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    • 2023.01.12 Thursday
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    消された女

    5

    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    消された女

     

    「消された女」

    原題:Insane

    監督:イ・チョルハ

    2016年 韓国映画 91分

    キャスト:カン・イェウォン

         イ・サンユン

         チェ・ジノ

     

    やらせ疑惑で仕事を干されたテレビ局ディレクター、

    ナムスは、精神病院火災場所でのオカルト番組制作を

    任される。ところがそこに全身大やけどの人物がおり、

    その身元を調べるうちに、この火災と警察署長殺人

    事件の繋がりに気づくのだったが...。


    <お勧め星>☆☆☆☆ ホラーっぽいけれどサスペンス

    要素はしっかり練りこまれています。もう1回確認

    したくなる映画というのは本当ですね。


    ボールペン


    「保護者2人の同意と精神科専門医1人の診断があれば、

    患者本人の同意なしに「保護入院」措置を実行できる

    ”精神保健法24条”。この法律が韓国国内で悪用されて

    拉致監禁事件が多く発生し、この法律についての問題を

    提起するために製作されたこの映画によって、2017年

    9月には、この法律が憲法違反であるという判決が出された

    そうです。
    法律に関して問題を提起した映画では最も記憶に残っている

    のが「39 刑法第三十九条」(1999)で、鈴木京香さん

    と役所広司さんの演技が見事でした。内容も「公平な裁き」

    は誰にとって「公平」なのか、それは「公正」であって

    「公平」ではないのではないか、ほぼすっぴんの鈴木京香さん

    の熱演を見ていつまでも考え続けた映画でした。ひたすら

    娯楽を追求する映画も楽しいけれど、強いメッセージ性
    のある映画は、やはり存在すべきだし、それによって、

    気づいていなかったことや見て見ぬふりをしていたことに

    スポットライトを当てる役目を果たすことも必要だと思うの

    です。
    この映画は、白昼、若い女性が路上で突然拉致されるシーン

    から始まります。これはとにかくインパクト大ですね。あんな

    大都会の真ん中、人通りの多い歩道で、急に若い女性が拉致

    されたのに、周りの誰も声を上げません。車が救急車である

    こともその原因の一つかもしれませんが、何か大きな事件を

    目撃しても、それが「大きなこと」と認識するまでに、人間は

    少し時間を要する気がするのです。そして後で、何が起きたか

    知った時、「あれがそうか」と納得するような。したがって、

    その後なんの情報も得ることがなければ、自然と記憶から薄れて

    いくのだと思います。

     

    消された女
     

    一方テレビディレクターのナムスは、担当番組でヤラセ疑惑が

    起き、仕事を干されて1年。一発逆転を狙ってある投稿を

    取材すると決めるのです。いえ、最初は「ゴーストロード」

    というほぼヤラセのお化け発見番組だったのですが、それに

    投稿してきたのがカン・スアという精神病院火災でやけどを

    負った人物であり、その名前は入院患者のリストにない。

    さらに現場で大やけどの人物を発見し、彼の身元を調べるうちに、

    この火災の不自然さ、そして同じ日に起きたスアの父で警察

    署長殺人事件、さらにはその容疑者がスアであることから、

    社会派ジャーナリストの血が騒ぐわけです。韓国映画において

    「警察」というものは全く信用できない存在であり、大きな

    権力と共に動いていると思っています。

    実際はどうなんでしょうね。

     

    消された女
     

    ナムスが取材を進めて行くのと同時に、精神病院に監禁されて

    いた時のスアの酷い状況が描かれます。この病院の院長チャンが

    全く悪いやつなんです。

     

    消された女

     

    見るからに悪そうで、そして色と欲にまみれて医療従事者に

    あるまじき行為を繰り返していきます。時々ドキリとするので

    要注意。
    映画が進んでいくうちに、なんだ、これはあれだな、と思い

    ついてしまった筋書き通りに映像は進みますが、なんとラストの

    一言であらゆることを繋ぎなおさないといけなくなります。

    そうか、だから話に違和感があったんだな。

    ラストの呼び鈴の相手は誰なのか、監督自身が

    「見る人が考えてほしい」と言っています。

    多分あの人でしょうね。もう一回見て確認したいシーンが

    幾つもありました。

     

     

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    ボブという名の猫

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    ボブという名の猫

     

    「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」

    原題:A Street Cat Named Bob

    監督:ロジャー・スポティスウッド

    2016年 イギリス映画 103分

    キャスト:ルーク・トレッダウェイ

         ジョアンヌ・フロガット

         アンソニー・ヘッド

         キャロライン・グッドオール

     

    ドラッグ中毒から家族に見放され、ストリート

    ミュージシャンとして路上生活を送るジェームズ。

    彼はある時一匹の野良猫と出会う。ボブと名付けた

    その猫と共に路上で歌うと、たちまち人気者になるの

    だった。


    <お勧め星>☆☆☆☆ 人間は弱い存在だけれど、

    何かの支えで強く変われるのだと実感します。


    セカンドチャンスは逃すな、あきらめるな


    「茶トラは意志が強く、一生そばを離れない」いや、

    猫はみんな意志が強く、気ままで、人見知りで、臆病で..

    でもないか。小さい時から何匹もの猫を飼ってきましたが、

    みながそれぞれ性格が異なり、それだから楽しいものです。

    誰にでもすぐに懐く子、あらゆる物を破壊していく子、

    どんな扉も開けることができる子、猫なのに高い所が

    苦手な子、家族以外が訪れると姿を一切見せない子、語り

    始めると一晩でも足りません。

     

    ボブという名の猫
     

    主人公のジェームズは、ホームレスでストリート

    ミュージシャンをしているものの、その稼ぎはほとんど

    なく、またドラッグを断ち切ることに何度も失敗しています。

    そこには彼を支えるのが、ソーシャルワーカー、ヴァル

    だけであり、彼女も月に数回の面談とドラッグを断つために

    メタドンの服用の確認をするのみです。「更生プログラム」

    の存在や街中に路上生活者がいたり、麻薬の売人が登場する

    のを見ると、イギリスにおける社会問題も垣間見えます。
    彼がもっともラッキーだったのは、住居の提供があったことで

    あり、そこへ一匹の野良猫が現れたことなのです。そもそも

    家がなければ、猫と出会うこともなく、お互いにホームレス

    同士、ただすれ違って行くだけだったでしょう。
    とはいえ、その幸運をしっかり活用して社会復帰できるか

    どうかは、やはり本人次第なのです。
    映画では視点が、ジェームズ、ボブ(猫)、そして彼らを映す

    ものと3つあり、特に興味深いのがボブ視点です。トムと

    ジェリーのように、ジェームズの家の壁の穴から登場する

    ネズミを追うボブのプクプクした手が何ともいえません。

    これは猫好きにはたまらないと思います。

     

    ボブという名の猫
     

    そして今までジェームズを避けて通っていた街の人々が、

    ボブを連れて出歩き始めると、途端に優しくなり、歌を

    歌えば観客がどんどん集まってくるのです。ロンドンバスの

    2階の一番前の窓から外を眺めるボブの好奇心に満ちた表情は

    必見ですね。そこから見えるロンドンの名所もこれまた必見

    です。

     

    ボブという名の猫

     

    それからジェームズのアパートにたまたま住んでいるベティの

    存在も忘れてはいけません。彼女がジェームズを完ぺきに

    サポートするのではなく、困っている時に少しだけ手を差し

    伸べるそのスタンスも彼の自立に大きな影響を与えたと思って

    います。彼女が兄に抱いていた思いを彼が更生することで
    達成感に変えたような気もするのです。したがってそれは

    ベティにとっても成長したということになります。
    ボブは実際のボブが演じたそうで、本当に人間に慣れた賢い

    猫でした。また原作者自身がラストのサイン会に現れ、

    ジェームズに「僕と同じだ」というセリフを言うのもお茶目です。
    幾つもの障害を乗り越え、さらには実父との長年の確執が

    消える瞬間は、さすがに目頭が熱くなります。それもこれも

    ボブがジェームズを支えてくれたからだと思うと、彼らの

    二人三脚が永遠に続くといいなと心から思うのです。

     

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    エル ELLE

    4

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    エル

     

    「エル ELLE」

    原題:Elle

    監督:ポール・バーホーベン

    2016年 ベルギー=ドイツ=フランス映画 

    131分 PG12

    キャスト:イザベル・ユベール

         ローラン・ラフィット

         アンタ・コンシニ

         シャルル・ベルリング

         ビルジニー・エフィラ

     

    ゲーム開発会社のCEOミシェルは、自宅に侵入して

    きた黒覆面の男に乱暴される。しかし彼女は通報せず

    普通に暮らし続けるが、その男からのメッセージを

    受け取り、さらには社内のPCにミシェルを嘲る動画が

    流されるのだった..。


    <お勧め星>☆☆☆ 暴行犯を追いつめる話かと思いきや

    かなり斬新なストーリーです。


    行動せよ、強い女性たち。


    監督は「トータル・リコール」(1980)「氷の微笑」

    (1992)「ブラック・ブック」(2006)などを

    手掛けたポール・バーホーベン。

    この映画では登場する人物が「変な」人ばかりなのです。

    主人公ミシェルは置いといて、

    1、ミシェルの息子ヴァンサン 仕事が長続きせず、

    やっとファストフードの店員になったばかりなのに、

    恋人ジョジーの妊娠を喜ぶ。その子の父親が誰かよりも

    父親になりたいらしい。
    2、ミシェルの元夫
    リシャール 自称作家。何か書いて

    いるらしいが、実績はなく、それでいて若いエレーヌと

    熱烈交際中
    3、ミシェルの母
    イレーヌ かなり高齢なのにプチ整形

    をし、若く、どう見ても金目当ての男と結婚を希望中
    4、ミシェルの仕事のパートナー、
    アンナ ミシェルと

    同じ日に同じ病院で子供を死産し、ヴァンサンに母親の

    ように接している。ミシェルとは昔関係があったのかな。
    5、アンナの夫
    ロベール ミシェルと浮気中だけれど、

    別れたいミシェルに未練たらたら。
    6、ミシェルの隣人パトリック 信仰心の厚い銀行員。

    ミシェル、ちょっと気に入っている。
    こんな変な人たちに全て関係しているのがミシェルであり、

    公の部分ではゲーム会社のCEOとしてトップに立ち、

    私的な部分でも常に支配する立場にいたいのか、もしくは

    負けを認めたくないのか、人間として持ち合わせている

    はずの優しさが限りなく欠如しているのか、そのどれでも

    ないのかわかりません。ミシェル役はわたしの大好きな

    イザベル・ユベールです。「愛、アムール」(2012)

    「アスファルト」(2015)「ハッピーエンド」(2017)

    などを見ましたが、イチオシは「アスファルト」かな。

    ミシェルは映画内では実はかなり「変態」でもあるのです。
    この映画内ではところどころ笑ってしまうポイントがあって、

    たとえばミシェルが母に久しぶりに会った時の最初の言葉が

    「また整形した?」

     

    エル
     

    それからジョジーが待望の出産を終えた時生まれてきた子供が、

    どちらにも似ていなくて、どう見てもアフリカ系の風貌だった

    のを見て、ミシェルが「DNA鑑定しないと」
    ミシェルの自宅のクリスマスパーティーに招待したリシャールの

    恋人の料理にだけ1つずつ爪楊枝を仕込んでおく

     

    エル
     

    他にもあちこちにクスっと笑えるシーンがあり、おかしいな、

    この映画は暴行犯を見つけ出す内容じゃないのかと途中で

    気がつく始末です。ああ、ジャケットの文字をよく読むべき

    だったか。

     

    エル
     

    ミシェルが暴行されたことを通報しないのは、警察と

    関わり合いを持ちたくないわけで、その理由は、少しずつ

    映画内で説明されていきます。その事実はおぞましすぎる

    ものなのですが、それが今の彼女にどれほどの影響を与えた

    のか、これもわかりません。ただ「灰かぶり少女」と新聞に

    写真入りで掲載されたミシェルが、その時からずっと強く

    生きてきたことは確信します。少々のことでは動じず、

    皮肉屋であり、奔放であり、冷血であり...。
    「嘘はやめた」と語るミシェルが今までどんな「嘘」を

    ついてきたのだろうか。彼女ほど自分に正直に生きている

    女性はいないのではないかと思ってしまいました。

     

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    バイバイマン

    4

    JUGEMテーマ:Horror

     

    バイバイマン

     

    「バイバイマン」

    原題:The Bye Bye Man

    監督:ステイシー・タイトル

    2016年 アメリカ映画96分

    キャスト:ダグラス・スミス

         ルシアン・ラヴィスカウント

         ダグ・ジョーンズ

         マイケル・トルッコ

         フェイ・ダナウェイ

     

    大学生のエリオットは恋人サーシャ、親友ジョンと

    一軒の古い屋敷に引っ越してくる。しかしその家は

    なんとなく不気味であり、エリオットがナイト

    テーブルの引き出しの中に書き殴られた

    「言うな、考えるな」
    の下に、ある名前を見つけたことから、彼らの恐怖が

    始まるのだった。


    <お勧め星>☆☆ 全然怖くない。


    謎だらけの映画


    ジェームズ・ワン監督がベタ誉めというふれこみの

    映画だからさぞかし怖いのだろうと思い、ずっと

    見たかった作品です。ジェームズ・ワンといえば
    「ソウ」(2004) まさか歩き出すとはね...。
    「インシディアス」(2010)不可解な音には要注意
    「死霊館」(2013)オルゴールも人形も大嫌い
    とにかく音と闇と光を巧妙に使い、見ている側の

    ゾクゾク感を高めていきます。「ソウ」は少し違う

    系統かな。あれは「なぜ」の方が重要だったな。
    ところでこの映画を見終わって思わず漏れた言葉が

    「あれ?」
    映画の元ネタは、ロバート・デーモン・シュネックと

    いう作家の「The President's Vampire」の中の短編で

    あり、実話というより都市伝説に近い話のようです。

    日本でも夏になると稲川淳二さんが話しますよね。

    わたしはあれを全然信じていないのですが、怖いから

    見ない、聞かないという矛盾した行動をとっています。

    だって一人でトイレに行けなくなるかもしれないもん。
    始まりはかなり衝撃的なのです。1969年

    ウィスコンシン州でラリーという男が

    「あの名前、誰かに言った?」と尋ね、友人や隣人を

    バンバン射殺していくというもの。どうやら「あの名前」が
    キーポイントだとわかります。早っ。

     

    バイバイマン
     

    そして時は流れ、大学生のエリオットは恋人サーシャ、

    親友ジョンと人里離れた場所にある一軒の屋敷に引っ越して

    きます。どう見てもこの屋敷は何かがある臭がプンプンする。

    都会で家を借りるお金がなくてとか事業に失敗してという

    理由で一家で引っ越してくるならわかるけれど、なぜに

    こんな大きな屋敷をルームシェアするんだろうなあ。

    まあ、ここはスルーします。
    引っ越したその晩から、寝室の中の小さなドアが勝手に

    開いたり、出入り口のドアが勝手に閉まったり、外で何か

    ひっかく音が聞こえてくるけれど、それは予兆にすぎません。

    メインは、突然落ちてくる古いコインとナイトテーブルの

    引き出しに書かれた「言うな、考えるな」のものすごい数の

    文字です。そしてそれが書かれたものをめくると

    「バイバイマン」という名前が書きなぐってあるのです。
    その名前を聞いてから3人とオカルト女子キム、図書館員

    ワトキンスさんが幻覚や幻聴に悩まされ始めます。その

    現れ方はひとそれぞれで、いやそれぞれというより、

    バラバラすぎる。ウジが這っていたり、咳が止まらなくなったり、

    スマホに変な動画が映ったり、意識が飛んだり、目から血を

    流す人を見たり..。あまりにバラバラなのであきれ返って

    しまう。

     

    バイバイマン

     

    唯一のつながりは「バイバイマン」の名前だけという感じです。

    それと実際に登場する「バイバイマン」らしき人物が怖くない。
    残念です。

    列車、番犬、コインの3つがどうつながるのかせめてそこだけ

    でも説明してほしかったと思います。それと「バイバイマン」

    の存在する意味も知りたかった。
    Rotten Tomatoesの評論家レビューの1つに

    「考えるな、言うな、見るな、バイバイ」とあったのが一番

    ウケました。

     

    バイバイマン
     

    それから1969年に殺人を犯し自殺したラリーの妻役で

    フェイ・ダナウェイが出演。低くて凄みのある声は健在です。

     

     

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    MASTER/マスター

    4

    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    MASTER

     

    「MASTER/マスター」

    原題:Master

    監督:チョ・ウィソク

    2016年 韓国映画 142分

    キャスト:イ・ビョンホン

         カン・ドンウォン

         キム・ウビン

         オ・ダルス

         オム・ジウォン

     

    投資会社会長チンは、一般投資家から多額の金を

    集め、権力者に賄賂を渡しながら勢力を拡大している。

    刑事ジェミョンをチーム長とする捜査班は、チンの

    側近ジャングンを利用し、チンの裏帳簿を入手しよう

    と計画するが...。


    <お勧め星>☆☆☆半 やや長尺ですが、丁寧に作られて

    いて十分楽しめます。


    実話の方がすごい


    この映画は、実在の事件「チョ・ヒパル詐欺事件」を

    モデルにしている、と書かれていますが、その事件を

    全く知らないので少し調べてみました。それは韓国で

    史上最大の金融投資詐欺事件といわれ、一般投資家から

    金を騙し取り、会員を増やしたあげく、4兆ウォン以上

    稼いだ上で、事件が発覚する直前に資産を現金化し、

    中国に逃走したというもの。被害者は4万人以上に上り、

    自殺者も出ていたのに、チョ・ヒパルは中国で病死したと
    発表されるのです。ところが彼の側近がその後、不法滞在

    で逮捕されると、実はチョ・ヒパルは生きており、警察

    内部にも協力者がいたと話したことで、大騒ぎになった

    らしい。ちなみにチョ・ヒパルの生死はいまだに不明なの

    です。

    詐欺事件といえば、日本では高齢者を中心に被害に遭った

    「豊田商事事件」を思い出します。2000億円近くの

    被害額に上ったあげく、逮捕されるという情報が流れた

    その日に、つめかけたマスコミのまさにその前で、

    2人組の男が会長の部屋に押し入り彼を殺害するまでが

    リアルタイムでテレビ画面に映っていました。今思うと、

    「なぜ」という疑問が幾つもわきますね。

     

    MASTER
     

    それはそうと、この映画では、チン会長役のイ・ビョンホン

    のクズっぷりが凄まじいです。マルチまがい商法で富を蓄え、

    まるで宗教の指導者のようにステージ上に現れるシーンは、

    彼のオーラが全開!そしてその中にうさん臭さプンプン、

    金のにおいプンプン。

     

    MASTER
     

    一方彼を追う刑事ジェミョン役は、カン・ドンウォンで、

    あくまでもスマートでかっこいいのです。少しくらい殴られた

    くらいでは、この綺麗な顔は傷つきません。この人もいつかは

    ビョンホン様のように汚れた役が似合うようになるのかしら。

    ジェミョンのチームがチンの側近でハッカーのジャングンを

    丸め込み(半ば脅し)、チンの犯罪の証拠となる帳簿の入手を

    計画するのですが、それが失敗するのも当たり前の展開です。
    詰めが甘かったのか、いや、話がこれで終わってはまったく

    もってつまらない。後半は舞台をフィリピンに移して、チンの

    フィリピン政府を巻き込んでの詐欺話が始まるのです。ちょっと

    規模が大きくなりすぎだし、それなのに休暇を取ったことに

    なっているジェミョンが捜査の指揮に当たるのはあまりに違和感

    ありまくりだけれど、それもこれも「執念」ということで

    終わるのかなあ。国をまたいでの捜査で、その国の警察まで
    動員するのってそんなに簡単じゃないと思うけれど、韓国と

    フィリピンは捜査協力するのが早い段階で行われるらしい。

    (ちょっとここは定かではない)とりあえず、ジェミョンと

    チンの韓国国内での仕事を引き継いだフアン(オ・ダルス)、

    そしてチンの三者の駆け引きに、ジャングンが加わり、

    騙し騙されの連続です。この種明かしが回想シーンとして

    その場で入り込むの、そうか!と納得できます。
    終盤には派手な銃撃戦とワンボックスカーとトラックとの

    カーチェイス、そこでビョンホン様ったら、こんな表情も

    見せてくれます。

     

    MASTER

     

    スターはやはりどんな表情でもできないといけません。いつも
    主役で、例えば原作本があっての映画なのに、原作にない

    主役の素敵さアピール映像はまったく不要。その俳優のための

    映画で秀逸な内容だったためしがない、とわたしは思って

    おります。
    ラストのラストにはイ・ビョンホンとオ・ダルスの小ネタを

    仕込んで合って、これもクスリと笑わせてくれます。

     

    MASTER

     

    愛だの恋だのでノロノロ進むストーリーではなく、そこは

    さっぱりそげ落とされているのも小気味のいい内容でした。

     

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    華麗なるリベンジ

    4

    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    華麗なるリベンジ

     

    「華麗なるリベンジ」

    原題:A Violent Prosecutor

    監督:イ・イルヒョン

    2015年 韓国映画 126分

    キャスト:ファン・ジョンミン

         カン・ドンファン

         イ・ソンミン

         パク・ソンウル

         シン・ソユル

     

    正義感は強いが暴力で取り調べを行ってしまう

    検事ジェウクは、取り調べ中の容疑者が亡くなった

    ことにより殺人罪で起訴される。彼は懲役15年を

    宣告され、刑務所に収監されるが、そこで知り合った

    詐欺師のチウォンの言葉から自分が大きな罠に嵌めら

    れたことを悟るのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ ラストにスカッとするので小さい

    ことは気にしません。


    カン・ドンウォン らぶ♡


    警察、検事、裁判官がいずれも権力者と深くつながり、

    利権を得ながら互いの目的を達成していく、そんな構図は

    韓国映画では頻繁に見られます。なので冒頭のリゾート

    開発を巡るデモ隊と警察のにらみ合いの際に、開発側が

    仕込んだ人間を入り込ませ、逮捕劇に発展するほどの行動を

    させることで、世間を開発側の味方につけるやり口は、

    いかにも、と思ってしまいます。しかしこの手法が日本で
    使われていない確信がもてるだろうか。それを考えると

    怖くなる。

     

    華麗なるリベンジ
     

    さて、正義感は人一倍強いし、エリートではなくたたき上げの

    検事であるジェウク役は、ファン・ジョンミン。この人優しい

    瞳をしているけれど、堺雅人さんのように笑顔で全ての表情を

    表すわけではないのです。
    彼が検事として権力者の側にいた時と、服役囚となり、かつて

    彼が刑務所に送った男にボコボコにされる時とが全く異なる

    表情になります。前者の自信にみちたものが、まるで肉食獣を

    恐れるシマウマのそれのように変わると、これは同一人物なのか

    と思うほど。顔が無残に腫れあがり、痣が幾つもできたあげく、

    作業中に指をミシン針で縫ってしまうと、思わず「いたっ!」。
    しかし、彼が検事の経験を生かして、刑務官の裁判案件を解決

    すること5年。遂に「先生」と呼ばれ、刑務所内でも一目

    置かれた存在となっているのです。そこに入所してきたのが、

    詐欺などで前科9犯のチウォン。

     

    華麗なるリベンジ

     

    これはカン・ドンウォンが演じており、「あいつの声」

    (2007)ではほとんど見られなかった顔、そして

    「義兄弟」(2010)では北朝鮮工作員として華麗な

    アクションを見せてくれたあのお方が、それはそれは

    きれいなお顔とすらりと伸びた長い手足を見せてくれます。

    このきれいな顔だとチャラい男の役がなんて似合うんだろう。

    やはりイケメンって罪よね。自称ペンシルバニア州立大卒

    なのに英語が小学生程度と言われると、「クヒオ大佐」

    (2009)を思い出し、主役が堺雅人さんだったことに

    気づくと、なんだか変な気分(たぶん私だけ)。
    そのチウォンが発した言葉で、ジェウクは、自分が嵌められた

    ことに気づき、それが誰によるもので、何の目的だったのかが

    全て繋がるのです。ジェウク、激おこです。そりゃそうだ。

    「罪を認めれば正当防衛が成立する」と言われたのに、

    認めたら懲役15年なんだもの。

     

    華麗なるリベンジ

     

    自分を嵌めたやつらは世間でどんどん勢力を拡大しているわけ

    ですよ。じゃあどうするか。チウォンをできるだけ早く出所させ
    自分の再審請求のための情報集めに活用するんです。

    頭いいでしょう。この時チウォンの華麗なダンスシーンが

    見られるのも楽しいです。いや、そんな楽しんでばかりでは

    ないのです。詐欺師とはいえ頭がキレるチウォンも幾度となく

    危機に瀕します。それでもこの映画ではほとんど血を見ることが

    なく、暴力も軽めのものばかりなので逆に内容も浅く感じて

    しまう。ドロドロしているものの、とことんではなく、

    「新しき世界」(2013)での怖いヤクザを演じた

    パク・ソンウルさえ、割と穏やかな検事役で、何かしでかすかと
    思えばいやいや結構この人えらいじゃんという感じ。

     

    華麗なるリベンジ

     

    でもパク・ソンウルを見ると、眼差しが鋭くて恐怖を感じるの

    よね。心が冷たいように思えてしまう。
    最大の見せ場である裁判シーンは、再審請求という目的以上の

    ことを話し出しても、裁判官は制止しないし、検事と弁護士の

    役割分担がなくなっているのはご愛敬かしら。とりあえず終わり

    よければすべて良しということかなあ。コメディサスペンスと

    いう映画で、ちょっと物足りなさも感じました。

     

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    トレイン・ミッション

    3

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    トレインミッション

     

    「トレイン・ミッション」

    原題:The Commuter

    監督:ジャウム・コレット=セラ

    2018年 アメリカ=イギリス映画 105分

    キャスト:リーアム・ニーソン

         パトリック・ウィルソン

         サム・ニール

         エリザベス・マクガバン

     

    10年務めた保険会社を解雇されたマイケルは、

    失意のまま帰宅の電車に乗り込む。しかしそこで謎の

    女から大金と引き換えに「プリン」という人物を捜す

    話を持ち掛けられる。彼は前金のありかを見つけそれを

    カバンに入れてしまうのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ ストーリーは割と単純なので、

    リーアム・ニーソンのアクションが十分楽しめます。


    崇高な精神


    リーアム・ニーソン主演でジャウム・コレット=セラ監督

    映画は
    「アンノウン」(2011) 学会に出席する途中、

    交通事故に遭った博士が意識を取り戻すと、妻は別の

    男性の妻であり、自分のことを知らないと言う。ボクは誰?

    なぜに命を狙われ始めるんだろう?
    これはすっかり騙されました。
    「フライト・ゲーム」(2014) 空を飛ぶ旅客機という

    最高の密室の中で、大金を振り込まないと20分ごとに

    1名乗客を殺していく、という脅迫を受ける警備員の

    リーアム・ニーソンが、狭い機内で暴れる、暴れる。怪しい

    人物が多すぎて、これまた騙されてしまいます。
    「ラン・オールナイト」(2015) 長年仕えたマフィアの

    ボスを敵に回してしまい、一晩中追われ続ける酒浸りおやじの

    姿をこれまたリーアム・ニーソンが抜群のアクションを駆使

    して演じています。監督は異なりますが「96時間」

    (2008)のものすごく強いパパのイメージはこの映画でも

    見せてくれます。
    この「トレイン・ミッション」でも、冒頭から家族のために、

    来る日も来る日も電車通勤する父親マイケルを、同じシーンを

    少しずつ変えて映していき、こよなく家族を愛する男を印象

    づけます。
    警察官を辞め、保険会社に入って10年。住宅ローンあり、

    私立大学の学費必要、しかし貯金ゼロというマイケルが上司の

    「キミは会社に必要でなくなった」の一言で無職になってしまう

    のです。60歳にして無職は厳しいよなあ。なぜに共働きなのに

    貯金ゼロなのかなどと考えてはいけません。いろいろ必要だった

    んだろうと推理する想像力を持ちましょう。
    大きな体のマイケルが肩を落として帰りの電車に乗り込む姿は、

    「なんてカレンに言おうかな」

    「息子の学費の支払いはどうしようかな」暗い、とにかく、暗い。

    警察官であった時の勘は働かず、駅での不穏な雰囲気を感じ

    取ることもできず。いやあのラッシュアワーなら仕方ないかも

    しれない。しかし日本の通勤ラッシュに比べたら可愛いものです。

    あの混雑ぶりは日本の平日の昼間の時間帯くらいのものだと思う。

    年に何回か通勤ラッシュの時間帯に電車に乗ることがあるの

    ですが、誰かに足を踏まれるか、下車時に押されるか、腕がねじ

    曲がりそうになって吊り輪を持つとか、イヤフォンからの音漏れ
    にイラつくとか、楽しいことは決して起きません。

    毎日通勤ご苦労様です。

     

    トレイン・ミッション
     

    で、ズタボロの心のマイケルの前に、ベラ・ファーミガ演じる

    ジョアンナと名乗る女性が現れるのです。

    「僕、既婚者なんだ」

    こら、勘違いするなんて超恥ずかしいぞ。彼女曰く、「プリン

    という偽名で、いつもはこの電車に乗らず、カバンを持っていて、

    終点コールドスプリングで下車する人物を捜してほしい」

    これは強制じゃないんです。あなたが興味があったら
    あなたの意志でするんです。でも報酬は前金25000ドル、

    成功すれば75000ドル追加...。やるよね、絶対に。
    ここから列車の狭い通路を行ったり来たりする大男マイケルの

    姿が延々と見られます。警察官だった時の経験を生かして、

    捜す方法を考えるけれど、あまりに怪しい人物が怪しすぎて、

    マイケル困っちゃう。
    やれ、鼻持ちならない証券マンやら鼻ピー女、バカでかい

    荷物を持った挙動不審女子、半泣きのナースなど、次から次へ

    と怪しさ全開なんです。その上、なぜか彼が冒してもいない

    のに死体が増えていくので、逆に彼は追われる身の上になって

    しまう。もう気づくはずですよね。「誰がプリンなのか」と

    いうことより「なぜ俺なのか」を考えるほんの少しの心の

    余裕があれば、何も起きなかったんじゃないだろうか。

     

    トレイン・ミッション
     

    でもそれじゃあリーアム・ニーソンの格闘や列車内外での

    危機的なシーンも見られなかったからなあ。せっかく手に

    入れたお金の入ったバッグが列車の外金具にひっかかって、

    バッグが破れ、お金さいなら〜のシーンは辛いはずなのに、

    さすがマイケル。正義に燃えるマイケル。家族第一のマイケル。
    真相は薄々わかってくるけれど、最後までスリルのある映画

    でした。

     

    トレイン・ミッション

     

    それと「死霊館」シリーズで超常現象研究家ウォーレン夫妻を

    演じた、ベラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンの登場は
    あの映画を思い出してまた観たくなりました。あれは本当に

    怖い映画です。

     

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    ブランカとギター弾き

    4

    JUGEMテーマ:洋画

     

    ブランカとギター弾き

     

    「ブランカとギター弾き」

    原題:Blanka

    監督:長谷川宏紀

    2015年 イタリア映画 75分

    キャスト:サイデル・ガブデロ

         ピーター・ミラリ

         ジョマル・ビスヨ

         レイモンド・カマチョ

     

    フィリピンのスラム街のストリートチルドレンで

    あるブランカは、段ボールハウスに一人で暮らし、

    盗みを働いて生活している。そんな彼女は盲目の

    ギター弾きピーターと出会うのだった。


    <お勧め星>☆☆☆☆ 血縁はなくとも心の底から

    信じ合える相手との絆は本当に強く固いと感じます。


    鶏は空を飛ぶ


    多くの人々が行きかうフィリピンのスラム街には、

    路上に眠っている少年少女があちこちにいるし、家と

    呼べるものがあったとしても、ボロボロ。その光景

    からは食べ物のにおいと人の汗の臭いが混じり合い、

    今にも画面から漂ってきそうな雰囲気を感じます。

     

    ブランカとギター弾き
     

    そんな街で、旅行者から金を奪うグループの一員である

    ブランカは、常に何かを渇望し、危険を察知するかのような

    ギラギラと輝く野生の瞳をしています。彼女自身の口から

    後に語られる身の上は、生まれた時からいない父親と、

    いつも酒を飲んでいて男と逃げてしまった母親を持つという

    絶望的なものなのですが、このスラム街にはそんな子供たちは

    幾らでもいるわけで、その悲惨さを打ち消すほどのエネルギーを

    彼女たちから感じます。それは負のエネルギーでもあるん

    ですけどね。
    そして盲目のギター弾きピーターのギターの音色に聞き入り、

    1度目は金を入れたものの、次はそこから金を奪おうとする

    ブランカ。この時ピーターのかける言葉がいいんです。
    「この前は金をくれたのに今度は盗むのかい?朝飯代だけ

    残しておくれ」
    このような優しい言葉を彼女は生まれた時からかけてもらった

    ことがあったのしょうか。有名な女性がホームレスの子供を

    養子にしているニュースを見て、彼女は

    「母親を3万ペソで買う」ということを思いつくのです。

    「子どもを買う大人がいるのに大人を買う子どもがなぜ

    いけないのか」幼さゆえの純粋さが、このような突拍子も

    ない行動へと彼女をかきたてたのだと思う。3万ペソと

    いう金額は、たまたま一緒にテレビを見ていた大人が適当に

    答えた金額だし、そもそも母親が欲しいのではなく、普通の

    暮らし、つまり学校に行ったり、一緒に遊びに行ったり、

    買い物に出かけられるような環境が欲しかったに過ぎない

    のかもしれません。映画の中盤でピーターと遊園地で遊ぶ

    ブランカの喜びに満ちた顔がそれを物語ります。

    このシーンは本当に幸せにあふれ、二人の笑顔が目に焼き

    付いています。

     

    ブランカとギター弾き
     

    ピーターのギターに合わせて歌を歌うことになったブランカが、

    最初はとてもか細い声なのに、次第に自信を持っていく姿を

    見ていると、彼女の底知れぬエネルギーを感じます。しかし

    そんな生活も短く、結局路上生活に逆戻りするのです。その時、

    再びブランカは野生の瞳に戻り、ラウル、セバスチャンと共に

    泥棒を重ねていきます。

     

    ブランカとギター弾き

     

    ラウルは13,4才くらいかな。ブランカが同じ年齢であった

    ならば、きっと「夢」など抱くこともなく、彼のようにここで

    生き続けることしか考えなかったと思う。逆にブランカよりも

    年下らしいセバスチャンは、彼女と同じで「家族」が欲しい

    わけです。その幼さがまだ純粋な部分を保ち続けられる理由

    でもあるかもしれません。
    「見えるものにこだわりすぎる」と語るピーターは、「目の

    見えない者ばかりなら戦争は起きない」と語ります。おそらくは

    ブランカのようにストリートチルドレンであったピーターが

    どうして優しく穏やかなのかは、そこに起因しているので

    しょうか。終盤、ブランカを襲う危険は、実際にそういう場所に

    入り込んでしまった少女がいくらでも存在することを物語ります。

    そしてそれに手を貸すラウルのような少年もいれば、セバスチャン

    のように、そこで踏みとどまり人間としての誇りを保つ者も

    いるのでしょう。幼いというだけでは片づけられないと思う。
    ラストに見られる3人の笑顔は、過酷な状況でも、深くつながり

    合った心の強さを感じ、未来への希望を物語るものでした。

     

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    カメラを止めるな!

    3

    JUGEMテーマ:邦画

     

    カメラを止めるな!

     

    「カメラを止めるな!」

    監督:上田慎一郎

    2017年 日本映画 96分

    キャスト:濱津隆之

         真魚

         しゅはまはるみ

         長屋和彰

     

    人里離れた森の奥の廃施設でゾンビ映画を撮影

    していたクルーの前に本物のゾンビが現れる。

    しかし監督はリアルを追求するため撮影を強行する

    のだった..。


    <お勧め星>☆☆☆☆ 思いがけない展開とラスト

    には笑いと涙があふれ...いや、涙は出ませんがジーン

    ときます。


    護身術習おうかな


    映画でネタバレしていけないものはたくさんある

    けれど、わたし個人では

    「シックス・センス」(1999)と

    「エスター」(2009)

    は「げ・ん・き・ん」と思っています。それは

    何年経っても、まだ見ていない人の前で話しちゃ

    いけない。それをペロリと話す人とは未来永劫絶交

    したい気分になります。まさかその中にこの映画が

    入るとは思いませんでした。
    大体の雰囲気は様々な情報源から伝わってきており、

    見ないようにしていても、ネットニュースの見出しに

    デカデカと載ってわかってしまったこともあります。

    でも核心部分やストーリーは一切見ないで鑑賞しました。
    始めのうちは胃の中で直前に食べたばかりのたこ焼きが

    逆流しそうな映像の連続で、その中にちょっと「ん?」

    と思ってしまうものを感じます。とりあえずヒロイン役

    の秋山ゆずきさんが魅力的です。
    特にべっぴんさんというわけではないけれど、なんかいい。

    ホットパンツ(死語かしら)から伸びる健康的な脚や、

    下から延々とお尻を映し続ける映像にはどうしても目が

    釘付けになります。
    「よろしくでーす」
    あとは映画監督日暮の娘真央役の真魚さんが個性あふれる

    演技を見せてくれます。グイグイ相手に迫る雰囲気は自然

    なものとしか思えません。この映画のヒットをきっかけに

    大手芸能プロダクションに入ったそうで、人生どう転がるか

    わからない、強く願うと道が開けるのだなとも思う。彼女が

    わたしと出身地が同じなのもうれしい限りです。
    他にも個性的な俳優さんが出演しており、彼らがほとんど

    無名な人(わたしは誰も知りませんでした)ばかりなのも

    すごいと思います。ここに有名な俳優さんが一人でも入って

    いたら、すりこまれたイメージでその人を見てしまうだろうし、

    映画のストーリーに没頭できない気がします。低予算ゆえに

    逆に良い結果を生んだのかもしれません。
    このような実のない感想ですが、とにかくこの映画は前情報

    なしで観て、自分で確認するのが一番だと思う。そしてラスト

    にジーンと感動すると、この映画の良さを実感し、そしてまた

    観たくなるんじゃないかな。
    わたしももう1回観たいと思っています。ツボにはまると

    お腹の皮がよじれるほど笑えてくるのでご注意を。

     

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    RAW 少女のめざめ

    4

    JUGEMテーマ:Horror

     

    RAW

     

    「RAW 少女のめざめ」

    原題:Grave

    監督:ジュリア・デュクルノー

    2016年 フランス=ベルギー映画 98分 R15+

    キャスト:ガランス・マリリエール

         エラ・ルンプフ

         ラバ・ナイト・ウフェラ

         ローラン・リュカ

     

    ベジタリアンのジュスティーヌは、姉アレックスが

    通う獣医大学に入学するが、新入生の洗礼式として

    うさぎの腎臓を食べることを強要される。そして

    その晩から彼女の体に異変が起こるのだった..。


    <お勧め星>☆☆☆ ラストの1シーンで全てが理解

    でき、そして悲しさも感じる映画です。


    家族の愛情表現

     

    ネタバレしているかも

     

     

    オープニング映像が、最初何かわからなかったんです。

    一本道がずっと映され、何かいるのかなと見続けていると、

    一台の車がようやく走ってきます。そして同時に人が

    一人フラフラと出てきてそれをよけた車は街路樹に激突

    するのです。すると倒れていた人がむくりと起き上がり、

    その車の方へ向かっていく...。

    この意味やこの人物が誰かは映画の中盤以降にわかって

    きます。
    獣医大学に入学するジュスティーヌはベジタリアンで、

    過保護すぎるほどの母親の干渉を受けている模様。父は

    穏やかで、ヒステリックな母の言動にも、ただそれを

    かばう発言をするのみ。ふむ。
    そしてジュスティーヌは、姉アレックスが通う獣医大学に

    入学したものの、入寮した晩から手荒い歓迎?を受けるは、

    姉は冷たいはで「だって涙が出ちゃう。女の子だもん」的

    にしくしく涙を流すのです。

     

    RAW
     

    シーツにくるまってまるで赤ちゃんのように泣くんです。

    よく見ると、眉毛は整えてないし、腋毛もボーボー、男性と

    交際したこともないらしい。つまり「女の子」のまま大学生

    になり、神童と呼ばれるほど頭脳明晰だったけれど、他の面

    では全く成長していなかったということです。ちょっと疑問

    なのはそんなに頭がよかったら他の学問を専攻したらよかった

    のに、ということ。なんで獣医なんだろう。
    彼女曰く「猿を強姦するのは人間にそれをするのと同じ」

    猿=人間と聞くと周りの級友はドン引きするのです。ここも

    キーポイントで、猿は人間に最も近い存在であるけれど、

    まったく同じなはずはなく、医学部と獣医学部がわかれている

    ように、人と獣は区別されているはずなのです。本能のままに

    振舞うのは獣であり、それを制御できるのが人間ということ

    かしら。
    そして洗礼式と称するものでうさぎの生の腎臓を食べることを

    強要されます。「あたし、ベジタリアンなの。お姉ちゃん、

    知ってるでしょ!」と主張しても全く聞き入れられず、逆に

    姉にきつく責め立てられ一応口に入れるものの、そのあとで

    リバースしてしまう。

     

    RAW
     

    これが始まりの始まりなんですね。その晩からものすごい

    痒みに襲われ、まためちゃくちゃかきむしるジュスティーヌ。

    あのね、痒いからかくなんて子供なのよ。痒くても我慢すれば

    ひどくならないんだから。ほら、一皮も二皮もむけちゃった

    じゃないの。そう、この皮がむけたことは、彼女の中で何かの

    「目覚め」を象徴しているのです。
    うさぎの腎臓→学食でハンバーグ万引き→ケバブばか食い

    →冷蔵庫の生肉かぶりつき。この辺りまで来ると、ジュスティーヌ

    の本当の姿がわかってきますが、それを見せるのがストーリーの

    本筋ではありません。しかし次々にグロテスクな映像が出てくる

    ので要注意です。
    冷たいと思っていたアレックスは実はとても妹思いなのは、

    一緒に立ちションさせたり(これは別にそうでもないな)妹の

    ムダ毛処理をしてあげたりする姿から実感するのですが、そこで

    ある事件が起きてしまうのです。ジュスティーヌ、最初、ペロと

    一なめし、ちょっと噛んでみる。そして遂にはポリポリ食べ

    始めてしまう。もう〜、かりんとうじゃないんだからね!

     

    RAW
     

    ルームメイトでゲイのアドリアンの優しさにほっこりしていると、

    終盤にギョエっとなります。しかしそれもこれも、姉アレックスの

    愛情であり、ジュスティーヌの成長を描いた映画であったと気づくと
    それをほのめかすシーンがあちこちにあったと感じます。
    そしてラストシーン。ジュスティーヌの賢い頭でどう考えていく

    のか、人間の大人としての行動は自分自身で見定めていくしかない

    ということでしょうか。

    そのために姉や両親が自らで例を示したということでしょうか。

     

     

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