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    • 2023.01.12 Thursday
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    エンド・オブ・キングダム

    4


    エンド・オブ・キングダム

    「エンド・オブ・キングダム」
    原題:London Has Fallen
    監督:ババク・ナジャフィ
    2016年 アメリカ=イギリスーブルガリア映画
    99分 PG12
    キャスト:ジェラルド・バトラー
    アーロン・エッカート
    モーガン・フリーマン
    アロン・アブトゥブール
    アンジェラ・バセット

    イギリス首相葬儀参列のため、各国首脳が訪れた
    ロンドン市内で同時多発テロが起きる。シークレット
    サービスのマイクは、ベンジャミン大統領を警護し、
    ロンドンからの脱出を図るが...。

    <お勧め星>☆☆☆ やっぱり強い!とにかく強いの
    一言に尽きます。


    「エンド・オブ・ホワイトハウス」から3年。あの強い
    男、マイク・バニングが帰って来ました。
    折しも伊勢志摩サミットが終わり、エアフォース1や
    マリン1、ビーストなど、めったにお目にかかれない
    大統領専用移動機や車を見たばかりなので、グッド
    タイミング。ビーストのドアの厚さはすごかった。
    3年前のホワイトハウスを扱った映画は、ほぼ同時期に
    公開された「ホワイトハウス・ダウン」の方が個人的には
    面白かったけれど、続編ができると決まっていたのは
    「エンド・オブ・ホワイトハウス」のみで、舞台はロンドン
    となりました。

    銃規制の厳しいイギリスにおいて、どんなアクションが
    繰り広げられるのでしょうか。
    冒頭から不吉な映像が流れます。アミール・バカウィと
    いう世界規模の武器商人が提供した武器で、世界各地で
    テロが頻発しているニュース。そしてそのバカウィの娘
    の結婚式の最中に、米英連係プレーで、ドローン爆弾が
    落とされるわけです。バカウィ一人を狙うために、彼が
    いると確認された大きな邸そのものを爆撃し、おそらくは
    犠牲になったのはほとんど民間人でしょう。この辺りを
    あれこれ考えていると到底映画を見続けられないので、
    頭から取り除き鑑賞続行。

    そして2年後、マイクは、妻の出産を控え、どうやら危険な
    仕事をやめようと考えているらしい。そんな時、イギリスの
    首相が急死するのです。国葬を行うということで、40か国
    もの首脳が、ロンドンを訪れるとことになり、ロンドンに
    厳戒態勢が敷かれます。
    カナダ、ドイツ、イタリア、フランスの首相はそれぞれ個性を
    描いてくれているのに、日本の首相は、渋滞にイラつく爺さん
    なんて、ちょっとひどすぎる扱い。


    エンド・オブ・キングダム

    そしてベンジャミン大統領が到着した途端、銃撃戦開始です。
    なんせ警備に当たっている警官の半分以上が、テロリストらしく
    いったい誰が誰に撃っているのかわからない。とりあえず、
    多くの首脳が命を落とした模様です。こんなことが起きたら、
    本当にえらいこっちゃだよ。


    エンド・オブ・キングダム

    大統領の留守を預かる副大統領トランブル役は
    モーガン・フリーマン。ちょっとおじいさん過ぎるかな。
    演技は素晴らしいけれど存在感あり過ぎます。
    なんとかマリン1に乗り込み、一息ついた大統領とマイク
    たちをビルの屋上から攻撃してくる奴らがいるし、ミサイルが
    ロックオンされてしまいます。まさかのマリン1墜落。
    あり得ない。
    ちなみにロンドン市内は停電し、通信妨害も起きていて、
    ほぼ孤立状態になるのです。

    M1 6の隠れ家に向かっても、そこすら敵にバレてしまう。ここ
    までくる前に、黒のランドローバーがハチの巣になるほど
    撃たれたし、カーチェイス、爆発シーンは幾度となく見られ
    ました。さらにここからは、ナイフ、自動小銃、ピストル、
    手りゅう弾などを駆使して、マイクの独り舞台が始まります。
    強い、強い!
    マイクと毎日ジョギングしている大統領だから、少し走った
    くらいでは、息は上がりません。銃だってバッチリ使えます。
    ラストの副大統領の言葉は、願望も込めてのものだと感じました。


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    ステップファーザー 殺人鬼の棲む家

    5

    ステップファーザー

    「ステップファーザー 殺人鬼の棲む家」
    原題:The Stepfather
    監督:ネルソン・マコーミック
    2009年 アメリカ映画 101分
    キャスト:ディラン・ウォルシュ
    セーラ・ウォード
    ベン・バッジリー
    アンバー・ハード

    両親の離婚後、寄宿学校に入れられていたマイケルは
    夏季休暇で帰宅する。そこには母スーザンの婚約者
    デビッドがおり、話の分かる善人に見えたのだが、彼の
    身元を証明するものは何1つないのだった。

    <お勧め星>☆☆ ラスト付近は、ちょっとハラハラする
    けれど、すべてのシーンに既視感が漂っています。


    1987年の同名映画「W/ダブル/The Stepfather」の
    リメイク映画だそうですが、オリジナルがどうかを知る
    気持ちは全く起きない内容です。
    始まりは、のんびりヒゲを剃り、カラコンを入れ替え、
    トーストを食べる男の姿からです。クリスマスソングが
    鳴り響く部屋の中は、そのオーナメントが散らかっている
    隙間に、あら、女性やら子供の死体も転がっている。そう、
    彼はシリアルキラーで、ご丁寧に、離婚し、子供が3人いる
    女性に近づいては、一家を惨殺していく男と、警察が説明
    してくれます。かなりのんきに話しているけれど、かなりの
    凶悪犯なのよね。
    そしてオレゴン州のスーパーで、子連れのスーザンに声を
    かけるデビッドは、半年後にはちゃっかり婚約者として、
    彼女の家の住人になっているのです。


    ステップファーザー

    スーザンには3人の子供がいて、長男のマイケルは、前夫との
    離婚後、寄宿学校に入れられているらしい。マイケルの幼馴染
    兼恋人のケリー役は、アンバー・ハード。


    ステップファーザー

    夏季休暇に彼が戻ってくると、いちゃいちゃ、チューチュー
    し放題なんです。そうそう、ジョニー・デップとは離婚協議中
    なのよね。彼女のビキニ姿はふんだんに見られます。目の保養。


    ステップファーザー

    反抗的なマイケルの心もぐっとつかんだデビッドを怪しむ
    きっかけというのが、近所に住む猫好きのばあさんの告げ口で、
    それも、「シリアルキラーの似顔絵に似ている」というあまり
    信憑性のないものなのです。
    普通前夫の浮気で離婚し、それほど時間もたっていないのなら、
    再婚にはかなり慎重になるはずよね。そもそも身元を証明する
    ものは1つもないし、写真もない。支払いは現金のみって、絶対
    怪しい。それを怪しまないスーザンは、とことんアホだね。
    または離婚で受けた心の傷にするりと入り込む巧みな技を持って
    いるのだろうか。

    で、このデビッド、ちょいちょいヘマをしでかしては、
    「自分はデビッド。自分はできる」
    なんて夜中に居間を徘徊するんです。まさに怪しい。NHKの
    朝ドラくらい頻繁に、のぞき見、立ち聞きシーンがあるのも
    チープなんですよ。
    スーザンの前夫ジェイは、子供にはとても愛情を持っているから
    デビッドに乱暴な扱いをされたショーンが告げ口すると、怒り
    心頭でデビッドに詰め寄るわけです。

    その他にもデビッドが勤め始めて成績を上げている不動産会社でも、
    スーザンの妹ジャッキーが、彼の社会保障番号やら身元を証明する
    書類の提出を求めると、彼は会社を辞めてしまう。ジャッキーは
    とても怪しむのに、スーザンは全然気にしません。愛は盲目なのね。
    まあ、デビッドの邪魔になる相手は、どんどん殺されていくし、
    そもそも「家族は大切」が口癖のデビッドは、どんな家族を求めて
    いるのか、最後までわからないんです。
    それとスーザンだけでなく彼を全然怪しまないケリーもアホ。
    大事な時に携帯の充電はきれているは、マイケルは携帯を落とすはで
    2時間ドラマさながらの展開を迎えます。
    ラストの1カットもありきたりだし、101分もかけなくても十分
    な映画でした。



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    ABC・オブ・デス 2 

    4
    JUGEMテーマ:Horror

    ABC・オブ・デス 2

    「ABC・オブ・デス 2」
    原題:The ABCs of Death 2
    監督:エバン・カッツ
    ジュリアン・バラット
    ジュリアン・ギルビー
    ロバート・モーガン

    新進気鋭の世界の監督がアルファベット順に「死」
    をイメージした作品を作っています。

    <お勧め星>☆☆ 前作の笑えるホラーがなく、
    大嫌いな虫が出てくるのがいやだった。


    前作同様に26人の監督による26の短編映画が
    「死」をテーマにしてアルファベット順に映し出されて
    いきます。
    今回も気色悪い映像や意味不明の内容のものが入って
    おり、特にDの「Deloused」(駆除)のクレイアニメは
    最も苦手。さらにGの「Grandad」(祖父)、Hの
    「Head Game」(駆け引き)あたりは、つまらないです。


    ABC・オブ・デス 2 

    ちなみにオープニングクレジットの背景に出てくるこの
    動くイラストは、なかなかよくできています。
    個人的に好きだったのは、Aの「Amateur」(アマチュア)
    のイメトレ通りに行かない殺し屋の話と、Sの「Split」
    (破局)の2分割画面から3分割そして4分割画面に変わって
    いくと同時にストーリーが進む辺りは、とても上手い。


    ABC・オブ・デス 2

    そしてXの「Xylophone」(木琴)は、「屋敷女」(2007)
    のジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロが作った
    だけあって、下手くそな木琴を叩く少女が、ラストはその骨を
    叩くシッターの姿に変わり、ぞぞーっとします。


    ABC・オブ・デス 2

    さらにZの「Zygote」(受精卵)は最後まで見て良かったと思える
    作品です。13年も妊娠し続けると、こんな風になっちゃうんだ。
    すごいね。静かなラストも余韻を残しています。




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    10 クローバーフィールド・レーン

    5
    JUGEMテーマ:SF映画 一般


    10 クローバーフィールド・レーン

    「10 クローバーフィールド・レーン」
    原題:10 Cloverfield Lane
    監督:ダン・トラクテンバーグ
    製作:J・J・エイブラムス
    リンジー・ウェバー
    2016年 アメリカ映画 104分 
    キャスト:メアリー・エリザベス・ウィンステッド
    ジョン・グッドマン
    ジョン・ギャラガー・Jr.

    恋人と喧嘩をし車で家を飛び出したミシェルは、突然
    事故を起こしてしまう。彼女が目を覚ますと、そこは
    見知らぬ場所であり、ハワードと名乗る男が、「襲撃」
    から救うために、彼女を地下シェルターに匿ったと
    語るのだった。

    <お勧め星>☆☆☆ う〜ん。前作と別物として見れば
    まあ楽しめるかな。


    前半は、地下シェルター内での、そこの持ち主ハワード
    とミシェル、もう一人逃げ込んでいるエメットとのやや
    単調な生活シーンが流れます。
    冒頭は、明らかに監禁ホラー物と勘違いするほど、説明
    不足で、ジョン・グッドマン演じるハワードが巨大な体を
    揺らしながら、ミシェルを介抱したり、脅したりの繰り返し。


    10 クローバーフィールド・レーン

    その間に逃げ出そうとあれこれ考えを巡らすミシェルの姿を
    見ていると「怪しい?」「怪しくない?」。見る側も混乱
    してくるのです。
    恋人の喧嘩が原因で、家を飛び出し、車を走らせるミシェル
    の元に、恋人ベンから電話がかかるわけです。そんなことに
    気を取られているから、案の定事故を起こし、車は崖下へ
    くるくる回って落ちていく。これ臨場感あります。そして
    目を覚ますと、なぜか点滴を受けながら、足は鎖でつながれ
    ている。この曖昧なシーンはこの後もずっと続くので、覚悟
    して見ましょう。とりあえず口下手なのか、危機感に満ちて
    いるのか、ハワードはただ
    「外は襲撃されていて危険」
    とだけ言うのです。何の襲撃なのか?外の空気を吸うだけでも
    危険なほど汚染されたのか?


    10 クローバーフィールド・レーン

    この地下シェルターには、もう一人ハワードをよく知っている
    というエメットがいて、
    「彼の言うことは正しいよ」
    なんて言うのです。でも二重扉の外に見える景色は、空が青くて
    草も風に揺れています。しかし救いを求めに来た女性は明らかに
    何かに感染したような姿を見せ、やっぱり危険なのかとミシェル
    納得。ところが日々過ごすうちに、やはりハワードは「怪しい」
    とミシェルとエメットは考え、ある計画を思いつくのです。あまり

    いい計画とは思えないけれど、毎日3人で、ゲームをしたり、
    ビデオを見たり、ジグゾーパズルをする生活など続くはずもありま
    せん。しかしその抵抗はことごとく失敗。

    「わしはバカじゃない」
    じゃあ、何なんだろう。
    「クローバーフィールド」と題名にあるから、もちろん「アレ」は
    出てくるのよね?それはいつ?はい、待ち焦がれていると、終盤
    15分を残す頃に、暗闇の中に蠢いています。
    アメリカでは評価が高い映画ですが、個人的には、前作の方が
    ずっとおもしろかったな、というのが実感です。地下シェルター
    での疑心暗鬼の姿は結構楽しめますが。



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    RULE ルール 無法都市

    2
    JUGEMテーマ:アクション映画全般

    ルール

    「RULE ルール 無法都市」
    原題:Sinners and Saints
    監督:ウィリアム・カウフマン
    2010年 アメリカ映画 103分
    キャスト:ジョニー・ストロング
    トム・ベレンジャー
    コスタス・マンディロア
    ショーン・パトリック・フラナリー

    元兵士で、現在ニューオリンズ警察の警察官を
    しているショーンは、ある捜査で相棒を失い、
    さらに数々の問題行動を上司から注意されている。
    そんな時残忍な殺人事件が起き、彼は殺人課のウィル
    と共にその捜査を任せられるが...。

    <お勧め星>☆☆☆ もうど派手な銃撃戦の連続。
    まさに無法都市です。


    エンドロール後半に、現在アメリカを代表する銃器や
    その装備メーカーがつらつらと出てくる辺りは、マニア
    にはたまらない銃が大量に使用されていることを物語り
    ます。ピストルにとどまらず、10連発だの30連発だのの
    自動小銃も頻繁に登場します。こんな映画を作るのは
    アメリカならでは、いやメキシコも南アフリカもあるな。
    とりあえず日本では作れません。

    主人公のショーン・ライリーは、元特殊部隊の兵士であり、
    今はニューオリンズの路上犯罪課の警官をしているのです。
    過剰攻撃はすさまじく、冒頭の銃撃戦で、相棒が撃たれると
    相手の銃の弾倉が空であると知っていながら至近距離で
    バンバン撃ちまくります。これは兵士時代の過酷な経験の
    PTSDからかと思うほど。そしてめっちゃ銃の扱いが上手い。
    しかしそこには、幼くして白血病で亡くなった息子やそれが
    原因で彼の元を去った妻との悲しい記憶が起因している
    らしい。


    ルール

    そんな時新聞記者の一家全員が殺害され、その記者は、油を
    かけられ点火→消火器で消火→再び点火という極めて残忍な
    方法で殺害された遺体となって発見されます。この遺体は
    幾度となく映し出され、さらには、銃撃の時の血しぶきは派手に
    飛散するので、この手の映像が苦手な方は要注意。
    そしてこの事件を担当するよう上司に言われ、新しい相棒ウィル
    を迎えるのです。ウィルは、妻子に恵まれ、信心深い善人。
    こちとら、独り身だからもうやりたい放題さ!


    ルール

    ショーンは撃って撃って撃ちまくります。
    さらにその事件にどうやら、昔なじみのコリンが絡んでいると
    気づくと、もう暴走アンストッパブル状態。


    ルール

    一番かっこよかったのは、最初に殺された新聞記者の兄で
    麻薬ディーラーのウェドに、瀕死の犯人を引き渡すシーン
    です。
    「撃てよ、ショーン!」
    と言うウィルの言葉に耳を貸さず、倒れた犯人の胸に弾丸を
    1つ置き、到着したウェドに目配せします。
    「同じ目に遭わせてやる」
    ウェドはそう言っていたな。これからあんなことや、こんなこと
    をされるのかな。それを知ってとどめを刺さなかったショーン
    はかっこいいぜ!でも警官としてどうなんだろうね。
    ストーリーは特に心に残りませんが、銃撃戦のお好きな方には
    お勧めです。あくまでも映画なんで。




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    バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    バグダッド・カフェ

    「バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版」
    原題:Bagdad Cafe
    Out of rosenheim
    監督:パーシー・アドロン
    1987年 ドイツ映画 108分
    キャスト:マリアンネ・ゼーゲブレヒト
    ジャック・バランス
    CCH・パウンター
    クリスティーネ・カウフマン

    ラスヴェガスに近いモーハヴェ砂漠でのバグダッド・カフェ
    にジャスミンと名乗る太ったドイツ人女性がやって来る。
    経営者の妻ブレンダは、連れもおらず、滞在日数もわからない
    この女性を不審に思うが...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ すごくよかった。「calling you」
    も名曲だと実感します。


    主役のジャスミン役は、最近見たばかりの「バチカンで
    逢いましょう」(2012)でマルガリータを演じた
    マリアンネ・ゼーゲブレヒト。この人、ずっとこういう
    体型だったのね。
    この映画は1989年に公開され、その後1994年に
    ノーカット版を再公開、今回は監督自らが色と構図を調整
    し直し、再編集したニュー・バージョンだそうです。監督
    は「いつまでも大切にされる映画になってほしい」との
    思いを持ち、それを実践している作品なのです。


    バグダッド・カフェ

    確かにジャケットのような鮮やかな色彩や夕日の中での
    ブーメランを飛ばすシーン、暗闇の中のカフェの青白い姿
    など、こだわり感のあるものばかりです。
    唐突にドイツ人夫婦の喧嘩のシーンから始まるこの映画は
    2人の喧嘩の理由とか、夫婦仲とかなど細かいことは一切
    わからないのです。そして砂漠に置き去りにされる1人の
    太った女性の姿に変わります。この時、夫が車から降ろした
    「ローゼンハイム」という地名のステッカーが貼ってある
    黄色い魔法瓶は、女性は持ち運ばず、彼女がたどり着く砂漠
    の中の「バグダッド・カフェ」の主人サルが持ち去ります。

    まさかこの魔法瓶がずっと使われるとは思いもしません。
    さて、仕事のできないサルと大喧嘩し、彼を追い出した妻
    ブレンダの元に、太ったドイツ女性が現れるものだから、
    ブレンダはものすごく不審に思うわけです。


    バグダッド・カフェ

    この時、涙をぬぐうブレンダと、汗をぬぐうジャスミンの姿は
    とても対照的。とりあえず部屋を提供したものの、翌日部屋の
    掃除に行くと、なぜか荷物は男物ばかり。実は、ジャスミンの
    運んだのが、夫のスーツケースだったからなのですが、ブレンダ
    は「絶対におかしい」と保安官まで呼ぶのです。ブレンダが
    いつもカリカリしているのは、自分一人でほぼ店の仕事をしている
    疲労と、ピアノばかり弾いている息子サロモ、遊びまくっている
    娘フィルスなど、あれこれ尽きない悩みがあるからなのです。
    サロモに赤ちゃんがいるんだけれど、嫁はいなかったな。序盤
    は彼女が怒鳴るシーンの連続で、少々嫌気がさしますが、それは
    中盤以降の話の展開へとつながっているのです。

    手入れが行き届かないカフェを気にかけ、ジャスミンは思い切って
    掃除を開始。ジャケットは、この掃除シーンをジャスミンが妄想
    したもので、実際には余分な物を捨て、テーブルからガラス窓
    までとことん磨き上げます。それを知ったブレンダは、当初怒り
    まくるけれど、「オフィス」というものの存在を知り、少し
    納得していくのです。


    バグダッド・カフェ

    ジャスミンはサロモのピアノを認め、静かに聞き入ります。また
    掃除に入ったジャスミンの部屋で、変わった服に興味を抱いた
    フィルスには、ジャスミンがそれを代わる代わる着せてあげる
    のです。小さな心づかいが、人と人とのつながりや自分の価値
    を見出すきっかけになると、さりげなく描いていきます。


    バグダッド・カフェ

    ものすごく胡散臭い絵描きのコックスが描くジャスミンの肖像画
    は、枚数を重ねるごとに、彼女の衣装が減っていき、それは心
    だけ親密になっていくのを物語るようです。カウボーイブーツ
    ってなんで胡散臭く感じるのかしら。これは思い込みかな。
    風の音、砂埃、夜の闇、昼間の明るい日差しなど、自然がふんだん
    に盛り込まれつつ、ジャスミンが始めたマジックで、繁盛して
    いくカフェの姿は、とにかく見ているだけで元気になっていき
    ます。
    常時滞在していた刺青師の女性が、このカフェを立ち去る時の
    言葉とそれにかぶせるように全員で答える言葉もよかった。

    楽しい映画でした。






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    ランナウェイ・ブルース

    5
    JUGEMテーマ:洋画

    ランナウェイ/ブルース

    「ランナウェイ・ブルース」
    原題:The Motel Life
    監督:アラン・ポルスキー
    ガブリエル・ポルスキー
    2012年 アメリカ映画 85分
    キャスト:エミール・ハーシュ
    スティーヴン・ドーフ
    ダコタ・ファニング
    クリス・クリストファーソン

    事故で片足を失った兄ジェリー・リーとその弟
    フランクは、モーテルで暮らしている。しかし
    兄が少年を轢き殺す事件を起こし、彼らの逃亡
    生活が始まるのだった。

    <お勧め星>☆☆ とことん不幸な境遇の兄弟を
    描いていて、洒落た音楽を使っていても心は暗く
    なるばかりでした。


    ローマ映画祭などでの評論家の評判はいいのですが、
    どう考えても納得がいかない登場人物の行動や言動
    が多いです。


    ランウェイ・ブルース

    主役のフラナガン兄弟のうち、兄ジェリー・リー役は
    「ブレーキ」(2012)のスティーヴン・ドーフ。かなり
    あくの強い顔立ちなのですぐにわかっちゃう。弟フランク役
    は「ある愛へと続く旅」(2012)のエミール・ハーシュ
    です。この兄弟は10代で母親をガンで亡くしてから、不幸が
    始まっているらしい。時系列はバラバラなのですが、つなぎ
    合わせて考えていくと、死期の迫った母が兄弟に
    「何があっても2人で生きなさい」

    と言い残した通り、かれらはずーっと一緒なのです。町を出よう
    と列車に飛び乗ろうとした時、ジェリー・リーは、乗り損なって
    足を失ってしまう。結局町から出られない。そしてフランクは
    ジェリー・リーの世話をしながら、様々な仕事をして一応飲食
    はできているものの、家はなく、モーテル暮らしなのです。でも
    フランクはとても心の優しい人間であり、それはジェリー・リー
    も同じなのでしょうが、中学すらろくに行かなかった彼らには
    教養というものはなく、ただ兄弟の絆だけを大切に生きてきた
    感じ。そしてある晩、ジェリー・リーが

    「少年を轢き殺した」
    と震えながら戻ってくるわけです。罪の意識は強いものの、
    逮捕されると2人は別に生活をしなければならなくなる。で、
    捕まりたくない→逃走→兄、勝手に車を燃やした上、自殺未遂。
    この自殺未遂が、頭を撃つはずが、不自由な足の腿を撃つという
    極めて不完全な行為なんです。これでまた入院し、フランクは
    その付き添い等で仕事を欠勤したため、クビになります。でも
    兄の枕元でいつものように兄弟が主役の創作話を聞かせるわけです。
    どうも彼らはそうやって厳しい現実から目を背けてきたらしい。
    その話にイラストを描くのが兄で、それはマイク・スミスによる
    アニメーションになって、映画内で動き回ります。そうか、
    モーテルの壁に貼ってあったのはジェリー・リーが画いた絵
    だったのね。

    それはさておき、ひき逃げ犯の容疑者とみなされ、警官が病室
    を訪れた後、兄は弟に「連れ出してくれ」と頼むのです。
    ちょっと待った。兄ちゃん、車を燃やしたから車はないのに、
    どうやって逃げるんだい?そんな野暮なことを聞くフランクでは
    ありません。亡き父の唯一価値のある形見のライフルを二束三文
    で売り、おまけに友人らしき男トミーに、その金をボクシングの
    賭けに使わせてくれと言われてしまう。まあ、すごい勝ち方を
    したからいいけど、あれですったらどうしたんだろうねえ。
    その上、兄は車の入手方法を聞くどころか、
    「被害者の少年の家族に金を渡したい」だの
    「雑誌の年間購読してあげよう」
    だの、全くノータリンな話をするのです。そもそも轢いたのは
    アンタだし、アンタが出頭すれば済む話でしょう?ここでいい加減
    頭に来ますが、映画内でちょいちょい登場する、フランクの元カノ
    アニー役がダコタ・ファニングで、この子も本当にかわいそうな
    境遇と描かれているから、この2人が上手くいくといいなと思って
    鑑賞続行。


    ランナウェイ・ブルース

    フランクに対し、かつての雇い主は「自分の人生を歩め」と
    諭すわけです。そんなこと彼は百も承知だったでしょうね。
    警察の追跡を逃れるため、フランクが選んだ逃亡先は、アニー
    の住むネバダ州エルコです。
    ジェリー・リーは、それを知ると、
    「俺は愛されたことがない。人を愛したこともない」
    などとジェラシーを爆発させます。兄ちゃん、足が不自由でも
    立派に働いていれば、恋人くらいできるよ。なんてことは
    言うはずもなく、ひたすら兄の世話をし、今は一人暮らしの
    アニーの家で手料理を食べたりするのが、フランクのささやかな
    楽しみになるのです。

    なんでアニーをフランクが捨てたのかは、その理由が本当に
    かわいそうなもので、よくぞ今はパン屋でまともに働けて
    入るなあ、と思うし、よくぞフランクを待っていたなあ、とも
    思ってしまう。
    次第に自分で撃った足の傷が悪化していく兄。でもそれは決して
    悲しく感じられないのです。兄弟で生きてきた分を、この後は
    恋人と幸せに暮らしてほしい。そんなささやかな希望を感じる
    ラストには救われます。



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    セイフ ヘイヴン

    4
    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

    セイフヘイヴン

    「セイフ ヘイヴン」
    原題:Safe Haven
    監督:ラッセ・ハルストレム
    原作:ニコラス・スパークス
    2013年 アメリカ映画 116分
    キャスト:ジョシュ・デュアメル
    ジュリアン・ハフ
    コビー・スマルダーズ
    デヴィッド・ライオンズ

    サウスポートで雑貨店を営むアレックスは、突然
    町に住み始めたケイティに心を惹かれる。2人は
    次第に親しくなるが、ある時、アレックスは、ケイティ
    が殺人事件で指名手配されていることを知ってしまう。

    <お勧め星>☆☆☆半 ラストにあっと驚く展開が
    あって、これは予想外でした。


    ホラー映画さながらの、何かから逃げている女性が近所
    の家に助けを求めるシーンから始まります。その女性
    エリンは、その後パーカーをかぶって長距離バスの
    ターミナルに姿を見せ、周りを気にしながらチケットを
    購入。一方ボストン市警の刑事が彼女の行方を必死で追う
    姿が、監視カメラ映像も含めて映し出されていきます。
    お決まりのバスに乗り込んで、さあ、見つけた!という
    相手は全く異なり、出発したバスの中で次第にくつろいで
    いくエリンの姿へと変わっていくのです。彼女はいったい
    どんな罪を犯して刑事に追われているのでしょう。
    さらに、刑事が近所の人に聞き込みに行っても、誰もが
    エリンの存在を知らないというのはなぜでしょう。この
    謎は終盤に一気に解けるのです。

    ジャケットが「きみに読む物語」に似ていると思ったら、
    原作者が同じニコラス・スパークスでした。あれはラブ
    ストーリーの王道を描いていたし、結構胸キュンもの
    だったけれど、これは全く異なり、サスペンス色を漂わせ
    つつ、ラブストーリーを展開していきます。


    セイフヘイヴン

    このラブストーリーはよくあるパターンで、妻に先立たれた
    シングルファーザーのイケメン男と、いかにも訳あり感を
    漂わせながら、町に突然住みついた美女という組み合わせ。
    これがどちらかが不細工だったら話は進まないだろうなあ。
    冒頭のエリンは、この町ではケイティと名乗り、町の
    レストランで働き始めるのです。アメリカってこんな簡単に
    人を雇っちゃうんだ。そして家まで借りられちゃう。
    とりあえず身の回りの物を買い出しに行った雑貨店で、
    レクシーというおませな女の子と仲良しなると、その父で
    店主のアレックス登場。もちろんフォーリンラブ!
    でもそこに行きつく前に、ケイティが住む森の中の一軒家の
    そばにジョーという女性が住んでいて、彼女にあれこれ指南
    します。


    セイフヘイヴン

    「隣なんて家はないのにどこにいるの?」
    「すぐそばにいるのよ」
    とりあえずいい人らしい。
    一方エリンの後を追っていた刑事ケヴィンは、執拗に彼女の
    行方を捜し、「第一級殺人」の指名手配書をあちこちにFAXする
    わけです。え?エリンは殺人犯なの?怖いよ〜。
    この真相は終盤に繰り出される映像で、明確にされていき、
    ラブストーリーは再びサスペンス調になります。


    セイフヘイヴン

    そしてまさかのラスト。ここはすっかり騙されていました。
    アレックスの亡き妻が、家族にあてたその時が来た時に開封
    すべき手紙の束は、心の琴線を揺さぶりますが、はて固定電話
    しかない時代の映画なのだろうか。そこはもういいかな。


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    グレート デイズ!−夢に挑んだ父と子

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    グレイトデイズ

    「グレート デイズ!ー夢に挑んだ父と子」
    原題:De toutes nos forces
    監督:ニコラス・ダベルニエ
    2013年 フランス映画 90分
    キャスト:ジャック・ガンブラン
    アレクサンドラ・ラミー
    ファビアン・エロー

    <お勧め星>☆☆☆☆ 素直に感動できます。見る
    のを敬遠しがちなテーマですが、見て良かったと思える
    内容でした。


    主役の体が不自由なジュリアン役を演じたのが、実際に
    脳神経に障がいがあり、自力で歩くことができない
    ファビアン・エローで、彼はオーディションでこの役を
    勝ち取ったそうです。


    グレイトデイズ

    90分と短めの映画なので、ポイントがトライアスロン
    レースに父子で参加するまでの過程と、その競技の光景に
    絞ってあります。それは分かりやすい反面、登場人物に
    ついての説明が不十分になっているということも感じます。
    例えば、父ポールが、なぜ体が不自由なジュリアンと深く
    関わろうとしてこなかったのか、おそらくは自分がかつて
    トライアスロンの最高峰「アイアンマン・レース」に参加した
    ものの、リタイアしたことから、その夢を息子に託した
    かったのに、待望の息子は歩くことができなかった。そこ
    に起因しているとしても、やや動機づけが弱い。また、姉
    ソフィがジュリアンの18歳の誕生日に
    「ジュリアンは、物事について違う見方をすることを教えて
    くれた」

    と感謝の言葉を言うのですが、それについてのエピソードが
    ほぼありません。さらにジュリアンを溺愛する母ソフィが
    ジュリアンのことを「ボクちゃん」と呼び、いつまでも子供
    扱いすることに彼は反抗心を持っている、とあらすじに書いて
    あったけれど、そこもあまり気づかず。それ以上に過保護に
    育てられたジュリアンが、かなり自己主張が強く、頑固な姿
    がわがままに見えてしまうのが残念です。


    グレイトデイズ

    それらを除くと、ジュリアンが「アイアンマン・レース」へ
    参加することを父に勧め、2人で一緒に練習をし、そしてニース
    でのレースシーンにつながるくだりは、美しい景色と共に上手く
    描かれています。


    グレイトデイズ

    無駄なお涙ちょうだいモードもなく、練習で転んで2人とも
    擦り傷を負い、母クレールから、レースへの参加を止められると
    今度は父ポールが、ジュリアンの味方になり
    「自由にさせろ」
    と言う。家族の間での心の動きの変化を感じ取れます。
    実際のレースでは、スイムシーンは、上空からと水中から、バイク
    シーンは、山間の絶景の中、そしてラストのランのシーンは既定の
    16時間に近づく時計、脱落する参加者、見事にゴールし祝福を
    受ける参加者などを、次々に映しつつ、ポールとジュリアンの苦闘
    が描かれていきます。
    「もう歩けない」
    と泣き崩れる父に対し、自ら車いすを動かし始めるジュリアンの
    姿には本当に感動します。
    「わたしたちは走ったり泳いだりしたい。」
    とジュリアンの夢を強く応援する同級生の言葉も胸に響きました。


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    ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界

    4
    JUGEMテーマ:洋画

    ジンジャーの朝

    「ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界」
    原題:Ginger&Rosa
    監督」サリー・ポッター
    2012年 イギリス=カナダ=デンマーク
    =クロアチア映画 90分 PG12
    キャスト:エル・ファニング
    アリス・イングラント
    クリスティーナ・ヘンドリックス
    アネット・ベニング
    アレッサンドロ・ニボラ

    1962年、ロンドン。1945年の同じ日に
    生まれたジンジャーとローザは、大親友でいつも
    一緒に行動している。ジンジャーは父ローランド
    の影響もあり、核ミサイル発射の危機に怯えるが、
    ローザはローランドに惹かれていくのだった。

    <お勧め星>☆☆☆ キューバ危機と友情、家族間
    の愛情を繊細に描いた映画です。


    オープニング映像は、日本人なら一目でわかるキノコ雲。
    つまり1945年の広島への原爆投下の光景です。そして
    その日、遠く離れたロンドンで、2人の女性がそれぞれ
    娘を出産します。それがジンジャーとローザで、成長した
    ジンジャー役は、ダコタ・ファニングの妹エル・ファニング
    が演じていて、撮影当時14歳だったそうです。少し上を
    向いた鼻と大きな瞳が印象的で、彼女の迫真の演技には
    とにかく感服するのです。


    ジンジャーの朝

    1962年、16歳になったジンジャーとローザは大の親友で
    遊びもファッションも同じものを好み、いつも一緒に行動する
    のです。少し違うのは、ローザの父がとっくに家を出ており、
    ジンジャーには、戦時中投獄経験のあるインテリでハンサムな
    父ローランドがいるということ。ローランドは、平和主義者で
    かつ既定の概念にとらわれない自由人を自負しています。話は
    かなり難しい言葉の羅列であり、なんとなく言いくるめられる
    けれど、実際にはただの「自分の自由だけ追求する自己中心的」
    な男と思うのは、わたしが年を取っているからかな。


    ジンジャーの朝

    ローランドの妻、つまりジンジャーの母ナタリー役は、
    クリスティーナ・ヘンドリックス。とにかくバストがすごい。
    叶姉妹かと思っちゃう。そして映画内では、女性は家事をする
    のが大事で、19歳でジンジャーを生んだため、仕事に就いた
    ことがない、ごく平凡な主婦を演じています。だから夫には
    何か話し合おうと思っても、言葉で言い負かされてしまう。
    常に不満を持って家事に専念するしかないようです。

    そして1962年のキューバ危機を迎え、世界は核戦争の恐怖
    に怯え、核兵器反対集会があちこちで開かれます。ジンジャー
    はそのニュースを見たり、聞くにつけ、核で人類が滅びるの
    ではないかと、心底恐怖を覚えているのです。


    ジンジャーの朝

    ジンジャーの叔父の知り合いは活動家であり、一緒にデモに
    参加します。
    一方ローザは、映画の始めにナタリーが語る通り、勉強の嫌いな
    早熟な娘。だからジンジャーに誘われて核兵器反対の集会に参加
    しても、あまり興味が沸かないみたい。それよりも「運命の出会い」
    とやらを期待しているわけです。
    そしてジンジャーの活動を喜ぶローランドに惹かれてしまうローザ。
    ローランドを巡って、自分がどれだけローランドを理解しているか
    張り合う、ジンジャーとローザの姿を見ると、かつての親友では
    なくなっているのに気が付きます。

    そして自由人のローランドとローザが関係を持つのを、同じヨット
    で寝ているジンジャーは、その音で悟ります。彼女は毛布を頭
    からかぶって必死で聞かまいとするのですよ。ローランド、クズだな。
    ローザは「真実の愛」を求め、ジンジャーは「世界を救う」という
    目標になってしまい、もはや2人は同じ土俵には立てないのです。
    その後デモに参加し拘束されたジンジャーは、言葉を一切発しない
    のです。

    「ヨットで起きた出来事はナタリーには言わないでおこう」
    ローランドに言われた通り、彼女は黙っていますが、周りの人々は
    ジンジャーの心の傷が何であるか分からないのです。そして遂に
    彼女は大粒の涙をこぼしながら、彼女自身一番辛く、心を悩ませて
    いる出来事を大声で叫ぶのです。そうなんですよ。核の脅威より
    彼女はローランドとローザの関係の方が苦しかったのです。おまけに
    ローザは妊娠していると言う。ナタリーはそれを聞き自殺を図ります。
    ラストは、1945年にジンジャーとローザが生まれた日、病院に
    ベンチに両端に座って待っていた、2人の父の位置に、ジンジャーと
    ローランドが座って、ナタリーの回復を待っています。この構図は
    とても気に入っています。大きな世界の危機の前に、小さな世界も
    危機を迎えていた。大きさが違いすぎる世界だけれど、ジンジャー
    にはどちらも同じくらい大事だったのですね。


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