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    • 2023.01.12 Thursday
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    奴隷の島、消えた人々

    3

    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    奴隷の島

     

    「奴隷の島、消えた人々」

    原題:No Tomorrow

    監督:イ・ジスン

    2015年 韓国映画 88分

    キャスト:パク・ヒョジュ

         ペ・ソンウ

         イ・ヒョヌク

         リュ・ジュンヨル

     

    テレビ局の記者、ヘリは、カメラマンのソクフンと

    塩田での不当な労働状況の取材に向かう。知的障がい

    の人々が奴隷のように働かされている姿を見て、

    彼女は告発のための証拠集めを始めるが、作業員の

    口は堅く...。


    <お勧め星>☆☆☆ 思っていた内容と全く異なり、

    ゾクリとする恐怖を感じました。


    無関心はやがて忘却へ


    2014年、韓国で起きた新安塩田奴隷労働事件に

    インスパイアされて作られた映画なのですが、その

    事件を調べたうえで鑑賞すると全く別物になっている

    ことに気づきます。まず実際は100名ほどいたらしい

    作業員が4,5人でしょうか。また塩田のある問題の島の

    住民も4,5人くらいしか映りません。シーンも限られて

    おり予算がかなり少なかったことが伺えます。そこでの

    方向転換でしょうか。いやこの事件を忘れないために作った

    のだと思いたいです。
    韓国社会への問題提起ではあるにしろ、そもそもの人権問題

    でなく、な、なんとスリラーになっているのです。
    冒頭からなぜに警察署でヘリの映るビデオ映像を再生している

    のか。そして病院に横たわる人物が誰なのか。P.O.V映像

    つまりカメラマン、ソクフンが撮影した映像でヘリたちが

    塩田のある島について聞きまわる様子が目に入ります。

    いつ、何が起きるんだろう。やっとたどり着いた疑惑の島

    では、島民はなぜかその塩田の持ち主について口を濁すし、

    作業員は明らかに知的障がいがある。さらに持ち主の息子は

    ガラが悪いし、その父である社長は地元警察までも頭を下げる

    人物なんですよね。これについては毎度おなじみ感があります。

    一応本土へは戻るんですよ。このまま止めとけばいいのに、

    と思うけれど、実は事件を中途半端に取材したくないヘリの

    過去もあって、とことん突き止めようとするんですね。

    寒いんです。作業員の足は裸足でしもやけがつぶれているし、

    体や顔にはあざがあるんです。
    てな具合に社会派と思わせておいて、ソクフンの妻から

    「妊娠した」という電話がかかると、ピン、と来ました。

    (かなり遅い)
    短い映画だし登場人物も少ないので、さらっと見られます。

    そしてゾクリとします。よーく名前を覚えておきましょう。
    真実を知っているのがヘリだけであり、彼女が意識不明の間に

    ネットで、彼女の犯行説やら私生活が暴かれていくのは、

    日本も韓国も変わらず、その方がずっと怖いと思ってしまい

    ました。

     

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    ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    ライクアキラー

     

    「ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男」

    原題:A Kind of Murder

    監督:アンディ・ゴダード

    原作:パトリシア・ハイスミス「妻を殺したかった男」

    2016年 アメリカ映画 95分

    キャスト:パトリック・ウィルソン

         ジェシカ・ピール

         ビンセント・カーシーザー

         ヘイリー・ベネット

         エディ・マーサン

     

    建築家ウォルターは、過去の浮気が原因で妻クララとの

    仲が上手くいっていない。彼のささやかな趣味は犯罪小説を

    書くこと。そんな彼はバス休憩所で起きた殺人事件の記事を

    目にするのだった。


    <お勧め星>☆☆☆半 パトリシア・ハイスミス原作だけ

    あって不合理な展開に胸がざわつきます。


    願望と行動は同類なのか


    主役のウォルターを演じるのは、あの「死霊館」(2013)

    で夫婦漫才じゃなかった夫婦心霊研究家の夫を演じた

    パトリック・ウィルソン。彼はイケメンなのに、妻に尻に

    敷かれた男役がよく似合うんです。
    冒頭の映画館のシーンに出ているのは「おみおくりの作法」

    (2013)「シャーロックホームズ」シリーズなどの

    エディ・マーサン。「おみおくりの作法」は個人的にお勧めの

    映画です。静かで孤独な男を彼がとても上手に演じていました。

    エディ・マーフィじゃないんでよろしくね。さて次のシーンでは、

    妻クララをバス乗り場まで見送るウォルターが映るのですが、

    どう見てもウォルターは妻に疎ましがられているように

    見受けられます。さてこの人たちがどうつながるのか。
    なぜにクララがウォルターに冷たいのかは、どうやら彼の

    浮気癖にあるらしく、それが原因で、クララは猜疑心が強く、

    彼を束縛し、ついには精神科の診察を勧められているほどの

    状況らしい。年代的にみても1960年当時は、今のように

    心療内科など存在しなかっただろうし、ノイローゼ=精神科と

    みなされ、なかなか治療に向かう勇気が起きなかったのだろうな

    というのは想像に難くないです。
    そしてウォルターは建築家としても有名なんだけど、地下室で

    こっそり犯罪小説を書くのが趣味。だからスクラップブックに

    様々な事件の切り抜きが貼ってあるのです。そしてある時

    見つけたのが、バス休憩所での女性遺体発見事件。これは

    自分の小説に参考になりそうだし、詳しく知ると、遺体で

    見つかった女性の夫が犯人と疑われているという。ウォルターは

    好奇心に加え、その夫キンメルに一方的に共通点

    (これがまた自分だけそう思っているのに気づかない)を

    見つけるんですよ。困りますね。相手は全然共通点があるなんて

    思っていないし、できたらこの事件についてあれこれ調べて

    ほしくないのに。この勘違いというのは、原作者の小説に

    よく見受けられる意地悪さを象徴し、さらにコービー刑事という、

    一方的にキンメルを犯人と決めつける、ものすごく意地悪な男も

    登場します。
    「離婚するなら自殺してやる」
    クララの捨て台詞も見ている側には、もう意地悪としか思え

    ないんです。重いんですよ。それこそ「おもえもん」の世界

    なんです。とはいえウォルター視点からの情報ではそう感じる

    ものの、実際は、ウォルターはクララの言う通り、エリーなんて

    若い女性と浮気しているし、どれが真実なのか途中でわから

    なくなります。クララの実母の病状悪化でバスに乗り込んだのを

    見ると、そのバスを車で追うウォルターは、たぶんキンメルと

    同じ考えで行動している気分になっていたのでしょう。

    ものすごい思い込みなんだけど。
    警察のいい加減な取り調べや暴行、さらに勝手に家に入り込んで

    中を調べるというあり得ない行為も当時はあったんだろうなあ。
    キンメルのアリバイを証言したトニーが急に翻意した理由とか、

    ウォルターの家のメイドが急に辞めた理由とか、細かなところの

    説明は全然されないので、とりあえず目のまえの映像で理解する

    しかありません。事件の真相も結局のところどうだったんだろう。

    どちらにもとれる内容でした。
    ただ1点、とても残念なのは、クライマックスの地下のシーンで、

    暗すぎて人物の区別がつかないところです。みんなハットと

    コート姿だから、せめて何か違いをつけてほしかったなあ。

    しばしば入り込む雪の降る情景が印象的です。

     

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    永い言い訳

    4

    JUGEMテーマ:邦画

     

    永い言い訳

     

    「永い言い訳」

    監督:西川美和

    2016年 日本映画 124分 PG12

    キャスト:本木雅弘

         竹原ピストル

         藤田健心

         深津絵里

         池松壮亮

     

    作家の幸夫は、不倫相手と逢瀬を楽しんでいる時、

    妻夏子の事故死の知らせを受ける。彼女の死に涙が

    出ない幸夫のもとに、同じ事故で妻を失った夏子の

    親友の夫陽一が連絡してくるのだった。


    <お勧め星>☆☆☆☆ 男性の視点から人間の心を

    描いた秀逸な映画です。


    泣けない理由は自分が弱いから


    西川美和監督作品で鑑賞したものは「ゆれる」(2006)、

    「夢売るふたり」(2012)。個人的には「ゆれる」の

    まさに兄弟のゆれる心を描いた方が、静かで

    かつ残酷であり、そして希望のあるラストで好みです。
    監督自身が、絶対条件としていた「二枚目の主人公」

    衣笠幸夫(この名前もググると監督の思いが伝わります)役

    は本木雅弘。二枚目という外見のせいで逆に不幸になって

    しまう男を、時折大げさすぎるほどの表情を見せながら

    演じています。イメージは冷静で物静かな、CMのように

    日本茶を飲んでいる感じなので、このギャップには驚かされる

    のです。一方事故死した妻夏子の親友の夫、大宮陽一役は

    竹原ピストルで、これがまたはまり役。思いが全て顔に

    出るし、行動にも出てしまう。そんな単純な男なのです。
    20年連れ添い、子供を作らず優雅な高級マンション暮らしの

    衣笠家は、室内が殺伐としており、家庭ではなく単なる「箱」

    であるのに対し、2人の子供がいて狭い団地に住む大宮家は

    生活感丸出し。洗濯物はカーテンレールにかかっているし、

    食卓も物であふれかえっています。それでもこれが「家庭」

    なんだろうなと実感します。
    妻に全く関心がなかった幸夫がなぜ大宮の子供の世話をするのか。

    そこには3年ほどろくに物が書けずにいた幸夫にとって小説の

    ネタになると考えたのは至極当然なことなのです。わたしも

    幸夫の行動のきっかけはそれだと思うのですが、大宮家の子供、

    特に長男真平の冷静な姿に自分を重ね合わせたのではないかと

    考え始めたのは、映画の終盤です。
    妻の死に泣けず、おまけに妻の「もう愛していない ひとかけらも」

    という保存してある未送信メールを見てしまった幸夫の喪失感と、

    母ではなく父が死んでいればよかったと思い続けたいた真平の心が、

    ある部分でシンクロしたのではないか。
    あれこれ言葉を並び立てても、その中身は空洞なままであり、

    その言葉に息を吹き込むのは、そばに寄り添う人や寄り添いたいと

    思う人に存在なのだなあと実感します。

     

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    女教師〜シークレット・レッスン〜

    4

    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    女教師

     

    「女教師〜シークレット・レッスン〜」

    原題:Misbehavior

    監督:キム・テヨン

    2017年 韓国映画 97分

    キャスト:キム・ハヌル

         ユ・イニョン

         イ・ウォングン

     

    <お勧め星>☆☆☆ よくできているけれど

    昼メロっぽくてドロドロしているなあ。


    何が彼女を悪魔にしたのか


    韓国といえば「格差社会」であり、(日本でも

    そうだけれど)家柄、学歴、コネがあらゆることろに

    はびこっています。有名大学に入れなければまずそこで

    一生かけても越えられない壁ができてしまう。逆に

    持っているもの、つまり財閥だいまだに存在し、

    ナッツ姫のように兵役逃れのために息子を海外に

    住まわせたり、有名大学入学すらも可能らしい。特に

    映画でよく扱われるのは警察のいい加減さで、上司の

    顔色を伺いながら適当な証拠をでっちあげて、それらしい

    犯人も仕立て上げ、それが冤罪であると信じ、独自の

    捜査をする刑事が現れるというストーリーは幾度と

    なく見てきました。
    この映画では、「私を忘れないで」(2016)の

    キム・ハヌル演じる、見るからに幸薄そうな男子校の

    非正規採用教師ヒョジュが主役。服装も地味だし、

    髪型も無造作に一つにくくっただけ。30歳はとうに

    すぎているでしょうか。いつまでも正規採用されず、

    家では10年来のヒモのような男が居座っている。

    映画の中にはクズっぷりを見せる人間が幾人か出て

    きますが、まずは第一号ですね。
    そしてたまたま産休に入った教師の代わりにヒョジュは

    担任を持つわけです。その中にバレエ特待生ジェハがおり、

    夜体育館で黙々と練習する彼の姿に、自らの夢を重ねた

    のかしらねえ。だって天使のような笑顔を見せるんだもん。

    純粋無垢に見えたこのジェハ。
    そんな頃理事長の娘ヘヨンが正規採用の教師として赴任

    します。あんたさー、金もあるし、金持ちの婚約者もいるし、

    何も働かなくても嫁入り修行してればいいんじゃないの〜?

    と誰でも思うはず。全くの世間知らずのような雰囲気だし、

    ブリブリの服装で出勤するんです。「せんぱーい」なんて

    言われてもヒョジュはめちゃくちゃ冷たくしちゃう。

    分かるよ、その気持ち。でも絶対にかなわないんだよ。

    さらにそのヘヨンとジェハが体育倉庫で抱き合っている

    現場を目撃するわけです。ブッチーン!1回目の怒りの

    糸が切れますね。同時にヒモ男が家を出ていく。ブチ。

    これは少しだけ切れたかな。このようにヒョジュの心の

    糸は怒りで幾度となく切られていくのです。ジェハが見事

    バレエコンクールで銀賞を獲ってウキウキしているヒョジュが

    あまりに哀れでたまりません。その後、今度は深く糸が

    グサリと切れます。そしてジェハとヘヨンとの真相を

    知って、それでも自分の仕事のために耐えようと思ったのに...。

    ブチチチ〜〜ンン!多分地響きが起きるくらい音を立てて

    切れたと思う。その時の無表情なヒョジュの顔がものすごく

    怖いです。だいたいヘヨンになんか最初から勝てる相手では

    ないんですよ。それは自分でもわかっていたからヒョジュは

    冷たい態度をとることで、プライドを保っていたのかも

    しれません。そこにジェハなんて迷える羊のように見える

    少年が絡んできたから、ものすごいことになるんです。
    ラストを正当化しませんが、「ざまあ」とは思ってしまいます。

    (いやな性格だ)

     

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    弁護人

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    弁護人

     

    「弁護人」

    原題:The Attorney

    監督:ヤン・ウソク

    2013年 韓国映画 127分

    キャスト:ソン・ガンホ

         イム・シワン

         キム・ヨンエ

         クァク・ドウォン

         ソン・ヨンチャン

         オ・ダルス

     

    1978年高卒で裁判官になったウソクは、

    不動産登記専門弁護士に転身する。彼は、次々と

    仕事を拡大し、釜山で最も稼ぐ弁護士の1人となるが、

    その彼がかつて世話になった食堂の息子が不当な

    裁判を受ける話を知ってしまう。


    <お勧め星>☆☆☆☆ やはり丁寧に作られており、

    俳優陣の演技力も素晴らしいです。


    愛国と正義は共存しないのか


    ソン・ガンホが主演なので安定の演技力なのは当たり前

    のこと。そういえばこの人、朴槿恵大統領時代

    「ブラックリスト」に載っていた俳優の1人だとか。

    つまり国家を批判したり扇動する恐れがある人たちの

    リストがまだ存在したということなのですね。
    映画の前半では高卒で異例の裁判官となり、ひたすらお金を

    稼ぐことに明け暮れる弁護士に転身するウソクと、後半には

    国家保安法違反で逮捕された知人の息子の弁護をする

    人権派のウソクはまるで別人のようです。ソウル大での

    デモについて「勉強が嫌いだからデモなんかするんだ」と

    言い切るのは、彼が大学に行っていないことへの劣等感の

    裏返しであり、それはかつての学戦運動の際、それを阻止

    する機動隊員が「あんな学生たちは親からの金でのほほんと

    暮らしているとんでもない奴らだ」と刷り込まれた構図と

    似ているかのように感じます。自分の知らないことを知る

    努力をしないと、誰かの言いなりになってしまう。それは

    とても恐ろしいことです。
    映画内で出てくる釜林(プリム)事件は、全斗換政権が

    釜山地域の民主勢力を抹殺するために、学生や社会人を

    不当に逮捕、監禁、拷問した事件で、この拷問から自白調書を

    書かせるシーンまでがまことに生々しく描かれています。

    クァク・ドウォン警監演じるチャ・ドウォンが、また怖い

    のなんのって。そしてその拷問を受けた1人ジヌ役はZE:Aの

    イム・シワンで、韓国ってアイドルでもこんなリアルな役を

    演じるんだと感動すら覚えるのです。
    昔の恩人の息子のために税法専門の金儲け弁護士から一転して

    人権派弁護士と変わり、それによって大企業の顧問弁護士の

    座も捨ててしまう。そこまでしてウソクが求めたものは

    何だろう。当時(今も多分そう)韓国司法界は、出来レースで

    あり、いかに「量刑」を軽くするかを裁判官、検事、弁護士で

    前もって打ち合わせているという、およそ真理の追求とは程遠い

    もの。したがってウソクの求める「無罪」というものを勝ち取る

    ことは限りなく困難であり、次々に証拠を出しても、それを覆す

    不条理な手段を使われるのです。たまたまウソクがジヌと接見

    でき、彼の体に残る拷問の跡や彼の話を聞けたから、裁判でも

    主張はできたけれど、もし会うことすらないまま裁判に入って

    いたら、不当な逮捕、さらに国家転覆計画の疑いなど晴らす

    こともできなかったのです。いや、結局晴らせないけれど。
    ウソクの孤軍奮闘ぶりは一般庶民からすると極めてまっとうな

    ことなのに、全てを拒絶され、法をふりかざして「愛国」を

    声高に叫ぶ権力には、立ち向かうことができないのです。
    韓国にすると、北朝鮮というのは自国の領土を共産主義の金氏が

    率いる労働党が占領しているという考えがあるわけで、2国の

    存在を主張する人々は、そもそもの建国精神を揺るがすことに

    ほかならないのです。このソン・ウソクが後の廬武鉉大統領が

    モデルとなっており、彼の最期は韓国歴代大統領の

    それと同じ道筋をたどったものの、1つ異なるのは、彼の死後、

    彼への評価が見直され、極めて高い人気を保っているということ。

    彼は最後まで庶民に寄り添う人間だったのでしょう。

     

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    奇蹟がくれた数式

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    奇蹟がくれた数式

     

    「奇蹟がくれた数式」

    原題:The Man Who Knew Infinity

    監督:マシュー・ブラウン

    2015年 イギリス映画 108分

    キャスト:デブ・パテル

         ジェレミー・アイアンズ

         デビカ・ビセ

         トビー・ジョーン

         ズスティーブン・フライ

     

    1914年、インド人ラマヌジャンは、イギリスの

    ケンブリッジ大学のハーディ教授に招かれイギリスへ

    渡る。彼は天才的な数式を発見していくが、周囲の

    目は冷たく、また本国に残してきた妻への思いも募る

    のだった。


    <お勧め星>☆☆☆半 伝記映画としてとても上手に

    作られています。


    数学ではなく数覚


    数学についてラマヌジャンが妻にその楽しさを語る

    シーンがあります。そこで彼は海岸の砂を手に取り砂の

    粒でたとえ話をするのですが、数学オンチの私には

    まったく理解できません。それは天才であったラマヌジャンが、

    その数学に対し、深い愛情を感じ、そこに眠る無限の謎を

    解き明かしていく喜びに取りつかれていたのだと思うのです。
    高校時代、数学や物理が得意な生徒が幾人かいて、なぜ

    その公式に結びつくのか、どうしたらその発想ができる

    のか不思議でたまりませんでした。逆に彼らの中には、

    国語の論述問題が苦手という人もいる。それが学問の世界

    かもしれません。両方苦手でもスポーツだけはできます!

    という子もいましたね。
    主役のラマヌジャン役を演じるデブ・パテルは、

    「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)

    「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2011)

    でもインド人として登場し、豊かな表情には大変好感が

    持てました。
    1914年、インド、マドラスで、学位のないラマヌジャンの

    不遇な身の上から、ケンブリッジ大学に招聘されたものの、

    「インド人」であるがゆえの差別、第一次世界大戦勃発に

    よる学術部門での苦悩、またマドラスにおける実母の妻に

    対する仕打ちなどが次々に映ります。
    映画の中では「数学」について話をするシーンがあちこちに

    映り、「博士と彼女のセオリー」(2014)のように

    私生活に重きが置かれておらず、あくまでも数学者としての

    ラマヌジャンの真摯な姿が全編に渡って流されます。病に

    侵されたことも、その後の展開も出来る限り最小限の映像で

    収めて、ラマヌジャンとハーディ教授、リトルウッド教授の

    研究の姿を描き切ったことは、ポイントのズレがなく見られると

    思います。またラマヌジャンによって、ハーディ教授自身も

    「他人との関わり方」を身につけて行くのもわかるのです。

    学者バカではやはり共同研究はできなし、他人の賛同を得る

    ことも難しい。ラマヌジャンは無神論者のハーディ教授に自らの

    発想は

    「女神(ヒンドゥー教?)が毎朝枕元に数式を置いていく」と

    語るのです。(マドラスは現在はチェンナイという名称)やはり

    宗教に心のよりどころを持つと、逆境にも立ち向かえるのだろうか。

    いやそこには才能というものがプラスされなければいけないな。

    彼の死から一世紀を経て「ブラック・ホールの研究」に彼の

    数式が役立っているということを知ると、やはり宇宙規模の

    能力の持ち主だったのだと納得します。そしてその魅力に

    取りつかれた者はいつの時代もその夢の中から抜け出せなく

    なるのだろうなと勝手に考えています。

     

     

     

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    特捜部Q Pからのメッセージ

    2

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    特捜部Q

     

    「特捜部Q Pからのメッセージ」

    原題:Flaskepost fra P

    監督:ハンス・ペテル・モランド

    2016年 デンマーク=ノルウェー=スウェーデン

    =ドイツ映画 112分

    キャスト:ニコライ・リー・カース

         ファレス・ファレス

         ポール・スベーレ・シュミット

     

    「助けて」と書かれた手紙の入った古いボトルが

    海岸で見つけられる。カールとアサドたちQチームは

    その手紙に事件性を疑い、捜査を開始すると宗教絡みで

    行方不明になっている子どもたちの存在を知る...。

     

    <お勧め星>☆☆☆半 やはり面白い。北欧の寒々しい

    雰囲気がぴったりです。


    子供は無知だが夢を持っている


    特捜部Qシリーズで映画化された「檻の中の女」(2013)

     

    特捜部Q

     

    「キジ殺し」(2014)

     

    特捜部Q

     

    はいずれも原作を読んでから映画を鑑賞したのですが、

    今回は未読のまま映画を見てしまいました。なので映画

    単体での出来具合が逆によくわかるというもの。

    (いややはり原作は読んでおくべきだとamazonにて購入

    しました)
    「檻の中の女」はとにかく主役のカールが小説にイメージと

    ぴったりだったのに驚きました。そしてほぼストーリーは

    同じで、限りなく最小限度にそぎ落とした感じ。その年観た

    映画では満点をつけたほどです。そして「キジ殺し」は逆に、

    とても大事な部分を変えてしまったことで、それは

    「ソロモンの偽証」の映画化と同じで、そこを変えたら話が

    すっかり変わってしまうじゃないとやや憤慨したものです。
    さてこの「Pからのメッセージ」は海岸に流れ着いたボトルの

    中の手紙から話が始まります。もちろんその前に手紙を苦労

    して書いた少年が映るので、ああ、これが事件の発端なのだと

    理解します。前回の事件の衝撃で休職中のカール、そして

    部下アサド、ローセが手紙を解読し、捜査を開始する一方で、

    「神の弟子」という宗教集団の信者の姿が映ります。

    「檻の中の女」では5年前に失踪し、自殺したことになっていた

    女性政治家、「キジ殺し」では20年前の寄宿学校での殺人事件を

    追いましたが、今回はこの手紙が書かれた7,8年前の事件を

    追うことになります。まず手紙の解読、書かれた文字から

    被害者が子供であること、宗教関係でいなくなった子供は

    いないか、など次々に情報を収集し、ターゲットを絞っていく。

    このテンポの良さはおそらくは原作ではかなりのページを

    さいていたはず。そして見つかったのが、ドラッグ中毒で不良の

    たまり場にいるトレクヴェであり、彼は自分がどこにいたのか

    「ある音」でしか覚えていません。

     

    特捜部Q

     

    一方この事件の犯人は早々にわかり、いかにも美男子を絵に

    かいたような男性です。そして同じ頃幼い姉弟を誘拐する

    わけです。彼がこのような行為をする理由は、幾度となく

    映る彼自身の不遇な生育環境にあったわけですが、それが

    どういった形で自分を正当化していたのか。それを知る

    のは映画の終盤であり、姉弟の両親が身代金を受け渡す

    場所に指定された列車のシーンでは、今回お初となる

    ヘリコプター登場。Qチームもこれだけ事件を解決して

    いたら予算もつくもんだと思ってしまいます。まあ、列車の

    中に犯人がいるかどうかなど普通分かり切ったことなので、

    それを妄信して大量の捜査員を送る警察の姿はちょっと

    違和感あり。それでもその後に続くスリリングなシーンの

    連続で目はくぎ付けなのです。
    そうそうトレクヴェが聞いていた「ある音」というのが

    何かが判明するのは、もう危機一髪の時なんですよ。人間の

    耳は危機的な状況下におかれ続けると研ぎ澄まされ、その時の

    音を決して忘れないんだろうなと思ってしまう。それは映画内で

    幾度も映った「アレ」の音だとは。
    犯人がなぜカールの携帯番号を知っていたのかとか、

    毎回現場に到着するのがアサド一人とかそんな些細なことに

    目をつぶるとたいへんよくできていたサスペンスでした。
    名前から分かるように神への信仰の厚いアサドと、全くの

    無神論者のカールの対比もジョークを交えて映され、

    ラストは宗教色を残してエンディング。このシリーズは

    原作がまだたくさんあるから次もできるんだろうな。

    楽しみな映画です。

     

     

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    われらが背きし者

    2

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    われらが背きし者

     

    「われらが背きし者」

    原題:Our Kind of Traitor

    監督:スザンナ・ホワイト

    原作:ジョン・ル・カレ

    2016年 フランス=イギリス映画 109分 

    PG12

    キャスト:ユアン・マクレガー

         ステラン・スカルスガルト

         ダミアン・ハリス

         ナオミ・ハリス

     

    イギリス人大学教授ペリーは、妻で弁護士のゲイルと

    共にモロッコで休暇中、ロシアン・マフィアのディマ

    から重要な証拠をM1:6に届けるように依頼される。

    彼は単に届ける仕事と考えてロンドンに戻るが...。


    <お勧め星>☆☆☆半 巻き込まれサスペンスとして

    はやはりよくできたストーリーです。


    高いワインにつられるな


    映画「裏切りのサーカス」(2011)の

    ジョン・ル・カレ原作の作品ですが、スパイがらみの

    ものとしては割と単純なストーリーなんです。
    冒頭でのモスクワでの一家射殺シーン。雪の中に

    倒れこむドレス姿の少女がなんと美しいことか..。

    と思っていたら、次はモロッコ、マラケシュのめっちゃ

    暑そうな部屋での男女のベッドシーンです。は?これが

    どうつながっていくんだろう。いや、この時点では1ミリ

    もつながっていないんです。いつもはお尻を見せる担当の

    ユアン・マクレガーはバストのみ、逆に美しい

    ナオミ・ハリスがヒップを見せてくれます。(お尻なんて

    言っちゃ失礼です)大学教授ペリーと弁護士の妻ゲイルは、

    ペリーの浮気による関係悪化を修復するためバカンスに

    訪れたらしい。あーた、そんなことで仲直りできると

    思ったら大間違いよ!
    そしてなぜかウルトラ高級レストラン(ワインが1ボトル

    100万以上する)で、食事をしているのに、妻は仕事の

    電話が入り、先に帰ってしまう。それをチラ見していたのが、

    絶対に町であったら目を合わせたくないタイプの男性ディマで、

    周りには護衛のような取り巻きさえ付けているんです。

    「ドラゴン・タトゥーの女」(2011)でも存在感が

    際立っていたステラン・スカルスガルトが、この怖ーい役に

    ぴったり。でも勘違いしてはいけません。ロシアン・マフィアの

    中でも実は組織に忠実であり、冒頭の射殺事件をもくろんだのが、

    資金洗浄目的の銀行をヨーロッパに開くため、イギリス高官と

    手を組んでいるロシアン・マフィアのトップ、新プリンスと

    敵対している...。いかにもロシアらしい駆け引きと裏切りの

    連続なのに、対するイギリスのMI:6側がかなりお粗末な行動

    ばかり。そこには大きな理由があるんですが、たまたまディマと

    接触した一民間人ペリーを活用し、悪事を暴こうとする考えは

    かなり無理があるような気がします。原作は長編小説なので

    そこは大きく端折ったのでしょうか。それにしてもディマが

    ペリーのクレジットカード番号を一瞬で覚えてしまう能力は、

    これ絶対に使われるぞと確信していました。そういうことが

    わかってしまうのがとても残念でもあり、もう少し難解でも

    頑張れるぞと言うのが見終わっての感想です。
    モスクワ→モロッコ→ロンドン→パリ→ベルン→フレンチアルプスと

    景色をいろいろ楽しめます。

     

     

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    パッセンジャー

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    JUGEMテーマ:SF映画 一般

     

    パッセンジャー

     

    「パッセンジャー」

    原題:Passengers

    監督:モルテン・ティルドゥム

    2016年 アメリカ映画 116分

    キャスト:ジェニファー・ローレンス

         クリス・プラット

         マイケル・シーン

         ローレンス・フィッシュバーン

     

    スペース・コロニーを目指すアヴァロン号に乗船

    したジムは、あるアクシデントにより、90年早く

    目覚めてしまう。彼は船内に同じような人間がいない

    か探し始めるが...。

     

    <お勧め星>☆☆☆ SF+ラブストーリー+サスペンス

    という感じで、ラブが特に強いかな。


    目覚めたのが美男でよかった


    監督は

    「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

    (2014)のモルテン・ティルドゥム。あの映画は、

    予告編では想像できない本編の展開に、良い意味で期待を

    裏切ってくれました。今回の「パッセンジャー」では

    VFX映像を駆使した宇宙船内や宇宙空間、そして近未来の

    日常生活機器まで丁寧に描かれています。さすがセットに

    1億1000万ドルかけただけのことはあります。宇宙船の

    姿も極めて独特な姿で、その動きすら目を見張ります。
    さて、大前提として言いたい、声を大にして言いたいのは、

    あと90年冬眠するはずが、流星の衝突で覚醒してしまった

    可哀そうな人間が、クリス・プラット演じるイケメンのジムで

    よかった。これが崩れると全ておじゃんになってしまいそう..。

    5000名の乗客の中でもエコノミークラス扱いの技術者に

    すぎないジムは、船内で利用できる食事や施設なども限られて

    いるわけで、これって豪華客船のクルーズでも同じかなと

    思ってしまう。行ったことないけどそうなんだろうな。
    そしてもう一人の乗客オーロラ役をジェニファー・ローレンスが

    演じているんですが、彼女はいわゆるファーストクラスなんですよ。

    それはさておき、ジェニファー・ローレンスと言えば、

    アカデミー賞授賞式でドレスの裾を踏んでずっこけたり、

    自撮り写真が流出したりと(あれは見ちゃダメ)いろいろ

    お騒がせがあるものの、安定の演技力とハスキーボイス&ふくよかな

    体型がとても魅力的なんです。映画内でとてもおかしな水着を

    着用して幾度となくプールで泳ぐシーンがあり、あの色っぽさは

    何度見ても目が釘付け。あ、クリス・プラットもお尻が

    見えていたか。あれはどうでもいいかな。このプールシーンでは

    後半、突然無重力になり、水から抜けられなくなります。

    その時の演技のために長時間にわたって鼻まで水につけることを

    し続けたとのこと。迫真の演技です。
    そしてあと2人、アンドロイドのアーサーとほぼ終盤に突然現れる

    クルーの1人ガスがいるだけで、限られた空間の中での2人の

    人間ドラマを堪能するというところでしょうか。
    そもそもなぜエコノミークラスのジムとファーストクラスの

    オーロラ2人なのか、そして2人がラブから喧嘩シーンに

    変わるのはなぜなのか。それを知るとアメリカ国内で反発を

    呼んだのも頷けるのです。まさに「murder」ですよね。
    ラスト付近の勇敢な行動ですべてがチャラになることや

    そもそもあんなに簡単にひび割れたり、故障したりするのか

    とも思うけれど、希望のあるラストは好感が持てました。

     

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    午後8時の訪問者

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    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    午後8時の訪問者

     

    「午後8時の訪問者」

    原題:La fille inconnue

    監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ

       リュック・ダルデンヌ

    2016年 ベルギー=フランス映画 106分

    キャスト:アデル・エネル

         オリビエ・ボノー

         ジェレミー・レニエ

     

    医師のジェニーは、診療時間過ぎの午後8時に鳴った

    玄関ブザーを無視する。そして翌日警察から、その

    ブザーの主である女性が亡くなっていたことを知らされ、

    彼女は女性への罪悪感に苛まれていく。

     

    <お勧め星>☆☆☆半 地味な映画ですが、1人1人の

    心の中が丁寧に描かれています。


    人間として正しいことをすることの価値


    わたしの大好きなダルテンテ兄弟監督作品です。

     

    午後8時の訪問者

     

    「ある子供」(2005)では、子供が生まれた

    若い男女が、まだ親としての自覚のないまま、その

    子供を売りに行こうとする姿を描き、

     

    午後8時の訪問者

     

    「少年と自転車」(2011)では、離れて暮らす

    父恋しさに、実は疎ましがっている父に元へ向かう

    少年を、

     

    午後8時の訪問者

     

    さらには「サンドラの週末」(2014)では

    労働者の過酷な雇用の状態を、ある一市民の視点

    から描いていました。そこには見る側がどう考える

    かの問題提起のみで、ラストも唐突に終了。そこに

    残るのは絶望でなく、限りなく小さな希望の灯を

    感じるものばかりです。
    さて、この映画は、劇場予告編では、サスペンス映画の

    雰囲気がプンプン漂っていましたが、実際はどうか。
    診療所の代診として勤務したジェニーは、研修医の

    ジュリアンと2人でいた時、時間外に玄関ブザーが鳴る

    のです。答える必要はないとジュリアンを制するジェニー

    はなぜか苛立っています。実は彼女は新しい医療センター

    赴任が決まり、気持ちはそちらに向いているらしい。

    もう順風満帆の未来が開けてきたところなんです。ここで

    知るのは、フランスにおける研修医というのは正式な医師で

    はなく、これを経て国家試験を受ける身であるということ。

    さらに保険診療患者ばかり引き受けている貧しい地区の

    診療所への医師のなり手が極端に少ないことです。まあ、

    日本でも診療科によって人気がかなり異なるし、勤務医

    よりも開業医の方が絶対に収入が多い。医師という仕事は

    「人の命を預かる」という極めて崇高な志のもとにめざす

    べき仕事であるはずのものが、なぜか金儲けのほうに比重が

    傾いていることも否めないのです。
    そしてジェニーは翌日警察官から、例のブザーを押して

    若い女性が亡くなったことを知らされます。その時彼女の

    頭によぎるのは「なぜあの時ドアを開けなかったのか」と

    いう医師としての倫理観なのです。別に診察時間外だし、

    一度きりのブザーに答えなくても彼女には何の罪もない

    かもしれない。しかし患者として訪れる貧しい人々や

    不法就労者、移民などを毎日診ていたはずの彼女がなぜ

    救えるはずの命を救えなかったのか、と悩むのは非常によく

    わかるような気がします。つまり医師としての義務=人の命

    を救うこと、という最も基本的なことを怠った自分への悔悟の

    念でもあったのでしょう。それは人に接する態度、例えば

    高飛車に出てしまったジュリアンへの自分の姿をも許せなく

    なるわけで、彼女はとりあえず必死で亡くなった女性の

    身元調査をするわけです。自分だったら...とか、

    ここまでしなくても...という思いはあちこちのシーンに見られ、

    その過程でフランスにおける底辺に蠢く人々の声なき声に耳を

    傾けることができます。逆に亡くなった女性の映った防犯

    カメラ映像は、ジェニーだけでなく、実は彼女を知っていた

    数名の人々の心の底に眠る「人間としての心」を呼び覚ます

    ものであったと思っています。やはりラストは暗転し、

    その後に含みを持たせたものでした。BGMは一切なく、診療所の

    玄関ブザーの音、携帯の呼び出し音、高速道路を行きかう車の

    音だけが繰り返し流れ続け、いつしかその世界に入り込んで

    しまうものとなっています。

     

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