やさしい本泥棒

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JUGEMテーマ:洋画

やさしい本泥棒

「やさしい本泥棒」
原題:The Book Thief
監督:ブライアン・パーシバル
2013年 アメリカ=ドイツ映画 130分
キャスト:ジェフリー・ラッシュ
     エミリー・ワトソン
     ソフィー・ネリッセ

1938年2月、共産党員の両親を持つリーゼルは、ハンス、
ローザ夫妻の養子に出される。読み書きのできない彼女に
ハンスは文字を教え、隣の少年ルディとも親しくなるが、
ナチス統治下のドイツでは読書まで禁止されてしまう...。

<お勧め星>☆☆☆☆☆ おそらく今年見た大好きな映画
の1つになるはず。やさしさの中に強い反戦のメッセージ
を感じます。


雪の降りしきる中、走り続ける汽車が映し出され、いつも
人間のそばにいる「あの人」は語り部として話し始めます。
ヒロインのリーゼは、両親が共産党員であったことから、
赤狩りに遭い、弟と共に養子に出されるのです。しかし弟は
道中に病死し、リーゼは、彼を葬った墓掘り人が落とした本を
そっと持ち帰るのです。彼女がこの後幾度となく口にする
「借りた」だけなのです。
田舎町のハンス、ローザ夫妻の養子になるのですが、ローザ
はいつも不機嫌で、「給付金欲しさに里親になった」と公言
します。エミリー・ワトソンが珍しく意地悪な役を演じて
いますが、実は優しい心の持ち主であると次第にわかってくる
姿を実に上手く描いていきます。


やさしい本泥棒

また最初からリーゼルに優しいハンス役はジェフリー・ラッシュ。
ぐうたらのアコーディオン弾きかと思っていると、実はナチス
入党を断り続け、強い意志を持ってこの貧しい暮らしに耐えている
のだと知ります。実に気骨のある人物であり、「人の価値は約束
を守れるかで決まる」とリーゼルに教えるのです。このように
人間には良い面、悪い面があり、その両方を見せつつストーリー
は進んでいきます。
隣家のルディは、最初からリーゼルに思いを寄せ、いつかは彼女
にキスしたいと思っています。彼は足が速く、ジェシー・オーエンス
というベルリンオリンピックで金メダルを獲得したアメリカ人の
黒人陸上選手にあこがれ、体を黒く塗ってフィールドを走り、親に
叱られるのです。ルディは叱られた意味が全く理解できません。


やさしい本泥棒

さらにハンスの家に、マックスというユダヤ人青年が転がりこんで
きます。ハンスが彼をかくまう理由は、彼がいつも奏でるアコーディオン
にも絡んでくるのです。1つ1つの小道具に色々な意味を持たせ、どれを
とっても無駄がありません。
食いぶちが増えたのに収入は減っていると愚痴るローザも含めて
4人で地下室ではしゃいだ雪合戦は、ものすごく寒いはずなのに、
とても温かな映像に見えてくるから不思議です。


やさしい本泥棒

読書さえ禁じられたナチス統治下で、町長夫人の計らいで本が読める
場所ができたリーゼル。しかしそれも町長に見つかり禁じられます。
すると、彼女は町長の家に「本を借りる」ために侵入するのです。
悲劇的な現実を映しつつ、その中に一筋の希望の光を残していく。
そんな映画はラストに悲しさと共に静かな怒りを覚えさせるのです。
「言葉は命」とマックスはリーゼルに教えた。
「言葉があふれたから行動になった」とハンスはリーゼルに教えた。
しかしその行動は決して他人や他民族を貶めるものではない、と
実感するのです。


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ジェレミー

5
JUGEMテーマ:洋画

ジェレミー

「ジェレミー」
原題:Jeremy
監督:アーサー・R・バロン
1973年 アメリカ映画 90分
キャスト:ロビー・ベンソン
     グリニス・オコナー
     レン・バリ

音楽学校に通うジェレミーは、バスケットが好きな
内気な学生。彼はある日、同じ学校に通うスーザンに
一目惚れをし、次第に親しくなるが、別れが突然やって
くるのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆☆ もう、私の中では大好きな
映画です。切なくてやっぱり泣けました。


この映画は当時、クラスメイトの男女数人で劇場に見に
行きました。男子と女子はかなり離れて座るという、今
思うと大笑いの状況でしたが、女子は皆泣いていました。
携帯電話、DVD、インターネット、TVゲームなど一切
なかった1970年代。ニューヨークで音楽学校に通う
ガリ勉メガネのジェレミーは、チェロを習っているのです
が、その講師に「何かが足りない」と言われます。曲の
内容が理解できていないので、どんなに練習しても完成度
は上がらないのです。つまり「恋」していないから?
彼はなぜか競馬好きで、どの馬が勝つかピタリと当てる
けれど、賭けはしない。普通の学生のようにバスケットが
大好きなのです。主役のロビー・ベンソンはこの後、

「ワン・オン・ワン」(1978)という映画で、バスケ
の選手役を演じています。この映画もいいよ。
そしてある日、ダンスの練習をしている女子学生に一目ぼれ
するのです。今ならメアドでも聞けばいいし、最悪、facebook
の友人にしてもらえばいい。でも手紙または固定電話、そして
直接聞くしか方法のなかった時代、ジェレミーはストーカー
のように彼女の後をつけるのです。懐かしいレコード店で
売り場の陰から彼女をのぞく。

でもある日彼女がダニーという男子と帰宅する姿を目撃し、
ジェレミーあえなく撃沈。でも学校の演奏会でジェレミーの
チェロの素晴らしい演奏に感激したこの女子スーザンは、
彼のデートの誘いにO.K.するのです。この時も固定電話での
話がいかに難しかったか思い出させるシーンの連続です。
練習してかけた電話で、練習通りに話すと、相手はスーザンの
姉だったりして、本当に不便だったなあと実感します。


ジェレミー 

デート先に決めた映画館が満員だったけど、それをあきらめて
入ったピザ店では、2人の話がはずみ、お互いを深く知るように
なります。自分に自信が持てないジェレミーのことを、スーザンは
とてもよくわかってくれるのです。ジェレミー、人生で最高の
時間!冒頭と映画内に時折流れる、ロビー・ベンソンの歌う
「The Hourglass Song」とラスト付近に流れるグリニス・オコナー
が歌う「Jeremy」はものすごくいい歌です。


ジェレミー

そういえばLPレコードを持っていたなあ。
この後、きっと2人は互いに別の道を歩むんだろうけど、
本当に愛し合った一瞬は一生忘れないんだろうな、と今に
なると実感しています。


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マイネーム・イズ・ハーン

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JUGEMテーマ:洋画

マイネームイズハーン

「マイネーム・イズ・ハーン」
原題:My Name is Khan
監督:カラン・ジョーハル
2010年 インド映画 162分
キャスト:シャー・ルク・カーン
     カージョル
     ジェヌファー・エコルス
     ジミー・シェルキッレ

インドに住むリズワンは、アスペルガー症候群を
患うイスラム教徒である。彼は母の死後、弟の住む
アメリカへ渡り、同じインド人でヒンドゥー教徒の
マンディラと結婚する。連れ子のサミールとも打ち解け
幸せな暮らしを手に入れた矢先、9.11テロが起こる
のだった。

<お勧め星>☆☆☆☆☆ インド映画に外れはありません。
この内容はアメリカでは作れなかったことでしょう。


主人公リズワンの母親の教えがとにかく素晴らしいです。
「世の中の人は2種類しかいない。いい人と悪い人」
彼女の献身的な教育で、アスペルガー症候群を患うリズワン
は「正しい」人間に成長したと言っても過言はないのです。
その病の存在すらわからなかったインドでも彼女は息子の
ために奔走します。それは弟ザキールの嫉妬を呼ぶほどだった
のですが、それでも母はリズワンに寄り添うのです。
病を前面に打ち出し、お涙ちょうだい映画に仕上げるのはよく
見かけるし、そこに偽善的な行動が存在しがちなのですが、この
映画は全く異なるのです。様々な要素をうまく詰め込み、
162分という時間、飽きることなく見続けられます。

ストーリーは、2007年11月、サンフランシスコの空港で
職員の厳しいチェックを受けるリズワンの姿から始まります。
その一方でリズワンの生い立ちも映していきます。
空港の手荷物検査で呼び止められたとき、
「My name is Khan. I'm not a terrorist.」
という言葉を大統領に伝えに行く、とリズワンがなぜ言ったのか。
それがわかるのが映画の中盤です。そこまでは、アメリカ大統領
の行き先々を調べ、後を追う彼の姿と、母の死後、弟の住むアメリカ
に移住したリズワンが弟の下で営業マンとして働き始める姿が
交互に映ります。リズワンは、その病のせいで、甲高い音や黄色、
初めて会う人など苦手なものがたくさんあります。ケーブルカーを
止めてしまいパニックになったリズワンを救った美容師マンディラ
に「Marry me.」と唐突に言うリズワン。その姿は異様にも感じられ
ますが、彼はどの人が善人かすぐに見極められるのです。

同じインド人でありながら、イスラム教徒のリズワンとヒンドゥー教徒
のマンディラの結婚は弟との絶縁を意味しました。しかし彼は連れ子
のサミールと3人で幸せに暮らし始めるのです。


マイネームイズハーン

かつてインド国内でも2つの宗派で争いが起きており、普通なら
お互いに敬遠する相手かもしれません。しかし純粋に信仰心の厚い
リズワンにとって、宗教と愛は同じくらい重要なものだったのですね。
そこには何の壁もないのです。
しかし9.11テロが起こるのです。その事件はアメリカ政府の対応
もあって、イスラム教徒=テロリストという極めて短絡的な考えを
国民に植え付けてしまうのです。初めて本土を襲われた恐怖はそれを
憎悪に姿を変え、イスラム教徒への差別、迫害へとつながっていきます。
それでもサミールには親友でいてくれるリースという白人の少年がいた
のですが、彼の父でリズワン一家と親交の厚いマークがアフガニスタン
での取材中に亡くなってしまいます。愛する父を失ったリースの悲しみは
サミールへの怒りで紛らわすことしかなくなるわけです。何の罪もない
サミールはその怒りが理解できません。ここは本当に胸が痛い。こんな
形で、何の関係もない人々が差別され、暴力を受けたのだろうと察しが
つきます。

そしてサミールはサッカーの練習の後死亡するのです。激しい悲しみに
襲われたマンディラは、ある言葉をリズワンに投げつけます。それが
「息子はイスラム教徒だから殺された。ハーンという名前のせいで
死んだ。あなたがテロリストじゃないと大統領に言ってよ!」
ここから大統領に直接面会するためのリズワンの長い旅が始まるのです。


マイネームイズハーン

長距離バスの客の前でもイスラム式のお祈りを欠かさないリズワン。
その姿を蔑むような目つきをして客たちが通り過ぎます。この時期
イスラム教徒はその信仰さえ隠して行動するものが多かったでしょうし、
今もそうかもしれません。さらにテロリストの疑いをかけられたリズワン
へのアメリカ人の過剰な反応と拷問は、まさにこの国への痛烈な皮肉と
なって描かれていきます。ひょんなことから彼のことがマスコミに取り
上げられると手のひらを返したように彼を支援する人々、彼と知りあい
であったことを自慢する人々。しかしリズワンにとってはそんなことは
全く関係ないことで、彼はマンディラとの約束を果たすことが優先なのです。
さらに旅の途中で親切にしてもらったジョージア州のママジェニーへの
恩返しも忘れません。
アメリカは自由の国であり、様々な人種や宗教の
混在しています。そのことを忘れ、偏った考えに陥ることは、「自由」
自体を限りなく制限していくことにつながることを忘れてはいけないの
です。ラストはある意味ハッピーなものですが、そこに至るまでの
リズワンの苦労が全て集約されており、本当に、見る価値のある映画でした。




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メイジーの瞳

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JUGEMテーマ:洋画

メイジーの瞳

「メイジーの瞳」
原題:What Masie Knew
監督:スコット・マクギー
   デビッド・シーゲル
2012年 アメリカ映画 99分
キャスト:ジュリアン・ムーア
     アレクサンダー・スカルスガルド
     オナタ・アブリール
     ジョアンナ・バンダーハム
     スティーブ・クーガン

美術商ビールとロックシンガー、スザンナは、一人娘
メイジーを溺愛しながらも不仲により離婚する。彼女
は、10日ごとに両親の家を行き来するのだが、忙しい
両親に代わって彼女の世話をするのは、それぞれの再婚
相手だった。

<お勧め星>☆☆☆☆☆ ずっと見たかった映画です。
映像も美しくストーリーも秀逸でした。


主役のメイジー役のオナタ・アブリールは日本人の血を
ひくクオーターとのこと。彼女がどんなに落胆しても
寂しくても涙を見せない姿は、とても健気です。そして
嬉しそうにはしゃぐシーンは見ている側にも幸せな思いが
伝わります。


メイジーの瞳

映画の冒頭から、激しい口論を続けるメイジーの両親の
声が響きます。互いにメイジーを愛しているといいつつ、
美術商、ロックシンガーという多忙な仕事ゆえ、彼女に
対する時間を十分取れないのです。それはあたかも娘を
所有物のように扱っているように見えて仕方ありません。
彼女の世話はもっぱらベビーシッター任せなのです。そして
親権を争う泥沼離婚の末に、メイジーは10日ごとに両親
の家を行き来することになります。ヒステリックでかなり
情緒不安定な母親役をジュリアン・ムーアが熱演。そして
彼女の再婚相手リンカーン役は「ザ・イースト」(2013)
のアレクサンダー・スカルスガルド。バーテンダーなんですが
めっちゃイケメン。やっぱり素敵です。


メイジーの瞳

一方父の再婚相手は、メイジーのシッターだったマーゴです。
映画の中盤以降にわかりますが、両親とも親権のために、再婚
しただけなのです。自分が留守の間、メイジーの世話をして
くれる人がいれば誰でもよかったということ。あまりに身勝手
な論理ですが、この元夫婦はそれでもメイジーを愛している
のですよ。それを彼女も十分すぎるほどわかっています。
しかし迎えの約束にいつも遅れるどころか姿さえ現さず、
それぞれの再婚相手がやって来るという状況に、メイジーは
何を思うのでしょう。夫を奪われたマーゴに対してだけでなく
メイジーがなついてしまったリンカーンにまで嫉妬する母親は
限りなく幼いのでは?と思ってしまいます。また父の存在も
薄いです。

「I want to go home.」
終盤にメイジーが初めて涙を流すのです。「home」と言った
ところで、それはどこを指すのでしょう。
映画の中で一番大人だったのは、メイジー自身かもしれません。
メイジーやマーゴの衣装がきれいな色で、それが美しい自然と
重なり合って心地よい気分にさせてくれます。音楽もいいです。


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小さいおうち

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JUGEMテーマ:邦画

小さいおうち

「小さいおうち」
監督:山田洋次
原作:中島京子
2013年 日本映画 136分
キャスト:松たか子
     黒木 華
     片岡孝太郎
     吉岡秀隆
     妻夫木聡
     倍賞千恵子

昭和十年、東京へ女中奉公に出たタキは、平井家で
働き始める。その家は赤い瓦の洒落た家で、玩具メーカー
常務の夫を持つ美しい妻時子と一人息子が暮らしていた。
そして戦争が近づく中、年頭のあいさつに訪れた会社の
若い社員板倉に時子は心を惹かれていくのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆☆ 映像も美しく、ストーリーに
強いメッセージを感じる素晴らしい映画でした。


この映画の山田洋次監督が、「永遠の0」と似ているという
指摘に対し、「全く違う」と憮然と語ったことが印象的です。
「風立ちぬ」の宮崎駿監督も同じでした。わたしも「永遠の0」
とは全く異なるスタンスで描かれていると思います。
物語は大叔母布宮タキの死後、部屋の片づけをする姪夫婦と
その息子健志の姿から始まります。健志役は妻夫木聡。いつ
泣くかなあ、と思ったらやはり最後に号泣しています。年老いた
タキ役は倍賞千恵子。健志は、生前タキと深い交流があり、
彼女に自叙伝を書くことを勧めるのです。この自叙伝の内容と
タキと健志との生前の姿が交互に映ります。


小さいおうち

昭和十年、山形から東京へ女中奉公にやってきたタキ役は
この映画でベルリン国際映画祭最優秀女優賞を獲得した黒木華。


小さいおうち

色白でプクリとした顔立ち、割烹着から見えるふくよかな腕や
指が古き日本人女性を象徴しています。彼女の表情が奥ゆかしく
とてもいいんですよ。奉公先は、赤い瓦のモダンな家で、そこには
玩具会社常務の旦那様と奥様、時子、坊ちゃん、恭一が暮らして
いるのです。奥様役の松たか子もその育ちの良さから、当時としては
ハイソな生活を送る女性の姿がよく似合います。仕事が忙しく
コンサートに行けなくなった夫に怒り、それを隠して平然を装う
時子の姿と旦那様のやり取りがとてもおもしろいです。間のとり方
がとてもうまいですよね。

タキはこの家の前に小中という小説家の家で女中奉公を始めており、
その時ご主人に「女中としての心得」を教わっていたのです。彼女
はあくまでもそれに忠実に生きるのですが、ある年の年頭にこの家
にやって来た旦那様の会社の若い社員、板倉正治の存在から、さざ波が
たち始めます。


小さいおうち

時子と板倉との小さな秘密。オリンピック開催に向け、いけいけ
どんどんだった日本が、戦争に向い始める大きなうねりにのまれる
ように、この家の中でも動揺が広がっていくのです。もちろん戦争
や恋愛模様は直接的にはほとんど描かれません。登場人物の発言や
身なり、ポスター、ラジオ、新聞などで日本の情勢が手に取るように
わかるのです。

中盤でタキの元に舞い込む見合い話の相手が、50過ぎで子供が3人
孫までいる上に、「産めよ、増やせよ」とまだ子供を欲しがる男性
なのにはびっくりしました。そうだ、当時は若者は戦争に行くかも
しれないし、働き手を増やすために子供をどんどん産ませようという
風潮だったんだ。この考え、つまり女性は子供を産む機械と思って
いる殿方は今でも存在しますね。それもたくさん。

話はそれましたが、この見合い話の後、タキは女中部屋でオイオイ
泣くのですよ。それを時子が見て断ってくれるのです。
そんな時子を心から慕うタキは、徴兵検査で丙種でありながら、
召集された板倉が故郷に帰る前日、あるウソをついてしまいます。

これをタキは一生引きずり、後悔しつづけるのです。
映画のラスト付近で、恭一が「不本意な選択」を強いられる嫌な時代
だった。と語ります。こんな選択をさせるような国にはなってほしく
ないですね。
全編に散りばめられた反戦のメッセージが心に響くとてもいい映画でした。



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しあわせの隠れ場所

5
JUGEMテーマ:洋画

しあわせの隠れ場所

「しあわせの隠れ場所」
原題:The Blind Side
監督:ジョン・リー・ハンコック
2009年 アメリカ映画 126分
キャスト:サンドラ・ブロック
     ティム・マッグロウ
     クイントン・アーロン
     キャシー・ベイツ
     リリー・コリンズ

リー・アンは、ある雨の晩、薄着で歩くマイケルに遭遇する。
彼女は彼を自宅に連れ帰るが、彼の境遇を聞き、しばらく家で
預かることにする。そのマイケルは巨漢を生かして、アメフト
の才能を開花させていくのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆☆ 単なる偽善話ではなく、それぞれの
人物について丁寧に描かれ、感動を呼ぶ映画になっています。

2009年、NFLドラフト1巡目でボルチモア・レイブンスに
指名され入団したマイケル・オアー選手の生い立ちを基に
書かれたノンフィクション「ブラインド サイド アメフトが
もたらした奇跡」の映画化です。主演のサンドラ・ブロックは
この映画で第82回アカデミー賞主演女優賞を獲得しています。
アメフトには全く疎いので、初めて知ることばかりなのですが、
原題の「the blind side」は右利きのクオーターバックがパス
を投げる時、死角になる左側のサイドのことで、そこを守る選手
は力が強く、足が速いことを要求されるみたい。冒頭に流れる
レフトタックルのローレンス・テイラーという選手の話で何となく
理解できます。

そして何やら事情を聴かれているマイケルが映るのです。
さらにシーンは変わり、2年前、テネシー州メンフィスで生徒が
ほぼ白人の高校へ転校してくるマイケルの姿になります。彼は
球技は得意だけれど、学業は全くダメなのですが、何とか入学。
この地域は、裕福な白人が住む地域と貧しい人々、その多くは
黒人またはヒスパニック系、とが分かれているのです。貧しい
人々は教育をろくに受けることもなく、ドラッグや売春に手を
染め、ギャングの抗争などで亡くなることが頻繁に起きています。
そんな地域で生まれたマイケルは、ドラッグ中毒の母親から
州政府により幼い頃引き離され、里親の元を転々としていたのです。
当然今通い始めた高校の授業についていける学力もない。そもそも
住む家がなくなっています。


しあわせの隠れ場所

雨が降る寒い晩、薄着でとぼとぼ歩くマイケルを見つけたリー・アン
は、彼を放っておけず家に連れて帰ります。
彼女の性格は、男前であり、それは正しいことをはっきり主張
できるというとてもうらやましいものです。こういう風に言って
みたいなあ。


しあわせの隠れ場所

マイケルが泊まった翌朝
「何も盗まれてないわよね。」
と恐る恐る階下に下りて行くリー・アン。そこにはきれいにたたんだ
シーツが置いてありました。マイケルは育った環境は恵まれなかった
けれど、なぜかマナーを心得ているのです。逆にそれに刺激される
テューイ一家。食事はテーブルの前にすわりましょうね。
夫はファストフードのチェーン店のオーナーで、とてもセレブなの
に、友人達の差別的な発言に怒るリー・アンは、とても素敵に見え
ます。
娘コリンズ役は眉毛ちゃんことリリー・コリンズ。とても小柄で
可愛いです。


しあわせの隠れ場所


そしてキーパーソンになる下の息子のSJの存在もいいですね。

しあわせの隠れ場所

BMWを2台も乗り回し、何不自由ない生活を送っているような
リー・アンは無償の愛でマイケルを包んでいきます。
後半のアメフトのゲームで、差別的な発言を繰り返す、相手チーム
の応援のじいさんに向って、いつ言うかなと思っていたら、やっぱり
リー・アンは「この腐れジジイ」と言い放ちます。逆にマイケル
がかつて住んでいた地域の不良に、下品な言葉を投げかけられると
さっと踵を返し、それこそ10倍くらい言い返すんです。極めて
気分爽快です。サンドラ・ブロックがうまいんです。
終盤に冒頭の事情聴取のシーンになります。それが何を意味するか、
そしてそれを乗り越えられるか、半信半疑で見ていました。
こんなサクセスストーリーは、そうそう転がっていないけれど、
幸せになったのは、マイケルだけではなく、リー・アンをはじめと
するテューイ一家だったとも思います。
教育を受ける機会さえあれば、もっと才能を伸ばせる人たちが
たくさんいることも実感しました。






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桃さんのしあわせ

5
JUGEMテーマ:香港映画

桃さんのしあわせ

「桃さんのしあわせ」
原題:桃姐   A Simple Life
監督:アン・ホイ
2011年   香港=中国映画   119分
キャスト:アンディ・ラウ
     ディニー・イップ
     アンソニー・ウォン
     サモ・ハン・キンポー

映画製作の仕事に携わっているロジャーは、彼の家に60年
近く仕えるメイド桃さんに身の回りの世話をしてもらっている。
そんな桃さんがある日も脳卒中で倒れてしまう。施設に入った
桃さんと頻繁に面会するロジャーは、次第に彼女との強い絆
を感じていくのだった。

桃さんのしあわせ

この映画のプロデューサー、ロジャー・リーの実体験をもとに
アン・ホイ監督が製作した作品です。
主演の桃さん役は、わたしは知らなかったのですが、往年の大女優
ディニー・イップという方。

桃さんのしあわせ

そして彼女が仕える梁家の息子ロジャー役は、アンディ・ラウです。彼が
映画の中で書類を読むシーンで、老眼鏡を使っているんです。ちょっとショック。

桃さんのしあわせ

あのアンディが...。
さて梁家に60年近く仕えるメイド桃さんは、食事から洗濯に至る家事全般
から子育てまで全て携わってきたのです。そして今は、映画製作の仕事で
本土と香港を行き来するロジャーの身の回りの世話をしています。彼女が
黙々と買い物をし、黙々と作る料理はどれもおししそう。それをロジャーは
当然のように食べ、ついでにメニューに文句をつける始末です。ロジャーは
桃さんの前では子供のままなのですね。
ところがそんな桃さんが突然脳卒中で倒れてしまうのです。メイドとしての
役割が果たせなくなった彼女は、自らの貯金で払えるような施設への入居
を決めます。その施設の経営者役で、「八仙飯店之人肉饅頭」(1997)の
アンソニー・ウォンが出演しています。すぐにわかるルックスです。
この施設の入居者の姿がまさしくリアルそのもので、国は違えど人間の老いは
同じであり、そこでの家族間のドラマも変わりがないと実感します。ちょっと
気になるのは、認知症の方が入居しているのに、玄関ドアが自由に開閉できる
ことですね。そこは目をつぶるのかな。

桃さんのしあわせ

身寄りがなくても、ロジャーたちが慕ってくれる桃さんは、恵まれている境遇では
あります。しかし桃さんにしてみれば、一生の仕事であったメイドの仕事ができな
くなったことの喪失感はいかばかりかと思います。その思いをロジャーに見せまい
とふるまう桃さんの気丈さは、彼女のプライドでもあるのでしょう。
一方ロジャーも桃さんに頼り切っていた自分に、今さらながらに気づき、彼女が
自分のこれまでの思い出の一部になっていたことを悟るのです。
あの時は...。この時は...。そこにいつもいた桃さん。
施設の中でも様々な人々と次第に打ち解け、梁家の人々からは、温かく接して
もらう。そんな幸せな日々は、これまで経験したことのなかったものでしょう。
しかし、時間は確実に過ぎていくのです。
ラストシーンは、桃さんの幸せだった人生を集約しているようでした。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆☆☆



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いい映画を見ると気分が落ち着くなあ。

ヘルプ 心がつなぐストーリー

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JUGEMテーマ:洋画

ヘルプ

「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
原題:the help
監督:テイト・テイラー
2011年   アメリカ映画   146分
キャスト:エマ・ストーン
     ビオラ・デイビス
     オクタビア・スペンサー
     ブライス・ダラス・ハワード

1960年代前半のミシシッピ州。ライターを目指すスキーターは
大学を卒業後、地元の新聞社に採用される。家事についてのコラム
担当だったため、彼女は友人のメイド、エイブリーンに助言を求める。
しかし彼女と話をするうちにメイドについての真実について書く必要が
あると考え始めるのだった。

ヘルプ

キャスリン・ストケット原作小説「ヘルプ 心がつなぐつなぐストーリー」の
映画化です。監督は「ウィンターズ・ボーン」出演のテイト・テイラーで、作者
と親友だとのこと。
1960年代前半のアメリカ南部ミシシッピ州ジャクソン。そこには州法「分離法」
が存在し、黒人と白人が大きく差別されていたのです。そんな町に、大学を
卒業したスキーターが戻ってきます。同級生は皆裕福で、一斉に結婚し、子ども
をもうけ、育児、家事一切は黒人メイドにまかせています。そして彼女たちは上流
のつきあいをしているわけです。

ヘルプ

スキーターはライターを目指しており、なんとか地元のローカル新聞社のコラム欄
の代筆の仕事を得るのですが、そのコラムは家事の話です。メイドのいる家庭に
育ったスキーターに書けるはずもなく、自宅のメイドに話を聞こうにも、幼い頃から
世話をしてもらったコンスタンティンはなぜか仕事を辞め、シカゴに去っているのです。
この理由は終盤にわかりますが、南北戦争が終結し、黒人への差別が全て消えた
かというと全くそういうことはなく、現在でもアメリカ南部、特にdeep southと
呼ばれる地域では、白人至上主義がはびこっています。
それはさておき、スキーターは友人エリザベスの家のメイド、エイブリーンの話を
聞くことにするのです。しかし彼女の話を聞くうちに、黒人への大きな差別に気が付き
それをつまびらかにしたいと考え始めます。それは彼女が、田舎町から都会へ行き
様々な人々が自由に暮らす姿を見てきた、ということもあるでしょう。

ヘルプ

スキーターはこれを本にしようと、多くのメイドに話を聞きたいと願っても、報復を
恐れるメイドたちはほとんど参加しません。さらに黒人は不潔だ、黒人メイド用の
トイレは家族とは別の場所に設置すべきだ、と主張する、同級生のリーダー格
ヒリーの存在も彼女を悩ませます。ヒリーは親友だったのです。しかしいまや
ヒリーは地元協会での有力者であり、完璧な白人至上主義者になっていました。

ヘルプ

そんな彼女の家のメイド、ミニーは、豪雨の日に、家人用のトイレを使用してしまい、
ヒリーにクビを通告されます。さらには職を失ったミニーへ夫は暴力を加えるのです。
どこまで貶められなければならないのか。けれどこの映画は、そんな重い内容を
時にはコミカルに描いていきます。ミニーのヒリーへの仕返しやミニーを慕っていた
ヒリーの実母の行動などどれも気分がいいものばかりです。
その笑いの中に、まだまだ切り開いていかなければならない現実があることも悟り
ます。笑いと涙がうまく融合された素晴らしい映画でした。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆☆☆



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PCの上に猫と荷物が落ちてきた。壊れたかも...(>_<)

レ・ミゼラブル

4
JUGEMテーマ:洋画

レ・ミゼラブル

「レ・ミゼラブル」
原題:Les Miserables
監督:トム・フーバー
2012年   イギリス映画   157分
キャスト:ヒュー・ジャックマン
     ラッセル・クロウ
     アン・ハサウェイ
     アマンダ・サイフリッド
     ヘレナ・ボナム=カーター

パン1つを盗んだ罪で19年服役したジャン・バルジャンは、一生仮釈放
の身であることを告げられる。そして彼に慈悲をかけたくれた司祭を裏切り
再び盗みを働いてしまう。しかしそんな彼を広い心で赦してくれた司祭に
胸を打たれ、彼は生まれ変わることを決意する。数年後マレーヌと名前を
変え、市長になったバルジャンは、彼の工場で働くフォンテーヌと知り合う
のだった。

レ・ミゼラブル

久しぶりに劇場にて鑑賞。撮影現場でピアノ伴奏に合わせて歌ったとのことですが
見事な歌声が冒頭から響き渡ります。主人公ジャン・バルジャン役は「リアル・スチール」
(2011)のヒュー・ジャックマン。怪力の持ち主バルジャンにふさわしいマッチョな肉体
の持ち主です。そして当然のことながら、歌唱力は素晴らしい。そしてその彼を
ひたすら追い続ける警官ジャベール役はラッセル・クロウです。舞台では彼にも
感動するらしいのですが、この映画ではやや存在感が薄いです。


レ・ミゼラブル

仮釈放の身から逃亡し、工場を起こして成功をおさめ、市長にまでなったバルジャン
はマドレーヌと名前を変えています。 身も心も善良になったはずの彼の前に再び
警官ジャベールが現れ、バルジャンは極めて動揺するのです。
「どこかで会いましたかな?」
一方、彼の工場で働く極貧の女性フォンテーヌ役はアン・ハサウェイ。工場をクビに
なり、売春婦にまで身を落としてもなお、娘コゼットへのために仕送りを続ける薄幸な
女性です。彼女が歌う「I dreamed a dream」は映画の序盤ながら、深く胸に
響きます。また短い時間ですが、彼女の歯や髪、身なりがあっという間にどん底にまで
落ちていくのが映像でうまく伝わってきます。
そしてバルジャンとして逮捕された男のために、真実を告白したバルジャンは再び
追われる身となるのです。しかし彼はフォンテーヌに娘コゼットを託されています。
この辺りのバルジャンの心の葛藤や苦しみが全て歌声となって繰り広げられるのです。
個人的に好きなのはコゼットの養父母テナルディエ夫妻です。

レ・ミゼラブル

特に「英国王のスピーチ」(2010)のヘレナ・ボナム=カーターの豊かな表情は必見
ですね。またコゼット役の子供が、ポスター通りの顔立ちでとても可愛いです。夫婦
のイカサマぶりが歌に乗ってコメディタッチで描かれています。
そしてバルジャンの逃走劇と同時に進んでいくのが、フランス国内での貧富の格差
の拡大なのですが、この辺りの歴史的な背景は、なかなか頭に入りません。ただ
民衆の蜂起を訴える秘密結社ABCに集う若者の姿が中盤から映り、それぞれの個性
とストリートチルドレン、ガプローシュの姿は、わたしにとっての涙腺崩壊の始まりでした。

レ・ミゼラブル

バルジャンに大事に育てられ、美しく成長したコゼット役はアマンダ・サイフリッド。

レ・ミゼラブル

やっぱり可愛いです。そして彼と恋に落ちるABCのマリウス役は
「マリリン 7日間の恋」のエディ・レッドメイン。その彼に心を寄せるのが、テナルディエ
夫妻の娘エポニーヌ。3人のそれぞれの心を歌い合うシーンも必見。ありゃ、必見ばかり
になっちゃった。
6月暴動は本当はもっと大規模だったはずですが、あまりにもあっけなく描かれすぎている
ようにも思われます。上映時間を考えるとあの長さでよかったのかな。バルジャンの人生
がコゼットによって幸せなものに変わったことを実感するラストでした。そしてエンディング
での全員の大合唱「The People's Song-repirise」を聞くと、もう鼻水、涙が止まり
ませんでした。よかった。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆☆☆




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レディースデイなので映画館はおばさんの大群だらけだった(+o+)

インビクタス/負けざる者たち

4
JUGEMテーマ:洋画
 
インビクタス

「インビクタス/負けざる者たち」
原題:invictus
監督:クリント・イーストウッド
2009年   アメリカ映画   132分
キャスト:モーガン・フリーマン
     マット・デイモン
     トニー・キゴロギ
     パトリック・モフォケン

1994年、マンデラは南アフリカで初の黒人大統領となる。しかし、
人種間の格差や犯罪率は一向に改善されない。そんな時、彼は
1995年に南アフリカで初開催されるラグビーワールドカップを
一つの転機として、国民を一つにまとめようと考えるのだった。

インビクタス

「チェンジリング」(2008)、「グラントリノ」(2008)に続けて、
クリント・イーストウッドが監督した映画です。ネルソン・マンデラ役は
モーガン・フリーマン。
1990年、柵に囲まれたグラウンドで白人だけのラグビーチームが練習して
います。その外側では、裸足の黒人少年たちが、サッカーを練習している。
そんな南アフリカでの内戦が終了した時期、27年間ロベン島に投獄されて
いたネルソン・マンデラが釈放されるのです。「アパルトヘイト」(人種隔離政策)
はもうずいぶん昔の事のように感じますが、ほんの20年あまり前には確実に
存在していたのです。
裕福な白人の中には、国を捨てる者も多く、残った白人たちも相変わらず、
差別意識の塊でした。それは1994年の総選挙で、マンデラが初の黒人大統領
となってからも続きます。「過去は過去」と言うマンデラに対し、次々と職を奪われる
白人の不満と、今までの迫害を恨みに持つ黒人が、融和することは到底難しい
ことですよね。

インビクタス

そんな時、南アフリカで開催されるラグビーのワールドカップを知った彼は、この
機会を利用して、国を一つにしようと考えます。チラリと映りますが、マンデラの
家族環境は複雑で、この時期ちょうどウィニー夫人と離婚話が進んでいたようです。
さて、ラグビーチームの白人キャプテンは、マット・デイモン演じるフランソワ・ピナール。
彼の家庭でも黒人のメイドを雇い、マンデラが大統領になったことは「この国の破滅」
父親が言いきっています。マット・デイモンが「ボーン」シリーズ同様に見事な体格
を見せています。

インビクタス

「ONE TEAM ONE COUNTRY」
このスローガンも最初は虚しく聞こえますが、マンデラの全面的な支援の元、
彼らはどんどん強くなっていくのです。ラグビーの試合のシーンのカメラワーク
は絶妙で、今まさにここで試合が行われているようかの印象を受けます。
そしてチームが勝つたびに、国民はラグビーに対して関心を高めていくのです。

インビクタス

マンデラを警護するSPも最初は黒人と白人で大きな溝がありました。また、
チームが勝つたびにビールを飲んで祝っていたパブも黒人と白人は別々でした。
そして遂におとずれた決勝戦の日、スタジアムの外で、みすぼらしい黒人の少年
が、客待ちの白人のタクシー運転手に追い払われます。彼はチケットがなく、
スタジアムには入れなかったけれど、試合の様子をどうしても知りたかったのです。
それが試合が進むにつれ、タクシーのラジオに聞き入り、点が入ると、コーラを
もらい、勝利の瞬間には、運転手の肩車でおおはしゃぎをするのです。このシーンは
緊迫する試合の緊張が解けたのが重なって、静かに涙が流れます。こういう描き方は
イーストウッドらしい素晴らしさですね。
この瞬間はまさに人種の壁、これまでの多くの怒りや憎しみを超えた時でした。
すごく感動します。スタジアムの観客は人種の壁を越えて喜び合います。パブでも
白人の中に自然と黒人が入ってきて喜び合うのです。
そして国同士のスポーツの戦いというのは、相手国に対して敬意を払うことが前提
であり、それが勝利につながるのだと教えてくれます。敬意を払っていればたとえ
負けたとしても、それは素直に認めることができます。それがなければ、単なる
負け惜しみや憎しみしか残らず、何の進歩ももたらさないのです。
エンドロールに流れる「ジュピター」にのった歌詞がいいですねえ。
「敬意」を払わない国がいることは情けないことですよ。この時から20年以上
経っているんです。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆☆☆



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今日はまだ台風の影響で蒸し暑い!


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