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    • 2023.01.12 Thursday
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    ぼくらの家路

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    ぼくらの家路

    「ぼくらの家路」
    原題:Jack
    監督:エドワード・ベルガー
    2013年 ドイツ映画 103分 PG12
    キャスト:イヴォ・ピッツカー
         グオルグ・アームズ
         ルイーズ・ヘイヤー
         ネル・ミュラー=ストフェン

    ベルリンに暮らす10歳のジャックは、弟マヌエル
    と奔放な母ザナの3人家族である。家を空けることが
    多い母に変わってジャックは家事や弟の世話をして
    いたが、あるアクシデントから彼だけ施設に預けられる
    ことになる...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 良かったですね。ラストも気に
    入っています。


    <少しネタバレしてたらごめんなさい>
    多くの方が気づかれるように、この映画のテーマは「誰も
    知らない」(2004)と共通する点が多いです。しかし
    あの映画ほど長い期間のことを描いていなのので、子供達
    も見るのが辛いほどすさんでいくことはありません。また
    どこかに書いている人がいましたが、ドイツの教育ーつまり
    小さな頃から他人との対立やトラブルを自分たちで解決させる
    というものが反映されているのも一因かもしれません。


    ぼくらの家路

    10歳のジャックと6才のマヌエル兄弟は、母ザナと3人暮らし
    なのですが、冒頭から若い友人たちと大はしゃぎするザナの姿が
    映り、夜には、帰宅の道順をジャックに教え、友人たちと遊びに
    出かけて行くのです。これに象徴されるように若いザナは、子供
    を愛しているけれど、自分の恋愛や遊びを最優先に考えています。
    一緒にいる時は、優しいし、何度も抱きしめてくれる。しかし
    ジャックが空腹を訴えて夜に母の部屋に行くと、彼女は男とSEXを
    しているのです。
    「やきもちをやいているの?」

    このピントのズレたザナの質問には彼女の幼さも感じますが、その
    間、彼女は全裸のままなのです。
    そしていつものように母が家を空け、ジャックが家事をこなして
    いるとマヌエルは風呂でやけどを負ってしまいます。
    このアクシデントでジャックは児童養護施設に入ることになります。
    「わたしの息子よ。サインなんかしないわ。」
    と怒りまくるザナの姿は、こういう母や父は日本でもいくらでも存在
    するのだろうと思ってしまう。

    施設での生活は、食事も勉強もしっかりできて快適ではあるけれど、
    ジャックはやはり母が恋しいし、弟とも会いたいのです。施設の中で
    ワルがいるのは、予想通りの展開だけれど、彼とのある事件によって
    ジャックは施設へ戻れない、と確信してしまいます。そして家に
    戻っても鍵がかかっているし、いつも隠してあるところにも鍵はない。
    弟が預けられている家に行くと、もう厄介者を追い払うかのように
    弟は放り出されます。ジャックの容貌がしっかり者のようで、マヌエル
    が真逆の弱々しく庇護が必要な雰囲気なので、これから母を捜す行動
    も、兄、弟が好対照に描かれていきます。


    ぼくらの家路

    ひたすらエレベーターのないアパートの4階まで階段を駆け上り、
    母の不在を知っては手紙を書くジャック。彼らは、母の交際相手の
    居場所を捜しては、母の行方を尋ねたり、食事をご馳走になったり
    するわけです。しかし誰も母の居場所を知らない。中にはドラッグ
    に溺れている者もいます。その男たちを見てジャックはどう考えて
    いるのかは、見ている側が推測するしかありません。
    3日後部屋に明かりがともっているのを見たジャックの喜びは、子供
    が持つ本来の感情そのものだったと思います。そして、にぎやかな
    食事を終え、ガリガリ歯を磨くジャックの瞳は一切笑っていないの
    です。ずっと心配に思っていたことは、大丈夫であり、また施設の
    ルームメイトにどうしても返さなければいけない物がある。それは
    反社会的な行為で獲得したんだけどね。そして玄関の箱の中に彼が
    書いた手紙があるかどうか確かめに行く。

    3日間で一気に大人の仲間入りをしたジャックが下した決断はある意味
    悲しいけれど、最高のものではなかったでしょうか。
    監督が語るように、子供たちは絶対に壊れることのない、人生と
    将来の信念を持っていると感じられる映画でした。



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    よりよき人生

    3
    JUGEMテーマ:洋画

    よりよき人生

    「よりよき人生」
    原題:Une Vie Meilleure
    監督:セドリック・カーン
    2011年 フランス映画 110分
    キャスト:ギョーム・カネ
         レイラ・ベクティ
         スリマン・ケタビ
         
    シェフを目指すヤンは、9歳の息子がいるナディアと
    恋に落ちる。彼はパリ郊外にレストランにぴったりの
    物件を見つけ、購入を決意する。しかし頭金を闇金で
    まかなった上、消防署の許可が下りなかったことから
    借金はどんどん膨らんでいくのだった。

    <お勧め星>☆☆☆半 転がり落ちるような人生を見て
    いるとつらいですが、明るいラストに希望が持てました。


    主人公のヤンは、大したスキルもなく、経験も豊富でない
    学食の従業員にすぎないのに、シェフを目指し、自らを
    レストランに売り込むほど考えの浅い男です。一方、彼が
    働こうと考えたレストランのウェイトレス、ナディアも
    彼に誘われたその晩にベッドインしてしまう、という奔放
    な女性。ついでに彼女はレバノンからの移民であり、父の
    わからない9歳の息子スリマンがいるのです。どうもこの
    2人は同じ土俵に立っている気がします。惹かれ合ったのは
    同じ匂いがしたからかもしれません。


    よりよき人生

    たまたま見つけた物件を気に入り、頭金すら考えずにまず
    購入を決める。決めた後で頭金は、複数の闇金から借りる
    という行き当たりばったりの行動。さらに改装費用をケチ
    ったために、消防署の検査に不合格になってしまうのです。
    ほんの少しでも助言を求めなかったのか不思議ですが、友人
    だという改装業者も何も言わず仕事を進め、支払いが滞ると
    確実に回収しようとします。それは銀行も同じであり、融資
    先注意リストに彼を入れ、わずかな金すらも貸さなくなるのです。
    こうなると「金」のことばかり頭にあって、同僚に小金を借り
    まくるヤンの姿はもう悲惨そのもの。ナディアはスリマンが
    欲しがるクレープ1枚すら買えないのです。そして彼女は
    倍の時給がもらえるということで、店のオーナーの話に乗り、
    カナダへ渡ります。

    「1ヵ月でスリマンを呼び寄せるから」
    彼女のこの言葉には現実味は全然ないんですよ。スカイプで
    話をしていたのはわずかな期間で、連絡が途絶え、手紙も来なく
    なるのは想定内の状況ですね。
    目の前の危機から脱出すればとりあえず何とかなる、なんて
    脳天気に考えていたヤンは、いかにも怪しげなマルクという男に
    営業権とトレーラーハウスを売却します。ここで全てを売却
    しないところが、まだ自分の店を持てると思っている浅はかさ
    の表れでしょうか。そして2人で雨漏りのするボロアパートへ
    引っ越します。貧困は必ずや犯罪の温床になるもので、スリマン
    は新しい靴を万引きしてくるのです。


    よりよき人生

    それを問いただすヤンの姿を見ると、実は彼は実直な人間であり、
    ただ単純なだけなのだとわかります。一方のスリマンの言い訳が
    この子も悪いことを教えられて育った子供ではないことがわかる
    のです。「同級生にもらってその子は昨日引っ越した」
    ヤンが素晴らしいのは、これを店まで返しに行き、「買い取り」
    を迫られるとちゃんとそれを支払ってくるところです。
    「貧しいが泥棒はいない」

    とは言っているくせに、その後、勤務先の冷蔵庫から食材を盗み
    それを2人で売りさばくという行為もします。それでもヤンと
    スリマンの絆は深まっていくのが、映像から伝わってくるのです。
    この辺りは美しい自然と共に描かれ、醜い人間社会を忘れさせて
    くれる時間です。
    そしてマルクに店を格安で売り渡すように求められてしまう。
    するとヤンは、なんと彼を待ち伏せし、数々の人々から搾取した
    金を盗むために暴行を加えます。もろ犯罪じゃん。
    見ている方では、弱者を食い物にする奴がやっつけられて気分が
    いいけれど、その罪や残った借金をフランスにそのまま置いて
    カナダへ渡るヤンとスリマンの姿はちょっと違和感あり。まあ、
    どっちもどっちかな。空港で出国できるかどうかはスリルがあった
    けれど、ここも引きずることなくすぐに飛行機に乗れます。


    よりよき人生

    カナダで捜し当てたナディアの所在は、なんと刑務所の中でした。
    わたしはてっきり売り飛ばされてどこかで死んでいるのだろうと
    思ったので、彼女の罪を聞いて少しほっとしました。

    マルクから盗んだ金も結構あるし、家も借りたし、仕事も見つかる。
    これからこの地で3人は少しまともな生活を送れるのかな。
    ちょっと不安だけど。



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    旅立ちの時

    5
    JUGEMテーマ:洋画

    旅立ちの時

    「旅立ちの時」
    原題:Running on Empty
    監督:シドニー・ルメット
    1988年 アメリカ映画 116分
    キャスト:リバー・フェニックス
         クリスティーン・ラーチ
         マーサ・プリンプトン

    反戦活動家として指名手配されている両親を持つダニー
    は、弟と共に逃亡生活を送っている。そしてある町で
    ダニーはピアノの才能を見出され、さらにその音楽教師
    の娘と恋に落ちるのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 全編に流れるピアノの音色と
    リバー・フェニックスの表情で胸がいっぱいです。


    映画内でリバー・フェニックスがモーツァルトの曲を
    ピアノで弾いているシーンは、音だけ後で入れたそうです。
    でも彼も本当に弾いていたんだって。彼の繊細な指のタッチ
    が、まさにその音を奏でているかのように感じます。また
    彼と恋に落ちるローナとのキスシーンも同じように繊細で
    彼の心の内をそのまま描いているようでした。

    冒頭は、大きな眼鏡をはめ、下手な野球に興じる少年が映り
    ます。彼が自宅へ向かうと、そこにはなぜか黒塗りの怪しい
    車が止まっている。彼はしれーっと裏口に回り、飼い犬にメモ
    をくわえさえ、家の中から弟ハリーを呼び出すのです。こんな
    利口な犬をこの後すぐに捨てちゃうのはかなり許せない。
    ハリーは何か大きなものを持って急いで裏口から走り出て来ます。
    実は彼らの両親、アーサーとアニーは、1971年のビル爆破
    事件の実行犯としてFBIから指名手配を受けているのです。
    一家は偽名を使い、危険が迫ると逃亡するという方法で全米を
    転々としている模様。もちろん支援者もいて車や金や書類を
    すぐに用意してくれるのです。

    ベトナム戦争が終わり、反戦活動家たちの多くは転向し、一般
    生活を営み始めた一方で、地下に潜った活動家たちが数を減らし
    つつあった時代でもあります。反帝国主義、反ブルジョワジー
    などというスローガンのもとで、一家は自分の家族だけを守り、
    逃亡していたわけですね。
    そしてニュージャージーの小さな町で、ダニーは音楽教師フィリップ
    にピアノの才能を見出されるのです。後半わかるのですが、母親
    アニーは名門の出身であり、ピアノの才能に満ちていた。しかし
    アーサーの影響で家族を捨て、才能を捨て、活動へと走っていた
    のです。その才能がダニーへと受け継がれ、彼が大事にしている
    鍵盤譜は、アニーのものであるとわかると、どれだけダニーが
    ピアノを愛していたかがわかります。


    旅立ちの時

    そしてダニーはフィリップの娘ローナと恋に落ちてしまうのです。
    このアニーの誕生日会の風景は、まるで幼稚園児のようなのですが、
    金でプレゼントを買うのではなく、自ら工夫して考えてプレゼント
    するという点は立派に思えますね。当然アーサーは菜食主義。
    一部の富は、多くの人民からの搾取によって産みだされるという
    考えが、彼の言葉の端々に伺え、こんな時代もあったなあと遠い
    過去のように感じます。

    ローナ役のマーサ・プリンプトンとはリバー・フェニックスは
    実生活でも交際していた時期があったそうで、それを思って映画を
    見ると、ラブシーンは初々しいし、彼女を見つけるリバーちゃんの
    視線もすごく熱く感じてしまいます。とりあえず、今の映画のように
    すぐキス→ベッドイン、なんてならないのよ。
    ダニーはフィリップ先生からジュリアート音楽院への入学を勧められ、
    選考会でも高評価を得ます。しかし大学に入るということは、実名を
    明かすことであり、家族4人で団結して暮らしてきた生活を壊すこと
    にほかならないのです。
    突然の旅立ちの日に、ローラに別れを告げる時のダニーの嗚咽は
    こちらも泣けちゃうよ。


    旅立ちの時

    しかし待ち合わせ場所へ自転車で行き、父の車の荷台にその自転車
    を積んだ時、父は
    「それを下ろせ」
    と言うのです。アーサーも息子が巣立つ時期が来たことはわかって
    いたのですね。また、ダニーも自分がどういう方向に行くのか理解
    する時期がきていたのですね。
    涙も流しながらも、笑いながら車を2,3回その場で回転させ、
    出発していく3人。ダニーは裕福な祖父の元で音楽を学ぶのでしょう。
    でもおそらくは、二度と家族団らんを味わうことはないのでしょう。
    息子に対し、理解の深かったアニーは自分の親が実は同じ苦しみを
    味わっていた。だからダニーには自由になる日を与えたかったのです。
    またアーサーだっていつまでも子供を所有物のように扱えないことも
    十分わかっていたのですね。ラストシーンも泣けちゃうよ。



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    ザ・パック 餌になる女

    5
    JUGEMテーマ:Horror

    ザ・パック

    「ザ・パック 餌になる女」
    原題:La Meute/The Pack
    監督:フランク・リチャード
    2010年 フランス=ベルギー映画 84分
    キャスト:ヨランド・モロー
         エミリー・ドゥケンヌ
         バンジャミン・ビオレ

    シャルロットは、1人で車を運転中、マックスという
    ヒッチハイカーを乗せる。2人で入ったダイナーの
    トイレからマックスは戻ってこず、彼女は閉店後の店に
    侵入するのだが...。

    <お勧め星>☆☆ 雰囲気はあるのですが、ところどころ
    よく分からない点があります。


    オープニングからめちゃくちゃ雰囲気があるのです。人気
    のない田舎の一本道を、タバコをくゆらし、ロックを大音量
    で聞きながら車を運転する女。後ろからガラの悪い3人組が
    バイクで絡んできます。こいつらさっきの売店にいたな。
    こいつらが諸悪の根源か。いえ、彼女はその後、一人のヒッチ
    ハイカーを拾うのです。そして汚いダイナーへと向かいます。


    ザ・パック

    「ラ・スパック」で話す彼女のジョークは決して笑えるもの
    ではなく、趣味の悪さを感じます。そこへさっきのバイカーが
    入って来て再び淫乱な言葉を投げかけ絡んでくるのです。
    そこで登場するのが、ライフルを構えたキャシー・ベイツばり
    の女店主。


    ザ・パック

    この姿だけでも威圧されるというもの。大の男が3人いながら
    すごすご去っていきます。そしてトイレに行ったマックスが
    戻ってこないのです。さらにシナスキーという元警官のオヤジ
    が誰かを捜しにやって来ても女主人は追い返します。めっちゃ
    怪しい。
    ここからが監禁拷問系ホラーと始まりかと思うと、一風変わった
    展開になっていくのです。実は女主人とマックスは母子であり、
    餌を探してめぼしい人物を監禁しています。何への餌かというと、
    これが月が出ると血をかぎつけて、地中から出てくる口しかない
    化け物であり、人の血や肉を食べるのです。


    ザ・パック

    説明不足なのでわかりませんが、どうもかつて炭鉱があった町で
    あり、その炭鉱の事故で流された血と泥でできている化け物の
    ようです。つまり土壌は汚染され、石炭産業も寂れた田舎町の
    お化けということね。
    女主人は、マックスの兄を3人亡くしており、この化け物の餌の
    ために、獲物を捕まえては、強制給餌(鉄分たっぷり)したり、
    血を抜いたりする模様。この強制給餌機械はものすごく凝って
    いるもので、ジャケットにあるのはこの姿です。救いに来た
    シナスキーも油断してたら元プロレスラーの女主人の逆襲に
    遭い、首チョキン。それをポーンと放り投げられたりします。
    で、マックスと逃げ出したシャルロットは、

    「あいつらを殺す」
    と言ってなぜか冒頭のワル3人組の元へ向かう。ここがよく理解
    できません。ちなみにワルの中でもいかにも男臭い奴は編み物を
    していて、どうやらゲイらしいです。
    そして月が出ると、女主人も来るは、化け物を出てくるはで、
    えらい修羅場になるのです。いや、ドア越しに心臓わしづかみ
    程度なんですけどね。
    最後は必死で逃げるシャルロットが、ゾンビのように現れる化け物
    の罠にかかってしまう。枯れた草原をどんどん近づいてくる化け物
    にただただ悲鳴を上げるばかりなんですよ。
    でもラストシーンはどうとらえたらいいのかな。
    化け物は1度めに食い尽くさなかったシャルロットをやはり生かし、
    彼女のお腹は膨らんでいて(誰の子だろう)亡き女主人の代わりに
    ダイナーにいて、マックスは同じように餌を連れてくるのか、
    もしくは片足のない逆さづりの女がシャルロットでその彼女が見た
    幻影がダイナーのシーンだったのか。
    なんとも意味深なものでした。


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    血の魔術師

    3
    JUGEMテーマ:Horror

    血の魔術師

    「血の魔術師」
    原題:The Wizard of Gore
    監督:ハーシェル・ゴードン・ルイス
    1970年 アメリカ映画 96分
    キャスト:レイ・セイガー
         ジュディ・クレア

    魔術師モンターグは、舞台上で残虐なショーを
    行い人気を博している。しかしショーに登場した
    女性がその直後、同じ方法の殺害遺体で見つかる。
    一方、テレビ司会者のシェリーは、彼に出演交渉を
    するが...。

    <お勧め星>☆☆☆ 結局のところ何が何だかよく
    分からないのですが、独特の世界観が好きならお勧め。


    「偉大なるモンターグ」魔術師は自分のことをそう紹介し、
    少々長い演説の後でショーにうつります。
    監督は「血の祝祭日」(1963)、「2000人の狂人」
    (1964)、「ゴアゴアガールズ」(1971)の
    ハーシェル・ゴードン・ルイス。どの映画にも共通している
    のは、作り物と分る頭や血糊と、リアルな内臓です。内臓は
    動物のものを用いているので、まさにそのものずばり。それを
    しつこいまでに手でぐちゃぐちゃ、にぎにぎするという趣味の
    悪さ。それでもなぜか独特の世界観があります。


    血の魔術師

    ストーリーは、モンターグの行うショーを見て、テレビ司会者
    シェリーと恋人で新聞記者ジャックが、本物かどうかと話す
    シーンから始まり、同じシーンで終わります。


    血の魔術師

    これがなんとも意味深なのです。
    ショーの内容は、昔テレビで見たことがある、人体真っ二つの
    チェーンソー&腹部の覆いなしバージョン。飛び散る内臓と
    女性の黄色い悲鳴が恐怖を誘う...かな。


    血の魔術師

    さらに大釘を耳から頭に打ち込む、パンチプレスを腹に突き刺す、
    無理やり剣を飲ませるなど、残虐極まりないのです。
    剣を飲むという技も見たことあったなあ。最近はイリュージョン
    だから、こんなのは流行らないのよね。
    ところが残虐シーンと交互に全然平気な顔をして剣を飲んだり、
    釘が刺さっていても血すら流れないシーンが映ります。ここで
    どれが現実か幻か見ている側も混乱してくるのです。これが監督
    の描きたかったことでしょうか。

    そして無事に客席に戻っていった女性が、みんなその直後に同じ
    方法で殺された遺体で見つかり、警察は捜査を始めるわけです。
    冒頭からモンターグの瞳が大きく映り、その直後に表情を無くす
    人が出ることからもわかるように、モンターグがなにがしかの
    仕掛けをかけているらしいとはわかるのですが、無能な警察は
    他に犯人がいるだの、アリバイがあるだの、尾行しようだの
    言いながら、なぜかそれにシェリーやジャックも参加しています。
    よくわからないのが、モンターグはその遺体を遺体安置所から
    盗み出しては、ある場所へ入れ込むんですよね。まあ、そこは
    あまり気にしなくてもラストになれば、もっとびっくりしちゃう
    ことがおきます。
    催眠術+魔力で納得させたと思いきや、まさかの二転三転があって
    冒頭に戻ります。
    the end...or the beginning
    いくら考えてもわからなかったよ。



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    ファイヤー・ウィズ・ファイヤー 炎の誓い

    4

    ファイヤーウィズフィアヤー

    「ファイヤー・ウィズ・ファイヤー」
    原題:Fire with Fire
    監督:デヴィッド・バレット
    2012年 アメリカ映画 97分
    キャスト:ジョシュ・デュアメル
         ブルース・ウィルス
         ロザリオ・ドーソン
         ヴィンセント・ドノフリオ

    消防士のジェレミーは、殺人現場に遭遇し、証人と
    して裁判で証言することを求められる。彼は証人保護
    プログラムを適用され、全く違う土地で生活し始めるが、
    そんな彼と恋人で捜査官タリアが襲われてしまう...。

    <お勧め星>☆☆ この手の映画にラブは不要だし、
    どの人物も中途半端で不完全燃焼です。


    アーリア系犯罪組織のボス、ヘイガン役は、まさにぴったり
    のヴィンセント・ドノフリオ。胸に大きなハーケンクロイツ
    を刺青しており、この映画がアメリカ国内で上映されなかった
    大きな理由なんだろうな。
    一方地元警察の警部補マイク・セラ役はブルース・ウィルス。
    かつてヘイガンに相棒やその恋人を殺され、復讐に燃えている
    という触れ込みなのに、大して行動しません。ひたすら警察署
    でデスクワークしています。


    ファイヤーウィズフィアヤー

    で、肝心のストーリーはというと、カリフォルニアのロングビーチ
    の消防署で、家族同様の仲間と和気あいあいに過ごすジェレミー
    が、ある殺人現場に居合わせたことから始まるのです。この事件
    もなんだかシマが違うとかどうのこうの言っているわりには、
    「おれはデーヴィット・ヘイガンだ。」
    なんて名前を名乗ってから、酒店の店主親子を射殺するから、
    犯人は誰かなんて聞かれたらフルネームで答えられます。辛うじて
    助かったジェレミーは、ヘイガンの裁判の証人として出廷するために
    証人保護プログラムの適用を受けるわけですよ。この展開はよく
    あるものだけれど、そう簡単に敵に見つかるはずもない。それが
    なぜか見つかっちゃうんだな。ついでにジェレミーは、あろうことか
    連邦捜査局の女捜査官タリアとラブラブ!モーテルの通路での会話
    なんて赤面間違いなし。ただジェレミーの体は鍛えられていて、
    なかなかかっこいいです。


    ファイヤーウィズフィアヤー

    見つかる前には、彼女から銃の手ほどきまで受けています。
    公私混同でいいの?そして遂に2人でいるところを襲われ、
    ジェレミーは再び証人保護プログラムを受けることになるのです。
    「じゃあタリアとはもう会えないのか?」
    「裁判が終われば会える」
    これが待てないんだな。極めて単細胞なジェレミーは、ヘイガン
    さえ倒せば、彼女と暮らせると思い詰め、勝手にロングビーチへ
    戻るんです。

    ちょっと気になるのは、タリアの通話記録まで調べていたヘイガンが
    意外と詰めが甘く、こんな一介の消防士に手下を倒されていくところ。
    ちょっと練習しただけで、遠くのそれも車に乗った敵の眉間に銃弾
    を撃ち込めるかなあ。そして武器がないとめちゃくちゃ弱いジェレミー
    は、格闘するとボロボロに倒されます。でも大して怪我はしない。
    さらにマイクは、現場に残ったジェレミーの指紋を一人で隠し、
    「晩の6時に指名手配する」
    なんて勝手に言っちゃうし。おっさん、足を動かしたのは、ヘイデン
    のアジトに行った時ぐらいじゃないの?その時周りがピカリだらけ
    だったのは笑っちゃったけど。
    「お前の恋人も仲間もその家族も殺す」

    と大口を叩いたヘイガンも、ジェレミーの元同僚クレイグをバット
    で殴っただけで、他の人は襲わない。もしかして仲間が少ない?
    依頼人の秘密を守るべき弁護士の口は軽いし、せっかくジェレミー
    のいるモーテルまで来たタリアを一人残して出ていく男ってバカ?
    なぜにジェレミーが消防服を借りたのかは、ヘイガンのアジトに
    火を放つためだったのには気づくけれど、やはり格闘に弱い。
    派手な爆発シーンの連続の割には、タリアやヘイガンはほぼ無傷だし、
    消防服でかっこよく火の中から出てくるジェレミーの隣にはもちろん
    タリアがいます。
    ところですべてを消されたジェレミーは新しいIDをどうやって入手
    するのかしらね。まあ、恋人がその手のプロだからコネでできるのか。
    スリルが全然感じられない映画でした。




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    KEY(キー)/死体の中の遺留品

    3
    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

    key

    「KEY(キー)/死体の中の遺留品」
    原題:KEY
    監督:ロブ・ハミルトン
    2012年 アメリカ映画 87分
    キャスト:ネイサン・サスフォード
         ジェシカ・ニコル・ウェブ
         アーサー・リチャードソン
         ファラー・ラヴァッサニー

    2年前愛妻を殺害された検死官マーティンは
    自殺した男の胃の中から奇妙な鍵を発見する。
    彼はその鍵について秘かに調べ始めるが、そんな
    彼の元を男の娘が訪ねてくるのだった。

    <お勧め星>☆ ああ、長かった。なんで賞を獲った
    のか全然分からない映画です。


    シーンのつなぎ方が下手なのか、敢えてそうしたのか
    突然ブツリと映像が消え、次は違うシーンということが
    数か所あります。まあそんなことを考える前に、ダルイ
    内容なので、大して気になりませんが。
    オープニングの森の中を傷だらけの女性が何かから逃げて
    いるシーンは、ホラーやサスペンス映画ではもう見飽きた
    ものです。当然突然ブツリ。
    次のシーンでは葬儀になっているので、どうやら彼女は
    殺された模様。マーティン・レヴェルは、その女性サマンサ
    の夫であり、憔悴している彼の元に来るのは、この事件の
    担当刑事スコットです。彼の口調も奥歯に物が挟まったような
    もので、要するに「あんた一番怪しいよ」と言ったらさっぱり
    するのですが、決してマーティンにはそう言わず、ついでに
    事件は迷宮入りとなるのです。
    そして2年後、相変わらず検死官の仕事をしているマーティン
    はある男の検死をすると胃の中から奇妙な鍵が出てきます。


    key

    映画内で幾度となく「key」という言葉が発せられる通り、この
    鍵こそ、一度見たら誰もがそれを手放したくなくなるものらしい。
    だからマーティンは、証拠品をこっそり隠して、それについて
    調べ始めるわけですよ。ところが、しばしば夢を見てはサマンサが
    登場するので、話の腰が砕けてしまう。サービスカットもあるけれど
    とっとと話を進めなさい!と思う方が強いな。
    そしてマーティンの元へ、その男の娘クレアが訪ねてくるのです。
    彼女の目的ももちろん鍵なんだけど、それを隠して、なにやら
    マジシャンのようにマーティンの行く先々に現れるという見事な
    技を見せてくれます。

    鍵について調べていくと、「快楽の園」という絵画の3枚目の地獄
    の部分に同じ鍵が描かれている...。なるほど全然意味が分からない。
    ただ鍵が人を破滅に追い込むのは間違いないらしい。そして終盤の

    鍵を巡ってのマーティンとクレアの対決は、大したことないし、
    スコットが監獄に入っているマーティンに向かって
    「あんたの奥さんの再捜査が始まったよ」
    と言ったところで、鍵を手にしたスコットを見て高笑いするマーティン
    の声だけが響くというもの。多分彼が殺したんだろうね。その動機
    こそ知りたかったけど。


     

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    セッション

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    セッション

    「セッション」
    原題:Whiplash
    監督:デイミアン・チャゼル
    2014年 アメリカ映画 107分
    キャスト:マイルズ・テラー
         J・K・シモンズ
         メリッサ・ブノワ
         ポール・ライザー
         オースティン・ストウェル

    名門音楽院へ入学したニーマンは、フレッチャー教授の
    スタジオバンドにスカウトされる。しかしそれは教授の
    狂気に満ちたレッスンへの参加となるのだった。

    <お勧め星>☆☆☆ 良くできた映画だし、俳優の演技
    も素晴らしいですが、個人的には好きな内容ではありま
    せんでした。


    第87回アカデミー賞でJ・K・シモンズが助演男優賞を
    獲得するなど、3部門で賞を受けた作品であり、かなり
    高評価の映画です。
    アンドリュー・ニーマンは、シェイファー音楽院という
    名門音大の1年生。彼はプロのジャズピアニストを目指し、
    たまたま1人で練習をしているところを、ふらりと入って
    きたフレッチャー教授に言葉をかけられるのです。フレッチャー
    は知る人ぞ知る指導者であり、ニーマンは彼の嫌味な言葉も
    そのまま受け止め、翌日彼の指導風景をのぞき見します。


    セッション

    この辺りは初々しく希望に燃えたニーマンも、晴れてフレッチャー
    のバンドに入った途端、ものすごい罵声、それは指導というより
    いじめのような言葉の嵐に初日から涙を流すのです。汚い言葉
    を通り越して、差別表現、人格否定、果てには家族への攻撃すら
    発するのですよ。さらに、平手打ち、物を投げるなど、バンドの
    メンバーが、フレッチャーが入室した途端に、微動だにしなく
    なったのも理解できます。この狂気に満ちた演技をした
    J・K・シモンズは確かにすごい。実際の現場では、物理的な
    しごきはほぼないそうですが、もっと陰湿な指導行為が行われ
    ているとのこと。これで有能な演奏者が育っていくのだろうか。
    それは才能を開花させるというより、伸び始めた小さな芽を
    できる限り摘んでいこうとしている気がしてなりません。
    流血するほどスティックを持たせ、汗でドラムが濡れ、競争心を
    煽りつつ、プライドを傷つけていく。


    セッション

    自分の夢をかなえるために、恋人さえあきらめたニーマンの
    焦りが次々と描かれ、見ているだけで辛くなります。


    セッション

    そして有名になったラスト、9分19秒ニーマンがドラムを
    叩くシーンはもちろん圧倒されますし、感動もします。
    しかし批判的な批評にある通り、ドラムという楽器の魅力が
    全く感じられず、速さとその音の大きさのみしか伝わらなかった
    というのは同感です。
    この映画を見た後、気分が良くなるかどうかはその人の好みに
    よると思いますが、わたしは今でもトラウマのように大声に
    びくびくしてしまいます。それだけすごい演技だったんだけど。




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    ラン・オール・ナイト

    4

    ラン・オール・ナイト

    「ラン・オール・ナイト」
    原題:Run All Night
    監督:ジャウム・コレット=セラ
    2015年 アメリカ映画 114分 R15+
    キャスト:リーアム・ニーソン
         ジョエル・キナマン
         ビンセント・ドノフリオ
         ニック・ノルティ
         ブルース・マッギル

    元殺し屋のジミーは、家族を捨て酒に溺れる日々を
    送っている。ある夜彼の息子でリムジンの運転手を
    しているマイクの乗せた客が射殺され、マイクは命を
    狙われ始める。その相手はジミーの友人、ショーンの
    息子だったことから話は複雑になり...。

    <お勧め星>☆☆☆ やっぱり強いリーアム・ニーソン。
    でもそれに尽きるかな。


    未公開シーンに出てくる、ショーンが差し向けた殺し屋
    プライスの車アウディのトランク内が素敵。直前のシーン
    の真っ赤なストリップ劇場のライトと対照的に青い色で
    映し出されます。
    ジミー・コンロン役はいつでも強いリーアム・ニーソン。
    銃を撃てばほぼ命中、カーアクションだって、格闘だって
    バッチリ決まっています。
    冒頭、酒浸りのダメダメ男ジミーが映り、彼は今まで犯した
    殺人の後遺症でアル中になっていると思われるのです。
    そして明らかにバカっぽいダニーに金を借りに行きます。


    ラン・オール・ナイト

    ダニーはジミーと長年仕事をしてきたショーンの息子であり、
    彼が溺愛しているんだけど、どうも父親の考えとは違うワル
    になっているらしい。このとてもわかりやすい構図は、映像を
    見ているだけで理解できるので、深く考えずに見られます。
    一方、家族とも疎遠になっていたジミーの息子マイクは、
    父親のいない少年たちにボクシングを教える傍ら、リムジンの
    運転手をし、妻と2人の娘の優しい父親であるのです。これは
    実父を反面教師として育ったんだろうね。

    で、不幸の始まりは、不運にもマイクが乗せたリムジンの客が
    彼の目の前で射殺されてしまい、犯人に追われる身になって
    しまったことからなのです。この犯人というのがダニーであり、
    バカなダニーが父親に認めてもらいたくて、自分でカタをつけ
    ようと、マイクを消そうとする。ダニーがマイクに銃を向けた途端、
    ズドンと音がし、マイクではなくダニーが倒れます。まさに
    ジミー、グッドタイミング!

    この前のダニーから逃げるマイクの逃走シーンも見ごたえがあった
    けれど、やはりリーアム・ニーソンが加わると、迫力が増すと
    いうものです。さらに、真面目なマイクが通報すると、汚職警官
    が現れ、速攻拘束されます。ここは冒頭のダニーが金を渡すシーン
    から予想できるものですね。
    マイクの乗せられたパトカーとジミーの車とのカーチェイス、銃撃、
    そしてマイク奪還まで息つく暇もないと思ったら、その後も地下鉄
    のトイレ内での格闘シーンまで出てきます。強いぞ、ジミー!


    ラン・オール・ナイト

    警官の中にもまともな人物もいて、それがビンセント・ドノフリオ
    演じるハーディング刑事です。いや、結構人相悪いですよ。


    ラン・オール・ナイト

    そして2人が助けを求める叔父エディ役は、汚い姿の
    ニック・ノルティ。味わい深いです。
    しばしばニューヨーク市内を稲光が走りますが、雨の降るシーンは
    少しだけです。そしてヘリまで登場してマイクを追うのに、全然
    捕まらないというスゴ技も持っています。
    ラストまで目が離せないものの、山小屋からのシーンは少しダラ
    けるなあ。あそこもテンポよく進めたらもっとスリリングだった
    のに。
    それとマイクのリムジンに勝手に乗り込んだ少年レッグスの所在を
    捜す必要はなかったんじゃないかなと思ってしまう。別に放って
    おいても気付かれなかったし、かえって大騒動になってしまった
    と思うけれど。それはマイクのためだったのかな。ふんふん、そうね。





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    サイドウェイ

    4
    JUGEMテーマ:コメディ映画全般

    サイドウェイ

    「サイドウェイ」
    原題:SIDEWAYS
    監督:アレクサンダー・ペイン
    2004年 アメリカ=ハンガリー映画 130分 R-15
    キャスト:ポール・ジアマッティ
         トーマス・ヘイデン・チャーチ
         ヴァージニア・マドセン
         サンドラ・オー
         メリールイーズ・バーク

    離婚のショックから立ち直れないマイルスは、小説家志望
    の教師であり、大のワイン通。そんな彼は親友ジャックの
    結婚式を控え、2人でワイナリー巡りに向かうが、ジャック
    はナンパすることばかり考えており...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ リメイク版より余韻の残るラストに
    なっています。


    明るい日差しの降り注ぐカリフォルニアのブドウ畑やワイナリー
    が本当に美しくそしてその雰囲気を肌で感じることができます。
    先に2009年に日本でリメイクされた「サイドウェイズ」を
    見てしまったので、そのイメージで考えていると、オリジナル
    はかなりストーリーが異なっていることに気づくのです。
    主な登場人物が4人の男女であること、男同士、女同士は友人
    であること以外は、あまり似ている所はないかな。


    サイドウェイ

    マイルスが頭髪が寂しいのと同じくらい心が寂しいのと、ジャック
    が結婚を控えているにもかかわらず、ナンパにいそしむのはほぼ
    一緒だけど、それぞれの置かれている状況が違います。
    マイルスは小説家志望であり、出版を夢見てエージェントに話を
    持ち込んでおり、それが実現されることだけが今の生きがい。
    彼は妻と離婚したのに、未だ未練タラタラで、何とか復縁できないか
    と模索しているようです。中盤、彼が浮気した話もあったし、ラスト
    付近に出てくる元妻は、彼と同じくらい静かで、静と静ではうまく
    いかなかっただろうなあ、と思ってしまいます。一方、彼の親友
    ジャックは、かつて人気を博した俳優で、今は金持ちの娘と結婚
    しようとしているわけです。まあ、顔もイケメンだし、話もうまく
    マイルスとは真逆に明るい男は女性にもてるのも仕方ない。


    サイドウェイ

    さてジャックの独身最後の週に、2人はワイナリー巡りを計画
    するわけですよ。もちろん+ゴルフ。とはいえ、ジャックは最後の
    女遊びをしようと意欲満々。そこで知り合ったのが、ワインバーの
    ウエイトレス、マヤとその友人のワイナリーで働くステファニーです。
    このステファニーは、アジア系の顔立ちで、お世辞にも美人とは
    言えませんが、ジャックは一目で気に入っちゃう。2人があっと
    いう間にベッドインしているのに、マヤとマイルスはワインの
    話以上にはなかなか進まないのです。

    それにしても4人がすごくワインを飲むのにはびっくり。欧米人は
    アルコール耐性が強いというのも頷けます。もはや試飲ではない
    ぐらいワイナリーを回り、車も運転しています。車でないと行けない
    場所にワイナリーがあるんだから、飲酒運転するにきまっていますよね。
    それは置いといて、ステファニーに入れあげたジャックは、結婚式を
    延期したいなんて言い始めるんですよ。どんどん親しくなっていく
    2人は、彼女の娘や母親とも交流し始める、これがたった数日の
    出来事だからびっくりです。
    マイルスもやっとマヤと本当の交流が
    できたのに、ついうっかりジャックの結婚話を話してしまったから、
    さあ大変。怖いよ、ステファニーの逆上は。ジャックのきれいな

    鼻が折れてしまうくらいバッグで殴られてしまいます。当然だよ。
    とは思いつつ、クスリと笑えるのは他人事だからだな。
    マヤにも愛想をつかされたマイルスは、出版の話も立ち消えたことを知る
    のです。2人で海辺に座った後ろ姿は、中年男の悲哀を、全く違う状況
    で感じられる映像になっています。
    そして遂にジャックの結婚式。幸せそうなジャックとさらには再婚した
    マイルスの元妻ヴィクトリアも登場。またこの再婚相手が素敵なのよ。
    ついでにヴィクトリアは妊娠しているという。ジャックの心はボロボロ
    ですよね。

    それがラストにマヤからの留守電で救われるのです。彼女は彼が手渡した
    膨大な量の小説を読んでいたことを知り、雨期のワイナリーへ車を
    走らせるマイルス。雨期が終われば乾期が訪れ、再び明るい日差しが
    待っているという未来を期待させるラストシーンでした。


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