ベルリン陥落 1945

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JUGEMテーマ:洋画

ベルリン陥落

「ベルリン陥落 1945」
原題:anonyma-eine fran in Berlin
監督:マックス・フェーベルベック
2008年   ドイツ=ポーランド映画   131分
キャスト:ニーナ・ホス
     エブゲーニ・スジヒン
     イルム・ヘルマン

1945年4月、ソビエト軍がベルリンを包囲し、ドイツ帝国議事堂を
目指して進軍する。ベルリンに住むドイツ人女性は、軍人の夫の
帰還を待ちながらも、ソビエト軍の蛮行に強く耐えていくことを誓う
のだった。

ベルリン陥落

ジャケットのような攻撃、銃撃シーンはわずかしか見られません。ただ
ひたすらソビエト軍に攻め込まれたベルリン市民、特に女性の姿を
描いています。
主人公の女性ジャーナリストは、映画の中で一度も名前を呼ばれない
のです。それはこの日記を西ドイツで発表した1959年、「ドイツ女性の恥」
として強く非難され、彼女の死後、実名を明かさないということで再出版に
なった経緯があるからでしょうか。
ドイツ軍兵士ゲルトを夫に持つ女性ジャーナリストは、ロシア語が堪能で、
夫が出征した時から、その日のことをこつこつ書き留めていたのです。
ドイツ軍がヨーロッパ各地で行った蛮行は、数えきれないほど映画化されて
いますが、逆にドイツ人としてヒトラーに従ってきたドイツ国民、特に戦後
東西に分断されたベルリン市民の姿を描いた作品はそれほど見たことが
ありません。
1945年4月26日、ソビエト軍がベルリンを包囲し、市内に侵攻し始めます。
彼らの多くは「戦争、終り。女来い。」と言いながら、市内で好き勝手に略奪
破壊行為を行い、女性には暴行を働くのです。故郷を離れ、戦に明けくれた
5年の歳月の終焉が来たことが、彼らをこうさせた要因の1つかもしれません。

ベルリン陥落

いえ、それ以上に戦勝国というものの傲慢さが現れていると思います。さらに
ソビエト軍の一般兵士の多くが、地元では農場で働く労働者階級であり、ベルリン
という大都会と豪華な調度品を持つドイツ人への妬みと、家族を殺された恨みとが
混じり合っていたのでしょう。戦争という愚かな行為が、人間を人間でなくさせる
悪の根源なのです。
主人公の女性は「生き延びるのよ。」と周りの女性たちに声をかけ、自らも高い階級
の男をパトロンにして、彼らからの護衛にさせようと考えます。

ベルリン陥落

このようなシーンがかなり長く続き、少々ダレてきますが、ドキュメンタリー調の
描き方によって、こういう事実が確かに存在したのだ、ということが、まるでその場
にいたかのように思われてきます。そしてこの女性がアンドレイ少佐の庇護下に
置かれ、しばしの平穏な時間を過ごした後、ドイツはヒトラー自殺によって降伏。
さらにこの女性の夫ゲルトが突然帰還、その上女性への不公平な扱いによって
アンドレイはシベリア送りとなるのです。彼女が愛していたのは、その時は明らかに
アンドレイだった。たとえ夫が戻って来ていても、その心は純粋なものだったはず
です。戦敗国の軍人として疲弊した帰還した夫は、彼女の日記を読み「恥知らず」
と言い放ちます。しかし、あの状況下で、女性はどう生きればよかったのか。深く
考えさせられる映画でした。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆



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今日は晴れてきそう。寒さも一休み。

ルート・アイリッシュ

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ルート・アイリッシュ

「ルート・アイリッシュ」
原題:route irish
監督:ケン・ローチ
2010年   イギリス=フランス=ベルギー=イタリア=スペイン映画
        109分
キャスト:マーク・ウォーマック
     アンドレア・ロウ
     ジョン・ビショップ
     ジェフ・ベル

イラクで民間軍事会社の兵士として働くフランキーは、ルート・アイリッシュ
と呼ばれる道路で襲撃され、殺害される。彼をその仕事に誘った幼なじみの
ファーガスは、フランキーが事件の直前に彼宛てに送付したイラク人少年の
携帯電話の動画を見て、ある疑惑を抱くのだった。

ルート・アイリッシュ

冒頭、川を下る船の中で、リンゴ酒を奪い合い、乗客のひんしゅくをかうほど
はしゃぎまわる少年2人が映ります。これがファーガスとフランキーです。

ルート・アイリッシュ

そして2007年、リヴァプールの教会で、フランキーの葬儀が行われるシーン
へと変わります。
「フランキー、お前の手はどこだ。そうだ、これがお前の手の感触だ。」
彼らは、軍の兵士ではなく、民間の警備会社に1日、1万ポンドという報酬で
雇われ、戦後処理を行う民間兵だったのです。
ところがフランキーはバグダッド空港と米軍管理地域、通称グリーン・ゾーンを
結ぶ「ルート・アイリッシュ」と呼ばれる、世界で最も危険な道路で、襲撃に遭い、
爆死してしまいます。彼らの上司ウォーカーは
「まずい時にまずい所を通ったんだ。」
と言って慰めるのですが、そんなまずい所がイラクのあらゆる場所に存在するのは
事実で、時折実写フィルムを挟み込み、イラク国民の惨状、特に子供さえ見境いなく
殺されていく姿には、目を背けずにはいられません。

ルート・アイリッシュ

これが日常化してしまったのは、いったいどこのだれのせいだったのでしょう。
事件は、たまたま泥酔し、暴力事件を起こし、ファーガスが留置場にいる
時に起こったのです。その日、フランキーから幾度となくかかっていた電話
の留守録を何度も聞き直すファーガス。
そんな彼の元に 、事件前にフランキーが送った、メモと携帯電話が届くのです。
その携帯電話は、イラク人少年のもので、メールや写真と共に、動画も入って
いました。ハリムというイラク人に解析を依頼すると、そこにはフランキーの事件
が、フランキーを狙ったものではないか、という疑惑を抱かせるようなある事件の
様子が映されていたのです。この間にも少年の母から少年の安否を尋ねる
メールや留守電が入ります。実はその動画には、民間人の乗ったタクシーを
銃撃する仲間の姿が映っていたのです。それの存在を消したい人々と、フランキーの
死の真相を知りたいファーガスの戦いが始まります。
ところがこの地では「オーダー17」という連合国軍は身の危険を感じた時には
イラク人を殺傷しても罪に問われない、という信じられない悪法が制定されており、
彼らは、危険を感じた時には(感じていたと主張すれば)いくらでも民間人を射殺
できるのです。これはどこの国でしょうか。イラクでイラク人が殺されても、罪に
問われない法律など存在することを初めて知りました。

ルート・アイリッシュ

亡きフランキーの妻、レイチェルとの恋も、ファーガスのフランキーへの友情と
彼を奪った相手への憎しみの前には、胸にしまっておかなければならないもの
となります。そして、戦争によって壊れつづけたファーガスの人格の中では
彼なりの方法でしかけじめがつけられず、それは彼の自分への憎しみでも
あったと思われます。
戦争を金儲けの道具と考える先進諸国の強欲さを見せつけられた映画でした。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆
グロ星
ハラハラ星  ☆
エロエロ星
ダルダル星



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