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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般
「DEMON デーモン」
原題:On the Me/Blackway
監督:ダニエル・アルフレッド
2015年 アメリカ映画 91分
キャスト:アンソニー・ホプキンス
ジュリア・スタイルズ
レイ・リオッタ
アレクサンダー・ルドウィグ
実母が亡くなり、実家を相続したリリアンは、
故郷の田舎町で暮らし始める。しかし勤務先の
バーの客に絡まれてから、彼の執拗な嫌がらせを
受けてしまう。彼はブラックウェイと言い、
保安官も恐れる人物だったのだ。
<お勧め星>☆☆☆ 思ったほど悪くない内容です。
ラストも気分がいい。
アメリカの貧しい田舎町に漂う寂寥感や閉塞感は
「ファーナス 訣別の朝」(2013)
「ウィンターズ・ボーン」(2010)「グランド・ジョー」
(2013)など有名な映画以外でも数多く描かれています。
そこに巣食う「悪」は、極めてつながりの強い、小さな
コミュニティーだからこそ、巨大な力を持つわけで、銃、
ドラッグが絡むと、まさに「死」と隣り合わせの恐怖を感じて
しまうのです。
〇見どころ
ヒロイン、リリアン役は「ボーンシリーズ」のニッキーこと
ジュリア・スタイルズ。一目で彼女と気が付く特徴のある
顔立ちです。
そして彼女を執拗に追いまわし、嫌がらせをする超悪い男
ブラックウェイ役は、レイ・リオッタ。もうぴったりなんだから。
日本で言うと時代劇で、登場した途端に「こいつ悪い」と
思ってしまう悪代官のような感じ。
そして保安官すら見捨てたリリアンに唯一助け舟を出すのが、
妻に出て行かれ、娘をドラッグで亡くしたレスター。
いやいやあんたも結構悪人顔だよ。と思うけれど、この映画では
名前が「レクター」ではないので、人を食べませんよ。
(もうー、まぎらわしい名前)レスターの子分のような若者ネイトは、
言葉がもつれるせいか、ホームスクールで、友人もいないみたい。
この勝てそうにないトリオで、ブラックウェイに立ち向かうのです。
ブラックウェイの居所を捜すのも一苦労なら、怖い会計士マードック
の反撃に遭ったりして、危機一髪のシーンは何度も出てきます。
特に終盤の人里離れた森の中での素早い展開はスリルがあります。
●惜しいところ
どれだけブラックウェイが怖いのかと思ったら、結構あっけなかった。
でも片田舎で威張り散らしている輩の実力はあんなもんだろうね。
井の中の蛙そのものです。
ラストに希望に満ちて微笑みあうネイトとリリアンの顔は、ズタボロ
だけれどすごく生き生きしています。それに引き換え、全てに決着を
つけたはずのレスターは、呆けたような顔で、窓から外を見ている
のです。「悪」を駆逐したところで、彼が失ったものは何も戻らない
という喪失感を表すようでした。
JUGEMテーマ:洋画
「完全なるチェックメイト」
原題:Pawn Sacrifice
監督:エドワード・ズウィック
2015年 アメリカ映画 115分
キャスト:トビー・マクガイア
リーブ・シュレイバー
ピーター・サースガード
マイケル・スタールバーグ
リリー・レーブ
ソフィー・ネリッセ
アメリカ人の天才チェスプレイヤー、ボビーは
現世界チャンピオンで、ソ連人のスパスキーとの
対局を願っていたが、時は冷戦時代。米ソの対立は
チェスの世界にもおよび、ボビーの精神は異常を
きたしていく...。
<お勧め星>☆☆☆☆ チェスについては全然わから
ないけれど、狂気に満ちたボビーの勝利への執念は
感じました。
ボビー・フィッシャー役は「とらわれて夏」(2013)
「華麗なるギャツビー」(2013)のトビー・マクガイア。
子役出身のせいか年齢の割に童顔で、リラックスした姿は
可愛いという感じです。でもこの映画では、そんな姿は全然
見られません。
一方ソ連人プレーヤー、ボリス・スパンスキー役は
「スポットライト 世紀のスクープ」(2015)で
編集長を演じたリーヴ・シュレイバー。
両親ともに様々な国の血をひいているけれど、出身はアメリカ、
サンフランシスコだそうで、彼のロシア語が上手いのか全く
分かりませんが、映画内ではロシア語を話しています。彼は
ナオミ・ワッツと事実婚状態で2人の息子もいるそうです。
様々な移民の国がアメリカなのだよ。
〇見どころ
少年時代のボビーが共産党員の母親を持ったために、赤狩りに怯え、
常に監視の目を恐れていた。これがその後のボビーの精神状態に
多少なりとも影響を与えていたのかもしれません。ただチェスの
腕前は群を抜いており、彼は「ドロー」は許さないのです。
「静寂」が欲しいと、母親と恋人を追い出す時には、もうチェスの
世界にとりこまれ、狂気に満ちた表情を浮かべ始めます。
成年してからのボビーを演じるトビー・マクガイアが、この姿を熱演。
スパスキーとの対局を迎える前での、彼の被害妄想、強迫神経症ぶりは、
実の姉だけが心底心配するのです。チェスがそこまで神経をすり減らす
のかと、チェスの駒の名前すら知らない私は驚きます。
●惜しいところ
結構好きな映画なんですが、序盤の30分位はすごく眠い。そこを
乗り越えると映画の中に入り込めます。
「理論と記憶」が勝負の決め手と語ったボビーのその後の人生が
実際の映像で流れ、天才と狂気は紙一重だと実感させられるのです。
幼少期のボビーの姉ジョーン役で「やさしい本泥棒」(2013)の
ヒロイン、リーゼを演じたソフィー・ネリッセが出演しているのも
見もの。これからどんどん映画に出てほしい美人さんです。
JUGEMテーマ:洋画
「ザ・ブリザード」
原題:The Finest Hours
監督:クレイグ・ギレスピー
2016年 アメリカ映画 118分
キャスト:クリス・パイン
ケイシー・アフレック
エリック・バナ
ホリディ・グレインジャー
ベン・フォスター
沿岸警備隊員、バーニーは、上司に婚約を報告する日、
大嵐で大破したタンカーの乗組員を救出に向かう任務を
与えられる。しかし沖には砂州と呼ぶ難所があり、彼ら
の船は荒波にのまれていく...。
<お勧め星>☆☆☆ 劇場3D鑑賞ならば迫力があった
ことでしょう。ストーリーは普通。
1952年に起きたペンドルトン号T2タンカーの乗員を
救出したアメリカ沿岸警備隊4人の実話をベースに
描かれています。強いリーダーシップが、正しい道へ
人々を導いていく、というお手本のような作りになって
いて「いいお話」という感じです。
〇見どころ
VFXを駆使した嵐波にもまれる船の映像が、本当に船酔い
をしそうになります。
ペンドルトン号内のアウトロー、シーバート役の
ケイシー・アフレックと、前年に救出に失敗し、トラウマを
抱えている沿岸警備隊、甲板手バーニー役のクリス・パインが
それぞれとてもいい味を出しています。
たった4人でまるでプレジャーボートのような船で救助に
向かう沿岸警備隊。羅針盤を失った後に、目的のタンカーに
到達し、32名も救出し、ちゃんと陸まで戻ってきた時には
やはり感動します。
●惜しいところ
実際はどうかわからないけれど、バーニーに逆プロポーズし、
男の職場である沿岸警備隊の支局まで押しかけるミリアムには
好印象が持てません。
それと救助に向かうまでの苦闘に比べ、32名乗せた船が
戻るまでがあまりに簡略に描かれ過ぎです。嵐が止んだとはいえ、
羅針盤もない乗員オーバーの小さな船が、無事に例の砂州を
超えたのがあっけないし、最後の感動のシーンが長すぎました。
JUGEMテーマ:サスペンス映画全般
「モカ色の車」
原題:Moka
監督:フレデリック・メルムード
2016年 スイス映画 89分 PG12
キャスト:ナタリー・バイ
エマニュエル・ドゥヴォス
息子をひき逃げ事故で失ったディアンヌは、
家庭も崩壊し、ただ事故を起こした運転手捜しに
執念を燃やしている。そして彼女が雇った探偵が、
運転手は金髪の女性でモカ色の車を運転していたと
いう目撃情報をもたらす...。
<お勧め星>☆☆☆☆ 美しいピアノの調べに乗って
終始緊張感のある映像が続きます。
ネタバレしています。
主人公ディアンヌの運転する車はマツダC-X3、彼女が
追うことになるモカ色の車は
1972年製のメルセデスベンツ450SLです。
この落差はすごい。もちろん年式ね。
とても謎めいた始まり方で、彼女の名前がディアンヌと
わかるのは映画が結構進んでから。さらに息子をひき逃げ
したと彼女が確信し、自ら接近する女性の名前は最後まで
わかりません。
〇見どころ
ディアンヌ役は「風にそよぐ草」(2009)の
エマニュエル・ドゥヴォス。そして彼女がひき逃げした車の
運転手と確信する女性役は「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
(2002)のナタリー・バイと味わい深い女優の競演です。
ディアンヌが何を捜しているのか、そして何をしようとして
いるのか、少しずつ描かれていくと、そこにはローザンヌの
音楽学校に通っていた一人息子リュックをひき逃げ事故で
亡くしたことがわかってきます。おそらくは悲しみで夫婦関係も
悪化し、離婚。犯人も捕まらず、彼女は探偵を雇って独自の
捜査をするほど追い詰められた精神状況だったのでしょう。
平静を装いつつ、元夫からの電話には出ず、息子のスマホを
愛おしそうに触り続ける姿がそれを克明に表すのです。
そして対象の車の持ち主夫婦に、別々に接触していくディアンヌの
様子が交互に描かれ、そこには車の持ち主夫妻の夫婦の状況、
一人娘がいること、それが妻の連れ子であり、親子関係も複雑な
ことなどが次々にわかって来ます。さらにフェリーで知り合った
ヴァンサンなんてチンピラからすごいものを入手すると、彼女の
怒りがいつ爆発するのか、もうドキドキしてしまう。
静かな映像が続くだけに、このスリルはパンチが効いています。
●惜しいところ
6か月以上もひき逃げ犯が見つからないなんてフランスの警察は
職務怠慢だなと思ってしまう。それとディアンヌが、犯人と
決めつけた女性もその娘も金髪なのに、なぜにそれに気づけない
んだろう。
サスペンス映画と思っていましたが、見終わると
「自分の気持ちを整理し、相手への赦しを受け入れる過程」を
描いた内容だと感じます。ラストに、息子のGFだった少女の
スマホに保存してあった息子の奏でるバイオリンの音色が、
美しくそして悲しいもので、それを少女と一緒に聴くディアンヌ
の姿には胸が痛くなりました。
JUGEMテーマ:洋画
「レイルウェイ 運命の旅路」
原題:The Railway Man
監督:ジョナサン・テプリツキー
2013年 オーストラリア=イギリス映画 116分
キャスト:コリン・ファース
ニコール・キッドマン
真田広之
ステラン・スカルスガルド
元イギリス軍人のエリックは、鉄道好きで、たまたま
列車内で出会ったパティと恋に落ち、結婚する。しかし
結婚生活開始早々、エリックは戦争中の捕虜生活の後遺症で
悪夢に悩まされ、パティにも辛く当たるのだった。
<お勧め星>☆☆☆半 メッセージを発するための映画。
そのものずばりの秀作です。
1942年ミッドウェイ海戦に負けた日本軍が、インド洋の
海上ルートを絶たれたため、ビルマ戦線への物資輸送のため、
中国とインドをつなぐ鉄道建設を決定します。これが泰緬鉄道
計画と言われ、特にタイとビルマをつなぐ415キロ区間は、
連合国捕虜、タイ人、ミャンマー人、マレーシア人、
インドネシア人と日本軍が加わって建設を進めたのですが、
そこでは捕虜の虐待が行われており、また過酷な労働環境も
重なり、数多くの犠牲者を出しているのです。しかしそれを
戦後口にする人はほとんどおらず(実際わたしも映画で初めて
知りました)どちらにも肩入れしない内容の映画で、世界に
この事件を知らせてくれます。
〇見どころ
退役軍人エリックと美女パティの出会いのシーンが美しいです。
偶然を装い、エディンバラ駅で待ち伏せし、それを見破られつつも
結婚。しかし過去の幻影に怒り、苦しむエリックは、戦争中どんな
体験をしたのか、決して口にしなかった状況を少しずつ映像で
見せていきます。
たまたま日本軍の通訳だったナガセが、エリックの憎しみの対象と
なっており、彼が生存していると知り、現地に向かうとそこに
いたのは真田広之演じるナガセです。
実際の人物よりもかなり若く見えますが、堪能な英語と哀愁に
満ちた演技で、彼も苦しんできたことが伝わります。
●惜しいところ
終盤の展開が駆け足過ぎた気がします。それと日本軍が負けた時、
連合国軍の捕虜になるわけですが、
「我々は捕虜を虐待しない」と連合国軍兵士が言います。本当に
そうだっただろうか、と疑問を持つ一言でした。
憎しみはいつか終わらせなければならない。しかしそれには
大きな勇気が必要なのです。戦争においてdieとmurderは同時に
存在し、立場が異なると表現が変わる。それは人間の心を持って
いれば誰でもわかる簡単なことだと思うのです。そして一旦作った
憎しみの連鎖は、力では決して断ち切れないと知らなければいけ
ません。愚かで品格のない人物の発言に右往左往する世界は悲しい
の極みです。
JUGEMテーマ:コメディ映画全般
「キューティー・コップ」
原題:Hot Pursuit
監督:アン・フレッチャー
2015年 アメリカ映画 87分
キャスト:リース・ウィザースプーン
ソフィア・ベルガラ
ジョン・キャロル・リンチ
ロバート・カジンスキー
亡き父を手本に警官になったクーパーは、重要事件の
証言者を保護する任務に向かう。しかし向かった先で
襲撃に遭い、証言者と相棒は死亡してしまう。彼女は
使命感に燃え、証言者の妻ダニエルをダラスまで連行
しようと考えるが...。
<お勧め星>☆☆半 ばかばかしいのですが、ラストは
すっきり終わっています。
笑える内容に至るまでこの短い映画で1時間は費やして
います。大体「わたしに会うまでの1600キロ」(2014)
でアカデミー賞主演女優賞ノミネートまでに成長した
リース・ウィザースプーンがなぜにこんなアホな映画に
出るのかと幾度となくうんざりするのです。共演するのは
「シェフ、三ツ星フードトラック始めました」(2014)で
主人公の元妻役を演じたソフィア・ベルガラ。
そのクーパー警官と麻薬王の犯罪裁判の証言者の妻ダニエル
とのドタバタ劇が、少しもツボにはまらず、アクビ連発。
ちなみに映画内でのダニエルの年齢が45歳で実年齢とそれほど
変わらないのに、これほどまでにお美しくてナイスバディなのは
ちょっと目の保養になります。
〇見どころ
話が進むうちにダニエルの本当の目的がわかってくると、ちょっと
面白くなってきます。たくさんの靴が入ったスーツケースがかなり
重く、どうしても運びたいと考える理由もよくできています。
●惜しいところ
冒頭からクーパー警官のかなり騒々しい行動が空回りし続け、
動きもわざとらし過ぎる。ドジが幾度も重なり、それが全然
笑えないのは、致命的です。
いくら小柄でジャスティン・ビーバーに雰囲気が似ていると
言われたからといって、この扮装はイタイとしか思えない
ですね。身長や年齢がニュースが流れるうちにどんどん
変わっていくのを、笑わせたかったのでしょうが、やっぱり
笑えなかったです。
JUGEMテーマ:アクション映画全般
「ザ・コンサルタント」
原題:The Accountant
監督:ギャビン・オコナー
2016年 アメリカ映画 131分
キャスト:ベン・アフレック
アナ・ケンドリック
J・K・シモンズ
ジョン・バーンサル
ジョン・リスゴー
イリノイ州の会計士ウォルフは、ある会社の財務状況を
調査していて不正を発見するが、突然調査は中止になる。
その後なぜか彼は命を狙われ始めるのだった。
<お勧め星>☆☆☆ 期待して鑑賞しましたが、なんとも
中途半端な内容でした。
「職業、会計コンサルタント 本業、腕利きの殺し屋」と
読めば、期待は膨らむというもの。新聞の映画紹介欄でも
結構褒めてあったし、自閉症を克服するために、軍人の父に
徹底的に戦闘能力を教え込まれた殺人マシーン云々と説明
されていました。ベン・アフレックがどう演じてくれたのか。
〇見どころ
会計士ウォルフが、ある顧客に対し、画期的な提案をする
シーンから始まり、彼が天才的な数学能力を持ち合わせて
いることが伺えます。
表情の乏しいベン・アフレックは、こういう役がよく
似合います。そして依頼を受けた会社の財務調査では
「ガリレオ」並みに、パーテーションガラスいっぱいに数を
並べ、そこの社員で不正を疑ったディナが10か月かけて
行ったことを、15時間でやり終えたという。すごすぎる。
それと、さすが父親のトレーニングを受け続けただけあって、
射撃の腕前は他を寄せ付けません。ここは回想シーンも
含めて描かれ、彼の成育過程がわかりやすく紹介されていく
のです。コミュニケーション能力に欠ける病でありつつ、
アナ・ケンドリック演じるディナに執着するあたりは、特有の
症状を表していて、そこもベン・アフレックが好演。
●惜しいところ
財務省分析官キング部長の話が長い。せっかくJ・K・シモンズを
起用したのに、彼がなぜある事件に固執しているのか、べらべら
話すだけだし、部下として起用したメディーナの過去なんて
無駄な話を入れ込んでくるから、まとまりがつかなくなっている。
さらに会計士としての能力は序盤のみ、殺し屋としてのシーンも
それほど出てきません。これではせっかくの設定が台無しです。
それともう一人映る殺し屋も、出てきた途端誰か想像できるから、
そこはひねりが欲しいところ。
続編ありきで作った映画でなければ、分からないことだらけです。
でも本国であまり評判がよくなかったから、続編できるのかな。
JUGEMテーマ:アクション映画全般
「オーバードライヴ」
原題:Snitch
監督:リック・ローマン・ウォー
2013年 アメリカ映画 112分 PG12
キャスト:ドウェイン・ジョンソン
バリー・ペッパー
スーザン・サランドン
ジョン・バーンサル
メリナ・カナカレディス
運送会社を経営するジョンの前妻の息子ジェイソンは、
友人から大量の麻薬を預かったばかりに、DEAに逮捕
されてしまう。彼の罪を軽くするため、ジョンは検事に
掛け合い、売人逮捕の協力を申し出るが...。
<お勧め星>☆☆☆ ドウェイン・ジョンソンが体ではなく、
頭脳を使って行動するのが見どころ。
麻薬の売人のチンピラどころか、幹部よりも強そうに見える
ドウェイン・ジョンソンが、彼らに使われる側に回るという
思いがけないストーリーです。
そうなった理由も前妻との間の息子ジェイソンが友人に
はめられて捕まった麻薬取引の罪を、何とか軽くしようと
思う親心で、実は彼は再婚していて、若い妻と幼い娘まで
いるんです。こんなややこしい話が実話に基づいていると
いうから、アメリカって怖い。
ネタバレしています。
〇見どころ
友人にはめられ、逮捕された息子を助けるため、連邦検事に
掛け合い、売人逮捕に協力すると、さらに大物に接触できそう
だからと、次なる任務を与えられてしまう。
連邦検事キーガン役は、スーザン・サランドン。話が違うと
思っても、ヘタレの息子は拘置所内で他の囚人にボコられ、
大けがを負ってしまうから、すぐにでも出してあげたいのが
親心なんです。だからかなり危険な任務もせざるを得ません。
でもこのジョンがバカではないんです。
最初に麻薬のディーラーと接触するために、自分の会社の
社員で麻薬関係の前科のあるダニエルを使う、ということを
思いつきます。そして終盤には、麻薬組織と検察の両方の上を
行くプランを企てるんですよ。ここがすごい!
ジョンの身の上に気づいた麻薬カルテルの武装集団の車と
チェイスを繰り広げる巨大なトラックは、ものすごく派手な
銃撃戦はなくとも、タイヤを撃たれホイルだけで走る姿を
見ればスリル満点。
●惜しいところ
ダニエルは証人保護プログラムを辞退って、大丈夫なんだろうか。
またメキシコの麻薬カルテルはもっと冷酷で、残酷なんだろうな。
さらに息子のために運び屋をしている間、ジョンの会社は誰が仕切り、
この後どうなるんだろう。だって証人保護プログラムで姿を消すんだ
ものねえ。
JUGEMテーマ:洋画
「ハドソン川の奇跡」
原題:Sully
監督:クリント・イーストウッド
2016年 アメリカ映画 96分
キャスト:トム・ハンクス
ローラ・リニー
アーロン・エッカート
クリス・バウア
2009年1月15日、USエアウェイズ1549便の
機長サリーは、バードストライクによる両エンジン停止
から、ハドソン川への不時着を決行する。一躍英雄に
なった機長だったが、原因調査委員から、他空港への
帰還も可能だったと指摘されるのだった。
<お勧め星>☆☆☆☆☆ 文句なく満点。巧みな構成で
短い時間に濃い内容を描いています。
ネタバレしています。
英雄が一夜にして犯罪者と疑われるパイロット関連の映画は
「フライト」(2012)を思い出します。しかし今映画は
ずっと上を行く内容になっています。
〇見どころ
原因調査を行うNTSBの聞き取り調査風景から始まり、無事
ハドソン川に不時着したものの、サリーの判断が正しかったのか、
という思いがけない疑念を抱かせる映像、記録、コンピューター
でのシュミレーション結果。フラッシュバックするのは、彼が
操縦する旅客機がビルをなぎ倒しクラッシュするシーンで、
サリーがいかに疲弊していたか、ストレスを感じていたかが、
見る側に伝わってきます。
そして幾度となく映し出されるバードストライク前後の映像は、
少しずつ内容を深く掘り下げていき、乗務員の的確な指示、
その指示に概ね従った乗客、即座に駆け付けた連絡船、NYPD、
全員の避難を確認するまで機内をチェックした機長の姿が
ドキュメンタリーのように映し出されます。
マニュアル通りに機長をサポートする副操縦士ジェフ役の
アーロン・エッカートの演技も素晴らしい。さらに管制官と
コックピット内のやり取りも次第に内容を膨らませ、緊迫した
状況を再現します。これがまさに無駄のない映像で描かれるのです。
●惜しいところ
ありません。
サリーの妻ロリー役のローラ・リニーも、押しかけるマスコミに
ストレスを感じつつ、ヒステリックになり過ぎない演技で、
目立ちすぎることはありません。
コンピューターでのシュミレーションは、バードストライク後、
最寄りの空港に戻ることを想定し、17回練習したものであり、
突然の事故にどう判断するか、それは考慮されていないのです。
もちろん乗客乗員が無事だったから万歳、というわけにはいかない
大事故だったわけで、その原因調査に感情移入してはいけないと
思います。ただ机上で計算されたものが必ずしも「正解」であると
信じることは、とても恐ろしいことでもあると実感するのです。
JUGEMテーマ:洋画
「シング・ストリート 未来へのうた」
原題:Sing Street
監督:ジョン・カーニー
2015年 アイルランド=イギリス=アメリカ映画
106分 PG12
キャスト:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
ルーシー・ボーイントン
マリア・ドイル・ケネディ
エイダン・ギレン
ジャック・レイナー
1985年不況下のダブリンで、家計の悪化から公立高校に
転校させられたコナーは、学校ではいじめに遭い、喧嘩の
絶えない両親のもと、兄と有名バンドのPVを見て憂さを
晴らしている。彼は美しいラフィーナという少女に接近する
ため、彼女をPVに使うバンドの結成を思いつくのだった。
<お勧め星>☆☆☆☆ 洋楽に疎い私でもサントラが買い
たくなる曲ばかりです。
ストーリーもよかった。映画を見終わって思ったのは、
15,6歳の頃は夢があったし、怖いものなどほとんどなくて、
思った通り突き進む気力があったなあということです。知らない
ことややったことがないことが山ほどあったのに、それを考える
ことなく行動していました。あのほとばしるようなエネルギーを
急に思い出しました。
監督は「ONCE ダブリンの街角で」(2008)「はじまりのうた」
(2013)のジョン・カーニー。どちらの映画も大好きです。
そして今作は1985年大不況にあえぐアイルランド、ダブリンが
舞台で、主人公のコナーは経済的な問題で、スィング・ストリート高
へ転校させられるのです。厳格な校長には、茶色の靴をとがめられ、
暴力少年バナーには不条理にも殴られる。両親は喧嘩ばかりしている。
唯一の楽しみは、兄ブレンダン(経済的な理由で大学中退)と見る
ロンドンの有名バンドのPVです。それを見て父親が
「なぜ生で歌わないんだ」と全く理解を示しません。
〇見どころ
バンドを組む動機は、一目ぼれしたソフィーナに接近したいという
不純なものですが、大体音楽を始めるきっかけってモテたい、
という気持ちの人が結構いるのは確か。
それで仲間を募り、学校では浮いた存在の少年たちが生き生き
していく姿を見ていると、本当に希望が湧いてきます。
彼らは家庭的にも恵まれていないけれど、その暗さは一切
感じられません。コナーの両親が喧嘩中、大音量の音楽を流し、
それに合わせて、兄と姉と一緒に踊るシーンは胸にグンと
来ました。もちろん彼が歌う歌は素晴らしく、終盤の学期末
ディスコで歌った「茶色い靴」は魂込めて歌っていて、権力に
抵抗する若者のプチ版という感じがしました。
●惜しいところ
バンドのメンバーについて詳しくわからなかったのと、
メンバーがすぐに揃うところが少々気になりますが、それを
差し引いても素晴らしい映画です。