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    • 2023.01.12 Thursday
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    僕のワンダフルライフ

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    僕のワンダフルライフ

     

    「僕のワンダフルライフ」

    原題:A Dog's Purpose

    監督:ラッセ・ハルストレム

    2017年 アメリカ映画 100分

    キャスト:デニス・クエイド

         ペギー・リプトン

         ブライス・ゲイザー

         K・J・アパ

         ブリット・ロバートソン

     

    少年イーサンに命を救われたレトリバー犬は、

    ベイリーと名付けられ、イーサンといつも一緒に

    過ごすようになる。そして寿命を全うしたベイリーは

    別の犬として生まれ変わるが...。


    <お勧め星>☆☆☆☆ 犬好きにはたまらない映画です。

    無駄な涙を流すシーンはありません。


    犬は自分の存在をどう考えているのか


    原作はW・ブルース・キャメロンという人の

    「野良犬トビーの愛すべき転生」という本で、彼はこの

    映画の脚本にも携わっています。主人公に会うために

    転生を繰り返したとか、4つの「犬生」を描いたとか

    ネットに書いてあるものもありますが、ちょっと違う感じ。

    主人公に会うためではなく、たまたま何度も犬に生まれ

    変わったのが本当のような気がします。そして見る前に

    考えていたほど涙が出る映画ではなく、見終わると、

    犬好きな人はもっと犬が好きなるし、そうでない人は

    お散歩で見かけた犬を見る目が少しだけ変わるようなそんな

    内容なのです。

     

    僕のワンダフルライフ
     

    第1の犬は、「野良犬」→自由に遊んでいたけれど捕獲員に

    捕まり処分

     

    僕のワンダフルライフ
     

    第2の犬は車の中で熱中症で死にかけた状態のところを

    救ってくれたイーサンとのかなり幸せなレトリバー犬の

    生涯です。会話の中でキューバ危機が出てくるところから

    1960年代であるとわかり、イーサンといつも一緒に遊び、

    暮らし、恋人ハンナともまるで自分の恋人のように過ごす

    ベイリー、あ、名前は「ベイリー」です。

     

    僕のワンダフルライフ

     

    小さな事件は笑えるものの結局大きな事件が起き、状況が

    変化してもベイリーは幸せなまま寿命を終えます。ここは

    結構泣けるんですが、あっという間に次の犬生になるわけで、

    次は警察犬シェパードのエリーとしてカルロスの相棒として

    活躍します。

     

    僕のワンダフルライフ

     

    カルロスの私生活は深くわからないまま、英雄であるエリーは

    ...なんですけど、またここでも泣けるかも。しかーし、すぐに

    次の犬生が訪れます。この絶妙なテンポで悲しみが吹き飛んで

    しまうのです。

     

    僕のワンダフルライフ

     

    次はコーギーとなり、ティノと名付けられて、食べることが

    大好きなマヤと共に暮らすのです。ツーと言えばカーと言う

    共同生活はおかしいですよ。これも最後まで幸せなもの。

    ではなぜベイリーとしての記憶が残り続けているのか。

    そこにはベイリーとして飼い主のイーサンに果たしておきた

    かった役目が残っているわけで、それに気づくのが5頭目と

    なるセントバーナードの雑種犬、ワッフル。つなぎっぱなしで

    散歩も遊びもしてもらえず、寒い冬も家の外で暮らすワッフルは、

    当然そこを「家」と考えていないのです。犬といえば最も

    特徴的なのがその嗅覚の鋭さで、それがワッフルを、かなり

    年齢を経たイーサンの元へ連れて行きます。いや辿って行ったら

    その家に着いたというのが正しいのでしょうか。ワッフルは

    イーサンに気づくけれど、イーサンはどうなのでしょう。
    かつてイーサンとベイリーがしょっちゅう遊んだ空気の抜けた

    フットボールや独特の芸を思い出しましょう。そうすると本当に

    人間と犬の絆って強いなと実感します。
    大型犬だと10年足らずが寿命と言われていますが、その期間を

    本当に大事にしてあげればきっといつか戻ってきてくれるような

    希望が湧いてくるストーリーでした。

     

     

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    ダンケルク

    3

    JUGEMテーマ:洋画

     

    ダンケルク

     

    「ダンケルク」

    原題:Dunkrik

    監督:クリストファー・ノーラン

    2017年 イギリス=アメリカ=フランス=オランダ映画 

    106分

    キャスト:フィオン・ホワイトヘッド

         トム・グリン=カーニー

         トム・ハーディー

         キリアン・マーフィー

         ハリー・スタイルズ

     

    1940年、ドイツ軍は、イギリス、フランス軍をフランス

    北部のダンケルクへ追いつめる。イギリス首相チャーチルは、

    ダイナモ作戦と称する兵士救出作戦を指示するが...。


    <お勧め星>☆☆☆ IMAXで観たらまた感想が違っただろうか。


    戦争に英雄など存在しない


    映画の予告編が劇場やテレビで幾度となく流され、CGなしの

    実写(IMAXカメラ)であると知っていたものの、2D上映の

    近場の劇場にて鑑賞。
    この映画を見た途端、夏頃Blu-rayにて鑑賞した

    「ヒトラーの忘れもの」(2015)を思い出してしまった。

    砂浜なんですよ。場所は全く違うし、時期も第二次大戦終結直後の

    話なのに、砂浜がその映画と被ってしまう。あの映画では、

    一度はナチスドイツ軍に占領支配された地域に、元の住民が戻って

    きて、敗戦国となったドイツ軍兵士を捕虜として、砂浜に

    埋められた地雷の除去にあたらせるというものでした。

    終戦間際に召集されたのは14,5歳の少年がほとんどであり、

    その多くが生きて祖国に戻ることができなかったのです。
    戦争は勝敗によってその立場が一気に変わり、勝者にまわった途端、

    自分たちがされたことと同じく、いやそれ以上のことを敗者に行って

    しまう。また戦時下の極限状態では、たとえ同胞であっても、

    見捨てたり、裏切ることさえいとわない者も現れてしまうのです。

    人間の本質をあぶりだすかのような行為かもしれません。
    さて、この映画では、海岸(1週間)、海(1日)、空(1時間)

    という3つの視点からそれぞれの場所にいる人たちを描いて行く

    のです。兵士などはほとんど名前を呼ばれることがなく、

    エンディングクレジットで配役を見ても、名前と顔がくっつくのは

    ごくわずか。

     

    ダンケルク

     

    ダンケルク
     

    ドイツ軍に追い詰められたダンケルクの海岸からの救出に来た

    艦船に乗った途端に、魚雷やら空からの爆撃やらで、幾度と

    なく海に放り出される兵士の姿は、テープを巻き戻しているか

    のように思えてしまうほどです。

     

    ダンケルク
     

    一方民間船の船長は息子とその友達を乗せ、果敢にも兵士の

    救助に出港します。この船長についてのみ、長男を既に戦争で

    亡くしているという説明がなされるのですが、それが彼の

    勇気ある行動につながっていたと考えるのは当たり前のこと

    なのです。

     

    ダンケルク

     

    またイギリス空軍のパイロットはスピットファイアを操縦し、

    敵機と交戦。トム・ハーディーはコックピット内で勇気ある

    パイロットとして存在感を示します。
    ただ戦闘シーンは「プライベート・ライアン」(1998)の

    冒頭20分間に繰り広げられたノルマンディー上陸作戦での

    凄まじさには程遠く、飛び交う銃弾の音や爆撃機の飛来する音、

    何かが近づくことを示す船や桟橋が揺れる音など、ひたすら

    「音」でそれを表わし、頭や手が吹き飛び、うめき声をあげる

    悲惨な戦場の姿を感じ取ることはできません。それはまるで

    戦闘ゲームのように思えて仕方がない。
    そしてこの3つのバラバラの時間軸がどのように繋がって

    いくのか、結末は分かっているだけにあっという展開はなく、

    さらにかなり拍子抜けするシーンに変わってしまう。
    第二次世界大戦は、ここからさらに熾烈なものになるわけで、

    それを考えると見終わって心が晴れるものではなかったです。

     

     

     

     

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    ミュージアム

    4

    JUGEMテーマ:邦画

     

    ミュージアム

     

    「ミュージアム」

    監督:大友啓史

    原作:巴 亮介

    2016年 日本映画 132分

    キャスト:小栗 旬

         尾野真千子

         野村周平

         丸山智巳

         田畑智子

     

    猟奇的な殺人事件がいずれも雨の日に起き、

    現場には謎のメモが残され、雨合羽を着た人物の

    目撃情報があった。警視庁捜査一課の西村は、

    連続殺人としてそのつながりを調べて行くが...。


    <お勧め星>☆☆☆ 132分にしなくても90分程度

    でまとめてもよかった感じ


    恐怖を弱める家族愛


    「声」ってすごく耳に残るから、雨合羽の男が誰か

    1発でわかってしまう。それはいいとしても、冒頭から

    思い切りもったいぶった殺害現場の映し方。ここは

    TVドラマ「キリング」のようにちゃちゃっと見せた方が

    ドキリとするのになあ。原作は巴亮介という方の同名漫画

    だそうですが、もちろん未読。なにやら家庭問題を抱える

    警視庁捜査一課の沢村久志が、この事件の担当になるものの

    組織の一員でありながら、当然のごとく指示に全然従わない。

    これはよくあるパターンですね。

     

    ミュージアム

     

    そして次々に猟奇的な殺人事件が起こるわけです。そして

    現場には「ドッグフードの刑」「母の痛みを知りましょうの刑」

    「均等の愛の刑」「ずっと美しくの刑」「針千本飲ますの刑」と

    その殺害方法についてのメモがご丁寧に置かれているわけです。

     

    ミュージアム

     

    ミュージアム

     

    そこそこグロいシーンが映りますが、ホラー映画で慣れて

    いれば別に平気。逆に血が苦手な方は見ない方がいいかも

    しれません。そして被害者の共通項を探っていくと3年前に

    行われた裁判員裁判に行きつくわけですよ。ここまでは

    まあテンポもよく進み、そうか、あの雨合羽の男はその事件の

    関係者か、と思うとあっさり裏切られます。この犯人捜しの

    過程が最も面白く、犯人が誰か沢村が知った時点(これは

    完ぺきに違法捜査)からは、急にスローダウンします。家庭を

    顧みないから家族に見捨てられただの、妻の流産を知らなかった

    だの、こちらはどうでもいい。また沢村自身の生い立ちも

    どうでもいい。鼻水まで垂らして小栗旬が熱演するとこちらは

    どんどんあくびが出ちゃうって。妻遥役の尾野真千子もこの役に

    あまり合っていないし、もちろん演技は上手だけれど、最後まで

    良妻のイメージに違和感を覚え続けます。
    カエル男の熱演も確かに素晴らしく、気色わるい。でも同じ

    シーンが続くと確実に飽きます。
    それでも終盤の庭に出てきた途端に「ああ、これだ!」という

    ところはすっかり忘れていました。(でも普通武装してたら

    射殺するでしょう)そしてラストのラストにビデオカメラで

    ズームアップされる沢村の息子の手の動きは、まさに不気味

    そのものでしたね。
    まあ期待していたほどでもなかったです。

     

     

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    荊棘(ばら)の秘密

    3

    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    ばらの秘密

     

    「荊棘の秘密」

    原題:The Truth Beneath

    監督:イ・ギョンミ

    2015年 韓国映画 102分

    キャスト:ソン・イェジン

         キム・ジュヒョク

         キム・ソヒ

         チェ・ユファ

     

    テサン市長の選挙運動中、キム候補の娘ミジンが

    姿を消す。母ヨノンは選挙のイメージを保ちたい

    周囲の声や無能な警察を無視して彼女の行方を

    捜し始めるが...。


    <お勧め星>☆☆☆ 複雑に入り組んだストーリーを

    上手くまとめ上げた映画です。


    罪を犯していないのは誰か


    テサン市長選挙戦で、現職と元アナウンサーの

    新人候補が対立する構図なのですが、序盤にとても

    気になるシーンがあり、あのシーンであのセリフを

    言ったら、サスペンスを見慣れている人間なら、

    開始早々にオチが分かってしまうと思うのです。

    もちろんそれに関する動機やら人間関係やらは全く

    わかりませんが。あれは不要だよな。

     

    ばらの秘密
     

    ばらの秘密

     

    ストーリーはとても上手に組み立てられており、

    「私の頭の中の消しゴム」(2004)のソン・イェジン

    演じる母ヨノンと市長候補ジョンチャンを父に持つ娘ミンジンが

    外出したきり戻らない出来事から始まります。

     

    ばらの秘密

     

    それにしても韓国映画の子供役、今回は高校生だけれど、

    可愛いくないことが多いのよね。ちなみに向かって右がミンジン。

    成長するとみんな同じような綺麗な顔になるのに、中高生

    ぐらいはほぼ不細工なのはなぜだろう。それはさておき、

    この失踪事件も案の定、警察は全く役に立たないし、

    そもそも対立候補側であることがわかってしまう。こういうのも

    選挙に関係してくるんだ。また、夫は選挙運動に没頭しているし、

    ミンジンが会うと言っていた「ジャヘ」は存在しない人間だと

    分かってしまう。ああ、娘のことを何も知らなかったのね。

    娘はいずこへ?ヨノンの執念はすごいんですよ。5万通もの

    ミンジンのPCメールを全部チェックし、担任のソラ先生からの

    メールを知り、彼女から「ミジンがいじめられていた」ことを

    知らされるのです。

     

    ばらの秘密

     

    そして唯一友人だったミオク(これまた可愛いくない)が

    何かを隠している。その間にも対立候補側が盗聴器を仕掛けて

    いたことや(これはお互い様)積極的に捜索を開始しない夫への

    不信感など見る側を翻弄する情報が錯綜します。これらを

    小出しにすることで絶対にミスリードさせようとしているの

    がわかりますが、わたしは知っています。負けません!
    脚本にパク・チャヌクが参加しているだけあって、それぞれの

    苦しみ、悲しみ、怒り、憐みの心などが上手く言葉として

    表れていると思います。

     

     

     

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    ムーンライト

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    ムーンライト

     

    「ムーンライト」

    原題:Moonlight

    監督:バリー・ジェンキンス

    2016年 アメリカ映画 111分 R15+

    キャスト:トレバンテ・ローズ

         アンドレ・ホランド

         ジャネール・モネイ

         アシュトン・サンダース

         ジャハール・ジェローム

     

    同級生にいじめられているシャロンは、麻薬の

    売人フアンに救われる。しかし彼はシャロンの

    母親に麻薬を売っている張本人だった。そして

    自らがゲイであると気づいた頃、シャロンは

    同級生のケヴィンの恋心を抱く...。


    <お勧め星>☆☆☆ 静かに心にしみこむ映画です。


    自分は何者なのか


    ストーリーは、1.「リトル」シャロンの子供時代

    2.「シャロン」シャロンの高校時代

    3.「ブラック」シャロンが大人になった時 の3部構成に

    分かれています。3人が演じ分けていますが、1と3の

    シャロンの雰囲気がとても良く似ていて、あの小さな体も

    鍛え上げればこのようになるのだろうとまさに実感するのです。

     

    ムーンライト
     

    いずれにせよ、内気で孤独かつ不幸な身の上であることは

    ほとんど変化がなく、大人になったシャロンも心のより

    どころがない空虚な瞳をしていることでそれを物語ります。
    この映画では、特に光と音楽と色が巧妙に組み合わさっていて、

    1でフアンが「月明かりの黒人の背中はブルーに見える」と

    言った通り、ラストシーンでは子供時代のシャロンの背中が

    月明かりに青みがかって浮かび上がります。

     

    ムーンライト
     

    子供時代麻薬中毒の母親のネグレクト、学校でのいじめに

    あうシャロンは、フアンと出会うことで「父親」のような

    存在を獲得するのですが、その存在は、母親の麻薬の売人で

    あるということであっけなく理想から遠のきます。

     

    ムーンライト
     

    さらに高校時代、フアン亡き後、シャロンが逃げ込むのは

    相変わらず、フアンの恋人だったテレサの家であり、彼女に

    「愛と自信を持つこと」を諭されます。そして恋心を抱いて

    いたケヴィンとの夢のような時間の後に訪れるある事件。

    ここでもシャロンは自分の夢からあっけなく放り出されて

    しまうのです。

     

    ムーンライト
     

    全てが不条理の連続であり、成長したシャロンが、フアンと

    見間違うほどの麻薬の売人になっていたとしても何ら疑問は

    抱きません。いかにも売人であるかを物語るかのような金歯、

    ダイヤのピアス、バカでかい車、カーステレオの音楽。

    それでいて彼の伏し目がちな姿は幼少期のそれと何ら変わり

    がなく、彼の心の「孤独」をそのまま反映しているのです。
    母親から電話には出なくても、ケヴィンからの電話にはすぐに

    出る。シャロンの純粋さの現れでしょうか。
    押し付ける愛は相手の重荷にしかならず、しかしながらそれに

    答えるのも愛の形の1つであり、愛というものは無条件に

    与えられるものではないのだと痛感する内容でした。
    街灯、電車のガラスに映るぼやけた灯り、夜の闇に浮かび上がる

    オレンジの光、青白い砂などカゲロウのように儚い存在に感じ、

    逆に赤い光が見えると母親がピンクの壁紙をバックに登場するなど、

    色使いでシャロンの心の内を描いているようでした。音楽も

    シーンごとに効果的に使われていたと思います。
    付け加えるならば、見る人を選ぶ映画であり、わたしは静かな

    感動を覚えましたが2回は見たいとは思いません。

     

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    イレブン・ミニッツ

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    イレブン・ミニッツ

     

    「イレブン・ミニッツ」

    原題:11 minut

    監督:イエジー・スコリモフスキ

    2015年 ポーランド=アイルランド映画 82分

    キャスト:リチャード・ドーマー

         ボイチェフ・メツファルドフスキ

         バウリナ・ハプコ

         アンジェイ・ヒラ

     

    ある日の午後5時から11分の間に10数名の男女が様々な

    出来事に遭遇しながら、思いがけない出来事にたどり着く。


    <お勧め星>☆☆ 群像サスペンスという触れ込みですが、

    はい全然わかりません。


    人生なんて黒いシミのようなもの


    午後5時を告げる教会の鐘の音やビルの上を低空飛行する

    旅客機、部屋に入り込みドレッサーの鏡にぶつかる鳩、

    大きなシャボン玉がふわりふわりと浮き上がりそして割れる。

     

    イレブン・ミニッツ

     

    午後5時から11分間の出来事を10人余りの人々を介して

    描いているのです。しかしその人物が完璧に接点がある

    わけではなく、またそれぞれについて十分な説明は示されません。
    嫉妬深い夫を持つ尻軽な妻は(昨日結婚したから心を入れ

    替えたらしい)映画監督の面接のためホテルの1室に向かう。

    この監督がいかにも下心丸出しなんだよね。

     

    イレブン・ミニッツ

     

    妻の実を案じホテルに向かう夫も幾度となく映りますが、

    なぜに顔に傷があるのか、それは昨夜妻のおしりを触った男を

    殴ったから。ふーん。

     

    イレブン・ミニッツ
     

    ホテルの前のホットドッグ売りのの男性につばをかける女性が

    いて、なにやら訳ありだけれど全然解明されません。

     

    イレブン・ミニッツ

     

    そしてその息子はバイク便の仕事をしているものの、ドラッグの

    せいで幻覚を見ているかのような世界にいたりする。

     

    イレブン・ミニッツ

     

    橋の下の画家は、思わぬアクシデントで上手く書けていた絵に

    絵の具のシミを落としてしまう。それは「黒い点」となって

    映画の登場人物がそろって目にしたものとなるらしい。(これは推測)

    また救急車に乗って何かの現場に急行する女性医師や犬を連れた

    モヒカンの女性、ポルノ映画を見る男女などが、次々に映り

    こみます。それらにつながりがあるかというと、ホテルや

    ホットドッグ売りやバス停にいる人、すれ違うバイク、

    救急車などが見られることで「ああ同じ時刻のことなんだ」と

    思う程度で、会話をしたとか、なにかのアクシデントで

    つながったとかいうことは一切ないのです。さらに映像自体が、

    定点カメラだったり、ビデオカメラだったり、P.O.V.だったり

    するので、見づらいったらありゃあしない。おまけにその映像が

    斜めやスローになったりもします。そして最後まで何とか

    見続けていると、ああこんな風になるのね、それもものすごく急に、

    という感じ。人生なんて人間社会においたら黒いシミのような

    ものにすぎず、大勢の中では見えなくなってしまうような儚い

    存在なのだということでしょうか。
    あのね、全然好きじゃない映画です。この映画が分かったら

    映画通と思える内容で、分からないし好きじゃないから

    映画通じゃありませんっ!

     

     

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    この世界の片隅に

    4

    JUGEMテーマ:邦画

     

    この世界の片隅に

     

    「この世界の片隅に」

    監督:片渕須直

    原作:こうの史代

    2016年 日本映画 126分

    声:のん

      細谷佳正

      小野大輔

      潘めぐみ

      新谷真弓

     

    広島に住む浦野すずは、呉の北條家に嫁ぐ。

    戦時下の生活は食糧不足にあえぐ日々であったが、

    彼女は持ち前の明るさでそれを乗り越えていく。

    しかし戦争のさらに激しくなり..。


    <お勧め星>☆☆☆☆半 静かに静かに戦争について

    考えさせてくれます。


    人間の当たり前は何だろう。


    広島、呉は、私の祖父が海軍の兵隊として出港した

    場所です。昭和20年3月に37歳で召集され、祖母は

    母を含め3人の子供を連れ、出港前の祖父に面会に

    行ったのです。その時渡されたのが、立派な海軍の

    軍服姿の祖父の写真と髪の毛であり、それきり

    フィリピンの沖合でアメリカ軍機の攻撃により軍艦は

    沈没したとのこと。映画内のすずの兄要一の遺骨箱に

    あったのが石ころ1つだったのと同様に、祖父の

    遺骨箱には紙きれ1枚しかなかったそうです。
    広島市出身のすずが、呉の海軍に勤務する周作と結婚

    するまでののどかな、ごく普通の生活。いつもぼーっと

    していて、兄とケンカをし妹とじゃれ合う。少しズレて

    いるから、周りのみんなからそれを揶揄されても笑って

    済ませるおおらかな姿が描かれる序盤。

     

    この世界の片隅に
     

    そして開戦後結婚し、全く知らない土地である呉で暮らし

    始めても、彼女の個性は失われず、日々困窮していく

    食生活も、彼女なりの工夫で乗り越え、戦艦を写生して

    いて「スパイ」として憲兵に叱責されても、家族そろって

    笑い話に変えてしまう、そんな和やかな家庭を見ていると、

    これから訪れる大きな戦禍を知っている観客は、しばしの

    幸せな時間に浸ってしまうのです。実際は配給が激減し、

    草花をおかずに、水の多いお粥を食べていたというのに。

     

    この世界の片隅に
     

    そして多くの戦争を描いた映画と一線を画すのは、涙を流したり、

    傷ついたり、破壊されていくシーンを限りなく削り、

    その時々に人々がどのように、それに耐え、前に進もうと

    したかを描くことに徹したことだと思うのです。もちろんアニメと

    実写の違いもありますが、淡々と描くことで、見る側がいろいろな

    考えを持つことができます。

     

    この世界の片隅に


    すずの婚家の畑から見える呉港の景色が次第に変わり始め、

    全てがなくなり、玉音放送を聞いたときに、すずは激しく

    慟哭します。それは何に対しての涙だったのでしょうか。

     

    この世界の片隅に


    「呉の皆さんがんばって下さい」などと放送されるラジオの

    声があまりに空しく響き、逆にがんばっていない姿の方が

    ずっと心に響くものになりました。

     

     

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    何者

    3

    JUGEMテーマ:邦画

     

    何者

     

    「何者」

    監督:三浦大輔

    原作:朝井リョウ

    2016年 日本映画 97分

    キャスト:佐藤 健

         有村架純

         二階堂ふみ

         菅田将暉

         岡田将生

         山田孝之

     

    拓人とルームメイトの光太郎は就活中。同じ

    アパートの2階に同級生瑞月の友人が住んでいた

    ことから、そこを就活会議場と決め、それぞれ

    活動し始めるが...。

     

    <お勧め星>☆☆☆半 映画の方がずっと面白かった。

     

    本音を見せることはかっこ悪いのか。

     

    原作は「桐島、部活やめるってよ!」の朝井リョウの

    同名小説で、この作品が映画化されると聞き、本を

    読んだものの、何となく後味が悪く、結局WOWOWにて

    鑑賞。原作本の方は、文字の数が極端に少なく、Twitterの

    文面がずらずら並んでおり、その行間を読み取らないと、

    中身がうまく伝わらないという感じがしました。

    facebookのメアドからTwitterのアカウントを検索?

    そうなんだー。

    したがって映像化された時に、個々の表情が目の前で

    見られたのでずっと理解しやすかったです。

     

    何者
     

    何者

     

    御山大学で、演劇にのめり込んだ拓人、バンド活動で人気を

    博した光太郎はどちらも留年。さらに同級生、瑞月は

    海外留学のためやはり留年し、5年生に就活をするわけです。
    皆同じリクルートスーツを着込み、同じ髪型、黒いバッグ、

    黒い靴..。いつからこうなったんだろう。その異様な姿に

    すっかり慣れたもののその中から個性を見出せるのだろうか。

     

    何者

     

    何者
     

    そして瑞月のホームステイ先で知り合った理香と

    その同棲相手隆良も登場します。本ではそれぞれの説明が

    もう少し詳しくされていたような気がしますが、映画は

    終始拓人目線で進みます。エントリーから試験の合否に

    至るまでメールで届くという世界に身を置くと、私生活でも

    それを常に活用している若者たちは、いつ「本音」を

    語るのでしょうか。光太郎のように裏表のない人間もいる

    かもしれないけれど、人間関係を潤滑にするために?

    周りから浮かないために?「本音」を隠しているうちに、

    自分が「何者」であったことすら忘れてしまうのかもしれません。
    終盤に判明する拓人と理香の裏の姿を批判し合うシーンは、

    まさに背筋がゾッとします。
    但し、演劇の置き換えて拓人の心の中、つまり「裏垢」で

    語っていたことを描いていく手法は素晴らしく、ラストも

    なんとなくすがすがしいものでした。

     

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    エル・クラン

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    エル・クラン

     

    「エル・クラン」

    原題:El Clan

    監督:パブロ・トラペロ

    2015年 アルゼンチン映画 110分 PG12

    キャスト:ギレルモ・フランチェク

         ピーター・ランサーニ

         ジゼル・モッタ

         フランコ・マシニ

         リリー・ポポビッチ

     

    1980年代のアルゼンチン。軍事政権下で要人に

    あったアルキメデスは、政権交代により職を失い、

    誘拐ビジネスに手を染める。彼は仲間と共に、長男

    アレックスも仕事を手伝わせていたが...。


    <お勧め星>☆☆☆ ジャケットのようなコミカルな

    雰囲気は感じません。


    見返りを求めずに、正しいことをせよ


    アルゼンチンはまたまた地球上の位置が分かりませんね。

    南米のこの辺りです。

     

    エル・クラン

     

    サッチャー首相時代のイギリスとフォークランド紛争が

    起きたことくらいしか記憶にありません。2001年には

    通算6回目の債務不履行国となり、経済状況が極端に悪化

    したようですが、今は安定しているとのこと。こんな話は

    日本ではほとんど耳にしません。
    そしてこの国は1976年にビデラ将軍による軍事クーデターが起き、

    より強固な軍事政権が生まれたものの、例のフォークランド紛争で

    見事に失敗。文民統制へと移行しつつあった時代の事件なのです。

    なので映画内で幾度となく「時代は変わったんだ」とか

    「いやまだあの時代はやって来る」などと口走るのも納得できます。

     

    エル・クラン


    映画の主人公はアルキメデス・プッチオ一家。アルキメデスは

    かつて軍の要職にあったもののその職を失い、富裕層を狙った

    誘拐、殺人ビジネスを実行しているのです。彼には教師をする

    妻と娘2人、息子3人がいて、直接手伝っているのは、

    ラグビーの花形選手で長男のアレックスのみ。

     

    エル・クラン

     

    犯罪一家を描いた映画は「アニマル・キングダム」(2010)

    を思い出すけれど、あれは祖母を頂点にしたものすごく悪い

    犯罪者一家なのに一家の結びつきはとても強く、それが冷たい

    恐怖として伝わりました。一方このプッチオ一家はというと、

    なんかのんびりしているんですよね。ラテンのノリというか、

    事件に手を貸すことに罪悪感を覚えるアレックスも結局次も

    手伝ってしまうし、自宅の2階に被害者を監禁しているのに、

    気づかずに過ごす娘たちもやや不思議。さらにさらに、誘拐方法や

    身代金の要求の仕方が毎回ワンパターンで、絶対に警察に

    ばれていると思うけれど、それは実力者を知っているから

    見過ごされてしまうという当時の混乱した状況を物語ります。

    また直接的な描写はあまりないので、残酷さを感じさせないし、

    逆になぜにPG12指定かと思ってしまう。WOWOWだからかな。
    実際の事件もその内容より、その事件を生み出した当時の政治的な

    混乱やこれに全く気付かなかった周囲の人々について注目が

    集まったようで、映画内でも毎朝家の前の舗道の落ち葉を掃き、

    近所の人とにこやかに挨拶するアルキメデスの姿が幾度となく映ります。

     

    エル・クラン


    序盤から家族の映像の中に挟み込まれる、アレックスとモニカが

    拘束されるシーンや一家のもとへ警官隊が踏み込むシーンを見ると、

    結末はうすうすわかるのですが、その多くは字幕で流されると

    いうもので、そこは多少なりとも映像で見たかったところ。
    父親アルキメデスに反抗できなかったアレックスの姿は非常に

    もどかしく、その彼に恩着せがましい発言をする父親への怒りは

    あのようになるわけですね。
    「見返りを求めずに、正しいことをせよ」
    はアルキメデスの書斎に貼られた紙に書かれていたそうで、

    彼は出所後弁護士になったというから、お国柄の違いって

    凄いなと実感してしまう。犯罪映画としてはそれほど面白く

    なかった気がします。

     

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    SCOOP!

    3

    JUGEMテーマ:邦画

     

    scoop!

     

    「SCOOP!」

    監督:大根 仁

    2016年 日本映画 120分 PG12

    キャスト:福山雅治

         二階堂ふみ

         吉田 羊

         滝藤賢一

         リリー・フランキー

     

    フリーのカメラマン静は、パパラッチをして

    自堕落な生活を送っている。そんな彼は写真誌

    「SCOOP!」の新人記者、野火とコンビを組む

    ことを押し付けられてしまう。

     

    <お勧め星>☆☆ リリー・フランキーのジャンキー

    ぶりがすごいです。以上。

     

    パパラッチにラブと正義は不要

     

    パパラッチを描いた映画といえば、ジェイク・ギレンホール

    主演の「ナイトクローラー」(2014)を絶対に思い出す

    はず。あのギラギラしたまなざし、そしてとことんクズな姿に、

    鑑賞後気分が悪くなりました。それでも「成功」のためには

    「良心」など持ってはならない、という心意気が伝わったのです。
    さて、この映画はどうかというと、あの美しい

    (ふん、もう他人のものだけどね)

    福山雅治演じる都城静が、冒頭からホテル代をケチり、車の

    後部座席でコールガールと事を済まし、その直後ターゲットの

    写真を撮影するというクズっぷりを映像で見せます。

    口から出るのは下ネタと金の話、だらしない歩き方、

    ボサボサ頭、無精ひげで汚さをアピールしたところで、

    やはり福山雅治なんです。映画内で見せる元カノで写

    真週刊誌のチーフ、横川定子役の吉田羊とこんな風な

    美しい絵になってしまう。

     

    scoop!
     

    まあ、そこは仕方がないとして、前半は、リリー・フランキー

    演じるチャラ源とつるむ姿や定子との会話もゲスで、こいつ

    クズだなと思わせることには成功していると思います。

     

    scoop!

     

    どん臭い新人記者、行川野火を押し付けられ、彼女を

    お荷物以外の何物にも感じない姿は、二階堂ふみの好演も

    加わり、映画に引き込まれていきます。

     

    scoop!
     

    しかし、実は彼は元この写真誌の編集部にいた敏腕カメラマン

    だったとか、「報道スクープこそ原点だった」などとストーリーが

    流れ始めると、「ん?」と思い始めるのです。

    まあ、日本の道路事情でできるはずもないカーチェイスに挑戦し、

    銃の代わりに花火(よほど花火がお気に入りらしい)で追手を

    振り切る辺りは、アイデアで乗り切った感じもします。

     

    scoop!
     

    最も冷めてしまったのは、野火とのものすごく中途半端な

    ベッドシーン。二階堂ふみがヌードがアウトなら、始まりと

    終わりだけ映像化すればいいのに、なにやら夢の中のような

    雰囲気の画面に変わっても、そんなもの時間の無駄と思って

    しまう。また、唐突にカメラマンを志したきっかけが「キャパ」に

    憧れたと語り、この写真を取り出す。

     

    scoop!

     

    ああこれは絶対に使われるなと確信する瞬間です。
    クズなら、何の恩義があるのかしらないけれど、情報屋らしき

    男も利用し、大金を稼ぐことに専念すべき。終盤の強引な展開は、

    ドキリとするものの、私の中ではこの映画の評価が下がる一方

    でした。
    前半の面白さが100とすると、後半は0で、結局50くらいの出来

    だったなとブツクサ思うのです。

     

     

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