。でも宮廷で
地位をあげていくには、数々の謀略をくぐり抜けなければ
ならなかっでしょうね。ヘンリー8世役は「ハンナ」(2011)
のエリック・パナ。
王の機嫌を取るために、それぞれが自分の意志を隠し、この計画を
進めていきます。弟ジョージは大嫌いなジェーン・パーカーと
いう娘と結婚。しかしアンとメアリーの間のわだかまりは、最初の
失敗からずっと残るのです。それは幾度となく立場を変えて繰り
返されます。序盤にブーリン家の母親が
「男の出世と快楽のために娘を利用する」
と夫たちをののしります。まさしくその通りになっていくのですよ。
そしてラスト付近には彼女の
「My Children!」
という嘆きの声と夫への平手打ちの音が響きます。
ラストは冒頭と同じく田園地帯を走り回る3人の子供が映ります。
この中の赤毛のエリザベスこそ、後のエリザベス1世になるとは、
本当に運命はわからないものです。そして彼女の知性は母親譲り
だったのかもしれませんね。