ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ゴッド・セイブ・アス

出典:IMDb

 

「ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女

強姦殺人事件」

原題:Que Dios nos perdone

監督:ロドリゴ・ソロゴジェン

2016年 スペイン映画 127分

キャスト:アントニオ・デ・ラ・トレ

     ロベルト・アラモ

     ルイス・サエラ

     モニカ・ロペス

 

マドリードのアパートで老女が殺害される。単純な

強盗殺人に見えたその事件が、実は強姦事件でもあった

ことに気づくベラルデは、相棒のアルファロと捜査を

開始するが、ローマ法王来訪を控え、上層部から

捜査終了を告げられるのだった。


<お勧め星>☆☆☆半 全く個性が異なる2人の刑事が

見せる殺人事件の捜査が大変興味深いです。


同じ花を飾る


スパニッシュ・ホラーは何作品か見たことがあり、

「REC/レック」(2007)

「スペイン一家殺人事件」(2010)

などつらつらと名前を思い浮かべていると、ものすごい

映画がありました!
「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人」

(2006)です。これはわずか62分の映画ですが、

とにかく「すごい」に尽きます。
そして今作は、スパニッシュ・ミステリーの傑作と言われ、

スペインのアカデミー賞、ゴヤ賞など数多くの賞を獲得して

いるそうです。ワクワクしますね。
まず主人公の刑事2人が紹介される映像が流されます。

 

ゴッド・セイブ・アス

出典:IMDb

 

「マーシュランド」(2014)で被害者姉妹の父親役

だったアントニオ・デ・ラ・トレ演じるベラルデと

「私が、生きる肌」(2011)
で使用人の息子役だったロベルト・アラモ演じるアルファロは

相棒として任務にあたっています。すぐに頭に血が上って

壮絶な暴力行為を繰り出すアルファロは、家庭では反抗期の

娘を心配しつつ、留守がちで妻に迷惑をかけていることを

かなり気にしているらしい。一方のベラルデは、クラッシック

が好きで、きれい好きかつ捜査能力にたけているけれど、

吃音のため人前で話すのが苦手だし、アパートの掃除人女性に

心を惹かれつつ、ドアのカギ穴からのぞき見するような、

かなりいびつな心を持っている感じ。ちなみに家族なし。
そんな時起きた老女殺人事件です。ベラルデは「アンフェア」の

篠原涼子のように遺体の横たわった状況通りに自分も

寝転がります。そこでビビビとくるのかしらね。

しかし、そこで、なんと、この老女が
「強姦」

されていたのではないか、と推理するわけです。70歳を

超えた女性を強姦。しかし鑑定結果もそれを示し、犯人は

「巨大なペニス」の持ち主だというのです。これはこの犯人の

殺害動機と何か関係があるのか、確かプロファイリングを

するルビオが説明していたけれど、あまりよくわかりません

でした。何かの屈辱の裏返しとかなんとか。

 

ゴッド・セイブ・アス
出典:IMDb

 

さあ、捜査開始だと思ったら、上層部から「捜査終了」を

告げられるんですよ。その理由はローマ法王の訪問を控え、

老女強姦殺人事件などという事件などあってはならない、

というのです。あってはならないとか言われてもあったわけ

だし、調べたら同じような事件が前にも起きています。そこで

2人は秘密裏に捜査を続行するわけです。韓国映画ではよく

警察や検察の腐敗ぶりを描いていますが、それってスペイン

でもあるんですね。もしかしたらどこの国でもあるのかも

しれないなあ。権力によって捜査を妨害されることがきっと

あるんだろうなあ。
ニュースにもならないし、新聞にも報道されない事件を捜査

していく2人は、なかなか核心に迫れません。折しも

マドリード市内はワールド・ユース・デーで公費支出への

反対デモでごった返しているため、犯人らしき人物を見失って

しまいます。

惜しい、まことに惜しい。

さらにフェイントめいたシーンも挟み込まれて、消えたり

ついたりする電球の明かりの下でドキドキしてしまいます。
アルファロは公私ともに恵まれないし、それに...。
ようやく犯人の目星がついてきたときに、映し出されるのは、

スペインにおける「聖職者の傲慢さ」です。それを皮肉って

いることもこの映画がスペイン国内で大ヒットした一因なんで

しょう。
そうそう、犯人の特徴である「巨大なペニス」が、その人が

下着姿で歩くシーンでまさしくその通りだったのはちょっと

笑いました。

 

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殺人者の記憶法

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殺人者の記憶法

出典:IMDb

 

「殺人者の記憶法」

原題:Memoir of a Murderer

監督:ウォン・シニョン

2017年 韓国映画 118分

キャスト:ソル・ギョング

     キム・ナムギル

     キム・ソリョン

     オ・ダルス

 

アルツハイマーにより記憶を失いつつあるビョンスは、

かつて連続殺人犯だったが今は娘ウンヒと静かに暮らし

ている。しかし隣町で連続殺人事件が起き、ビョンスは

たまたま追突事故を起こした相手がその犯人ではないか

と疑い始めるのだった..。


<お勧め星>☆☆☆半 どこまでが真実でどこまでが妄想

なのかだんだん混乱してきて何回でも見直したい映画です。


記憶を信じるな


主役のキム・ビョンスを演じるソル・ギョングは、この役の

ために体重を10kg減量させ老人に扮したそうです。

「あいつの声」(2007)

「監視者たち」(2013)

「ソウォン/願い」(2013)
などで何度も見ていますが、確かに別人のように思えます。

 

殺人者の記憶法

出典:IMDb

 

一方ミン・テジュ巡査を演じるキム・ナムギルは14kg増量

したといいます。「無頼漢 渇いた罪」(2015)の時

同様に、顔はイケメンだからこの映画の役を演じるとすごく怖い。

終盤のスマホの明かりに浮かび上がる彼の姿はホラー映画並み

だし、そこで繰り広げられるアクションは凄まじいものです。
冒頭、トンネル内で立ちすくむ男性ビョンスが映ります。

それはラストと同じ光景で、霧のかかる中彼の視線の先を映す

のはラストのみ。

そしてそれを見ると何回目かの「ハッ」を感じるのです。
アルツハイマーを発症したビョンスは、その原因が17年前に

起こした交通事故であり、それは彼が行っていた連続殺人の

最後の事件の直後だったのです。その事件の相手をなぜ殺した

のか思い出せないのはなぜだろう。
しかし彼が連続殺人事件を起こすきっかけとなった家庭内の

出来事はあまりに悲惨であり、だからといって許されるもので

はなく、その後彼が「正当な殺人」と思って行ったことも、

決して「正当」ではないのです。そもそも誰が「正当な殺人」

と決めるのか。それは終盤、テジュの語る言葉のも裏付け

されており、他人にとっては、いや肉親であっても、全く異なる

思いを抱いているかもしれないのです。
犯罪加害者を保護するという行為に対し、加害者のみならず

その家族も罪人のように扱うべきだという暴論もありますが、

逆に加害者の更生を支えたいと思う人も存在します。100人

いれば100通りの答えがあり、どれが正しいかは誰も判断が

できない。ただこのビョンスのように「存在価値のないクズ」を

殺してきたことが「正しい行為」だと思うような人間には

なりたくないと思うのです。
さて可愛い娘ウンヒと暮らすビョンスは、日ごとに

アルツハイマーの症状が悪化し、獣医の仕事もできなくなります。

それでも娘は「できる限り支えるよ」と肉まんまで差し入れて

くれるんです。

 

殺人者の記憶法
出典:IMDb

 

もう、この子が本当に可愛いし、なんならアイドルにして歌わせ

たいぐらい。ところがそのウンヒが、ビョンスが「こいつ怪しい」

と思った男と交際を始めるわけですよ。パパとしたら許すわけに

はいかないし、その男もどうもビョンスの秘密を知っているみたい。

あらあらどっちもどっちなの?

ところがビョンスは、顔が痙攣すると記憶が消えるため、突然

違う場所や違う時間にかわったりするのです。
だから今目の前の出来事が「事実」なのか「妄想」なのか、途中で

すっかりわからなくなります。ソル・ギョングの演技に負けました。

いや、もっとしっかり見直さないといけないのだろうな。

 

殺人者の記憶法
出典:IMDb

 

ビョンスの顔なじみの警官ビョンマン役のオ・ダルスが今回も

アイドル並みに素敵でした。(それは違う)
でもよく考えてみると、

 

 


ここからはネタバレ

 

 


遺体は1つ運ばれただけだったし、「なぜミン巡査を殺したんだ?」

とビョンスは警察官に聞かれていたから、もしかしたらあの人も...。

ああもう一回見直して確認しないと、モヤモヤする。

 

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目撃者 瞳の中の闇

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目撃者

出典:IMDb

 

「目撃者 瞳の中闇」

原題:目撃者 Who Killed Cock Robin

監督:チェン・ウェイハオ2017年 

台湾映画 117分 PG12

キャスト:カイザー・チュアン

     ティファニー・シュー

     アリス・クー

     クリストファー・リー

     メイソン・リー

 

新聞社の敏腕記者シャオチーは、自分が買った

ばかりの中古車が事故車だったことを知り、その

事故について調べる始める。するとその車は彼が

9年前に目撃した衝突事故の被害者の車だったことが
わかる。その事故の被害者で重傷を負った女性の

所在を調べると次々に不審な出来事が起き始め..。


<お勧め星>☆☆☆半 すべてはラストシーンに集約

されています。入り組んだストーリーを読み解いて

いく醍醐味があります。


最後のページが一番怖い


冒頭、雨の中、車の中で眠る男の前を一台の車が通り過ぎ、

すぐに大きな音がします。男は車から降り、そちらへ

向かいますが、何が起きたのかは全ては映りません。

このシーンは幾度となく繰り返され、様々な人物の

視点から見ることができるのです。それは全てが真実で

あるとは限りません。
そして時は移り、衝突事故発生の警察無線を聞いた

新聞記者シャオチーは、路側帯を走り、現場へ駆けつけ、

勝手に写真を撮っています。多くの人が思い出すのは

「ナイトクローラー」(2014)

でジェイク・グレンホールが演じた狂気に満ちた

フリーのカメラマンです。しかしそれとはまったく異なり、

彼はちゃんと新聞社に勤務する記者なのです。しかしこの

記事がスクープではなく、事実誤認があったことで、彼は

新聞社を解雇されてしまうのです。

くっそ〜!おまけに愛車のBMWで衝突事故を起こしてしまう。

これ先月中古で買ったばかりなんだよなあ。

 

目撃者
出典:IMDb

 

ところが車を修理に出した修理工場のジーは、

「これは事故車」

と言うのです。その事故がかなり大きなものだったらしいと

聞かされ、シャオチーは、得意の警察のコネを使ってその

事故について調べます。おいおい個人情報を金で渡して

いいのかい。いやいかにもありそうだ。
調べるとその事故は9年前、なんとシャオチーが目撃した

衝突事故だとわかり、彼はさらに一層深く調べようと

知るのです。この辺りの繋がり方は、やや強引すぎる気が

しますが、そこから話が始まるのでとりあえず先を見ていくと、

胡散臭い人物が次々に登場するし、そもそもシャオチー自体が

誰かに尾行されているみたい。Why?

 

目撃者
出典:IMDb

 

新聞社のボスだったマギーと二人で事故の被害者アイティンに

会いに行ったものの、彼女の話が偽りばかりだし、そもそも

身を隠している意味がわかりません。いや、とりあえず

シャオチーがこの事故にこだわり過ぎることが気になりますね。

なぜでしょうね〜。
またシャオチーの後ろ盾になっている、元新聞社員で今や

国会議員となったチウとマギーは、どうやらいけない関係。

え?でもシャオチーとも...。この辺りは次々にカードを

出される感じで、それをどのように組み合わせていくかを

試されているような気がします。
さらにさらに新人警官ウェイがめっちゃ不審人物なのです。

よくぞ、警官になれましたね!

他にも怪しげな人物がどんどん現れるので、最初に自分が

想像していたストーリーとは全く違っていくことにそろそろ

気づいてきますよ。(いや、気づかなかったんだよね)
例の交通事故の日に、少女の誘拐殺人事件が起きたことは

関係があるのか、ないのか。

幾度となく繰り返される当時の状況の映像で少しずつ分かって

くると、なるほど!と思うものの、これ、絶対にわからない

じゃんとも思ってしまう。
マスコミ、警察、当て逃げ犯、自動車修理工、そして被害者。

この中で誰が真実を言っているのでしょうか。または真実は

誰も語っていないのでしょうか。
ラストのシャオチーの言葉は、2日ほど考えて自分なりに

納得しました。最後付近はものすごい展開になり、とても

怖いので要注意です。

 

 

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女は二度決断する

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女は二度決断する

 

「女は二度決断する」

原題:Aus dem Nichts

監督:ファティ・アキン

2017年 ドイツ映画 106分 PG12

キャスト:ダイアン・クルーガー

     デニス・モシット

     ヨハネス・クリッシュ

     サシア・シャンクラン

 

カティヤは最愛の夫と息子を爆発事件で失ってしまう。

容疑者はすぐに逮捕され、ネオナチ思想に染まった

夫婦だとわかるが、裁判では十分な証拠があるにも

かかわらず、無罪となってしまうのだった。


<お勧め星>☆☆☆半 綺麗ごとでは済まされない

ヒロインの胸の内が強く伝わります。


憎悪の連鎖

 

 

<ネタバレしているかも>


ヨーロッパ映画がとても好きなのでしばしば見るのですが、

その映画で直接的に描かれる自分の知らなかった歴史的悲劇、

事件に驚き、また映像の奥に隠されたメッセージを読み取ると、

見終わってしばらくその世界に浸り続けます。
監督はファティ・アキン。最も有名なのは「愛、死、悪」に

関する三部作

「愛より強く」(2004)

「そして、私たちは愛に帰る」(2007)

「消えた声が、その名を呼ぶ」(2014)で、
この中では「消えた声が、その名を呼ぶ」が最も印象に残って

います。第一次大戦中に起きたオスマン帝国による

アルメニア人へのジェノサイド。トルコ政府が今でも認めて

いないその事実を壮大なスケールで描いていました。

そのほかにも2009年映画「ソウル・キッチン」のような

コメディもあり、笑いの中に移民としての苦労を織り交ぜると

いう内容になっています。

 

女は二度決断する
 

この映画の主人公一家ヌーリ、カティヤ、息子ロッコのうち

ヌーリはトルコからの移民であり、冒頭に何かの罪で

(後に薬物売買とわかる)で収監されていたことを知ると、

つまり前科持ちなのだなとわかります。そして突然起こった

彼の事務所の爆発事件。ダイアン・クルーガー演じるカティヤの

悲しみの深さは、声にならない泣き方、体の震わせ方、焦点を

失った瞳の動きなど全てで、見る側にその思いを伝えます。
事件当日に捜査が開始され、カティヤが事情聴取を受ける

警察では

「イスラム教徒か」

「クルド人か」

「政治的な活動をしていたか」

「敵はいたか」

「薬物取引のトラブルはなかったか」とあまりに偏見に満ちた

質問が放たれます。カティヤ一家の住む家がかなりの豪邸であり、

「保証金はどこから出たのか」とまで言われてしまう。実は

ヌーリの実家はトルコでは裕福な不動産業を営んでいるらしく
ここでも警察の移民への偏見が見え隠れするのです。
この被害者がドイツ人だったらどういう質問をされたのだろう。
そしてすぐに容疑者が捕まると、カティヤの予想通りネオナチの

夫婦なのです。ここで改めてドイツの過去を遡らずにはいられ

ません。この夫婦のうち夫の父親は、息子とは思想の違いで絶縁

していた。ナチスドイツの蛮行を恥じ、決して受け入れることの

できない思想なのに、息子があろうことかそのような思想に染まり、

納屋で爆発物を製造していたのです。世界で再び広がっている

移民排斥、ヒトラー崇拝思想については嘆かわしいとしか

言いようがない。どんな思想だったか少しでも調べたら、決して

関わってはいけないと思うのに、またナチス式の敬礼すら法律で

禁止されているのに、他国では「かっこいいから」と真似を

したり、SSの姿をコスプレしたり、頭のネジを締めなおして来い

と言いたい。

 

女は二度決断する
 

しかしそんなドイツにおいても、少なからずその思想は受け

継がれているのを感じるのは、この事件の裁判風景です。

弁護士が容疑者を擁護するのは当然ですが、弁護側が用意した

証人、証拠が明らかにねつ造であるのに、それを認める裁判官を

見ると、移民への差別意識を強く感じます。
「顔のないヒトラーたち」(2014)で、アウシュビッツ裁判

開始までのある検事の険しい道のりが描かれていました。しかし

その裁判にかけられなかった相当数のドイツ人が普通に暮らし、
その子孫が生き続けているとしたら、同じ考えを持っていない

保証はないのです。それでもドイツでは「負の歴史」として

ナチスドイツを認識し、「なぜこうなったのか」を問い続けて

いることは素晴らしいと思っています。

 

女は二度決断する
 

映画内の裁判で、証拠不十分として無罪になってしまった

容疑者に対し、カティヤはどう対処するか。
上告するのが最も正当な方法だけれど、そこに正当な裁判が

存在するのか、ということは一審で十分理解できました。

その結果カティヤはある決断をします。それは2回。1回目と

2回目の違いは憎しみの連鎖を断ち切るか否かだと私は思って

います。もちろんそこに、カティヤ自身を海の中へ誘う、

iphoneの中のヌーリとロッコの姿があったのも確かですが。
移民受け入れに寛容だったドイツが遂にその方針を転向した今、

ヨーロッパでの極右政党の台頭が勢いを増し、中東の混乱で

移民、難民が急増しているのを新聞で読むと、再び悪夢が訪れる

のではないかと遠く離れた国から思うばかりです。
ラストのギリシャの真っ青な空、そして美しい海面。それを

見る人々が誰も同じように「綺麗だ」と思える世界は来るの

でしょうか。

 

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マザー!

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マザー!

 

「マザー!」

原題:Mother!

監督:ダーレン・アロノフスキー

2017年 アメリカ映画 121分 PG12

キャスト:ジェニファー・ローレンス

     ハビエル・バルデム

     エド・ハリス

     ミシェル・ファイファー

 

郊外の一軒家に暮らす詩人と妻。妻は創作が

進まない夫を支え静かな生活を送っていたが、

ある夜見知らぬ男が訪ねてくるのだった。


<お勧め星>☆☆☆ セリフや登場人物の姿から

宗教色が強い内容と分かり、今一つ入り込めません

でした。


理解不能な登場人物


<ネタバレしています>

 

 


主演はジェニファー・ローレンスとハビエル・バルデム。

 

マザー!

 

体の線がはっきりわかる部屋着姿のジェニファーは、

本当に優しく慈悲深い雰囲気を漂わせています。一方、

夫で詩人のハビエルは「臭いだろ」と本人が映画内で

言う通り、臭そうな濃い顔族のおじさん。

「ノーカントリー」(2007)の無表情な殺し屋、

「007 スカイフォール」(2012)のとことん

悪い奴のイメージがどうしても蘇ってしまい、この

組み合わせは美女と野獣だよなと絶対に感じると思います。
一番最初にこの詩人が光る石を台に置くと、なんという

ことでしょう。すすけた家がみるみるうちに色づいていく

のです。そして妻が目覚める。これが何を意味するのか、

石に魔法がかけられていて実はこの家や妻の存在は

男の幻想なんじゃないのだろうか、と普通は考えますよね。

けれど登場人物のセリフが全くかみ合っていなくて、時折

キリスト教色を感じさせるので、見終わって調べてみると、
やはり登場人物は聖書の中に存在するものそのものらしい。
妻=地球
夫=創造主
最初の訪問者=アダム(創造主が初めて作り出した初めての男)

 

マザー!
 

訪問者の妻=イブ(アダムの肋骨から作られた初めての女)
この訪問者に「結婚していたの?」と疑問を投げかける詩人の

妻のセリフや「出ていけ」と言われても出て行かず訪問者夫妻が

いけない行為をしているのは、エデンの園でリンゴを食べた

ことを意味しているのかしら。
その後訪れる訪問者の息子で兄=カイン(人類最初の殺人を行った)
その弟=アベル(人類最初に殺された)
その間にどんどん増える訪問者、大衆=キリスト教の信者
突然妊娠し、喧騒の中で生まれた赤ちゃん=イエス・キリスト
このような内容を読み、映画のシーンを思い返してもキリスト教

に全く疎いので、そう言われればそうかもね、程度にしか

感じません。ひたすら壁を塗り続ける妻は
「この家は古いけれどこの手で作り直しているの」

と嬉々として語るけれど、多くの人々がどんどん破壊していきます。
またトイレに詰まっていた物はなんだろう?さらにちょくちょく

胸の痛みを覚える妻が口にする黄色の粉の意味するものは?

ああ、わからないことだらけです。

 

マザー!
 

日本で公開中止になったのは、妻への過剰な暴行シーンや赤子の

惨殺、そしてその肉を口にする人々のシーンがあったからだそう

ですが、宗教色の濃い映画だからこそ反発を招くのを恐れたような

気もします。次第に家が破壊され、水があふれ、銃撃、火事、

爆破とそれはエスカレートしていきます。
屋敷=この世
世界の終わりのカウントダウンが始まると人々は混乱し、逃げ惑い、

倒れこむ。妻は絶望し、いっそこの世を破壊してしまおうと決意

するのです。それは純粋で優しさゆえの行為でしょうか。
焼け焦げた妻の胸から取り出したすすけた石を手でこすり再び

台の上に置く。創造主は理想の世界を作りために何度も破壊を

繰り返し続けているのだと思うラストでした。
でもさ、実際の話としてあの詩人はあり得ないものを求めすぎて

いると思うわ。などと考えながら、ハビエルの顔が濃すぎると

実感しつつよく分からないまま二度と見ることのない映画だと

思ってしまいました。

 

 

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アンセイン 狂気の真実

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アンセイン

 

「アンセイン 狂気の真実」

原題:Unsane

監督:スティーブン・ソダーバーグ

2018年 アメリカ映画 98分

キャスト:クレア・フォイ

     ジョシュア・レナード

     ジェイ・フェイロー

     ジュト・テンプル

 

ストーカー被害を受け、故郷を離れ一人暮らしを

始めたソーヤーは不安な状況を打開できず、ある

病院のカウンセリングを受ける。しかしいくつかの

書類にサインした後、彼女は突然措置入院させれて

しまうのだった。


<お勧め星>☆☆☆半 真実は何かより、ヒロインが

置かれ続けた状況が怖いです。


ずっと君を見ていた。


unsaneは英語のinsane「正気とは思えない、狂気」を

もじった造語だそうです。
監督はオーシャンズシリーズ、

「コンテイジョン」(2011)

「マジック・マイク」(2012)など名作を手掛けた

スティーブン・ソダーバーグ。個人の好みで

「マジック・マイク」は大好き!
チャニング・テイタムの男の色気たっぷりの鍛え抜かれた

身体とダンスパフォーマンスに目が釘付けでした。だから

「ヘイトフル・エイト」(2015)ではあんな最後に

まさかのチャニング・テイタム!そしてあっという間に

退場チャニング・テイタム!と唖然茫然。

あの映画は長かったなあ。劇場で座っていてお尻が痛く

なったし、そもそも本題に入るまでが長く、やはり

あちこちでいびきが聞こえていました。
さてこの映画は全編をiPhone7プラスで撮影したというと

いうのが斬新であり、まるで手元にあるスマホで動画を

撮ったかのような印象を受け...ません。そもそも手元に

あるのはiPhone8だし。

固定された映像、望遠、暗視、P.O.Vと様々な手法をフ

ルに活用し、根底に漂うヒロインの不安感を伝えている

かのようです。
ソーヤーは銀行の融資係?として働き、その能力を

認められつつも何やら黒いバックパックを背負った黒髪の

男性の幻影を見るという恐怖と不安から逃れられない状況

にある模様。この胸の内は同僚への冷たい言葉、上司に

対する疑念、母とものすごく久しぶりに電話で会話する姿、

さらには出会い系で知り合った男を部屋に誘ったものの

直前に拒否してしまうという姿で描かれ、どんな辛い体験を
受けたのかとそこを知りたくなります。

そして彼女はハイランド・クリーク病院内のストーカー被害

の会のカウンセリングを受けるわけですが、何かの書類に

サインした後、突然入院させられてしまうのです。

 

アンセイン
 

「ちょっと、わたしは相談に来ただけよ」
怖いのは、こういう病院が実際に存在するということ。内容は

詳しくは書きませんが、閉鎖的な空間に入れられ、周りが

精神疾患の人たちばかりならば、絶対に自分は「普通」と

思い続けられるだろうか。
そして反抗的なソーヤーは拘束されたり、薬を増やされたり

するわけです。さらに病院の職員にあろうことかストーカーの

加害者デビッドがいるではありませんか。これがデビッドなのか

どうかも実は見ている側には確信が持てません。

ダサい眼鏡なのは確かだな。

 

アンセイン
 

「あんたデビッドじゃないの!fff」
数回映る病院の経営者の女性が「自分たちはこういう人たちを

救っていて感謝もされている」と信じ込んでいることも怖いです。

また診察する医師が、すべての患者がみな病を持っており、

患者の言うことに一切耳を貸さない、信用しない。さらに

警察も事件が起こるまでは全く介入できないし、する気もない。

どうしよう。自分がこんな状況に置かれたら..。
画面が乱れ、投薬の影響かソーヤー自身が、自らまともなのか

どうか不安になっていくのを見ていると

「もしかして全てが彼女の妄想?」と思い始めてしまいます。

 

アンセイン
 

アンセイン

 

後半は幾つもの要素が加わり、ちょっととっ散らかった感じが

しましたが、「心の傷」は受けた期間より、それを消し去る

ための時間がずっと長く必要だし、もしかしたら一生引きずる

かもしれないと思ってしまいました。
そうそう、ソーヤーがストーカー被害を受けた時に相談する

探偵?役でマット・デイモンが出ていましたね。

 

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シドニー・ホールの失踪

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シドニーホールの失踪

 

「シドニー・ホールの失踪」

原題:The Vanishing of Sidney Hall

監督:ション・クリステンセン

2017年 アメリカ映画 119分

キャスト:ローガン・ラーマン

     エル・ファニング

     ミシェル・モナハン

     ネイサン・レイン

     プイル・チャンドラー

 

ベストセラー作家のシドニー・ホールは突然

表舞台から姿を消す。そして各地で彼の本が

焼かれる事件が起き、彼自身が犯人ではないかと

疑われるのだった。


<お勧め星>☆☆☆半 ラストシーンの映像が

とても気に入っています。


5月25日に会いましょう


Rotten Tomatoes 13%という評価。しかし他の

レビューサイトでは割と高評価なので、その低い

理由を必死で読んでみましたが、

「謎が多すぎてドラマの要素が面白くない」の

ようなことが書いてありました。ふーん。
映画は確かに、謎が多いです。そもそも舞台が、

高校時代、ベストセラー作家になってから、失踪した後

の3つの分かれており、それらのシーンがランダムに

放り込まれています。一応その舞台ごとに順番に

描かれていたと思うけれど、これがものすごく話を

面白くさせているかと言ったら、そうでもないんだな。

 

シドニーホールの失踪
 

シドニー役は「ウォールフラワー」(2012)で内気な

高校生を演じたローガン・ラーマン。あの映画と同様に今回も

内気でほとんど友人がいないけれど、類まれなる小説を書く

才能を持っている人物です。冒頭の国語の宿題で書いた作文の

内容はいただけないけど。
一方その才能を開花させてベストセラー作家になったものの

妻との離婚話で悩み、さらには髭ボーボーの姿で失踪中の

シドニーがどうつながるのか、もう画面を追うしかないのです。

この目で1つずつ理解していくしかないのです。

 

シドニーホールの失踪
 

シドニーにはブレッドというアメフトの花形選手で父は高名な

判事という幼なじみがいるけれど、彼が捜している、かつて

一緒に埋めた箱の中身は何?またシドニーの母はなぜに彼を

干渉し、束縛し、彼の持ち物を漁るのだろう。母役は

ミシェル・モナハン。ちょっともったいない使われ方です。

彼女がなぜ不幸な顔をしているのかもセリフでの説明のみですね。

 

シドニーホールの失踪

 

そしてシドニーはエル・ファニング演じるメロディと胸キュン

ラブで逃避行するのに、彼が成功した後に不仲になるのはなぜ?

 

シドニーホールの失踪

 

ああ、なぜだらけだわ。まさにとっ散らかった話かも

しれませんね。まだ謎はあって、成功したシドニーは

ちょいちょい幻影を見るんですよ。これは何かの呪いか、

祟りか、心の病か。

高校の教師が彼の小説について

「人の心を操る力がある」

と言って絶賛したけれど、それが後の自分の本を焼く行為と

関係しているのか。あれ、これらの謎はどこかでつながった

だろうか。つながったような気がするけれど、こんなにたくさん

「謎」を描き出す必要はあったのだろうか。
最大の謎「シドニー失踪の原因」がわかった時、椅子から

がたんと転げ落ちそうになります。いや、この理由は発端に

すぎず、小説を書いた時から、彼は極めて危うい、まるで

細い塀の上を歩いているかのような状況にいたんだろうなあ。

そこにいくつもの障害が立ちはだかり、それをよけ続けて

きたんだろうな。
ラストシーンの音楽と映像がとても印象に残り、それだけで

見た甲斐があったと思ってしまいました。

 

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68キル

4

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

68キル

 

「68キル」

原題:68 kill

監督:トレント・ハーガ

2017年 アメリカ映画 93分 R15+

キャスト:マシュー・グレイ・ガブラー

     アナリン・マッコード

     シェイラ・バンド

     サム・イードソン

 

気弱な青年チップは恋人ライザに言われるまま、

68000ドルを強奪するため、知り合いの家に

侵入する。しかし彼女がその家の夫婦を次々に

殺害し、現場にいた女性を拉致して自分の兄の

家に連れて行くと、その兄は恐るべき趣味を

持っており...。


<お勧め星>☆☆☆半 いやだ、予想外の展開で

めっちゃ面白い。とにかくすごいよ!


可愛い女に会うたびに頭が空っぽになる


「未体験ゾーンの映画たち 2018」上映作品です。

あらすじを読むと普通の強盗カップルの映画と思

うけれど、なぜに評価が高いのかは見ているうちに

わかるというもの。
<ネタバレ>
この映画にはまともな人間はあまり出てきません。

まともでない人は山ほど登場します。これは

「マーダー・ライド・ショー」(2003)の

イカレ殺人鬼一家並み、いやあの映画は続編の

「デビルズ・リジェクト」(2005)の方が

ストーリーがちゃんとあって、悪いやつらが全く

憎めなくなったぞ。

 

68キル
 

気弱なチップは超ボンビーで、勝ち気な恋人ライザが体で

稼いだ金で生活をしているんです。今日も「行ってきまーす」

なんてにこやかに出かけていく。そのライザはとても可愛いし、

セクシーなんですが、どうもSモードが強いとこの時点で

感じます。まだそんな風に思うだけですよ。
そして帰宅したライザが、仕事してきた金づるケンが

68000ドルという大金を金庫に持っているとことを

チップに話します。「ふーん、すごいね」ではすまないって。
「さあ盗みに行くよ」

「子どもは?犬は?警備装置は?」

どこまでも気弱なチップは、現場でも足ががくがくブルブル。

この憎めないイケメン、チップ役はマシュー・グレイ・ガブラー

でアメリカのTVドラマ「クリミナル・マインド FBI行動分析課」

で捜査官を演じています。他にも「ライフ・アフター・ベス」

(2014)にも出演していたのですが、なんせ

デイン・デハーンに瞳が釘付けだったからなあ。
ところが強盗に入ったはずが、

_伴腓離吋鵑旅△鯀澆切る

△修譴傍い鼎い徳ぐ彼の妻のこめかみにナイフをブスリ。

この手際の良さにも驚きますが、強盗をするだけと思っていた

チップはもっとびっくりしゃっくり。いえいえまだしでかします。

その家にいた何やら下着姿の女性を拉致。

い修僚性をライザの兄の元に運ぶけれど、兄は女性を解体する

のが趣味で、その解体の様子を動画に撮っている。

てなわけでチップはもう逃げ出したいと思うわけです。いくら

ライザが可愛くたって、セクシーだって、そんなの関係ないっ!

この辺りから映像が結構グロいので、普通の映画を見ようと

思っていた人は要注意です。
とはいえへたれのチップは相変わらずへたれのままで、

とりあえず金とトランクの女性(ヴァイオレットという)と

共になんとか車で逃走しますが、ここでヴァイオレットに

脅される始末です。あ〜あ、こういう男子ってどこまでも

へたれなののよね。もっとしっかりしなさい!

ところがイケメンだし優しいので、チップとヴァイオレットは

急接近。しかーし、チップが寝るたびに何かが変わります。

寝たらアカン。

 

68キル
 

起きたら、車も金もない、さらにはバスタブでヴァイオレットが

喉を掻き切られて死んでいるのです。なんじゃこりゃあ。

「デビルズ・リジェクト」にもバスタブに死体がありました。

その構図とぴったりです。
よーく考えて、モーテルに入る前のガソリンスタンドの店員との

トラブルを思い出しましょう。じゃあスタンドへ〜。しかし

そこにいた違う女店員に無理やり..。どこまで気弱なんだろう。

でも憎めないろくでなし、なんて歌がありましたね。

そんな感じです。

 

68キル

 

苦労して居場所を突き止めたガソリンスタンドの女店員は

実は先ほどの女とグルなんです。もう〜よく考えたらわかる

んだけど、いや見ている方も全然わからない。

先が全く読めません。え?え?これでどうなるのか、と思って

いると、チップはサンドバック状態になって、また気を失って

しまう。目が覚めると今度はライザとドウェインが突入して

くるんです。

 

68キル
 

もうここからはクライマックスですよ。いや、ずっとそうでしたが、

ちゃっちゃか腕は飛ぶし、血は流れるし、ドウェインの

マイブームの映像すらも見せてくれます。だから血が怖い人は

見てはだめだって。
この経験でチップは一気に成長するんですね。いろいろなことを

学習するんですね。ラストシーンはそれを物語るものでした。
個人的にはすごく面白かったし、テンポもよくて楽しめました。

 

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エル ELLE

4

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

エル

 

「エル ELLE」

原題:Elle

監督:ポール・バーホーベン

2016年 ベルギー=ドイツ=フランス映画 

131分 PG12

キャスト:イザベル・ユベール

     ローラン・ラフィット

     アンタ・コンシニ

     シャルル・ベルリング

     ビルジニー・エフィラ

 

ゲーム開発会社のCEOミシェルは、自宅に侵入して

きた黒覆面の男に乱暴される。しかし彼女は通報せず

普通に暮らし続けるが、その男からのメッセージを

受け取り、さらには社内のPCにミシェルを嘲る動画が

流されるのだった..。


<お勧め星>☆☆☆ 暴行犯を追いつめる話かと思いきや

かなり斬新なストーリーです。


行動せよ、強い女性たち。


監督は「トータル・リコール」(1980)「氷の微笑」

(1992)「ブラック・ブック」(2006)などを

手掛けたポール・バーホーベン。

この映画では登場する人物が「変な」人ばかりなのです。

主人公ミシェルは置いといて、

1、ミシェルの息子ヴァンサン 仕事が長続きせず、

やっとファストフードの店員になったばかりなのに、

恋人ジョジーの妊娠を喜ぶ。その子の父親が誰かよりも

父親になりたいらしい。
2、ミシェルの元夫
リシャール 自称作家。何か書いて

いるらしいが、実績はなく、それでいて若いエレーヌと

熱烈交際中
3、ミシェルの母
イレーヌ かなり高齢なのにプチ整形

をし、若く、どう見ても金目当ての男と結婚を希望中
4、ミシェルの仕事のパートナー、
アンナ ミシェルと

同じ日に同じ病院で子供を死産し、ヴァンサンに母親の

ように接している。ミシェルとは昔関係があったのかな。
5、アンナの夫
ロベール ミシェルと浮気中だけれど、

別れたいミシェルに未練たらたら。
6、ミシェルの隣人パトリック 信仰心の厚い銀行員。

ミシェル、ちょっと気に入っている。
こんな変な人たちに全て関係しているのがミシェルであり、

公の部分ではゲーム会社のCEOとしてトップに立ち、

私的な部分でも常に支配する立場にいたいのか、もしくは

負けを認めたくないのか、人間として持ち合わせている

はずの優しさが限りなく欠如しているのか、そのどれでも

ないのかわかりません。ミシェル役はわたしの大好きな

イザベル・ユベールです。「愛、アムール」(2012)

「アスファルト」(2015)「ハッピーエンド」(2017)

などを見ましたが、イチオシは「アスファルト」かな。

ミシェルは映画内では実はかなり「変態」でもあるのです。
この映画内ではところどころ笑ってしまうポイントがあって、

たとえばミシェルが母に久しぶりに会った時の最初の言葉が

「また整形した?」

 

エル
 

それからジョジーが待望の出産を終えた時生まれてきた子供が、

どちらにも似ていなくて、どう見てもアフリカ系の風貌だった

のを見て、ミシェルが「DNA鑑定しないと」
ミシェルの自宅のクリスマスパーティーに招待したリシャールの

恋人の料理にだけ1つずつ爪楊枝を仕込んでおく

 

エル
 

他にもあちこちにクスっと笑えるシーンがあり、おかしいな、

この映画は暴行犯を見つけ出す内容じゃないのかと途中で

気がつく始末です。ああ、ジャケットの文字をよく読むべき

だったか。

 

エル
 

ミシェルが暴行されたことを通報しないのは、警察と

関わり合いを持ちたくないわけで、その理由は、少しずつ

映画内で説明されていきます。その事実はおぞましすぎる

ものなのですが、それが今の彼女にどれほどの影響を与えた

のか、これもわかりません。ただ「灰かぶり少女」と新聞に

写真入りで掲載されたミシェルが、その時からずっと強く

生きてきたことは確信します。少々のことでは動じず、

皮肉屋であり、奔放であり、冷血であり...。
「嘘はやめた」と語るミシェルが今までどんな「嘘」を

ついてきたのだろうか。彼女ほど自分に正直に生きている

女性はいないのではないかと思ってしまいました。

 

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MASTER/マスター

4

JUGEMテーマ:韓国映画全般

 

MASTER

 

「MASTER/マスター」

原題:Master

監督:チョ・ウィソク

2016年 韓国映画 142分

キャスト:イ・ビョンホン

     カン・ドンウォン

     キム・ウビン

     オ・ダルス

     オム・ジウォン

 

投資会社会長チンは、一般投資家から多額の金を

集め、権力者に賄賂を渡しながら勢力を拡大している。

刑事ジェミョンをチーム長とする捜査班は、チンの

側近ジャングンを利用し、チンの裏帳簿を入手しよう

と計画するが...。


<お勧め星>☆☆☆半 やや長尺ですが、丁寧に作られて

いて十分楽しめます。


実話の方がすごい


この映画は、実在の事件「チョ・ヒパル詐欺事件」を

モデルにしている、と書かれていますが、その事件を

全く知らないので少し調べてみました。それは韓国で

史上最大の金融投資詐欺事件といわれ、一般投資家から

金を騙し取り、会員を増やしたあげく、4兆ウォン以上

稼いだ上で、事件が発覚する直前に資産を現金化し、

中国に逃走したというもの。被害者は4万人以上に上り、

自殺者も出ていたのに、チョ・ヒパルは中国で病死したと
発表されるのです。ところが彼の側近がその後、不法滞在

で逮捕されると、実はチョ・ヒパルは生きており、警察

内部にも協力者がいたと話したことで、大騒ぎになった

らしい。ちなみにチョ・ヒパルの生死はいまだに不明なの

です。

詐欺事件といえば、日本では高齢者を中心に被害に遭った

「豊田商事事件」を思い出します。2000億円近くの

被害額に上ったあげく、逮捕されるという情報が流れた

その日に、つめかけたマスコミのまさにその前で、

2人組の男が会長の部屋に押し入り彼を殺害するまでが

リアルタイムでテレビ画面に映っていました。今思うと、

「なぜ」という疑問が幾つもわきますね。

 

MASTER
 

それはそうと、この映画では、チン会長役のイ・ビョンホン

のクズっぷりが凄まじいです。マルチまがい商法で富を蓄え、

まるで宗教の指導者のようにステージ上に現れるシーンは、

彼のオーラが全開!そしてその中にうさん臭さプンプン、

金のにおいプンプン。

 

MASTER
 

一方彼を追う刑事ジェミョン役は、カン・ドンウォンで、

あくまでもスマートでかっこいいのです。少しくらい殴られた

くらいでは、この綺麗な顔は傷つきません。この人もいつかは

ビョンホン様のように汚れた役が似合うようになるのかしら。

ジェミョンのチームがチンの側近でハッカーのジャングンを

丸め込み(半ば脅し)、チンの犯罪の証拠となる帳簿の入手を

計画するのですが、それが失敗するのも当たり前の展開です。
詰めが甘かったのか、いや、話がこれで終わってはまったく

もってつまらない。後半は舞台をフィリピンに移して、チンの

フィリピン政府を巻き込んでの詐欺話が始まるのです。ちょっと

規模が大きくなりすぎだし、それなのに休暇を取ったことに

なっているジェミョンが捜査の指揮に当たるのはあまりに違和感

ありまくりだけれど、それもこれも「執念」ということで

終わるのかなあ。国をまたいでの捜査で、その国の警察まで
動員するのってそんなに簡単じゃないと思うけれど、韓国と

フィリピンは捜査協力するのが早い段階で行われるらしい。

(ちょっとここは定かではない)とりあえず、ジェミョンと

チンの韓国国内での仕事を引き継いだフアン(オ・ダルス)、

そしてチンの三者の駆け引きに、ジャングンが加わり、

騙し騙されの連続です。この種明かしが回想シーンとして

その場で入り込むの、そうか!と納得できます。
終盤には派手な銃撃戦とワンボックスカーとトラックとの

カーチェイス、そこでビョンホン様ったら、こんな表情も

見せてくれます。

 

MASTER

 

スターはやはりどんな表情でもできないといけません。いつも
主役で、例えば原作本があっての映画なのに、原作にない

主役の素敵さアピール映像はまったく不要。その俳優のための

映画で秀逸な内容だったためしがない、とわたしは思って

おります。
ラストのラストにはイ・ビョンホンとオ・ダルスの小ネタを

仕込んで合って、これもクスリと笑わせてくれます。

 

MASTER

 

愛だの恋だのでノロノロ進むストーリーではなく、そこは

さっぱりそげ落とされているのも小気味のいい内容でした。

 

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