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    • 2023.01.12 Thursday
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    記憶の夜

    3

    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    記憶の夜

     

    「記憶の夜」

    原題:Night of Memory

    監督:チャン・ハンジュン

    2017年 韓国映画 108分

    キャスト:カン・ハヌル

         キム・ムヨル

         ムン・ソングン

         ナ・ヨンヒ

     

    二浪中のジンソクは、文武両道の自慢の兄ユソクを

    持っている。しかしその兄が雨の晩に何者かに拉致

    され、19日後戻って来たものの、その間の記憶が

    ない。その日からユソクの様子に変化が見られ、

    ジンソクはその秘密を探り始めるが...。


    <お勧め星>☆☆ 韓国映画のハズレはあまりない

    けれど、個人的にはこの映画は大ハズレでした。


    トンネルを抜けるとやはり闇の中


    前半は何かがおかしいけれど、それが何なのか、誰なのか

    わからず、先の展開を期待してしまいます。
    主役のジンソクを演じるのは、カン・ハヌル。少し前に

    見たなと思ったら「善悪の刃」(2017)で冤罪で

    服役したヒョヌ役を演じていて、端正なルックスなのに、

    ふとした瞬間に影がある雰囲気を見せてくれます。

     

    記憶の夜

     

    そしてその兄ユソク役は「ノーザン・リミット・ライン

    南北海戦」(2015)で男前の艇長役を演じたキム・ムヨル。

     

    記憶の夜
     

    この映画では実際と同じ30分間の海上戦闘シーンが繰り

    広げられ、そのリアリティーある映像に手に汗を握りました。
    さて、映画は、ある一家の引っ越し風景から始まるのです。

    父、母、兄と共に新居に引っ越してきた浪人生ジンソク。

    開けてはいけない部屋、そこから聞こえる音、彼が時折見る、
    自身が暴行を受ける悪夢。この家に問題があるのか、家族に

    問題があるのか、ジンソクに問題があるのか、一切わからない

    ままユソクが誘拐されるのです。
    そして19日後に突然ユソクが戻って来るものの、誘拐されて

    いた期間の記憶が一切ない。が、しかーし、その日から

    ジンソクはユソクの行動の違和感を感じ始めるわけです。

    あれ?ユソクが引きずる脚が逆。

    あれ?こんな夜更けにどこへ行くんだろう。

    ところがかなりハラハラする展開の後に「それは夢でした」と

    いうシーンがしばしば見られ、これも夢かいな、と思って

    いると、おっとどっこい後半はまったく違う展開になります。

    いえ、その辺りまで見ると、大体のストーリーが読めてきますが、

    いかんせん、大事なところはあまりに短すぎ、どうでもいい

    ところは無駄に長いという構成にイライラが増すばかりです。
    1つあげると、必死で逃げているのなら後ろを何度も振り返るな、

    狭い路地にわざわざ入り込むな、相手が事故を起こしたら、

    そろそろとその姿をのぞきに戻るな、ですね。B級ホラー映画

    じゃないんだからさー。

     

    記憶の夜
     

    さらに真相が明らかになってからの展開は、あまりに暗く、

    サスペンスというより不幸な者同士の不条理な争いとしか

    思えなくなります。涙なんか1滴も出ないんだから。

    エンディングの1カットに至ってはさすがにこれはやり過ぎ

    だろうと思うばかりでした。

     

     

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    クローズド・バル

    4

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    クローズド・バル

     

    「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」

    原題:El bar

    監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア

    2017年 スペイン映画 102分

    キャスト:ブランカ・スアレス

         マリオ・カサス

         ジェイミー・オルドネス

         カルメン・マチ

     

    マドリードの一軒のバルで、客が外に出た途端一発の

    銃弾に倒れる。さらに様子を見に行った客も同じ

    ように狙撃されてしまう。店内の客たちは人気の

    なくなった街で何が起きているのか恐怖に襲われて

    いくのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ 先が全く読めす、さらに

    見終わってからも考え込む内容です。


    バルの中と外は何が違う?


    監督は「気狂いピエロの決闘」(2010)

    「刺さった男」(2011)などの

    アレックス・デ・ラ・イグレシアです。前者はスペイン

    内戦やそれ以降の国内の混乱状態をピエロを使って

    見事に皮肉っていました。ピエロは、道化師とは

    思えないですよね。最近ではホラーの定番になりつつ

    あります。最近でもないけれど「IT/イット」(1990)

    に始まり「道化してるぜ」(2012)「クラウン」

    (2014)「IT/イット ”それが見えたら終わり”」

    (2017)などあの顔を見て笑う子供がいるのだろうか、

    誕生日パーティーにわざわざ呼んで、一向にやって来ない

    から父親自らピエロに扮したらそれが脱げなくなるん

    じゃないか、(「クラウン」ね)そんなことしか思い

    浮かばなくなりました。しかし「気狂いピエロの決闘」

    はホラーではなく、1人の女性を取り合うはずが、多く

    の物を失い、破壊し、自らも傷つけ、結局取り返しの

    つかないラストを迎えるというまことに悲劇的な内容です。
    後者の「刺さった男」は、文字通り鉄の棒が刺さった男

    を巡る周囲の人々とその男自身の思惑を極めて滑稽に

    描きつつ、ラストは、人の不幸を売り物にすることは

    人間の尊厳を踏みにじる行為であると痛感させられる

    のです。どちらの映画もメッセージ性が強い。
    さてこの映画はどうでしょう。マドリードの交差点に

    ある1軒のバルに取り残された?いや、たまたま

    居合わせた人々の悲劇を、やはりコミカルな要素を入れ

    つつ描いています。オープニングクレジットの背景に

    何かの菌が増殖していく姿が映し出され、ものすごく
    気持ち悪いのと同様に何の意味があるのだろうと思って

    いると、その意味に気づくのは映画が始まってかなり

    後です。とにかくなぜ外に出た客が突然射殺されたのか?

    そしてその男を確かめに行ったもう一人の客もなぜ狙撃

    されたのか?さらに遺体が無くなっているのはなぜか?
    「なぜ」の連続で、菌のことなど微塵も思い出しません。

     

    クローズド・バル

     

    店の中では、バッグに爆弾が入っているだの、銃を持って

    いるのはなぜかだの、見知らぬ人々同士が互いを疑い合う

    醜い姿が見られ、さらに極限状態が進むと、それが

    エスカレートしていく一方なのです。

     

    クローズド・バル
     

    外には装甲車が出現し、防毒マスク姿の人間が何やら燃やし

    始める。ここに来てピンとくるわけですよ。あ、客も同じ

    だった。ピンと来るポイントが同じなんて!そういえば冒頭に

    トイレに駆け込んできた客がいたし、その男は、トイレ内

    でものすごく膨らんで死んでいます。ここからは、日頃

    親しくしていた人間同士でも、自分の安全のために仲間

    割れし、助け合っているように見せておいて、実は欺こうと

    する人も出現して、これでもかと人間のエゴ丸出しの姿を

    見せつけていきます。

     

    クローズド・バル
     

    さらに「銃」という武器を持つことによって、立場がくるくる

    変化していくのも、端から見ていると本当に虚しい限り。

    登場する中でただ一人若くて美人のエレナが、下着姿に

    なり体にオリーブオイルを塗って、下水溝に降りていく姿は

    かなりエロティックですが、その姿に鼻の下を伸ばす男たち

    を見ると、こんな状況でもスケベ心が消えないのかと、

    ハリセンで頭をはたきたくなります。
    結局何も知らないまま命を落とした人たちの不憫さと、

    その出来事が一切伝えられず、見せかけのニュース映像や

    報道を信じることへの恐怖を痛感するのみでした。

     

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    リトル・アクシデントー闇に埋もれた真実

    4

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    リトル・アクシデント

     

    「リトル・アクシデントー闇に埋もれた真実」

    原題:Little Accident

    監督:サラ・コランジェロ

    2014年 アメリカ映画 105分

    キャスト:エリザベス・バンクス

         ボイド・ホルブルック

         ジョシュ・ルーカス

     

    炭鉱事故で10名が犠牲となり、エイモスただ

    一人が生き残る。彼は被害者家族と会社側との

    板挟みとなり、心を閉ざしていく。一方その事故

    で父を亡くしたオーウェンは些細なきっかけで友人

    ジェイティーを死なせてしまうのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ 静かな映画ですが、登場人物

    の胸の内を丁寧に描いています。


    窒息しそうな空気が漂う町

     

     

    <ネタバレしています>


    始まりから映像は薄暗く、それは炭鉱の坑道へ向かう

    男たちを映しているので当たり前なのですが、その

    どんよりとした閉塞感が最後まで続きます。ボンフォード

    炭鉱にそこに暮らす人々の多くが依存している田舎町で

    炭鉱事故が起き、10人が犠牲となり、たった一人

    エイモスが生き残るのです。障害が残ったものの

    生きているエイモスに対し、表面上はみな「おめでとう」

    と言うけれど、その胸の内がエイモスにはわかってしまう

    からこそ辛い。被害者の多くは一家の大黒柱であり、

    後には妻子が残されているのです。被害者家族が起こそう

    としている集団訴訟の証言を迫られ、逆に口を閉ざすことを

    迫る会社側。そこにただ一人生き残ったことへの罪悪感も

    加わった時、エイモスの心は彷徨うばかりで行き先が

    定まりません。

     

    リトル・アクシデント
     

    一方、その事故で父を亡くしたオーウェンは、事故の賠償金が

    入ったことを、遊び仲間に指摘され、いじめの対象になって

    しまう。このような状況はどこかで見たような気がします。

     

    リトル・アクシデント

     

    皆が貧しい中で突然大金を手にしたであろう人たちを認知

    すると、おそらくは自分たちの貧しさの鬱憤をその人たちに

    向けてしまうのが常なのでしょうか。ところがこのいじめる

    仲間の中に炭鉱の責任者ビルの息子ジェイティーがいるの

    です。それもほぼ中心人物です。大人社会での構図がそのまま

    子どもたちにも反映されてしまうのだろうか。
    そういえば自分の保育園時代、とても意地悪な子がいたけれど、

    彼女は町にたった1つあった病院の娘で、お遊戯会ではいつも

    主役だったし、子供心に「この子は違う世界の子なんだ」と

    思っていたような気がします。大人たちの気持ちは意外と幼い

    子どもにも伝わってしまうのだと今まさに気づきました。
    そしてとても不条理な目に遭ったオーウェンは、ジェイティーに

    石を投げつけると彼が転び、運悪く岩で頭を打ってしまうのです。

    見ていたのはオーウェンの弟で知的障がいのあるジェームズのみ。
    なかったことにして2人は森から立ち去るのです。

     

    リトル・アクシデント
     

    ジェイティーが行方不明になってから家庭がすさんでいくのは、

    これまで裕福に暮らしていた彼の家族であり、特に妻のダイアナ

    は夫ビルとの確執が強まり、エイモス同様に心が彷徨い始める

    わけです。彷徨う者同士、惹かれる?いや傷を癒し合うという

    方が正しい気がします。そこには決して「愛情」は存在しないし、

    2人でいるときが、現実逃避できる時間だったのでしょう。
    罪悪感に苛まれるオーウェンは、たまたまダイアナの家の片づけ

    を手伝うことになってしまうと、ジェイティーがいかに恵まれて

    いたかを知るとともに、同じように母親からの愛情を受けていた

    ことを実感するわけです。しかしオーウェンが真実を話すことは

    自分の家族を傷つけることになる。それはエイモスも同じであり、

    エイモスが真実を話すことは、ダイアナの夫ビルの責任を証明

    することになり、ひいてはダイアナを傷つけることになって

    しまう。この心の葛藤が丁寧に描かれています。
    「炭鉱で働きたいなら話すんじゃない」と語ったエイモスの父の死。

    「黙っていろよ」と諭し続けたジェームズがずっとおねしょを

    している。守るべきものは何だったのだろうか。
    最終的にエイモスもオーウェンも真実を話す選択をとるわけですが、

    彼らはそれで救われたのでしょうか。いや決してそんなことは

    ないと思ってしまいます。
    全く出口の見えないトンネルに迷い込んだような気分になりました。

     

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    リクシャー

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    リクシャー

     

    「リクシャー」

    原題:Autohead

    監督:ロヒット・ミッタル

    2016年 インド映画 97分

    キャスト:アジャイ・ミシュラ

         サニ・バネルジー

         ロンジニ・チャクロボーティ

     

    田舎の村から出てきたナラヤンは、リクシャー

    運転手をしながら映画監督を夢見ている。彼は

    友人と共にリクシャー内の乗客を撮影する

    ドキュメンタリー映画を製作することを始めるが..。


    <お勧め星>☆☆半 インドの闇の部分をリアルに

    描いています。


    エネルギーだけでは這い上がれるもの

    ではない


    映画内で幾度となく名前を耳にするサルマル・カーンは

    「タイガー伝説のスパイ」(2012)を見たのみですが、

    インド映画史でもっとも有名な俳優の1人とのこと。

    「きっと、うまくいく」(2009)のアーミル・カーン

    の方が個人的には好きだけれど、今はやはり「バーフバリ」

    のプラバースが日本では人気ではないでしょうか。いや

    マイティ・ソーの「ロキ」的な存在でありつつ、マッチョで

    とても強いラーナー・ダッグバーティーも捨てがたい。

    そんなことを言っていると

    「ビッジャラデーヴァ役のナーサルも可愛い」

    などと言う声も聞かれ、甲乙丙つけがたくなってしまうのです。

    (「バーフバリ」鑑賞者にしかわかりません)
    あのド派手なインド映画に比べ、全く低予算であり、貧困

    から這い上がるサクセスストーリーでもなく、エネルギーに

    満ち溢れているわけでもなく、ひたすらダークな面を

    モニュメンタリー映画として描いたかなり珍しい映画です。

     

    リクシャー
     

    主人このナラヤンは、なぜか自分は映画監督の才能があると

    思い込んでいて、仲間と共に自分の仕事であるリクシャー

    運転手の視線からドキュメンタリー映画を作ろうと考えた

    らしい。しかし実は腕は悪いし、リクシャーの客たちには

    気味悪がられたり、バカにされたり、無視されたりと散々。

     

    リクシャー

     

    さらには片思い中の売春婦ルパには完全にアッシー代わりに

    されている。

     

    リクシャー

     

    彼の状況は、実母の訪問でさらに悪化し「母親を養え」

    「田舎の農地を生かせ」「全くの恥知らず」とこれでもかと

    いうほど責め立てられるのです。ああこれは、あれだな。

    怒りをどんどんため込んでいつかは爆発させるタイプだなと

    思っていると、もちろんします。そこはあまりリアルに

    映らないので、R指定にならなかったのかも。ただ彼の

    振り下ろす木の枝の音や充電器のコードで締め上げる音

    などで、その恐ろしい行為を連想させていくのです。でも

    なんか汗臭くて汚い感じしかないなあ。美しい殺人を描く

    ならヨーロッパ映画かしら。美しくても殺人は殺人!
    とにかくインドのスラムの中でも底辺に蠢き、そのまま一生を

    終えるであろう人の小さな怒りを体感することができます。

    インド映画につきものの踊りのシーンは1カット。それも

    ナラヤンが酔っ払ってへんちくりんな踊りを踊るだけです。
    この映画からパワーをもらうどころかナラヤンにパワーを

    吸い取られてしまうような感じになりました。かなり変わった

    映画なので1度は見てみたいけれど、2度見はしたくない

    内容です。       

     

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    アンフォゲッタブル

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    アンフォゲッタブル

     

    「アンフォゲッタブル」

    原題:Unforgettable

    監督:デニース・ディ・ノービ

    2017年 アメリカ映画 100分

    キャスト:ロザリオ・ドーソン

         キャサリン・ハイグル

         ウィットニー・カミングス

         シェリル・ラッド

     

    結婚を約束した恋人ディビッドとの新生活を始めた

    ジュリアは、かつてDV被害を受けて男の接近禁止令が

    終了するのを恐れている。しかし彼女はさらに

    ディビッドの前妻鉄鎖による嫌がらせを受けるのだった。


    <お勧め星>☆☆ 美人女優2人のタイマンが見どころ

    なんて少し悲しい映画


    嫉妬が怖いのは当たり前


    題名から勝手に思い出すのは、ジュリアン・ムーア

    主演の「フォーガットン」(2004)。forgetしか

    似ていないし、内容などはまったくかすりもしない

    けれど、あの映画に比べるとこの映画の方が、まだ現実味

    があるという点で許されるというか、いやどっちもどっち

    かな。

     

    アンフォゲッタブル
     

    主要人物は3人で、恋人のDVに悩まされた過去を持つジュリア

    と彼女の新恋人で1人娘リリーのいるディビッド、さらに

    その母である前妻のテッサです。リリー役の子役はとても可愛い。

     

    アンフォゲッタブル

     

    そしてテッサ役の女優さんは金髪でスタイル抜群の美人だし、

    ジュリア役の女優さんもヒスパニック系の美人ときた。

     

    アンフォゲッタブル
     

    この2人を虜にしているのが、カッパーマウンテン酒醸造所の

    オーナーでやり手のディビッド。仕事がやり手だから女性にも

    大変オモテになるようで、テッサと離婚してすぐにジュリアと

    いう美人と交際できちゃうんです。これが仕事ができても

    小太りの中年ゲーハーだったら絶対にモテるはずがないと
    なぜか確信めいたものを持ってしまうのは偏見だろうか。ああ、

    お金があるとモテるかもしれないけれど、突然薬の過剰摂取で

    亡くなるということもあるから、自分というものをしっかり

    知っておくことが必要なんだよなとここでも変な確信を

    持ってしまう。
    ジュリアは元恋人マイケルのDVに悩まされ、彼の接近禁止令が

    終了するのを恐れているのですが、その話はディビッドには内緒。

    「幸せが壊れそうで怖い」とかなんとか言っていたな。いや、

    そこは一番先に話すべきでしょう。
    さらにディビッドの一人娘リリーを使ってジュリアを陥れたり、

    さらにもっとすごい計画を立てるテッサについてディビッドは

    あまりに優しすぎて、イライラすること間違いなしです。なぜ

    彼がテッサと離婚したのか理由を考えたら、そんな同情を持つ

    ことなどないと思うけれど、ディビッドは人が良すぎるの

    でしょうか。いや鈍いと言った方が正しいと思う。
    終盤の血なまぐさい展開は、テッサが美しいだけに「氷の微笑」

    (1992)のシャロン・ストーンが頭をよぎりますが、そこまで

    話が込み入っているわけではなく、実は...という点を知ると、

    ディビッドの女性選びが間違っていたとしか思えない。

    ラストシーンもこれっぽっちもどきりとしないのでした。

     

     

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    ベイルート

    3

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    ベイルート

     

    「ベイルート」

    原題:Beirut

    監督:ブラッド・アンダーソン

    2018年 アメリカ映画 109分

    キャスト:ジョン・ハム

         ロザムンド・パイク

         ディーン・ノリス

         ラリー・パイン

         シェー・ウィガム

     

    1982年、内戦状態のレバノンで、アメリカ

    政府職員が武装組織に拉致される。かつてレバノン

    で妻を失ったメイソンは既に外交官を辞めていたが、

    当時の友人を奪還するため、レバノン行きを指示

    されるのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ 中東における国や組織の複雑な

    駆け引きの構図を垣間見ることができます。


    交渉能力


    脚本はボーンシリースのトニー・ギルロイ。後でこの

    ことを知ると、複雑なストーリーや身内の裏切り、交渉

    の姿などが巧みに描かれていることも納得です。
    主役の元外交官メイソン役は「ベイビー・ドライバー」

    (2017)でバディ役を演じたジョン・ハム。セクシー

    な恋人を連れたインテリ風な姿でしたが、今回もやはり

    インテリ風。映画内では、幼少期から交渉術を学ぶ家庭で

    育っていたと話します。家庭内の交渉術=父母間の信頼の話。

    まあそこにも交渉が必要で、一方だけの主張を通すのは

    後々問題が起こる種になるというものです。
    さてのどかで優雅なホーム・パーティーのシーンは1972年

    のレバノン、ベイルート。メイソンは妻ナディアと養子で

    パレスチナ人のカリームと共に要人をもてなしているのです。

    ここでピンとくるのは1972年という年です。この年の

    9月にはミュンヘンオリンピック選手村でパレスチナ武装勢力が、

    イスラエル選手、コーチを11名殺害する「黒い九月事件」

    が起きたその年なのです。この事件は2005年に

    スティーヴン・スピルバーグ監督が「ミュンヘン」として

    映画化しており、事件前後の様子と、これに報復する

    イスラエル諜報組織モサドの作戦が実にリアルな映像で描かれ、

    モサドのそれはそれはすごい情報収集能力と残虐さ

    (これはどこのスパイ組織でもそうなんだろうけど)
    を思い知らされた気がしました。そういえば、ナチの戦犯

    アイヒマンを潜伏先の南米で拉致したのもモサドだったなあ。
    したがってこのパーティーの途中で起きる爆撃事件は

    「黒い九月事件」に関連して起きたものだと想像できるのです。

    とにかくPLO、イスラエル、アメリカ、そしてこの国レバノン

    の立ち位置をしっかり把握していないと話について行けないし、
    それをすることで今再び悲惨な出来事が起こっている中東情勢

    について知るきっかけにもなります。宗教、民族、領土、

    すべてが絡んだ場所での紛争に大国の思惑が絡み合うと、

    本当に収拾がつかないのではないかと絶望的な思いにもなるの

    です。
    カリームは爆撃したメンバーに連れ去られ、(彼の兄は

    「黒い九月事件」によって逮捕されている)妻ナディアを失った

    メイソンは、そのままアメリカへ戻り、10年後、アルコール

    に溺れながら法律事務所で民間企業専門の仲裁を行っている。

    そこへ突然ベイルート行きの話を持ち掛けらるのです。あれほど

    美しかった街並みはことごとく破壊され、10年間の内戦の

    爪痕がそこかしこに残り、要所では民兵が検問をしている。

    遠くで砲撃の音やすぐそばで銃撃音が鳴り響く街。

     

    ベイルート
     

    その中でメイソンに課せられた任務は、武装集団に誘拐された

    アメリカ人2人を連れ戻すこと。このうちの1人は彼の

    友人カルだったため、メイソンが呼ばれたらしい。ここで

    頭が混乱するのですが、メイソンはどこに雇われたのか。

    ロザムンド・パイク演じるサンディやゲインズ、そしてカル

    はCIAのスパイらしい。ルザック大佐は国家安全保障会議(NSC)、

    さらにはウォーレン大使もいて、それぞれの思惑が必ずしも

    一致しないし、相対するのが、イスラエル軍なのか、PLOな

    のか、民兵組織なのか、今一つ理解できません。しかしながら

    話はとてもスリルにあふれており、カリームが成長してすっかり

    武装組織の一員としてふるまっていたり、カルとメイソンの会話が

    暗号を含んでいたりと、その都度はっと思わされることばかり

    なのです。

     

    ベイルート

     

    但し人物相関図はなんとなーくあやふやなままラストに突入。

    「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015)のように人質の

    交換シーンは、まさに時間との争いもあり、手に汗を握る

    ものです。しかしこれを見ると、ラストに流される当時の

    レーガン大統領の「中東に平和と安全を」という言葉が

    いかに薄っぺらなものであるのか痛感してしまうのです。
    この作戦は上手くいったと言えるのだろうか。そもそもこの

    状況を作り出したのはなにがきっかけだったのだろうか。

     

     

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    必ず捕まえる

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    必ず捕まえる

     

    「必ず捕まえる」

    原題:The Chase

    監督:キム・ホンソン

    2017年 韓国映画 110分

    キャスト:ペク・ユンシク

         ソン・ドンイル

         ペ・ジョンオク

         チョ・ダルファン

     

    金にうるさいアパートの家主ドクスは、家賃

    滞納中の住人で元刑事のチェと酒を酌み交わす。

    彼は30年前の連続殺人事件と同じ手口の事件が、

    今まさに起きているとドクスに伝えるが、その

    チェは翌日首つり遺体で見つかるのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ よく練りこまれたストーリー

    かと思いましたが、一番肝心なところがほつれて

    いる気がするのです。


    30年前の記憶

     

     

    少しネタバレ


    見終わったときは、二転三転四転五転する?展開に、

    思わず、おおぅ〜と唸ってしまったのですが、落ち

    着いてよく考えると、結構ツッコミどころが満載の

    映画です。調べてみるとウェブ漫画が原作らしい。
    舞台は韓国、ソウルのアリ洞。

    「努力しても何も変わらない」とここにある

    アリ・アパートの住民ジウンが口にするように、かなり

    低所得者が居住している地区のようです。きらびやかな

    ソウルの繁華街とは全く縁がないような雰囲気ですが、
    ソウルを舞台にした映画でも、少し道を入ると、細い路地

    が幾つもあって、大体そこで殺人が行われたり、逃走劇が

    繰り広げられることを思い出すと、生活水準の格差の

    大きいことに改めて気づくのです。

    アリ洞を知り尽くしているシム・ドクスという男が、

    経営するアパートの家賃の取り立てを行うシーンは、

    相変わらずコミカルで、場が和むのですが、一方で映り

    込む川や廃屋で発見される遺体の姿を見るとそんな

    のんきな気分は吹っ飛ぶというもの。やめてウジは!

    それも何回も映さないで!
    この2つの出来事がどうやってつながるかというと、実は

    家賃滞納男は元刑事チェと言い、30年ほど前の事件への

    執着で家族を失ってしまったらしい。そしてそのチェが

    翌日アパートで首つり遺体で発見され、さらにチェの友人

    ヒョンダイがドクスの元を訪れたことで、2人の探偵ごっこ

    が開始されるわけです。

     

    必ず捕まえる

     

    探偵ごっこといっても本格的ですよ。なんせ30年前の

    捜査資料をチェが持っていたので、それを使いまくっちゃう。

    でも30年前の容疑者なんてもうおじいさんばかりなんですよ。

    捜す2人もおじいさんなら、捜される犯人もおじいさん。

    ちょっと待ってくださいね。手口がそっくり、というだけで、

    同じ犯人と考えるのは、とっても安易じゃないかしら。
    「模倣犯」ってよく聞くじゃない?でもそれを気にしないほど

    ストーリーは進んでいくし、ジウンが姿を消し、その部屋の

    冷蔵庫の前には血だまりがあり、冷凍庫にはジウンの親友の

    頭が入っている、という衝撃的なシーンを見ると、細かいことは

    すっかり忘れて画面に見入ってしまいます。

     

    必ず捕まえる
     

    ただ序盤に登場し、とても温厚そうに見えるあの人は、

    すぐに怪しいと感じてしまいます。しかしそれだけではなく、

    もっと証拠のそろった人物が登場するんですよ。混乱して

    きますね。その人物も登場するとわずかな時間で車にはね

    飛ばされてしまいます。そうなんです。事件は結構入り

    組んでいるんです。とはいえ30年待ってジウンを拘束

    した理由はわかるとしても、30年後に同じ手口で事件を

    起こしていく犯人の理由が、明確にわかりません。たとえ

    「老人」への怒りだとしても、30年前の手口を使う理由

    にはならないですね。まあ、いいのかな。ドクスじいさんと

    ピョンダンじいさん(彼は不死身だと思います)による犯人

    捜しのゲームは、ピョンダンと犯人との2回、いや3回の

    格闘を経て遂に終結します。この時にピョンダン役の

    ソン・ドンイルが肋骨を痛めたと前もって読んでいたので、

    どのシーンを見ても「痛い」「痛いってば」としか思えない。
    ラスト付近は本当にハラハラしますが、「虫けらを殺す

    意味はない」にはちょっと同意しかねるなあ。相変わらず

    全く無能な警察が、ちゃんと捜査をしてくれるのだろうか。

     

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    ノー・エスケープ 自由への国境

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    ノー・エスケープ

     

    「ノー・エスケープ 自由への国境」

    原題:Desierto

    監督:ホナス・キュアロン

    2015年 フランス=メキシコ映画 88分 

    PG12

    キャスト:ガエル・ガルシア・ベルナル

         ジェフリー・ディーン・モーガン

         アロンドラ・イダルゴ

     

    アメリカへ不法に入国しようとしていたメキシコ人

    たちを乗せた車が故障する。彼らは砂漠の国境地帯を

    徒歩で進み始めるが、突然何者かに狙撃され始めるのだ

    った。


    <お勧め星>☆☆☆ 実にタイムリーな内容なのですが、

    何を訴えたいのかメインテーマがぼやけている気がします。


    砂漠という壁


    トランプ大統領が大統領選挙前に公約に掲げていた

    「メキシコとの国境に壁を建設する」ことは実際に進んで

    いるようですが、その費用を「メキシコ側に求める」は実行

    されているのかわかりません。そして「壁」があるはずの

    国境に、この映画ではただ有刺鉄線が張られているだけで、

    ひょいとくぐれてしまうのです。

     

    ノー・エスケープ

     

    なぜにこのような状況かというと、それは有刺鉄線の向こうに、

    そう、地平線のかなたまで広がる荒涼とした砂漠を見れば

    一目瞭然。日中の気温は50度以上にもなり、日よけもなく

    砂漠と岩山があるだけの場所を徒歩で超えるのは、ほぼ

    自殺行為に等しいと気がつきます。後から出てきますが、

    蛇の大群もいるんです。

     

    ノー・エスケープ
     

    そして国境付近を、犬を連れ、酒を飲みながら車で走って

    行く男は、「うさぎ狩り」をしている、と言う。いやあ、

    これは違うな。しかし彼について説明されることはほとんど

    なく、少ない情報から推理するに、おそらく軍隊出身、

    おそらく移民の増加で職を失ったか、犯罪行為にあったか、

    治安の悪化を嘆いているらしい。彼にはトラッカーという犬

    しか相棒がおらず、この犬がまた彼に忠実かつかなり凶暴

    なのです。

     

    ノー・エスケープ
     

    一方不法移民側も、無駄に話し始める可愛くもない犬の

    ぬいぐるみを持つモイセスとアデラという女性以外は、ほぼ

    顔と名前がわからないまま、バタバタ倒されていくのです。

    こうなると2人VS男と犬という闘いにしか見えなくなります。

    ただこの男から逃げ、砂漠を抜けるサヴァイヴァル映画の

    ように思えてくるのです。
    モイセスは合法的にアメリカに入国したのに、車のライトの

    不備で拘束され、強制送還されてしまった。その際生き別れ

    になった息子の元にどうしても向かいたいというのが目的で

    あり、変なぬいぐるみは息子とに手渡す約束のものらしい。

    その割には結構雑に扱ってしまうのが納得がいかないなあ。
    終盤の岩場においての、上下、前後、左右というモイセスと

    男の攻防は、ちょっとコントみたいで、緊張の糸が切れて

    しまいます。「移民は侵略者」と考え「愛国心」で国境を

    警備するという自警団とは全く異なる(自警団を容認している

    わけではありません)ただの「人間狩り」が趣味のアル中男と

    家族との生活や安全な暮らしを求める善良な?不法移民という

    構図ではどう考えても不法移民に肩入れしたくなるというもの。
    ではこの映画は何の目的で作られたのだろうと考えると、特に

    メッセージ性もなく、リアルな殺戮シーンが続くだけだった

    ようにも思えるのです。モイセスについてもっと説明があれば、

    もしくは犬を連れた男に何かの説明があれば、感情移入できた

    のにとかなり残念に思えてしまいました。

     

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    手遅れの過去

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    手遅れの過去

     

    「手遅れの過去」

    原題:Too Late

    監督:デニース・ホーク

    2015年 アメリカ映画 107分

    キャスト:ナタリー・ジー

         ディーチェン・ラックマン

         クリスタル・リード

     

    ロスアンゼルスの丘の上でドロシーは何者かに殺害される。

    ストリッパーだった彼女がなぜ殺されたのか。私立探偵の

    メルは犯人を追いつめていくが、そこには大きな理由が

    あり...。


    <お勧め星>☆☆☆ too lateの意味が最後の最後にわかる

    んです。それがわかると切なくなります。


    2ショットのプリクラ


    ロスアンゼルスの街を見下ろす丘の上で、アホそうなマシュー

    とジェシーが見かけた可愛い子はドロシー。彼女は何かの

    助けを求めてメルに電話をかけています。丘の上からズーム

    アップして1件の家の中を映すとそこにメルが女といる。

    このメルとドロシーの関係が「1回会っただけ」と言う割に

    なぜに助けを求めるのかとても不思議。またその後ドロシーが

    草むらで用を足していると、親し気に話しかけてきた男
    (自然保護監視官の制服)に突然絞殺されてしまうのです。

    え、え、え〜!この男がシリアルキラーなのかと思って

    しまうけれどそうではありません。疑問だらけの内容が

    少しずつ話が進むにつれて解明されていき、メルが呼ばれた

    理由とか次のシーンでなぜに胸にけがをしていたのかなど

    説明されますが、なんせ時間軸が少しずつ入れ替わってシーン

    が変わるので、これはいつのことなのかと考えてしまいます。
    とりあえずメルのけがと白い車か黄色い車かで判断しましょう。

    白い方はまだ許せるワイルドな車だけれど、黄色い方は醜悪な

    コンバーチブル。車種はわかりませんが、目立つのなんのって。
    さてドロシーの遺体を発見したのは、メルだけでなく、最初に

    登場し、彼女にドラッグを販売したアホ2人もいるわけで、

    アホは自分たちのドラッグのせいで彼女が死んだと思い、遺体

    を見つけたメルを消そうと考えるのです。それがわかるのは

    ラスト付近なんですよ。

     

    手遅れの過去
     

    次のシーンでは若い妻をもらったストリップ劇場支配人

    ゴーディーとロジャーの大豪邸となり、ゴーディーの

    妻ジャネットはほぼ全裸のまますたすた歩きまわります。

    この姿に意味はあるのかどうかわからないけれど、そこへ

    けがをしているメルが訪れる。ん?これはいつのことだろう。

    ここでのやり取りは少しモタつくけれど、潔く放たれた

    銃弾によって爽快に終了。ジャネット、何か着てほしい。

     

    手遅れの過去
     

    次はメルとドロシーが初めて会った時に戻るんです。これが

    too lateの理由だろうか。ここで意地悪いジェリービーンと

    いうストリッパーが登場するのを忘れないようにしないと

    いけません。アジア系の女性で特に美人ではないけれど印象

    には残ります。

     

    手遅れの過去
     

    さらに年を経て、メルとジェリービーンが再会。これが実は

    一番最後のシーンになるのかな。その後が一番始めのシーン

    になるのだと思う。ここでわかるのが驚愕の事実。大体そんな

    つながりなんて思いもよらないし、情報が少なすぎると思う。
    実は途中で適当に見ていたので、ここでちょっと巻き戻して

    鑑賞しなおすと、そうか、あの時のメルの表情や言葉、

    そして彼の執念深い行動の理由が全てわかります。
    ただ見終わって感じるのは原題通り「遅すぎた」ということ

    だけです。遅すぎたことですべてが取り返しがつかなくなって

    しまったのです。メルとドロシーのプリクラが、これまた

    可愛いのなんのって。それを見ると少し切なくなりますね。

     

     

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    バクマン。

    3

    JUGEMテーマ:邦画

     

    バクマン。

     

    「バクマン。」

    監督:大根 仁

    2015年 日本映画 120分

    キャスト:佐藤 健

         神木隆之介

         小松菜奈

         桐田健太

         新井浩文

     

    進路の決まらない高校生、真城の描く絵に

    魅せられた同級生、高木にコンビで漫画家に

    なろうと誘われる。彼は心を寄せる亜豆の

    励ましもあり、週刊少年ジャンプ連載を目指して

    漫画を描き始めるが..。


    <お勧め星>☆☆☆☆ 暑苦しくもなくすべてが

    上手くいくというわけでもなく絶妙なバランスの

    内容が心地よいです。


    先に行くから。


    映画は高評価の人が多く、いつか見たいと思って

    いた作品です。原作の漫画は当然未読。そもそも

    漫画というものを読まないのです。もちろんかつては

    少女漫画を読み、連載漫画の先が見たくて町に1件

    しかない本屋に発売日にはいち早く走って行きました。

    その時いつも立ち読みしている同級生がいて、

    「絶対に先を言わないでよ!」と念を押してお店に入

    ったものでした。いつの頃か漫画を読まなくなり、

    読むとしても西原理恵子さんやほしよりこさんくらいに

    なりました。
    この映画の主人公は勉強も部活も遊びもしてこなかった

    高校生、真城。この役は「半分、青い」の佐藤健。

    いやいやこのルックスならモテたでしょう、と突っ込み

    たくなるけれど、秘かに思いを寄せる女子はいるものの

    スクールカーストで言うと底辺の部類です。彼の絵を

    見て熱心に漫画を描こうと誘うのが、神木隆之介演じる

    高木。あれ?「桐島、部活やめるってよ」(2012)

    の時の映画部の高校生とあまり変化がありません。高木が

    原作を書き、真城が絵を描いて漫画を製作しようという

    わけです。実は真城の亡き叔父は有名な漫画家であった

    ことから部屋も道具もしっかりそろっている。でも真城の

    背中を後押ししたのが心を寄せる亜豆さんの言葉と言うのが、

    全くもって不純でいいですね。

     

    バクマン。
     

    原作との違いを事細かに指摘するレビューもありましたが、

    読んでいないので全然気になりません。さらに登場人物が

    それぞれ個性的で、真城、高木が狙う同じ高校生の天才

    漫画家新妻役の染谷将太の演技は抜群です。もう、キモさが

    丸出しであり、猫背で歩幅が狭く、口を開くと人を小ばかに

    したような言葉ばかり発するんです。

     

    バクマン。
     

    また週刊漫画の掲載が、アンケート至上主義というのも初めて

    知ったし、(テレビ局の視聴率至上主義みたいだな)編集部の

    状況も詳しすぎず、それでいて雑すぎない描かれ方でするりと

    頭に入ってきます。

     

    バクマン。
     

    ペンと漫画を持って、新妻VS真城、高木が闘いを繰り広げる

    シーンのアイデアの斬新さにも驚きます。
    そして特に気に入っているのが、友情、努力、勝利という

    ともすれば白けてしまうような青臭い言葉が、目の前で実像

    となって現れ、それでいて永遠に継続するわけではないところ

    です。一瞬だけの勝利だからこそ見ていて気分がいいのです。
    「ずっと待っているなんてムリ。先に行くから」亜豆さんに

    言われてしまう真城の姿も、そこでこの言葉を言うの?と思う

    くらい気持ちよく感じます。
    後半になってスルスルとうまく展開する映画は、内容が浅く

    ペラペラに感じるし、逆にこんなにも努力したんだのになぜだ!

    と泣かせるのはあまりに鬱陶しい。この映画のように、ラストは

    悩める2人の姿というのが、なぜか清々しく感じてしまうのは

    なぜだろう。
    そういえばわたしも高校の卒業式にな出席しなかったなと

    思い出し、あれは別に出なくても、どうってことないんだと

    妙に納得しています。

    ああ、もっと早く見ればよかった!

     

     

     

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